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水中カメラマンが東京湾で目撃した謎の潜水艦を取り巻く各国の思惑。新型潜水艦をめぐる当局と目撃者。日本と各国の駆け引き。冒険小説として平均点を超えており、不安なく楽しめる。日本の当局が、ここまで思い切った対応を打てるかは激しく疑問だが、ソ連からのスペツナズ侵入などは現実として有ったのではないかと思えるためリアルの範疇に有る設定だと思われる。ハラハラドキドキは有るものの、社会派小説を読んだ後のような充実感が無いのが中身が薄い印象を拭えない理由だと思われる。何も考えずアクション映画を見てスカッとしたいときに手に取ると良いかも知れない。 >> 続きを読む
2011/03/10 by ice
「事実は小説より奇なり」という諺は、事実は概して平凡で、つまらないものだという常識を前提としている。もし本当に、事実が小説よりも面白ければ、誰もエンターテインメント小説など読まないだろう。ただ、リアリティとアクチュアリティという点では、小説は事実にかなわない。そこで事実をベースにして、いわゆる虚実皮膜の間に物語を仕掛ける"半実録もの"とでも言うべき作品が増えてきているように思う。ジャンルとして、よく言われるようになった「IF小説」というものだ。日本で、このIF小説に先鞭をつけたのは、第32回日本推理作家協会賞を受賞した檜山良昭の「スターリン暗殺計画」だと思う。そして、檜山良昭は、この「スターリン暗殺計画」で華々しくデビューした後、「日本本土決戦」「アメリカ本土決戦」「ソ連本土決戦」などの"IFシリーズ"で、独自の作風を打ち出し、この分野の第一人者になっていると思う。昭和13年6月、ソ連のリュシコフ大将が越境して「満州国」に亡命したと、日本陸軍報道部が発表した。この事件は、当時の新聞に大きく取り上げられたが、リュシコフのその後の消息については、何の記録も残されていない。そこで「私」(作者)は、当時の朝鮮軍司令部情報課長をはじめ、現存する関係者を訪ね歩いてインタビューを行ない、亡命事件の背後に隠された「スターリン暗殺計画」の全貌を明らかにするのだった-------。この作品は、文献と証言だけで構成されており、小説というよりドキュメンタリーのような印象を受ける。しかし、それは檜山良昭の小説的な工夫であって、リュシコフの死は、実は戦後まもなく確認されていたのだ。小説を面白くするために、史実を曲げても良いのかどうかは意見の分かれるところだろうが、ともかく、この作品のおかげで「事実は小説より奇なり」という諺は、単なる反語にすぎないことが実証されたのだ。 >> 続きを読む
2019/05/23 by dreamer
【桧山良昭】(ヒヤマヨシアキ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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