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井上ひさし

著者情報
著者名:井上ひさし
いのうえひさし
イノウエヒサシ
生年~没年:1934~2010

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      言語小説集
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
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      • 井上ひさしさんが戯曲家として、人間ではなく文字や記号を登場人物(人物というのは変?)として創りだした物語集。ワープロ・キーボードの記号キーたちが感情を持って動き出すと……。

        登場者「 と 」 の恋物語なんてのは、本気で頭が変になる。どれもこれも短篇で良かった。妙なところで安堵し、フフッと笑みがこぼれる異次元の世界を堪能できる。
        >> 続きを読む

        2014/12/07 by junyo

      • コメント 2件
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      吉里吉里人
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • いかにも現実にありそうな物語です。
        それだけ、仮想国家の政治・経済・文化・生活など
        すべて事細かに現実社会と対応させている。
        その作業は徹底的です。
        井上ひさしの粘着質な表現手法が、いかんなく発揮されています。
        電車の中で声を出して笑ってしまうくだりが少なくありません。
        >> 続きを読む

        2016/05/14 by とーます

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      父と暮せば
      カテゴリー:戯曲
      5.0
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      •  「大切な人の分まで生きるということ」

         1945年の8月6日、午前8時15分、ほんの一瞬のあいだに広島の地が焦土と化し、多くの住民が無辜の民としてこの世を去った。その三日後には、長崎がおなじ憂き目にあう。
         この戯曲はあの惨劇から三年ばかり経った広島が舞台。登場人物は、原爆に被災した父と娘のみだが、父親のほうはあの惨劇で亡くなっており、亡霊となってあらわれた証拠に、料理や掃除ができるくせに飲み食いができない。
         父親が出てきたのは娘の美津江が恋をしたからで、お相手は彼女の働く図書館に原爆の資料を探しにくる青年。娘の胸のときめきから自分の胴体はでき、娘のためいきから手足ができ、娘の願いから心臓ができたと父親は言い張る。そして恋の応援団長になって、娘の幸せを切願する。
         しかし当の本人である娘は、わたしは幸せになってはいけないと自分に言い聞かせていて、その青年と鉢合わせになることすら避ける。美津江の生き残ったことへの罪悪感はつよく、自分よりあらゆる点で優れていた同級生が亡くなったことや、その同級生の母親からのキツイ一言、生きるために父親を置いて逃げたことなどを引きずっている。いつまでも尾を引くような、このわるい影から娘を守るため、
        「わしの分まで生きてちょんだいよォー」
        と、あの地獄の炎のなかでの別れ際の、最期の言葉をもう一度二人で思い出し、
        「(ひさしぶりの笑顔で)しばらく会えんかもしれんね」
        と美津江は前向きに生きることを父に誓う。

         ヘタなあらすじでまことに申し訳ないが、この戯曲は、喜劇に重点がある悲喜劇である。もちろん涙ぐみたくなる場面もあるけれど、その涙がヘンに濁らないのは笑いのおかげだ。原爆を材にとった芝居で、どうして笑いが出てくるのか不思議に思う人もいるかもしれないが、これは原爆によって亡くなった方々の願いを反映したもので、いつまでも悲痛に沈む姿は望まないはずである(この戯曲の父親は、死者のまなざしを代表する面もある)。
         生きていくための表情に笑顔は欠かせない。
         わたしたちが被曝した人たちと約束したことは、もう二度とこんな悲劇をくり返さない(くり返させない)ことと、たとえ過去の悲しみの上に成り立っている現在だとしても、生きている者はめいっぱい生き抜くこと。そしてこの二つこそ、この芝居の主眼であり、救いのある喜劇に込められた真意なのだ。


        追記
         今日は8月5日ですよ。携帯で確認したかしら(笑)。ちなみに今日投稿したのは、本日のお昼のプレミアムシネマで、この『父と暮せば』の映画が放送されるからです。もちろん、観ることはできませんが(笑)。
        >> 続きを読む

