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池波正太郎

著者情報
著者名:池波正太郎
いけなみしょうたろう
イケナミショウタロウ
生年~没年:1923~1990

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      剣客商売 剣客商売)
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。
        老剣客秋山小兵衛と、その息子で同じく剣客の大治郎が活躍するシリーズの第一巻。短編七編収録。

        鬼平や藤枝梅安シリーズとともに人気があるらしいが、始めのうちはあまり面白さがわからなかった。それが、「まゆ墨の金ちゃん」で命を狙われた大治郎を心配しながらも突き放してしまう小兵衛の迷いとためらいが丁寧に描かれていて、うまいなぁと唸らされてから愛着がわいてきた。

        鬼平や梅安に感じる刺激は少ないが、小兵衛にはどことなく仙人のような味わいがあって魅かれる。これからゆっくり楽しんでいこうと思う。

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        2018/11/23 by Kira

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      殺しの四人
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • 図書館本。
        表の顔は親切な鍼医者だが、裏の顔が殺しを請け負う冷酷な仕掛人藤枝梅安と相棒の彦次郎を描くシリーズ第一巻。連作短編五話収録。

        第一話「おんなごろし」では、梅安が本当に女を殺してしまうので、ちょっと驚いた。表題作「殺しの四人」では、仇として狙われた梅安と、その手足となって仕掛けをしていく彦次郎の絆が描かれる。

        剣を持たない梅安の必殺の道具は殺し針である。梅安も彦次郎も冷徹な殺し屋だが、二人が交わす会話はのんびりとしておだやかなものが多い。それがこのシリーズの魅力のひとつだと感じた。続きを読むのが楽しみ。

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        2018/11/22 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      幕末遊撃隊
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
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      • 図書館本。
        幕末の動乱を駆け抜け、二十七歳で命を散らした美貌の剣士の物語。

        心形刀流伊庭道場の後継ぎ伊庭八郎は、ある秘密を得た十六歳で剣の道に進み、天才剣士の名をほしいままにする。幕臣として将軍の上洛に従い、大政奉還で幕府の崩壊をまのあたりにした八郎は、同士を募って遊撃隊を組織し、薩摩長州の官軍に挑む。

        八郎の秘密が語られるあたりから面白さが倍増して、幕末の動乱を垣間見たような気分になれた。美貌の剣士が若くして内乱に身を投じるというだけでもドラマ性に富んでいるが、八郎に想いを寄せる遊女小稲や、最後まで忠誠を尽くす板前の鎌吉などの脇役たちの活躍もすぐれている。

        今年は池波氏の作品をもっと読みたいと思う。

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        2021/01/01 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      あほうがらす
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 池波氏の多彩な小説世界を味わえる十一篇をおさめた短編集。

        特に気に入ったのは「元禄色子」と「男色武士道」の二篇で、作者の作品に時々出てくる男色をきわめたような物語だった。

        「元禄色子」は、大石内蔵助が赤穂浪士討入り前に自分の息子で十五歳の主税(ちから)に女遊びをさせようと送り出すのだが、世話人が主税を連れて行ったのは陰間茶屋。そこで主税は、幸之助という美貌の色子と運命的な出会いをする。死を前にした主税と元武士の子である幸之助が魂深く結びついていくストーリーは、へたなBLより艶があって感動した。

        十一篇のいずれも面白くて、大満足の作品集だった。


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        2020/05/14 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      辻斬り 剣客商売)
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • 図書館本。
        剣客父子秋山小兵衛と大治郎が活躍するシリーズ第二巻。

        第一巻では父子で戦う場面はほとんどなかったが、この巻では二人で悪人をこらしめる話がいくつかあった。表題作の「辻斬り」は特に面白かった。辻斬りに襲われた小兵衛はびくともせずに相手を気絶させ、尾行して身元を探ると目付衆の旗本だった。剣術自慢の試し斬りなど許せないと、小兵衛は大治郎とこらしめにかかる。

