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伊藤典夫

著者情報
著者名:伊藤典夫
いとうのりお
イトウノリオ
生年~没年:1942~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      愛はさだめ、さだめは死
      3.0
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      •  短編集なのでいくつか気になったものの感想を。

         乙女に映しておぼろげに
         未来から女の子との軽妙な会話を描いた短い作品。未来人の感覚と言葉にちょくちょくついていけなくなくて、振り回される主人公とシンクロしてしまいます。年代の違う人と会話すると、実際こういう感覚と言葉のズレがありますね。笑

         男たちの知らない女
         作品を読むことでフェミニズムの本質を感覚的に理解できる作品。男女で感想が別れそうで興味深いです。
         こういう作品にとっては覆面作家であることが非常に利点なのではないでしょうか。本作では作者の詳細がなぜか冒頭で紹介されていまして、読者にとっては全く覆面ではなくなってしまうのですが……。
         覆面作家といえば、私の中ではグレッグ・イーガンや舞城王太郎が思い浮かびます。なかなか一癖ありますね。

         断層
         特に古い作品ですが、個人的には好きです。
        時代の流れから切り離されることが罰である、というのは面白い発想ながら真実をついているように思います。

         全体的に70年頃の時代背景を理解していることが望まれます。小説というのは少なからずそういう部分がありますし、SFの元々を突き詰めれば、時代背景は大切です。好きな音楽の関係で古い時代のことを調べたことを思い出しました。本から時代に興味を持つのもありかもしれませんね。

         ティプトリーの作品では異星人が一つの重要な位置を占めます。
         異星人は自分と全く違う価値観を持っている可能性がある存在です。それを理解できることも、理解できたと思えて実は全く分かっていないこともありえます。

         未来人や男から見た女、社会から切り離された人も、あるいは異星人と言えるかもしれません。そして、作品の背景にある社会の諸々さえも。

         異星人に出会った時、それを分かりたいと思う気持ちは大切ですが、自分の価値観で理解しようとした時点で、それは理解でなく解釈に過ぎなくなってしまうのではないでしょうか。

         理解できない存在をそのまま受け入れる。それは身近な他人に関しても時に大切だと思います。

         はじめの2編、すべての種類のイエスと楽園の乳がイマイチよくわからなくて挫折しかけてしまい、危ないところでした。でも2編とも異星人の出てくるお話なので、地球人の私には謎な部分もあるさ、と思っています。
         え?それを書いた作者?きっと人類を超越した存在なんですよ。
        >> 続きを読む

        2015/03/11 by あさ・くら

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      2001年宇宙の旅 決定版
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
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      • 何年か前、スタンリー・キューブリック監督の映画(DVD)を見たんですが、話がイマイチよく分からなかったのです。音楽と映像が美しかった、HALが反乱を起こしたくらいは覚えてるんですが。

        なので、原作を読んでみました。

        この全宇宙の時空を超えたとてつもないスケール!!
        物質を超えたまさに”解脱”の世界?

        地球なんてほんのちっぽけな存在で、人類もさらにちっぽけで進化してなくて・・・・

        戦争だ、テロだ、競争だ、経済が、地位が、権力が・・・と汲々と、いがみ合ってて、ほんとバカバカしくなる。

        人類・・・ はだかのおうさま・・・

        モノリスは、実は***だった。
        人類は進化したなんて幻想で、実は見えない宇宙の物質を超えたものによって、ちょちょいとコントロールされていて・・・

        何百万年だろうが、何億年だろうが、物質も時空も超えたものにとっては大したことではない。というか、いい加減進化したらどうなの、人類。

        人工知能を持ち人間に限りなく近くなったコンピュータは、人間のように”存在欲”をもってしまうと、また人間と同じように理性的でいられなくなってしまうわけね。文明というものは結局・・・。

        解脱と輪廻、仏教の宇宙観と合わさるところがあります。
        解脱したってこと?解脱までいってないか。じゃ輪廻したの?

