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池上遼一

著者情報
著者名:池上遼一
いけがみりょういち
イケガミリョウイチ
生年~没年:1944~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      Cryingフリーマン - 壱
      5.0
      いいね! ice
      • Cryingフリーマン 第1/全9巻

        香港マフィアに利用され、自分の意志とは無関係にターゲットを殺害する殺し屋 窯。

        随分前に読んだ際、強烈に面白かった記憶が有ったが、再読でも感想は変わらず。

        自らの意志とは無関係に命令通りターゲットの生命を奪う殺し屋 窯。
        殺しの瞬間、自身を取り戻し、涙を流す姿が哀しい。

        本当に人間の身体にそんなことが出来るのか?と思いたくなるような設定では有るのだが、香港の怪しい老人なら、もしかしたら出来るのかも。と妙に説得力が有るのが不思議だ。

        随分前に読んだのだが、ストーリーを全く覚えておらず、ただただ強烈に面白かったことだけが記憶に残っている。
        おかげで再読となる今回も、全く先の展開の予想が付かない状態で読めている。
        この時ばかりは、記憶力のダメさに感謝せざるを得ない。

        元々、池上遼一の絵が好みでは有るのだが、冷たい美形でしか有り得ないフリーマンは彼の作風にピッタリだと思う。

        香港とマフィア、ともに興味分野ということが大きいのだと思うが、それにしても面白過ぎる。

        やはり少年誌よりも、青年誌の作品の方が読み応えが有ることを実感した。
        >> 続きを読む

        2012/10/05 by ice

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      Cryingフリーマン - 弐
      4.0
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      • Cryingフリーマン 第2/全9巻

        窯が暗殺者として育て上げられ、フリーマンと化して行く過程が明かされる。

        百八竜は、窯から全てを奪うのかと思いきや、本当に窯のカリスマ性に期待しているようなのが意外。

        前半は、百八竜の暗殺者として窯が鍛え上げられる過程をなぞっていく展開。

        あんなに優雅に振る舞えるようになるための訓練など、説得力の有る形では不可能と考えていたが、意外や意外、もちろん窯の卓越したセンスに依存する面は大きいものの、説得されてしまう場面の連続だった。

        面白かったのは、暗殺者として頂点を極めるためのポイントとして、女性の心を掴む必要性を説いているところ。
        育成の過程で、それを試しているところも見応えが有った。

        後半は、絵霧とのロマンス。

        暗殺者=殺人マシーンという扱いで、まさか組織が自由恋愛など許容するはずはないと思ったのだが、窯は組織の新参者にも関わらず、末はトップにと思われているVIP待遇なようだ。

        日本のヤクザが赤子の手を捻るように扱われているのは痛快で有る判明、正直少し面白くない面は有るのだが、窯のクールなカッコよさを引き立てるためと思えば、致し方なかろう。

        おそらく日本と、そして過去と決別することになるで有ろう窯の今後が気になって仕方が無い。
        >> 続きを読む

        2012/10/09 by ice

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      Cryingフリーマン - 参
      4.0
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      • Cryingフリーマン 第3/全9巻

        絵霧を手に入れて表情に明るさが戻る窯。百八竜の長として動き始める。

        権力を集中にし、更に魅力を増す窯。

        気がついたら百八竜の長への道を爆進していたらしい。

        振りは確かに有ったものの、とくに説明もなく百八竜の長に就任するのはいかがなものかとは思うが、さすがはフリーマン。ボスとしても魅力あふれる男である。

        絵霧を娶り、権力を集中にした今、先の展開が読めなくなった状態だが、おそらくは他勢力の併合などに舵を取るのではないかと思う。

        印象的だったのは、百貫デブ女の白牙扇。
        登場時には、まさに化物と思ったが、フリーマンに諭されてからは、まさかのカワイイキャラに変貌。

        外見との落差に、確かにカワイイと思ってしまった。
        やはり女性の魅力は外見だけじゃないのだと、こんなことから再認識した。

        そして何と言っても、ずっと行動を共にして来た黄の最後。不覚にも泣けた。
        本気で仕事をしているヤツは仲間とハートで繋がっているのだと胸に響いた。

        百八竜は非合法組織なのに、潜水艦まで所持している。そんなこと可能なのか?とリアリティ認識に悩んでしまう。
        >> 続きを読む

        2012/10/13 by ice

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      Cryingフリーマン - 四
      4.0
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      • Cryingフリーマン 第4/全9巻