        2015/08/05 by 素頓狂

      • コメント 12件
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      日本語教室
      カテゴリー:日本語
      5.0
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      • Tuckerさんのレビューを見て気になり、早速読んでみました。

        聞きなれない言葉「母語」
        これは赤ちゃんの時、愛情を持って世話してくれる人から聞いた言葉のこと、
        多くは「母親が話す言葉」ということになります。

        そしてその「母語」を基準とし、他の言語を学んでいくため
        貧弱な母語の上には貧弱な他言語しか生まれません。
        小さいうちから英語教育をすることの意味についても考えさせられました。

        もうひとつ深く同感したのは「外来語は物事を単純化してしまう」論。
        例えば、日本語で表現すると「保全」「維持」「整備」といった色々な意味があるのに
        外来語に直すと「リフォーム」という一語。

        これは方言にも言えると思います。
        方言でしか言い表わせない微妙なニュアンスが、標準語では見つからない、
        ということが、私はよくありました。

        この本を読むことで、
        美しい日本語を使おうとするのではなく
        豊かな日本語を使えるように意識するきっかけとなりました。

        最後に、みなさん、ちょっと試してみてください。

        ---------
        まず、1から10まで数えてみてください
        「いち、にー、さん・・・」

        では、10からさがってみてください
        「じゅう、きゅう、はち・・・」
        ---------

        のぼっていくときは「4(しー)、7(しち)」
        くだっていくときは「7(なな)、4(よん)」

        って言いませんでしたか!?
        これは、やまとことばと漢語の違いだそうですよ。
        >> 続きを読む

        2012/12/17 by アスラン

      • コメント 11件
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      加藤周一のこころを継ぐために
      カテゴリー:個人伝記
      5.0
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      • 知の巨人であり、心の巨人であると思っている加藤周一さん。
        その加藤さんのこころを継ぐのは、一人一人のこころ次第だと思う。
        9条の会も、このあと、何人か亡くなれているが、今、まさに、今の時代に読むべきだと思った。
        加藤さんの戦争に反対する明確な理由が書かれていて、なるほどと思ったし、明確な理由があるからこそ、ぶれないのだとも思う。
        そして、今は、簡単にぶれる人ばかりだから、加藤周一という存在・残したものが大きくなっている。
        >> 続きを読む

        2014/08/21 by けんとまん

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      この人から受け継ぐもの
      5.0
      いいね!
      • 井上さんの「わかりやすく書く」という背骨みたいなものが、とてもよくわかる。
        憲法・国・人・暮らしというものへの思いが、真摯に伝わってくる。
        特に、丸山真男さんの本は数は少ないが読んだこともあって、新たな面を感じたのとともに、本当に必要な人だったんだと再認識した。
        自分の視点をどこに置くのかということを、強く思わずにはいられなしし、改めて、井上さんの凄さを感じた。
        >> 続きを読む

        2014/12/30 by けんとまん

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      井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法
      カテゴリー:憲法
      5.0
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      • この絵本は、井上ひさしさんが、日本国憲法の前文と第九条を、とてもわかりやすい言葉で子供向けに書き直した文章に、いわさきちひろさんが絵をつけたものである。

        たとえば、前文の意訳の中では、

        「今度の戦で
        つらく悲しくみじめな目にあった私たちは
        子どもや孫たちと
        のびのびとおだやかに生きることが
        ほかのなによりも
        大切であると信じるようになった」

        ということが述べられる。

        たしかに、このような思いや願いで戦後は始まったんだろうなぁと、あらためてしみじみと思った。

        この井上ひさしさんの憲法前文と九条の意訳は、以下のサイトにも載っている。http://www.toyamav.net/~fc9/sPDF/29-6.pdf


        最近は、憲法をとりあえず変えようという主張が政治家にも国民にも浸透しつつあるようである。
        その是非は別にして、護憲派だろうと改憲派だろうと、どちらであっても、子どものみならず、ぜひ大人も、この本を一読すべきだと、読んで思った。