        斬り合いになると父子の息はぴったり合って、向かうところ敵なしになる。最後の詰めは父の役目で、息子は父の技に感服して尊敬の念を深める。飄々とした小兵衛と真面目で朴訥な大治郎の物語が面白くて、続きを読むのが楽しみになってきた。

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        2018/11/28 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      陽炎の男 剣客商売)
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。
        剣客父子の剣が冴えるシリーズ第三巻。七篇収録。

        カバーイラストに描かれた、素裸で男を投げ飛ばそうとしているのは三冬という女剣士である。男装の麗人で、剣術はもちろん武術にもすぐれ、自分より弱い男には嫁がないと豪語している。自分よりもはるかに強い小兵衛にしばらく懸想していたが、三冬の気持ちに変化が現れる(「陽炎の男」)。

        新たに心惹かれる男の前に出ると、無意識に女らしい口調になる三冬がかわいい。ただ、その男と三冬の恋の行方については、第一巻の巻末で解説者がネタバレしてくれたので(いらんことをしてくれる!)、二人がどうなるのかというドキドキ感が薄れているのが残念。
        来たるべき場面に期待しよう。

        >> 続きを読む

        2018/12/04 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      天魔 剣客商売)
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。
        シリーズ第四巻。八篇収録。

        表題作の「天魔」がちょっと怖かった。
        韋駄天の神が体内に宿ったと自称する最凶の若武者が、かつて師事した小兵衛に勝つために江戸に戻ってくる。高く跳躍して剣を繰り出す剣術で道場破りを繰り返しては無益な血を流すこの化け物に、小兵衛と大治郎はどう立ち向かうのか。
        最後のオチがいかにも剣客父子らしくてよかった。

        他に気に入ったのは「夫婦浪人」で、作者は男色を描くのにあまり抵抗がなかったように思う。

        >> 続きを読む

        2018/12/09 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      狂乱
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。
        シリーズ第八巻。六篇収録。
        久しぶりにシリーズ読みを再開したら、やはり面白くてどんどんページをめくった。

        表題作の「狂乱」は重苦しい話で、現代にも通じるものを感じた。
        剣術に長けてはいても身分が低いために周りから疎まれ、長年にわたって孤独を深めてきた男が、狂気に走り人を殺める。秋山小兵衛がかけた救いの言葉も間に合わなかった。その男の死に顔が安らかだったことが、せめてもの救いか。

        お金にもならない揉め事に巻き込まれてばかりの小兵衛だが、むしろ楽しんでいるようなところが面白い。

        >> 続きを読む

        2020/01/26 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      雲ながれゆく
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
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      • 読んだのは新装版だが、なぜか登録できないのでこちらで代用。
        再読。とはいえ、結末をほとんど忘れていたので初読み気分で、面白すぎて一気読みした。

        老舗菓子舗の若後家お歌はある日、雨宿りした小屋で行きずりの浪人に手ごめにされるが、なぜかその男を憎みきることができない。そのうちに不思議な縁でその浪人馬杉源吾と再会し、やがて二人の恋情は敵討ちの若侍の助太刀に発展していく。

        勝ち気なお歌は、傾きかけた菓子舗の再建に取り組む一方で、実家とも縁が切れず、仔細ありげな若侍を匿ってその世話もする。頼りにされて次から次へと厄介事を押しつけられるが、ぼやきながらも用事を片づけていくお歌の姿がすがすがしい。源吾への想いの変化も丁寧に描かれている。

        この源吾が常人ではない剣客で、仙人のような穏やかさの中に恐ろしいほどすぐれた武術と剣術を秘めている。道場破りと助太刀のシーンは胸のすくような見所が満載で、全編を通じて読みごたえたっぷりの長編だった。

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        2018/11/19 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      鬼平犯科帳
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 読むのは三回め。