        秘密結社 百八竜の首領となったフリーマンを襲う試練。

        これまでで最も深い悲しみ。フリーマンの慟哭に胸を突かれる。

        冒頭、非常に印象的なシーンが織り込まれる。

        妻となった絵霧に対し、夫婦の在り方についての考え方を諭す。

        白楽天の長恨歌から「比翼連理」が引用される。
        「天に在りては比翼の鳥となり、地に在りては、願わくは連理の枝とならん。」

        > 比翼の鳥とは古代の想像上の鳥で、雌雄おのおの目と翼が1つずつで、いつも一対になって飛ぶ。
        > つまりどちらが欠けても飛べないという鳥なんだ。

        連理とは、木と木の枝が連なって、木目が一つになること。男と女の愛の深さを例えたことわざで有る。

        2つに裂けない愛。2つで1つの愛。
        どちらが死んでも残った方も生きてはいけないという例えになっている。

        秘密結社の首領という立場で有る自分は対立組織に常に狙われる状況に有る。
        その妻の誘拐を目論む組織が有ることは容易に想像できるが、その妻が誘拐されれば自殺してしまうと認知されれば誰も襲わない。
        「龍虎分離」という言葉で、自分たちの愛は、そういう緊張感の上に成り立っているのだという厳しい考えを伝えている。

        本筋としては、多くの奇妙なナイフ使いを中心に組織されている対抗組織「アフリカの牙」

        そこから送り込まれた暗殺者に狙われ、フリーマンを守るために長老衆「 十行星」が次々身を呈して盾となり生命を落とす。
        自らの指導力の至らなさの結果招いた悲劇に号泣するフリーマンが痛々しい。

        復讐に燃えるフリーマンが、「アフリカの牙」の2人の指導者を叩くところまでは緊張感溢れるシーンの連続だが、背後に控えていた、いかつい女性指導者バグナグの懐柔に、この作品の本当の面白さが溢れている。

        ここまでの男性に言い寄られたら、断れる女性はいないのではないかと思わせる魅力が彼には有る。
        >> 続きを読む

        2012/10/15 by ice

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      Cryingフリーマン - 五
      4.0
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      • Cryingフリーマン 第5/全9巻

        妖刀(鬼包丁)村正を持った訪問者。

        時価2億円は下らないという、闇の名刀村正。剣豪好きのハートを鷲掴みする設定に、それだけで満足させられた。

        フリーマンの元を訪れる妖刀村正を携えた刺客。

        予想通り、一蹴するフリーマンで有ったが、釘付けになったのは、村正の存在感。

        捨てようと海に投げ込んでも、刃が鮫を貫き、傷付き苦しむ鮫と共に甲板に戻って来るほどの、村正自身の意志としか思えない展開が堪らない。

        刀は持ち主に愛されたい。
        刀を愛するという事は、「抜き、刀に風を呼び、冴えを見せて斬る」こと。

        刀として正しく使われずに、宝物として所有されることに反発してきた結果、持ち主自身をも傷つけてきた村正。

        フリーマンへ、その刃が向かないように、己が所有者となることを決心する絵霧だったが、男尊女卑の時代に作られた刀は、女性の腰に帯びられることを恥とするため、それは困難を極める。

        しかし、仲間を信じ、フリーマンへの真摯な愛を貫く絵霧は、やがて村正に真の所有者として認められるに至る。

        剣の達人を求め、白牙扇とともに、今や撤去された九龍城へ向かうのも、時代の流れを感じさせた。

        本筋としては、百八竜の組織壊滅の動きの根源は日本に有ることをキャッチしたフリーマンが、アフリカの牙ダークアイ(バグナグ)を派遣する。
        日本で待ちうける雄首冬獄に軽くあしらわれてしまうバグナグだが、瀕死の重傷になりつつも、フリーマンへの信頼と愛を捨てない。

