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いぬいとみこ

著者情報
著者名:いぬいとみこ
いぬいとみこ
イヌイトミコ
生年~没年:1924~2002

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      ながいながいペンギンの話
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 兄のルルは、ワンパクで向こう見ず。弟のキキは心やさしい怖がり屋さん。
        ふたりのペンギンのヒナが卵から孵ってから若鳥になるまでのひと夏のできごとを描きます。
        それはそれはワクワクする世界です(#^.^#)

        第一のおはなし  くしゃみのルルと さむがりやのキキ
        第二のおはなし  ルルとキキのうみのぼうけん
        第三のおはなし  さようなら さようなら にんげんさん!

        怖いもの知らずのルルはトウゾクカモメに追われたり迷子になったり。
        ふたりして夜の海に出て行き、氷の浮島に乗って流されてしまったり。
        命の危機に何度も遭遇します。
        人間の「セイさん」、シロナガスクジラのガイ、皇帝ペンギンのおじいさんのトト。
        その度に出会いがあり人の情けを知ります。

        読みながらドキドキはらはらしますが。
        前向きなルルの健気に頑張る姿は愛らしくてかわいくて。

        何度読んでも楽しいお話し。

        …なのですが、今回「ペンギン図鑑」(ぶんけい社)でペンギンの勉強をしたために
        読み始めてすぐに「おやっ(・・?」っと思ったのでした。

        子どもの頃大好きで何度も読んでいた「ながいながいペンギンの話」のルルとキキは
        私の思い出の中ではコウテイペンギンだったのです。
        でも、この抱卵の姿は…巣の形状は、卵の孵化する季節は…
        アデリーペンギンではないか!

        私の思い違いだったのかと調べてみると乾さんは岩波文庫の改訂版の出版の際に
        この冒頭部分を中心に大きく書き直していることがわかりました。


        戦後の荒廃が残る日本の文化に「たのしくて長い幼年童話」を。
        そんな挑戦もこめてえがかれたのがこの「ペンギンの話」だったそうです。

        「ながいながい話」というタイトルなのに、ちっとも長くないなあ。と子供のころに思っていました。
        海外の翻訳ものの児童文学にはもっと長いお話がたくさんありましたから。
        日本には年少の児童の読む本は短編だけしかなかったのですね。
        1957年の刊行以来、日本の幼年文学の代表といわれるのは、そんな理由もあったのです。

        ペンギンを主人公にしたのは、白瀬南極探検隊の冒険話やペンギンの写真などに感動したため。
        ペンギンのこどもの冒険と成長をかわいく、いきいきと大胆に描くことに成功しています。

        かつて南極もペンギンも氷の海もみんな遠い遠い世界。夢物語の世界でした。

        ところが現代ではテレビや映画、果ては南極旅行までできちゃう。
        南極が決して夢の世界とはいいきれなくなり、ペンギンの生態も研究されてきています。
        乾さんは大切な「ペンギンの話」が本当に「ながいながいお話」として時代を越え
        これからも子どもに読み継がれて欲しいと願ったのでしょう。
        ペンギンの生態の実態にあわせて物語の方を書き変えてしまったのでした。

        謎が解けました。なるほど。だから違和感があったんですね。
        (それまでのお話ではお父さんが真冬の吹雪の中で卵を足の上で温めていました。)

        以前の作品を知っていると、前のほうが「親の苦労」の度合いとか
        成長過程が1年を通して描かれるというスパンの長さとか
        そっちのほうがよかったという声もあるかと思います。

        しかし、これは作者の判断でもあり、かつ正解だと思うのです。
        彼女はもともとコウテイペンギンではなくて、アデリーペンギンのかわいい姿を描きたかったというのですから。
        私のような、卵の抱き方が違う。季節が違う。などとチェックする人もいるわけで(・∀・)

        そして何よりも、正しい姿を伝えることは、子どもに対して誠実だと思うからです。
        どうせ読者は子どもだから、物語はもともと空想の産物だから。
        決してそういう甘えや子供をなめた姿勢を持たない。
        潔癖な理想を感じてあらためて、いぬいさんと「ぺんぎんの話」に感動し、
        このお話しがもっと大切に思えるようになりました。

        ただ、カワイイだけじゃない。

        人間とペンギンたちの付き合い方についても、考えさせてくれます。
        成長も親から与えられるものではなく、子ども自身が経験し獲得するもの。
        気付くことで自分は大きくなれるのだということ。
        新しい世界への旅立ちは大人になることを希望に変えてくれます。

        とても素敵な童話だと思います。


        【おまけ】
        アデリーペンギンは南極に住む中型のペンギン。
        コウテイペンギンは1m20cmくらいまで大きくなりますが、アデリーは70cmくらい。
        ロッテのクールミントガムのデザインに使われているのも、JR東日本のSuicaのキャラクターも
        アデリーペンギンだそうです。
        >> 続きを読む

        2013/10/02 by 月うさぎ

      • コメント 16件
    • 3人が本棚登録しています
      トビウオのぼうやはびょうきです
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 涙なしには読めない一冊。

        核実験により、死の灰をあびてしまったトビウオの子ども。

        お父さんは、その核実験で他の多くの魚と一緒に死んでしまった。

        やがて、トビウオの坊やは病気になる。

        トビウオのお母さんは必死に坊やの病気を治そうとするが…。

        第五福竜丸の事件があった後に、この作者の方が渾身の思いをこめて書いた作品だそうである。

        ぜひとも多くの人に読んで欲しい。
        >> 続きを読む

        2013/05/01 by atsushi

      • コメント 5件
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