        急に思いついたのが「鬼平犯科帳をちゃんと読もう」だった。12年も前に六巻まで買っていながら、未だに第一巻しか読んでいない。再読したときにも同心と与力の区別がつかず、岡っ引きや下っ引き、中間が出てきても混乱するだけだった。何より、火盗改に対する親近感がなかった。それでもここしばらく、どういうわけか時代小説をせっせと読んでいるので、鬼平に対するハードルも少しは低くなったかもしれないと。

        今なら鬼平を楽しめるかもしれないと思って読んだ第一巻で今回気がついたのは、この巻は捕物帳というより盗賊たちの生き様を中心に描いた短編が多い。その中で、平蔵にすさまじい拷問を加えられながら、後に心酔して密偵となる粂八が今回も印象に残った。悪党が惚れ込むほどに、平蔵は格好いいのである。

        ---------------------------------------

        再読 2017年3月22日

        初めて読んだのは2006年だった。私が持っているのは2005年新装版第13刷。第1刷は2000年となっている。5年間でこれである。ならば、最近になって「決定版」が出るまでに何刷重ねたのだろう。いかに人気のシリーズかがわかる。

        第一話でまず驚いたのが拷問シーン。しかも責められた男がその後鬼平の「狗」になるからすごい。冷徹だが、罪人の子を引き取るほど人情に厚い鬼平の魅力が、この一巻だけでたっぷり味わえた。

        >> 続きを読む

        2018/11/07 by Kira

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      梅安蟻地獄
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。
        シリーズ第二巻。四篇収録。

        表題作で若き剣客小杉十五郎が登場する。十五郎のターゲットに間違えられて梅安は襲われかけるのだが、自分と同じ仕掛人の匂いを感じとって親しくつき合うようになる。

        その後、道場の後継者争いに巻き込まれた十五郎とともに梅安は大坂へと旅をする。その道中で十五郎の追っ手を彦次郎と組んで始末し、梅安は大坂で難しい仕掛けをおこなう(「梅安初時雨」)。

        梅安と彦次郎の会話が、読んでいて心地いい。「彦さん」「梅安さん」と呼び合いながら仕掛け(暗殺)の話をしているのに、まるで物見遊山の相談でもしているようなのどかさなのである。その穏やかさと仕掛けの非情さとの対比が面白い。梅安の強烈な個性にちょっと当てられている。

        >> 続きを読む

        2018/11/25 by Kira

    • 2人が本棚登録しています
      梅安最合傘
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 図書館本。シリーズ第三巻。
        中編を含む六篇収録。冷徹な梅安にしては珍しく迷いの多い巻だった。

        「梅安鰹飯」では、梅安に仕掛けを依頼する元締めと、その元締めへの依頼人が互いに相手を殺害しようとして、その仕掛けの仕事が二つとも梅安のもとにくるという皮肉な展開だった。

        「梅安最合傘」では、十年前に自分の命を救ってくれた浪人が悪辣な辻斬りを働いていることを知った梅安が、恩義と仕掛けの間で苦悩する。「梅安迷い箸」でも、殺しの場面を見られてしまった女を殺さなければならないとわかっていながら、梅安は悩み抜く。

        そんな苦悩に満ちた梅安を傍らで見守る彦次郎は、梅安の決心を尊重する。二人の絆を象徴するような最合傘で互いの指が触れ合う描写に、なんだかときめいてしまったのは、BLの読みすぎかな。

        江戸に舞い戻ってきた小杉十五郎も、やはり仕掛人の世界に入り込んでしまうが、梅安はそれを残念に思っている。三人がこれからどうなるのか、ますます楽しみ。

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        2018/12/02 by Kira

    • 2人が本棚登録しています
      梅安針供養
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 図書館本。
        シリーズ第四巻にして初の長編。

        梅安はある夜、闇討ちにあって瀕死の若侍を助けるが、命を取りとめた侍は記憶を失っていた。同じ頃、依頼された仕掛けは女殺しで、若侍に関わりがあるのではと梅安は探り始める。しかし、十五郎を仕掛人の世界から足を洗わせようとしていた梅安の命が狙われる。