        まさか黒幕は別だとは思うが、日本で揉めていたヤクザの後家が本当の黒幕だったとかは止めて欲しいものだ。

        全身に虎の刺青を施した絵霧が、村正を握り、裸で舞う様は確かに絵のような美しさが有った。
        >> 続きを読む

        2012/10/17 by ice

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      Cryingフリーマン - 六
      4.0
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      • Cryingフリーマン 第6/全9巻

        百八竜に牙を剥く謎の勢力に単身立ち向かうフリーマン。
        -
        策士策に溺れるという言葉がピッタリと合うような敵の黒幕が残念。

        もはや表立って百八竜潰しにかかる謎の組織。
        その全容解明のため、単身敵に向かうフリーマン。

        言わば、戦闘力抜群の香港マフィアで有る百八竜に対して、ケンカを売るような日本の組織が有るのか?
        そして、そうする理由の説明がつくのか?という疑問を持っていたが、上手く解決されたので安心した。

        詳細には触れないが、要旨としては、勢力を拡大して来た新興宗教が、ついには体制の転覆をも狙うようになった。
        そこで戦闘訓練が行き届いた百八竜の精鋭部隊ごと欲しくなったというもので有る。

        てっきり利権に関わる話だと思っていたために、意外性の有る展開が面白かった。

        この目的と達成するため、敵の組織はフリーマンの影武者を用意し、本物を暗殺するわけだが、この虎口を乗り切るフリーマンの手腕がこれまた鮮やか。

        もはや、この人にかかれば、抗う女性など存在しないかのようなジゴロ振りで有る。

        これだけ女性にモテまくっているのに、全く反感が湧かないのも首領の器量と言うものなのだろうか。
        >> 続きを読む

        2012/10/18 by ice

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      Cryingフリーマン - 七
      4.0
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      • Cryingフリーマン 第7/全9巻

        百八竜の本拠地まで乗り込んで来た敵を、元から断つことに成功したフリーマンを襲う次の敵。

        今回はフリーマンを抑え、村正で窮地を救った絵霧が最も冴えていた。

        単身敵の本拠に乗り込むことで敵を欺き、自らの本拠地に迎え入れたところでトドメを刺す。

        もはやカッコ良すぎて、少々のことでは驚かなくなって来てはいるのだが、やっぱり彼の胆力には驚かされる。

        絶対的優位に立ったと思いきや、まさかの窮地に立たされるも、村正の主となった絵霧が一刀両断する。
        その圧倒的な美しさはもちろんだが、ともに直接的に同じ目的に向かって歩んでくれる伴侶の存在が、フリーマンをこうも強くさせているのだと実感。

        続いてはチャイナタウンのボスからの救援依頼。

        今回の敵は、マフィアとヤクザのレベルではなく、師団。もはや軍で有る。
        この強力な火力に対して彼はどう立ち向かうのか。目が離せない。

        完結まで残り僅かとなったが、この作品は完結せずにずっと続いて欲しいものだ。
        >> 続きを読む

        2012/10/22 by ice

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      Cryingフリーマン - 八
      4.0
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      • Cryingフリーマン 第8/全9巻

        軍隊レベルの敵に因われたフリーマン。救出に向かう姉妹。

        後半の溢れる優しさが染みる。やっぱり強いだけでは人はついていかないことを思い知らされる。

        前半は、退役軍人を中心に組織された擬似軍隊からの逃避行。

        村正使いの妻と、百貫デブの義妹が救出に来るものの、もはや特別見るべき所はない。
        今回も見事だが、毎回あまりにも見事なので、良い意味でスルー。

        後半は雄首冬獄の忘れ形見たる母子へのフォロー。

        母の匂い立つような美しさと、凛とした立ち振舞いが印象的。

        雄首冬獄との約束を果たすべく救いの手を差し伸べるフリーマンだったが、縋るのを良しとしない彼女との間に擦れ違いが起こる。

        本来なら、このまま袂を分かって何の問題も無いはずだが、さすがはフリーマン。
        自らを窮地に立たせることになるにも関わらず、彼女の気持ちを溶かしにかかる。