        というのは、変える前に何が本当に書かれていて、どのような願いに基づいてこの憲法がつくられ維持されてきたか、今の日本の場合、子どものみならず、大人にもどれだけきちんと知っている人がいるか甚だ疑問だからである。

        私自身、どこまでわかっていたか、わかっているか。
        井上さんのように、身をもってあの時代を生きた人の言葉には、まずは耳を傾けるべきだろう。

        著者の井上さんは、この本で、昭和二十年の日本人の男性の平均寿命は23.9歳だったということを述べる。
        そして、戦地での戦死者の三分の二は餓死者だったことも述べる。

        憲法とは「この国のかたち」。
        個人の尊重とは、「この世に生れたひとりひとりが自分であることを尊んで、自分が自分でなくなることをおそれること」。

        私たちは、あの時にどのような「この国のかたち」を願ったのか。
        そして、今、願っているのか。

        そのことをきちんと考えるためには、まずは本当に憲法に何が書かれているのか、わかりやすい言葉に置き換え、明晰に把握することこそが、変えるにしろ変えないにしろ、大切なのだと思う。

        井上さん自身は明確に護憲の立場に立つ人であり、そのことはこの本でも包み隠さず率直に語ってある。
        そして、なぜそう思うのかも、自身の体験や思いを語っている。

        それをそのとおりと思うかどうかは、もちろん各自の自由である。
        しかし、賛同するにしろ、拒絶にしろ、部分的に賛成し部分的に修正するにしろ、まずは耳を傾けることが、何事も大切なのだと思う。

        ぜひ大人も子どももすぐに読めるので、一度は読んで欲しい本だと思う。
        >> 続きを読む

        2013/04/07 by atsushi

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      四千万歩の男忠敬の生き方
      4.0
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      • 元々ある「四千万歩の男」の副読本。人生ふた山として、50歳までは家業に精をだし50歳を過ぎてから算術と天文学を学び始め、55歳から日本全国の海岸線を17年かけて歩いた伊能忠敬は凄すぎる。 >> 続きを読む

        2015/06/27 by skmttkyk

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      ふふふ
      4.0
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      • この本は、講談社の「小説現代」に2001年1月号から、
        2005年1月号までのエッセイ45本をまとめてある。

        一見、ユーモアたっぷりの井上ひさしさん節と思いきや、
        なかなかの硬派、批判的な視点で、特に今の日本の政治を憂う。

        「問題の出し方」という、エッセイでは、
        少なくとも入試試験問題の出し方については
        よその国から学んだら良いとある。

        アメリカに続いての、フランスの大学入試問題となると、

        「夜更けにセーヌ川の岸を通りかかった君は、一人の娼婦が
        いままさに川へ飛び込もうとするところに出会う。
        さて、君は言葉だけで彼女の投身自殺を止めることができる
        だろうか。彼女に死を思い止まらせ、再びこの世で生きて行く
        元気を与えるよう説得せよ。」

        暗記だけでは無く、自分自身の人間としてのいきざま
        日頃の人生観が問われる。

        でもこの問題、ずばり江戸落語の「文七元結」でおます。
        日頃から落語好き、人間好きの皆様にとっては、
        色んな答えがでてきますやろな。

        ちなみに、私の答えは、本に書いてある
        アンドレ・マルローという生徒とほぼ同じ。

        知りたい方は、本を買うか、立読みするか。

        まあ、ひさしぶりの、井上ひさしさん。
        残り44編買って読むだけの価値はありますが。
        >> 続きを読む

        2013/05/19 by ごまめ

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      組曲虐殺
      カテゴリー:戯曲
      5.0
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      • 本作品は、小林多喜二が主人公の戯曲であり、井上ひさしが最後に執筆した戯曲である。

