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福田恒存

著者情報
著者名:福田恒存
ふくだつねあり
フクダツネアリ
生年~没年:1912~1994

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このランキングは1日1回更新されます。
      老人と海
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Tsukiusagi Minnie su-kun sunflower cocodemer niwashi ryoh3 Hyonmin
      • 【忘れていた物語】
         私の手元にあるのは、新潮社文庫で、福田恒存(本当はもっと難しい字なのですが出ないので勘弁)さんの訳のものです。
         表紙も、この現在の文庫の表紙とは全く違っていて、当時の新潮社文庫の表紙絵はヘミングウェイの顔が描かれていました。

         さて、私の中に残っていた『老人と海』は、年老いた漁師が一人で漁に出て、カジキマグロの大物を釣り上げる死闘を描いた……という印象、記憶でした。
         それはそれでその通りなのでしたが、私の記憶からはサンチャゴ少年のことが全く欠落していたのでした。

         主人公の『老人』は、かつてはマグロ捕りの名手でしたが、今は年老いてしまい、お金もなく、うらぶれてしまっていました。
         ですが、漁師見習いみたいなサンチャゴ少年は、老人のことが大好きで、何くれと無く世話をしてくれていました。
         サンチャゴ少年も今では『老人』とは別の船に乗り込む漁師の端くれです。

         『老人』は、かつてのように大物のカジキをつり上げることを願い、ある日、一人で漁に出ます(漁ったってボートのような船ですよ)。
         そこで、大物のカジキをつり上げ、その後の死闘が描かれるという物語でした。

         幾日にも及ぶ死闘で、年老いてもうしびれて駄目になってしまった片腕を叱咤しながら何とか浜にカジキを持ち帰ろうとする『老人』が描かれます。
         『老人』は大リーグの野球が大好きだったんですねぇ(すっかり忘れていました)。
         大好きだったディマジオのことを考えながら自分を励ましたりもします。

         『魚類』との壮絶な戦いと言えば、すぐに思い浮かぶのは『白鯨』(鯨はほ乳類ですね)ですが、あれとは全く違うテイストの作品となっています。
         悲壮さがないのですよ。
         いえ、確かに壮絶な戦いなのですが、何故か乾いている……つまり、カラっとしているように感じました。

         結末はすっかり忘れていました。
         あぁ、こうなっちゃうんだっけ。
         短いお話ですので、私のように完全に忘れてしまった方は是非読んでみてください。
         敢えて結末は書きませんので。
        >> 続きを読む

        2021/05/24 by ef177

    • 他25人がレビュー登録、 91人が本棚登録しています
      ドリアン・グレイの肖像
      カテゴリー:小説、物語
      4.8
      いいね! Moffy
      •  結局のところ、一番の幸せは「善良に生きること」一つのみ。

         これを犠牲にして手に入れたのは全てただの「快楽」であり、堕落でしかない。


         「魂はおそろしいほど現実的なものだよ。売ることも買うこともできる。それに何かと交換することも。毒することや完璧にすることもできる。我々はそれぞれの魂を持っている」

         -ー終盤にあるドリアンのこの一言が、全てを物語っている。
        >> 続きを読む

        2021/09/29 by Moffy

    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      夏の夜の夢
      カテゴリー:戯曲
      3.8
      いいね!
      • 【翻訳では決して味わえない?】
         本書には、『夏の夜の夢』と『あらし』の2編が収録されています。
         それぞれについてコメントを。

        ○ 夏の夜の夢
         本作は、大きく言って三部構成になっています。
         第一部は3組の恋人達の顛末騒動。妖精の王が惚れ薬を仕掛けてなんとか上手く収めようとするのですが、子鬼のパックがしくじって余計混乱するというのが第一部。
         第二部は劇中劇。婚礼の祝いのために、町民がろくでもない演劇を繰り広げるという喜劇。
         そうして第三部はその大団円としての妖精達の世界。
         本作は、シェークスピアの「喜劇」に分類されます。
         確かに第二部などはそうでしょう。
         そうして、この作品は、シェークスピアが、とある貴人の婚礼祝賀のために書いた作品であろうとされています。
         そうそう、普通は『真夏の夜の夢』という邦題になっていますが、この新潮文庫では敢えて『夏の夜の夢』としています。
         それは、本来は、この妖精譚は伝承物語もあって、夏至の夜の物語として書かれたはずのものであったこと、加えて、実際には5月位を意識して書かれていたとのこと。
         それらの理由から、『真夏』という日本語の語感ではあまりにも原作の意図とかけはなれてしまうとの思いから敢えて一番通っているタイトル名に異を唱えたのだとか。

         ○ あらし
         本編は復讐譚です。
         とは言え、これも喜劇に分類されており、例えば『リア王』などのようなおどろおどろしさは全くありません。
         弟の裏切りのために、ミラノ公の地位を追われたプロスペローは、娘の美貌のミランダと共に無人島に島流しにされてしまいます。
         プロスペローは魔術を身につけ、復讐のために弟その他が乗り込んだ舟を嵐に遭遇させ、この無人島に引き寄せてしまいます。
         そうして……という物語。
         これは、シェークスピアの最後の作品なんですね。
         でね、エピローグでは、プロスペローの手足となって使えていた大気の精のエーリアルが登場します。
         エーリアルはプロスペローの復讐が遂げられて、自由の身になるのですが、本当に自由になるために、観客の皆様の拍手をお願いしますという口上を述べに最後に登場するのですね。
         解説によると、『あらし』は本当に美しい作品で、それは翻訳によって再現することは不可能なのだとか。
         私は、原書でシェークスピアを読む能力を持ち合わせていないので、おそらく、一生その美しさを味わうことはできないのだろうなと思いました。