        こうして、また1人フリーマンに心の底から惚れてしまう女性が増えた。
        罪な男で有る。そして、あまりにも罪が無い、生真面目な男で有る。

        次回最終巻だが、そこに続くような終わり方では無かった。さぁ最終回、どういう風に締めくくるのかが楽しみで仕方が無い。
        >> 続きを読む

        2012/10/25 by ice

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      Cryingフリーマン - 九
      4.0
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      • Cryingフリーマン 第9/全9巻

        最終巻。百八竜の首領としての存在を確立したフリーマンの郷愁。

        ついに最終巻。相変わらず面白いのだが、最終巻としてオチが付かないところだけが不満。

        ロシアから来た豪快系美女の殺し屋を一蹴。
        続く、サンボを極めた怪人も若干の苦戦は有ったものの、とくに問題なく退ける。
        反旗を翻した参加組織への制裁を終えるところは、もはや水戸黄門を観ているかのような安定感が有る。

        場面は変わって、初恋の女性との郷愁に浸るフリーマン。

        これまでは香港マフィアの首領として、言わば公人としての仕事に追われていた彼だが、やっとプライベートに割く時間ができたと言うことか。

        こちらでも、もはや彼の前に脅威などなく、なんなく敵を片付けるものの、現場からの離脱に面白さが有った。

        周囲を固められた彼が取った行動は、警察に捕まって自身が日本人で現在は百八竜の首領で有ることを正直に話すというもの。
        結果、香港への強制送還となるが、香港では百八竜の影響力は警察にも達しているため帰国すると即釈放という展開で有った。

        これで最終巻となるが、最初から最後まで一貫して面白かったものの、最終話としてのスペシャル感は無いに等しい。
        これほど楽しませてくれた作品だけに、この終わり方でも良いような気もするが、少し物足りない感は否めない。

        ストーリーの面白さと絵の緊迫感。双方が優れていたからこその名作だと改めて感じた。
        >> 続きを読む

        2012/10/30 by ice

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      サンクチュアリ
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • サンクチュアリ 第1/全12巻

        表裏に分かれ、協力して日本を獲ると誓った高校生。政治家秘書とヤクザの組長として開幕。

        凄惨なまでに美しいヤクザの組長。もしかしたら、自分にとって、これ以上のヒーローの設定は無いかも知れない。

        絵に描いたようなと言うか、常に絵になる男、北条。
        北彰会会長としてヤクザ組織を率いている。

        大臣の椅子が間近に迫っていると言われる政治家の秘書になっている浅見。

        彼らは高校時代に協力して日本の総理大臣を目指そうと語り合い、北条が裏。浅見が表を担当する盟友である。

        今回は早速、浅見が秘書をやっている政治家のスキャンダルを、北条が捕まえ、引退を迫ると言う内容。

        サスガは現職有力政治家だけ有って、北条の上部組織の組長へ泣きついたり、海外から刺客を差し向けたりと、一筋縄では受け容れないが、そのひとつひとつに冷静に対処していく北条の美しさが堪らない。

        表の浅見が影響力を手にして行くためには、裏の北条の集金力やトラブル解決力が問われるわけだが、(彼らの現在の年齢設定はわからないものの)40歳には内閣総理大臣に就任することを目的としている以上、相当な勢いで成り上がる必要があるため、今後の展開のスピード感は約束されたようなものだろう。

        池上遼一が絵を担当しているのが大きいのだろうが、やはりクライングフリーマンに似た印象を受ける。
        まぁ、フリーマン大好き♪なので、歓迎すべき印象では有るのだが。