        読んで、本当に感動した。
        すばらしい名作と思う。

        「独房からのラヴソング」のなんと美しいことだろう。

        そして、「あとに続くものを 信じて走れ」の歌のところには、本当に胸を打たれた。

        「絶望するには、いい人が多すぎる。
        希望を持つには、悪いやつが多すぎる。
        なにか綱のようなものを担いで、絶望から希望へ橋渡しをする人がいないものだろうか。
        いや、いないことはない。」

        「命あらばまた他日。
        元気で行こう。
        絶望するな。」

        などなどの、小林多喜二のことばの数々に、目頭が熱くなった。

        「たがいの生命を大事にしない思想など、思想と呼ぶに価いしません。」

        という台詞も、小林多喜二の、そして井上ひさしさんの思想をよくあらわしているようで、本当に心にのこることばだった。

        文章は体ぜんたいでぶつかって書くべきで、
        そうすると、「かけがえのない光景」を映し出す胸の映写機が動き始める、
        という話も、本当に美しく、深い印象を与える話だった。

        多喜二を支える家族や女性たちや、尾行する刑事たちも、とても生き生きと描かれていて、面白かった。

        多くの人に読んで欲しい、すばらしい作品と思う。
        >> 続きを読む

        2012/12/21 by atsushi

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      井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室
      カテゴリー:文章、文体、作文
      5.0
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      • 井上ひさしさんの発行されている文章関係のものは、読んですぐ書架に入れてあるはずが、見当たらないものがある。
        勉強のためにまたこの本を買ってきた。
        「文章」というより、初歩の「作文」を書くということについて書いてある。原稿用紙を使うことも少なくなったが、作文教室ということで、基本から始まっている。

        三点リーダ(…)は2箱使うことなどは忘れていた。

        日本語は語彙が多いことについても。
        常に辞書で調べよ。

        「て・に・を・は」が代表する、助詞、助動詞で悩むことがあるが、これにも明解に答えてくれている。

        助詞「を」については
        湯・を・沸かす
        飯・を・炊く
        穴・を・掘る
        ズボン・を・縫う
        この「を」は材料というより、出来上がったもの必ず指す決まりになっている。だから「水・を・沸かす」ではなく「湯・を・沸かす」

        「は」と「が」についてはよく知られている「象は鼻が長い」から
        理論的に「は」と言うのは、もう明らかになったことに付き、「が」は未知――まだわからないことにつける。
        前触れの副詞を使うことについて 「まだ」の後には否定が来る「さぞ」「けっして」「たいして」など無意識に使っている言葉がある。

        段落について
        点(、)のうちかたについて等々も
        文章に接着剤を使いすぎるな
        「にもかかわらず」「にくわえて」「とともに」「とどうじに」「につづいて」「のほかに」「ものの」「だけに」「うえに」「するいっぽう」「しつつ」などと言う接続詞
        「――ので」「――ために」「――から」「――ことにより」などの接続詞。
        「――が――」はつながりのないものを繋いでしまう「今日は雨だったが、私は元気に生きた」となることがある。
        接続詞、接続助詞は「理屈をこねる」のに使われてしまう、注意しよう。


        言葉に興味を持ち、極めようとする人の、文章を書く上での注意点に何度も頷いた。


        いきなり核心から入る
        自分を指す人称代名詞は、ほとんどの場合、削った方がよい。
        意識をなるべく研ぎ澄まして、観念的に、じゃなくて具体的に。理屈ではなくて、具体的に。
        自分にし書かけないことを解りやすく。

        「誠実さ」「明晰さ」「わかりやすさ」――これが文章では大事なこと。


        270ページの中味は、作文教室で学んだ人の宿題添削もふくめ、自分を見直すことがばかりだった。
        読み返して反省しよう。

        もっと書いて教えていただきたかったのに、あとがきで予言したかのように亡くなってしまった。
        ご冥福をお祈りいたします。
        >> 続きを読む

        2015/02/19 by 空耳よ

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      井上ひさしの日本語相談
      カテゴリー:日本語
      3.0
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      • 言葉の遊び人、井上ひさしさんが日本語にまつわる珍問・奇問・難問に答える。

        たくさんの質問の中で、落語、演劇に関するのをご紹介すると、


        どうして、客席から舞台に向かって右を「上手」、同じく左を「下手」と呼ぶんですか?