         確かに、シェークスピアの作品は、ストーリー的にはどうしてそれほどまでに高い評価を受けているのだろうと思う作品ばかりです(個人的には)。
         おそらくは、私が知り得ない、原文の魅力というのが大きいのだろうなと羨望の気持ちで読み終えた次第です。
        >> 続きを読む

        2021/05/21 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      リチャード三世
      カテゴリー:戯曲
      4.8
      いいね!
      • 本書の解説でもあったように、シェイクスピア作品の中でもテンポが速い作品だと思う。
        薔薇戦争をモデルにこの史劇は書かれたが、そういった知識を踏まえてから読むと当然もっと面白いだろう。

        多い登場人物、関係が複雑で把握しにくいところがあるが、これは前知識を持っているか、あるいは慣れの問題だろう。

        口に出した呪いの言葉は、自分に降り掛かってくる。これが繰り返され、呪いは運命となり一族を苦しめる。
        人を呪ったり、中傷したりしてはいけない!それは自分に降り掛かってくる。こういう教訓をこの本を読んで再確認した。

        もうすこし知識を持って読めば、今とは違った感想が出てくるだろう。テンポが速くスラスラ読めるが、人物関係が複雑でちょっと把握しにくい。文学初心者には難しいかも。しかしある程度本を読み慣れている人ならそこまで苦心せず読めるだろう。
        >> 続きを読む

        2015/06/09 by Nanna

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      サロメ
      カテゴリー:戯曲
      4.0
      いいね!
      •  『偽りの春』に、サロメのエピソードが登場し、読みたくなりました。この作品を味わうには、もっと背景の知識もないとという感じでした。ストーリーもさることながら、挿絵もセンセーショナルで忘れられません。 >> 続きを読む

        2020/05/13 by youda

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ジュリアス・シーザー
      カテゴリー:戯曲
      4.0
      いいね!
      • 英雄となったシーザーの凱旋と、出迎えるローマの人々。
        競技の席では、アントニーが、3度シーザーに捧げようとした王冠を、シーザーは3度とも退けます。

        しかし、キャシアスやブルータスは、シーザーの野望を危惧していたのです。
        そして、1人の占師がシーザーに呼びかける「気をつけるがよい。三月十五日を」という言葉----。

        「ジュリアス・シーザー」という題名であり、確かにジュリアス・シーザーの暗殺を中心に描いた戯曲ではあるのですが、主役はジュリアス・シーザーその人ではないんですね。

        むしろ主役はブルータス。もしくは、その暗殺をめぐるブルータスとアントニー。
        もしくは、群像劇といった印象です。

        クライマックスは、暗殺そのものは早い時点で終わってしまい、その後の市民を前にした、ブルータスとアントニーの演説合戦がクライマックスとなります。

        「私はシーザーを愛していた。しかし、それ以上にローマを愛していたのだ」と言い、自分の演説が終わってもアントニーの演説を聞くようにと市民を説得するブルータス。

        それに対して、なかなか狡猾なアントニー。彼は決してブルータスを誹謗中傷はしません。
        それどころかブルータスの人格を褒めちぎります。
        しかし褒めながらも、巧みに市民の意識をずらし、シーザー礼賛にすり替えていくのです。

        もちろん、自分の立ち位置は安全圏に確保しています。
        そして、アントニーの演説が終わった時、既に勝負がついているのです。

        ブルータスは、世間知らずの育ちの良いおぼっちゃまという位置に成り下がってしまいます。
        この作品では、まるでシーザーの腰巾着のようにも見えてしまうアントニーですが、さすが弁論術の盛んだった古代ローマの政治家。

        ブルータスやキャシアスは、なぜシーザーを殺そうとしたのか。
        塩野七生の「ローマ人の物語」を読んでいても、今ひとつすっきりしない部分でした。

        そちらを読むと、まるでブルータスたちの行き当たりばったりの犯行で、シーザーの死は全くの無駄死にだったという印象が残ります。
        シーザーが、一手に権力を握ることを阻止しなければならないという熱意のみで、それ以外は、あまり何も考えていなかった行動だったように思えるのです。

        そして、この作品を読んでも「そうだったのか」と膝を打つところまではいきません。
        終身独裁官となったシーザーに集中した人気と権力を面白くなく思い、そして危惧したというのも理解できますし、ブルータスが高潔な人物であり、その理想の道を進もうとしたこと、そんなブルータスを周囲の面々が利用したことはよく分かるのですが------。

        ここまで見事な演説合戦を繰り広げる作品なだけに、惜しい気がします。
        やはりその辺りをもう一歩踏み込んで描いて欲しかったですね。

        >> 続きを読む

        2021/03/05 by dreamer

    • 3人が本棚登録しています
      じゃじゃ馬ならし
      カテゴリー:戯曲
      いいね!
      • この本の名言をご紹介します。

        ***
        ぼんやりしている心にこそ恋の魔力が忍び込む >> 続きを読む

        2012/09/26 by 本の名言

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      お気に召すまま
      カテゴリー:戯曲
      いいね!
      • この本の名言をご紹介します。

        ***
        この世はすべて舞台だ。
        そして男も女もその役者にすぎない。
        >> 続きを読む

        2013/10/24 by 本の名言

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