        ただ、このパターンだと、最終的には北条と浅見の激突に至るのが透けて見えるようなのが心配である。
        >> 続きを読む

        2013/05/12 by ice

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      I・餓男
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • I・餓男 アイウエオボーイ 第1/全8巻

        政財界の闇に踏み込んでしまったカメラマンの婚約者を失った男性の復讐劇。

        ダジャレと言うかふざけたタイトルだが、ストーリーは大マジのバイオレンスサスペンス。

        小池一夫原作で池上遼一が絵を担当という名作「Cryingフリーマン」と同じコンビの作品と言うことで手にとったのだが、あとがきに、クライング・フリーマンへ結実していくスーパーバイオレンスなキャラクターという記述が有ったのが嬉しい。

        結婚を控え、忙しく仕事をこなしていたTVディレクターの元に届けられた婚約者の死の知らせ。

        暴行された形跡も有り、あまりにも不自然な死の原因を探って行く内に、彼女が政財界の闇に触れてしまったことを突き止める。
        復讐を誓うも、逆に組織から生命を狙われる彼。

        怒りに燃えながらも、まずは身の安全と自由を手に入れるべく、耐えながら機会を伺う。

        悲劇では有るが、救われようも無い復讐の道に踏み込んでいく彼の生き様には複雑な感情を持ってしまう。

        自暴自棄になってしまうことや、婚約者への愛を貫きたい気持ちはもちろん理解できるが、既に婚約者はこの世を去っているのだし、その先には幸福が無いことがわかっている以上、いくら辛くても踏みとどまって、新しい幸福を探すべきなのでは無いかと思う。

        冷たいようだが、自分に責任がないことも有り、死者に忠義立てすることで自らの未来を捨ててはならないのでは無かろうか。
        亡くなった婚約者も、本当に愛情が有るのなら、決して彼のような生き方は望まないのでは無かろうか。

        作品のイメージとしては松田優作主演の大藪春彦作品「蘇える金狼」に似ていると感じた。
        >> 続きを読む

        2013/01/05 by ice

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      I・餓男
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • I・餓男 アイウエオボーイ 第2/全8巻

        マキが死の間際に訪ねるように遺言した女性、夏子との出逢い。

        復讐劇の王道パターンを進む展開に、早くも不毛感、空虚感に苛まれはじめた。

        恋人を殺された復讐に燃える猛夫。

        マキが死の間際で紹介してくれた新たな味方、夏子と出逢うことで、体力を戻すことに成功する。
        猛夫が計画を立案し、その金銭的な裏付けは夏子がなんとかするという役回りが決まる。

        その計画は、日本で大金を掴んだ後、アメリカに渡り、マスメディアを味方に付けた後、改めて日本に舞い戻り、復讐を実行するという壮大なものだった。

        そう言い出すとキリが無いのかも知れないが、日本の政財界のみならず、芸能界やスポーツ界にまで張り巡らされた組織の黒い糸がアメリカに及んでいないと考えるのは楽観的ではないかと思う。

        目的には凄い速度で近づいているのだが、結局、猛夫と出逢った人は不幸になっていく。
        復讐を達成するまでに、これから不幸にしてしまう人が増えることを考えると、彼も救われないだろう。

        それでは作品が成り立たないことは十分理解しているが、このパターンは瞬間的に展開が読めるものなので、安易に不幸の量産路線に進むのではなく、どこかに救いを用意して欲しいもので有る。

        これで2巻。1/4を消化したことになるが、タイトルの違和感は全く変わらない。
        >> 続きを読む

        2013/01/07 by ice

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      I・餓男
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • I・餓男 アイウエオボーイ 第3/全8巻

        アメリカに渡った猛夫。大金を持った彼に次々と襲いかかる人々。

        ここまで乾いたアメリカの描写には触れたことが無い。ここだけでも読む価値が有った。

        アジアが好きなのがその理由なのだが、アメリカというか欧米圏はハワイを除いて訪れたことが無い。
        従って当然アメリカ本土にも上陸したことは無い。

        それでも、最近は改善されて来たとも聞くが、ニューヨークの地下鉄やスラム街の酷さは何となく聞き及んでいるつもりでいた。
        しかし、アメリカ上陸を果たしたこの巻の冒頭で描かれるアメリカは完全に想像を超えていた。