        ひとつの場所には、どうやら良いところ(上座)とそうでもないところ(下座)があるらしい。
        舞台の上でも同じこと、いいところ(上手)とそうでもないところ(下手)がある。

        この「上手と下手」をはっきり使いこなすようになったのは
        未分制度の広くいきわたった江戸時代の歌舞伎や人形浄瑠璃からで、
        それ以降は作者も演出家も役者も、この言葉を使って仕事をしている。

        親分が下手で、子分が上手となるとなんだかしっくりこない、
        こういうのを普通、「居どころ」がよくないといって、この「居どころ」は立派なツシ舞台用語で、
        登場人物によってすわる位置が決まっています。

        そういえば、吉本新喜劇でも、松竹新喜劇でも、すべての配置は決まっていますな。

        歌舞伎のでは、やつしといって、侍が番頭に身をやつしていたのが判明したとたん、
        番頭実は若侍が上手へ、主人は下手へと入れ替ります。
        そこへ、若侍の上司、家老が登場すれば、若侍、主人は下手へずれる。

        見物人はスッキリ、大筋がわかってよろしおます。

        でも、繁昌亭、末広亭は上手から、動楽亭は下手から、あれは単に楽屋の構造によるんですかな・・・。

        では、なぜ舞台の上手が身分の高い人の定位置になったのか、
        諸説ありますが、役者からみると上手は左手。日本人は古代から、右よりも左を重んじてきたから、
        左手を身分のより高い人の定位置にして、そのあたりの上座を上手と名づけたと・・・・。

        上手(かみて)を上手(じょうず)、下手(しもて)を下手(へた)というのも、
        これら舞台用語として、はじまったんですかな・・・・。

        普段なにげなく使っている日本語の不可思議さを、楽しくユーモアたっぷりに解説。
        棚の奥へしまってしまうには惜しい本でおますな。
        >> 続きを読む

        2013/07/07 by ごまめ

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      一週間
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 久しぶりに井上さんを読んだ。
        遺作。
        まさに、井上さんの真骨頂のような本。
        いろんなテイストが盛り込まれていて、飽きることがない。
        それにしても、当時の軍人の知識・知恵の無さ、変な(害でもある)プライドだけの人間性には辟易としてしまう。
        そこが、避けることができたであろうことが、無意味な結果となってしまったことにもつながるのかもしれない。
        >> 続きを読む

        2014/08/11 by けんとまん

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      一週間
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 終戦後、シベリアに抑留された元日本共産党員の小松の体験する一週間の話。 

        かなり濃い・・・  読み応えがある。

        捕虜収容所、そこは戦争が終わったにもかかわらず旧軍組織、制度が温存され、捕虜は上官の命令に絶対服従という鉄則の下虐待や配給食料のピンハネ横流しが横行し、劣悪な境遇の下、多数(5万人以上)の死亡者を出していた。

        [日本政府は・・・

        敗戦が決まってもすぐに停戦会議を開かない。そのため多くの兵士が無駄な戦いを続け死んでいった。

        (ソ連軍も)捕虜の待遇についての戦時国際法を知らない又は無視。 劣悪な待遇を改善しようにも出来ない。

        敗戦後の国内が落ち着かないからと国外の捕虜や日本人を残しておくように依頼していた。つまり多くの日本人が国に捨てられた]

        それに抗議した大橋元二等兵も上官により撲殺され、収容所の待遇改善について書かれた手帳を遺品として小松に託した。

        小松は新聞社で記事を書く仕事を命じられ、脱走兵から話を聞きその中でレーニンの手紙を受け取る。

        それは 少数民族やユダヤ人の血もひいているという秘密を告白し そういう人々の幸せを願い活動することを誓うというものだった(後に彼は少数民族の利益より社会主義の大儀のほうが大事だという つまり志を曲げたことに・・)