        この巻も仕掛人の非情さと、梅安や彦次郎の見せる人間味との対比がよく描かれていた。十五郎も加えた三人でおこなう仕掛けの場面はスリルに満ちていて、読みごたえたっぷりの長編だった。

        >> 続きを読む

        2018/12/04 by Kira

    • 2人が本棚登録しています
      梅安乱れ雲
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 図書館本。シリーズ第五巻。
        短編一篇と表題作の長編を収録。

        梅安の命を狙い始めた大坂の元締め白子屋が、二人の刺客を江戸に向かわせる。同じ頃梅安は、白子屋と決着をつけようとして一人で旅立った十五郎を追って東海道を上る。その途中の宿で腹痛に苦しむ侍の治療をするが、その侍こそ刺客の一人田島一之助だった。
        素性を明かさずに別れた二人だが、やがて田島は自分を治療してくれたのは暗殺の標的である梅安ではないかと気づく。梅安に深く感謝する田島は、恩義と仕掛けの間で悩む。

        前作に続いて、この巻もさらに緊迫した展開だった。その中で、暗殺者の二人がなんとなく間抜けな感じで、緊張感が少し緩むのが面白い。
        緩急のリズムが心地いいのも、作者の語り口の特徴だと思う。

        >> 続きを読む

        2018/12/06 by Kira

    • 2人が本棚登録しています
      梅安影法師
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 図書館本。シリーズ第六巻で長編。
        面白すぎてページをめくる手が止まらなかった。

        前作で大坂の元締め白子屋を暗殺した梅安は、白子屋の残党たちから引き続き命を狙われる。世話になった薬種屋の病を治療するために泊まりこんでいる梅安を、彦次郎が陰で助ける。十五郎も刺客に襲われた梅安を間一発のところで救う。

        三人で協力して敵に逆襲をかけるくだりはスリルに満ちていて、たっぷり楽しませてもらった。

        >> 続きを読む

        2018/12/07 by Kira

    • 2人が本棚登録しています
      雲霧仁左衛門
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 五社英雄監督、仲代達矢主演で映画化された、池波正太郎の原作「雲霧仁左衛門」(前編・後編)をワクワクしながら一気に読み終えました。

        「仕掛人・藤枝梅安」シリーズに代表される池波正太郎の"江戸暗黒小説"は、無類のシネマディクトである彼が、フランス映画のフィルム・ノワールの影響を受けて書かれているのは、まず間違いないと思う。

        これらのフィルム・ノワールの基本コンセプトは、世間から爪弾きにされるギャングなどの悪党どもが、悪党なりの理屈をもって結束し、馴れ合いとも友情ともいえる奇妙な連帯感を育んでいるさまを描くことにあったと思う。

        巨大な組織を率いる盗賊の頭を主人公に据えたこの「雲霧仁左衛門」は、そういった"江戸暗黒小説"の極致とも言える作品になっていると思う。

        この作品が、「仕掛人・藤枝梅安」シリーズと異なるのは、悪の組織の機構や運動の原理を描くことが一つの主眼となっている点だと思う。

        国内にいくつあるのか知れない盗人宿の存在、また雲霧仁左衛門による大胆な用兵など、規律正しい組織の存在が匂わされている。
        そして、その組織が、安部式部率いる火付盗賊改方というもう一つの組織とぶつかるのだ。

        この作品の背景に尾張と紀伊という御三家の対立の因縁を絡めた点も注目すべき点だろうと思う。

        それから、池波正太郎の作品群の中に「真田太平記」をはじめとする"忍者小説"があるが、それに通じる趣向も盛り込まれているんですね。

        複数の陣営の者が、それぞれの思惑で動き、激突し合うダイナミズムは、"忍者小説"を含めた伝奇小説の醍醐味だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/04/15 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      おとこの秘図
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 図書館本。
        旗本の次男で、父に疎まれた男がたどる生涯を描いた長編の上巻。面白すぎて、600ページあまりを一気読みした。