        何と言うか乾ききった描き方で、逆に真に迫る怖さみたいなものが溢れている。

        大金を掴み、本名を名乗ることさえできない立場の彼に、欲にまみれた人々が襲いかかる。
        猛夫自身も、あっと言うまに順応し、もはや殺人マシーンと化してしまっているのが悲しい。

        しかし、目的を達成するためには手段を選ばない彼の、遂行力は凄まじく、ついに当初のターゲットとしていたハリウッドのボスへのコネクションを掴み、コンタクトするに至る。

        ここまで犯罪に手を染めると、もはや戻り道は絶たれてしまった。ならば派手に成し遂げることを祈ろう。
        >> 続きを読む

        2013/01/11 by ice

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      I・餓男
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • I・餓男 アイウエオボーイ 第4/全8巻

        鍵を握る映画プロデューサーと精神的な距離を詰める猛夫。

        何も持っておらず手負いの状態でも、ただ一緒に付いて行きたいという女性。男性にとっては憧れかも知れない。

        映画プロデューサーとの接点を掴むため、自宅に放火の上、拉致という手段に出る。

        ここまでやりきれば、もはや力を貸すどころか完全に許して貰えないコースに突入しそうだが、さすがに復讐に燃え、既に10人も殺して来ている男は迫力が違う。

        危機的状況からのサバイバル能力を試される脱出劇で知り合った女性からも、無償の愛を捧げられ、非常に不健康な道を進む中で、運は彼に味方して来ているようだ。

        驚きなのは、日米政府間で事の発端を恐れた勢力が、新たなる殺し屋を差し向けて来たこと。
        彼らは言わば政府公認の暗殺者で有り、これまでの連中とは確実にレベルが違う。

        これで半分を折り返したところだが、この先の展開を不安視していたため、新たな大きな布石となる彼らの登場は両手を上げて歓迎と言える。

        映画プロデューサーも、沈み行く自身の立場を盛り返すための武器として、猛夫を見ているのがリアルだ。
        >> 続きを読む

        2013/01/13 by ice

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      I・餓男
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • I・餓男 アイウエオボーイ 第5/全8巻

        復讐への大きな一歩を踏み出したかに見えた猛夫だったが、新たな魔の手が迫る。

        局面毎のハラハラ感はきっちり演出されているものの、やはり人が死に過ぎ。演出としては安直では無かろうか。

        用意された試練を乗り越えたことで映画プロデューサーとの面談に漕ぎ着ける猛夫。

        事の発端から現在に至るまでを詳細に語る機会が得られたことで、彼の信頼と協力を得ることに成功する。
        しかし、これで道が拓けたかと思いきや、彼を待つ試練は、まだまだこんなものでは無かった。

        国家機密保持と日米安全保障条約による日本側からの要請で猛夫を追うDIAの男達。

        超法規的な特権を駆使して執拗に追い込んでくる彼らは、非常に不愉快な存在では有るが、作品として見れば、マンネリ化を阻止する救世主で有ることは間違いないと思う。

        そんな彼らの魔の手から猛夫は、自転車サークルのようで有りながら、チョッパースタイルのバイク集団かのような強烈な存在感を発する女性達からの協力を取り付けることで擦り抜ける。

        これで残すところ3巻となるわけだが、キッチリと見せ場は作られてはいるものの、当初から先が見えていた通り、猛夫に関係した人間は皆不幸になって行くというストーリーは捻りも何も無い。

        「耐えた。己が為しとげなければならない大いなる目的のために耐えた。」

        もしかしたら、それが目的なのかも知れないが、こんな発想は一人よがりの利己的なものでしか無いだろう。

        「大きな犠牲を回避するためなら、小さな犠牲を厭わない」と言っているように聞こえるが、強大な闇の組織を壊滅させることには意義は有るものの、彼の場合は個人的な復讐のウェイトが大き過ぎるように感じてしまう。