        この手紙を奪おうと(レーニンを信じるレーニン教信者)ソ連が動く。小松はこの手紙を盾に日本に帰ろうとする・・・・・



        大橋さんの手帳にはこうも書かれていた。

        “「民主主義」を仮面に新しい支配階級になっている連中にも注意せよ。

        われわれ人間が生きていくためには、世界がどんなふうにできているかという世界観と、世界がそんなふうにできているならこう生きようという処世訓が必要だが、そのときそのときの利害に合わせて、この世界観と処世訓を簡単に変えてしまう人間が多い。彼らを信用してはいけない。・・・”

        そして、手紙を探すソ連の女法務中尉マリアの言葉も日本人として考えさせられる。

        「日本人は匿名主義の集団である。なにごとによらず輪郭のはっきりした個性を嫌うと大学で習った。・・・目立った人間はその集団から排斥される。それが日本人というものだ・・・

        あんたは、例の〈日本人の風向きの原則〉にも適わない。日本人はいつもそのときそのときの風向きを気にしながら生きている。なにかいうと、『みなさんがそうおっしゃるのだから仕方がない』と、そのときの吹いている風向きに合わせて自分の態度を決める・・・・

        日本人には死の哲学はあっても、生の哲学はない。・・・もし、日本人にまっとうな生の哲学があれば、そんな自殺作戦を採用する前に降伏していただろう・・・」


        知らなかった。

        小説としてもかなり面白く読めた。
        >> 続きを読む

        2013/01/12 by バカボン

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      餓鬼大将の論理 エッセイ集)
      4.0
      いいね!
      • ひょこりひょうたん島を作った日本有数の劇作家である著者が子供のころは餓鬼大将だったのか!とタイトルに惹かれ図書館で借りた本。
        エッセイ集なので、まずはと表題の「餓鬼大将の論理」から読んでみたが、自身の回顧談では全くなく、戦時中の日本の振る舞いを餓鬼大将(当然悪い意味で使っている)に見立てて批判したものだった。

        エッセイ全般を通じ政治や社会についても個人の身体感覚に基づいた批評しており、マクロな出来事もミクロから解釈できるという論法だと感じられた。
        また、あるエッセイの中で、日本には生物としての人間と経済活動を行うものとしての人間の乖離を埋める言葉がないことを指摘していた。

        直接これについてではないが、去年、内田樹が日本における身体感覚の扱われ方について、
        「日本では、このコロキアルな身体実感をもつ言葉と政治的幻想が癒合したタイプの言説が「最強」である。 明治維新も、中国アメリカとの戦争も、戦後の安保闘争も、全共闘運動も、フェミニズムも、それが「白熱した」のは、イデオロギーが身体を手に入れたときである」「60年代のいわゆる「肉体の叛乱」は、この軍国主義の利器を左翼的に奪還する試みであったと私は思う。」
        と書いている。
        そして、内田は以下のように続ける。
        「彼らは「プロレタリアの苦しみ」の代わりに「普通の人間である、オレの利己心と欲望」をベースに採用した。
        おい、かっこつけんじゃねえよ。
        お前だって金が欲しいんだろ?
        いい服着て、美味い飯を喰いたいんだろ?
        それでいいじゃねえか。
        隠すなよ。
        他人のことなんか構う暇ねえよ。
        自分さえよければそれでいいんだよ。
        そういう「リアルな実感」の上に「やられたらやり返せ」というショーヴィスムや市場原理主義や弱肉強食の能力主義の言説が載っている」

        http://blog.tatsuru.com/2011/01/05_1502.php

        これを思うと、20数年前の構図が形を変えて今でも続いているのだというある種の諦念とともに、井上ひさしはこの戦いをどういう気持ちで行ってきたのかと考えてしまう。違う立場の者を打ち倒そうとしたのか、お互い共有できるものを提示し続けようとしたのか。。

