こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


稲葉明雄

著者情報
著者名:稲葉明雄
いなばあきお
イナバアキオ
生年~没年:1931~1999

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      再び消されかけた男
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【緊張感あふれるスパイ・サスペンス】
         世界情勢の変化等の理由から現在ではスパイものの小説はめっきり書かれなくなってしまいましたが、本作は1978年に書かれた古き良きスパイ・サスペンス小説です。
         主人公は元英国諜報部員のチャーリー・マフィン。
         しょぼくれた中年男で、服装もだらしなく、まったく冴えない男です。
         本作は、チャーリー・マフィン・シリーズの第二作目に当たる作品です(また失敗して第一作目を読まずに本作から手を出してしまいました)。

         作中の描写から推察するに、チャーリーは第一作目の『消されかけた男』で、ある作戦に従事したものの、その始末をつけるために西側諜報機関から抹殺されそうになったようです。
         チャーリーは、自らの命を守るための行動に出て窮地を脱したようなのですが、その際、西側諜報機関に甚大な損害を与え、そのために妻と二人で逃亡生活を続けているようなのです。

         続編の本作では、第一作目で手ひどい反撃を受けた英米の諜報機関が協力し、再度チャーリーの抹殺を企てるという筋書きです。
         かつての古巣の諜報機関から執拗に命を狙われるという何とも非情で惨い仕打ちに立ち向かうというわけですね。

         チャーリーとその妻はスイスに潜伏していたのですが、恨み骨髄の西側諜報機関から罠を仕掛けられ、どうしてもイギリスにもどらざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。
         チャーリーは妻を残して単身イギリスに渡るのですが、西側諜報機関としてはやり手のチャーリーが何か保身策を講じているのではないかと懸念していました。
         もし自分の命が失われたら西側諜報機関の秘密事項や、これまでに手を染めてきた悪どい所業を告発するような文書を秘匿しているのではないかというわけです。

         そこで、英米諜報機関はそのような保身策が無いことをまず確認し、その上でチャーリーを抹殺しようとします。
         チャーリーを抹殺するだけならあるいは事はもっと簡単だったのかもしれません。
         しかし、この作戦に加わっている諜報部員たちはかつてチャーリーに煮え湯を飲まされていたこともあり、私怨を晴らすという強い恨みの気持ちで固まっていたのです。
         そこにチャーリーが助かるチャンスがありました。
         西側諜報機関を相手にチャーリーのたった一人の反撃が始まります。

         著者のフリーマントルの作品を読むのは初めてでしたが、ハードボイルド・タッチの小気味良い語り口で、緊張感をもって物語が展開し、また、章立てが短めなこともあってサクサクと読めてしまいます。
         現在ではなかなかこの手の作品にはお目にかかれないわけですが、かつて書かれた面白い作品として今でも十分楽しめると感じました。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/06/14 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      蝿
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【あの映画の原作他の短編集】
         「ハエ男の恐怖」というモノクロ映画がありますが、その原作が本書のタイトルにもなっている『蝿』です。
         これは有名な作品なので、その他の「奇妙な味」の作品をいくつかご紹介しましょう。

        〇 奇跡
         列車事故に遭遇した結果両足が麻痺してしまった男の物語。
         麻痺したって言ってもそれは嘘でして、麻痺したふりをしてまんまと鉄道会社から多額の賠償金をせしめることに成功します。
         男は実は歩けるのですが当分は車椅子生活をして世間の目を欺き続けます。
         そして信仰に目覚めたふりをし、頃合いを見計らってルルドの泉(それは病人が奇跡的に回復することがあることで知られている聖地です。そのことについて語られたユイスマンスの『ルルドの群衆』という作品もあり、それもレビューしていますのでよろしかったらご参照ください)に出かけ、そこで仮病を止めようという算段。
         さてどうなることか?

        〇 他人の手
         自分の右手を切断して欲しいと外科医を訪ねてくる男の話。
         わけを尋ねると、既に右手は自分の物では無くなってしまったからと答えます。
         外科医は精神科医を紹介しようとしますが男はそれを断り、近所の家具屋で回転していたのこぎりに自らの右手を差し入れて切断してしまいます。
         それは一体?

        〇考えるロボット
         ポーの『メルツェルの将棋差し』をモチーフにしたような作品。
         まさに将棋差しロボットを見せ物にする男が現れます。
         そのロボットに疑念を抱いた主人公がその謎を暴きにかかりますが……ラストで明かされるロボットの正体が……。

         本書は、ハヤカワから出ている「異色作家短編集」シリーズの一冊なのですが、本書の著者のジョルジュ・ランジュランの作品は切れ味に魅力があるように感じます。
        >> 続きを読む

        2021/05/08 by ef177

    • 1人が本棚登録しています

【稲葉明雄】(イナバアキオ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本