        巨悪と、周囲の人間を不幸にすること。どちらが悪なのかは、難しい問題では有ると思う。
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        2013/01/27 by ice

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      I・餓男
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
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      • I・餓男 アイウエオボーイ 第6/全8巻

        復讐のため逃避行を続ける猛夫。

        独立した短編的なストーリーでは単なる逃亡者でしかないため飽きが来る。

        今回は逃走中のエピソードを連ねた短篇集的な構成で、全体のストーリー影響としては極小。

        特徴的だったのが、相手になる女性が2話を跨ぐような話が無かったこと。

        このシリーズは、しばらく行動を共にして来た女性を失って凹みながらも、人生を賭けた復讐を進めるために、冷酷に切り捨てて行くような話が多いが、感情移入する前に女性が消えて行ってしまうため、奥行きに欠ける面は有った。

        移民や麻薬、星条旗への思いなど、アメリカならではのネタからヒントを得たような話が連続しているのも面白く感じた。

        最終回が見えて来たくらいなのに、大きな展開は無くお茶を濁された形になっているのに肩透かしを食らった気分ではあるが、残り2巻で完結。

        ここまでは、正直期待していたほどでは無いのだが、終盤で挽回してくれることを期待しよう。
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        2013/04/07 by ice

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      I・餓男
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
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      • I・餓男 アイウエオボーイ 第7/全8巻

        ついにラスベガスに到達する猛夫。手掛かりであったギラムの娘と会うことに成功する。

        いよいよ次回最終巻。復讐は叶うのか、そして彼の心に安息は訪れるのか。

        この巻になってから、猛夫の洗練度が急に増し、クライング・フリーマンの窯と重なるシーンが多かった。

        そう思ったら、実はそもそもコンセプトも似ていることに気付いた。
        暗殺者として相手を殺した後に涙する窯だが、猛夫も愛してくれた女性を失う際に涙する。
        この作品の正常進化したものが、クライング・フリーマンなんだと半ば確信を持つに至った。

        この巻で、当面の手掛かりだった女性を追い、ついにラスベガスにたどり着いた猛夫は、ボロボロな状態で飛び込んだ紳士服店で、元マフィアでローズタトゥのガスと運命的な出逢いを果たす。

        ほぼ一目見ただけで、猛夫を息子のようだと受け容れ、更に生命を賭けて守ってやろうとする彼。
        もちろん純粋な好意では有るものの、その裏に死に場所を求めていた任侠の漢が垣間見え、泣けた。

        さぁ、次回いよいよ最終巻。
        DIAのサイキックとも決着を付けねばならないし、そもそも実は黒幕って誰なんだ的な部分も有り、キレイにオチを付けてくれるのかが心配でならない。

        解説は「グラップラー刃牙」の板垣恵介氏。

        本作品の原作を担当している小池一夫氏が主催する「劇画村塾」数々のマンガ家を輩出しているらしく、彼もまたその1人らしい。
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        2013/04/28 by ice

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      I・餓男
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      • I・餓男 アイウエオボーイ 第8/全8巻

        殺害された婚約者の復讐のために旅を続ける猛夫。完結編。

        ついに完結。続きがないという意味では完結。ストーリーが収束していなくても完結は完結...

        ついに全巻読了!
        しかし、まさかこんな気持ちで、この瞬間を迎えるとは想像もしていなかった。

        この巻の表紙を見た瞬間の何とも言えない違和感。誰だこいつは...?

        なんと1~7巻まで作画を担当していた池上遼一氏に変わり、松久鷹人なる人の絵に変わっている。

        最終巻ですよ!?

        劇画マンガ界の巨匠?池上氏が作画を担当しているから読み始めたのにも関わらず、何ともヒドイ仕打ちだ。

        とは言え、憤慨していても仕方がないので、冷静に考えてみると、前巻で終了というのはストーリー的に全く有り得ないため、、池上氏がどうしても時間が避けなくなったのだとしたら、作画担当をチェンジしてでもエンディングに持って行ってくれたのは感謝すべきかもしれない。

        しかし、こうした大人な事情を汲もうとする大人の努力も虚しく、ストーリー的にも裏切られる。

        オチが付かない...