        ただ、内田は先の問題について、
        「私たちの言葉と彼らの言葉をわかつのは、そのような下品な言葉に生身の人間は長くは耐えられないという 、私たちの側の「弱さ」だけである。」
        とまとめている。
        当時、私は「身体性を操作できる人」に対してそんな言葉じゃ通じないだろうと思っていたが、井上やすしの射程はそこまで見据えていたのだろうか?今度は作品に触れてみたいと思った。
        >> 続きを読む

        2012/01/05 by Pettonton

    • 2人が本棚登録しています
      にほん語観察ノート
      3.0
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      • 久しぶりに、「うふふ」に続き、井上ひさしさんの本を読む。
        学生時代から、言葉のおもしろさで、読んでいたが、原点に戻って復活しそう。

        言葉の見本帳と、日頃のコメントの中から、日本語の言葉のひみつを探る。

        語彙数のページでは、

        1・チャンピオン、2・祝日、3・爆発、4・ライン、5・さつま芋、6・毒ガス、7・枝豆、8・過す、9・朝風呂、10・そもそも
        11・見極める、12・香ばしい、13・本題、14・エンゲル係数、15・泊まり込む、16・預け入れる17・言い直す、
        18・たしなみ、19・英文学、20・はまり役、21・ごろ合わせ、22・労力、23・忍ばせる、24・勃発、25・宿無し、
        26・目白押し27・請負い、28・塗り箸、29・気丈さ、30・茶番、31・大腿骨、32・術中、33・泌尿器、34・血税、
        35・悶着、36・腰元、37・裾模様、38・旗竿、39・かんじき、40・すっこむ、41、迂曲、42・告論、43・辻番、
        44・ライニング、45・輪タク、46・懸軍、47・陣痛、48・泥棒、49・釜がえり、50・頑冥不霊
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・NTTコミュニケーション科学基礎研究所作成

        成人のもつ語彙数はいくらぐらいなのか。
        なかなかおもしろい推定法が発案されました、それが上の50問です。

        どの言葉まで、知っているか、私の場合は42の告諭で沈没。コクロンではパソコン
        変換せず、コクユが正解。・・・ほぼ、5万個であるらしい。
        それ以下でも、解る語彙があるが、残念。


        10まで解っていて、11以下が解らなければ、推定語彙数は8800語。
        以下、
        15までなら、1万3000語
        20までなら、1万8000語
        25までなら、2万3000語
        30までなら、3万語
        35までなら、3万9000語
        40までなら、5万語
        45までなら、6万語
        50までなら、7万語

        ちなみに、「幼児の用語」で、満5歳児の語彙数は、1050語。

        1・これ、2・居る、3・ない、4・ここ、5・行く、6・する、7・いい、8・くる、9・くる、10・なに
        11・ある、12・いや、13・こっち、14・言う、15・どこ、16・どこ、17・取る、18・そう、19・なる
        、20・たべるが、・・・・・・使用頻度の多い20語。

        いや、私の一日で、使う頻度の多い言葉は、なんなんなのか。
        明日は、喋る言葉に、ちょっと気を使おうと思いますな。

        言葉に、関する興味ある、項目がいっぱい・・
        ・・・言葉遊びの名人、井上ひさしさんの本の読書はしばらく続きそうですな。
        >> 続きを読む

        2013/05/19 by ごまめ

      • コメント 6件
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      ガリバーの冒険
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • そいうことだのか・・・安野さんの本ということで借りてみたら、大好きな井上ひさしさんの文章だったので、何倍も嬉しくなった。
        絵は相変わらず、安野さんの遊び心が、顔をのぞかせているし、文章もなんともいえない雰囲気がある。
        最後のガリバーの顔は、なるほどね!
        >> 続きを読む

        2014/08/11 by けんとまん

    • 1人が本棚登録しています
      東慶寺花だより
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 実写化が大変楽しみです。

        2014/09/12 by gas4476

    • 1人が本棚登録しています

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