        大身旗本徳山重俊の次男権十郎は、妾腹に生まれついたために父に激しく憎まれる。長男が病死したため後継ぎとなった権十郎は、廃嫡を画策する重俊によって命まで狙われる。敬愛する剣術の師が亡くなったのを機に、権十郎は出奔する。

        重俊の権十郎に対する憎しみがあまりに激しくて、まず驚く。権十郎が礼儀をわきまえる好青年に育ったのは、徳山家の用人柴田宗兵衛と、その娘で乳母の千が愛情を注いでくれたからである。

        幼いある日、権十郎は高田の馬場での決闘を目撃する。後に赤穂浪士となる中山(堀部)安兵衛が恩人の助太刀をして、見事に勝った決闘の様子がくわしく語られている。

        優れた剣客である堀部安兵衛は権十郎に影響を与え、その人柄は好感度大で、長編『堀部安兵衛』を読むのがますます楽しみになってきた。



        >> 続きを読む

        2021/01/11 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      おとこの秘図
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 図書館本。
        大身旗本徳山五兵衛(幼名権十郎)の波乱の生涯を描いた中巻。

        江戸を出奔した権十郎は、探しにきた家来たちに説得されて江戸に戻る。翌年に亡くなった父のあとを継いで徳山家の当主となり、五兵衛秀栄(ひでいえ)を名のる。本所見廻り方の役職について勤務に精を出すうちに評判がよくなり、十数年後には将軍吉宗の隠密の役目をつとめることになる。

        この巻では、五兵衛の若き日から壮年にいたるまでの日々の暮らし、結婚生活、絵(というより春画)を描くことに没頭するありさまなどが描かれる。やがて知らず知らずのうちに紀伊徳川と尾張徳川の確執に巻き込まれるのだが、出奔した青年時代に行く先々で知り合った人々がそれに関係していたという展開が面白い。この巻も600ページ以上もある分厚さだが、夢中になって読んだ。


        >> 続きを読む

        2021/01/14 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      剣客商売
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 現代小説とそれほど差があるわけではなく、「これは時代小説だ!」と肩ひじ張る必要なくすんなりと読み終えれる小説だ。難しく考えなくて良い。




        一番面白かったシーンは大治郎と道場に襲ってきた刺客との闘い。と、それを知った父、小兵衛の葛藤。

        名の売れた剣客で現在隠居状態にある小兵衛は息子である大治郎の道場に命を狙った者が切り込むのを知る。
        これは息子が剣客としてこれから生きていくのであれば乗り越えるべき試練だと考えるが、これを伝えるくらいならいいのではないか、60を過ぎ、年を重ねてどんな問題でも解決できてしまう小兵衛が息子の命と息子のこれからの人生を天秤にかけるとなにがなにやらわからなくなってしまう。
        ついに伝えることはなかったが、こっそり見に行くことにした。息子が鮮やかに刺客を返り討ちにすると「でかした!!」と躍り出ようとしてしまう。

        この場面の小兵衛のツンデレお父さんっぷりがとても面白い。



        >> 続きを読む

        2016/05/26 by ryochan333

    • 2人が本棚登録しています
      真田太平記
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね!
      • 真田十勇士で有名な真田家の物語。第一巻では、武田家に仕えていた真田家が、織田・徳川軍に主家が滅ぼされ、今後の生きる道を模索する姿が描かれています。特に、暗躍する忍びに焦点があてられています。

        いかにも戦国時代らしい、力強い登場人物が印象に残りました。女忍び・お江の張りつめた強さ、四郎左衛門の豪気さ、現代のビジネスパーソンにも必要かと思われます。


        P39:四郎左衛門
        「かまうもかまわぬもない。みな、いっしょだ。ひとかたまりになって戦うのだ。わたしたちには、いまこのときがあるのみよ。いまこのときに、無我夢中となればよい。そのことよ、そのことよ。うは、はは・・・・・」
        >> 続きを読む

        2015/04/07 by こいこい

      • コメント 2件
    • 7人が本棚登録しています

【池波正太郎】(イケナミショウタロウ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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