        確かに宿敵サイキックとの死闘には明確な決着は付いた。
        ただ、戦闘能力は非常に高いライバルでは有ったが、彼の婚約者を殺害した勢力の中では小ボス的な立場に過ぎず、復讐という観点で言えば、全く話にならないと言わざるを得ない。

        結構長いことそれなりに楽しませて貰ったので、最後がこんな雑に放り投げれたのが残念でならない。

        この最終巻なら、ストーリー的には尻切れトンボでも前巻で終わる方が高評価だったのは間違いない。
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        2013/06/02 by ice

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      スパイダーマン
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
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      • スパイダーマン 第1/全5巻

        ある日突然、超常能力を手に入れた少年の活躍と苦悩。

        自分にとってのビッグネーム共演で期待が大きくなり過ぎたのが失敗だった。

        ・劇画風タッチで有名な池上遼一のマンガでスパイダーマン?
        ・スパーダーマンの原作がウルフガイシリーズの平井和正?(第7話より)

        と謎がイッパイなため、この作品に関しては最初に制作される経緯を紹介しておきたい。

        ハリウッド映画やアメコミで有名なスパイダーマンとの違いだが、「翻案マンガ」というものらしく、本家スパイダーマンと正式に契約の上で、ニューヨークを東京に置き換えて、マンガ化するというものだったらしい。

        このため、いわゆる変身後の姿は、本家と同じ赤青のコスチュームだし、スパイダーマンとしての特殊能力を持つに至る理由も原作と同じである。

        ただ、残念ながら内容は怪物的なものが襲って来たので、スパイダーマンが出動して対峙するぞぉ的なマンネリ感に1巻から突入している感じである。


        クライング・フリーマンなど、数々読んできている池上遼一ファンとしては、絵の感じが全く違うことに違和感(ガッカリ感)を感じてしまう。

        1970年作品なので、まだ彼の作風が定まっていないということなのだろう。

        ◆Wikipedia(スパイダーマン - 池上遼一)
        http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3_(%E6%B1%A0%E4%B8%8A%E9%81%BC%E4%B8%80)

        ただ、池上遼一と平井和正と言う、お気に入りの2人が組んだ作品だけに最後まで必ず読もうと思う。
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        2013/07/22 by ice

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      スパイダーマン
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
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      • スパイダーマン 第2/全5巻

        スパイダーマンを語り、悪事を尽くす偽スパイダーマンとの死闘。

        アクションの末、敵を倒して気分爽快!!みたいな要素が無いのに、ヒーローモノと言えるのだろうか...

        悪役を倒してみると、意外な素顔が現れ、そこには悲しいストーリーが有る。

        前巻もそうだったし、今後もそうなんじゃないかと思わせるマンネリ路線への入り口を感じてしまった。

        バクっと言ってしまうと、超常能力を手に入れた人間が直面する悩みや葛藤がテーマの作品で、人類に比較して、圧倒的な能力を持つスパイダーマン1人ではストーリーが続かないため、恒久的に敵役が必要となるパターン。

        後半では、敵役が人間になっているため、バカバカしいほどのマンネリ路線に突入する事態は回避されているが、このパターンは、早々簡単に抜け出せるものとは思えないため、正直あまり期待出来なくなって来た。

        ただ、つまらないのか?と言うと決してそんなことはなく、水戸黄門的な予定調和の面白さがある。

        スパイダーマン自身の葛藤ではネタが尽きそうなので、敵役の方の葛藤にフォーカスした方が良いのでは?と、我ながら、何様発言をしておこう(笑)

        表紙と作品内の主人公の顔が違い過ぎる。池上遼一ファンとしては表紙に騙された感が拭えない...
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        2013/07/30 by ice

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【池上遼一】(イケガミリョウイチ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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