        宇宙船の中や宇宙の様子は映画を観るのがいいかもしれない(想像を超える)。でも原作も読んだ方がいいと思います。HALの反乱だけの話じゃなかった。それでも、やっぱりまだ十分理解しきれてないと思います。
        (ワタシの理解力不足のせいで星4つ^^;)
        >> 続きを読む

        2016/03/29 by バカボン

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      ジョナサンと宇宙クジラ
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 内容紹介-------------------------------------------------------
        さわやかな9月の風のなかを空飛ぶフライパンに乗って、宇宙クジラが棲む遙かな銀河へ、巨人族が暮らす深い海の洞へと、冒険の旅に出かけてみませんか?それとも、辺境惑星一帯を爆笑の渦に巻きこんだ「愛しのメアリ・ルー」を上演中の宇宙船劇場のほうがよいですか?アメリカSF界でブラッドベリ、スタージョンと並び称される詩人ロバート・F・ヤングが、愛に渇き、倦怠に沈むあなたに贈る、心温まる珠玉の名品集。
        ---------------------------------------------------------------

        「九月は三十日あった」☆☆☆☆
        時がたっても大事にしたいものは確かにあって、それがわからない人を見るとその人がとてもつまらなく思えてしまう。
        逆にそれを守り続けている人に出会うと、安心感やなつかしさを覚えるものだ。
        作中にある「九月」に関する表現はアメリカにおける感覚によるものなので、新鮮さとなつかしさという項で考えると日本では四月にあたるのかなあと変換しながら読んだ。

        「魔法の窓」☆☆☆☆
        美しいものを美しいと思えることは美しい。
        そしてその力を信じ続けることは現代(作品は50年以上前のものだが)において難しい。
        美しかった時代を懐古するような描写をヤングはよく書くけれど、現代を憎んでいるわけではなくて、ただただかつての美しさを思い浮かべて眺めているという感じがする。
        切なく心に残る作品だった。

        「ジョナサンと宇宙クジラ」☆☆☆☆☆
        ヤングは一人の女性を他にはいない特別な存在として描写するのが上手い。
        懐かしさと寂しさをまとったようなヒロイン。
        クジラの中の世界が温かくて、一度でも行ってみたいと思った。
        クジラにとってはたまったものじゃないだろうけど。

        「サンタ条項」☆☆
        欧米の童話や迷信をよく知らないのでジョーク等がよくわからず。

        「ピネロピへの贈り物」☆☆☆
        異星人が地球での些細な親切に恩返しをする話でほっこりするが、特筆するべきところは見当たらず。

        「雪つぶて」☆
        これはヤングが書くべき小説ではなかった。

        「リトル・ドッグ・ゴーン」☆☆☆☆☆
        ご都合主義でも何でもいい。
        この作品が大好きだ。
        待ち続ける女性と、忠実なペットと、それらの大切さに気付けたヘイズが素敵だ。
        コンプレックスから解き放たれたことを示す最後の一文もすばらしい。

        「空飛ぶフライパン」☆☆
        ほっこり系の話ではあるのだが、マリアンの選択に至る動機が不純というか「逃げ」みたいで手放しでは喜べなかった。

        「ジャングル・ドクター」☆☆☆
        サリスが手を差し伸べる形にはなっていたが、彼女がリンゼイを野蛮人と罵り続けていたせいで、救いというより立場が上のものによる施しのように見えてしまった。
        リンゼイが起こした事故の真相も気になった。

        「いかなる海の祠に」☆☆
        幸せな時間が短く、つらい拷問のような日々が長く続くため、読むのがつらかった。
        さらにそれが影響してほぼ常に陰鬱で感情的起伏に乏しかったため、盛り上がりに欠けた。
        態度が一貫しないデイヴィッドにもがっかり。
        「結婚記念日にまにあわせようとしている」ヘレンの様子は心にぐっと来たが、彼女は彼女でよろしくやっていたようでまたがっかり。
        ヤングにはたとえ陳腐になってもいいから、王道でロマンティックな物語に仕上げてほしかった。
        >> 続きを読む

        2019/12/31 by しでのん

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      二人がここにいる不思議
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 「人生はマジック・ショウ」おたがいの肩にもたれて眠りこけるのがいやなら…。
        いつも最後に神秘のかけらを残しておいて。

        ブラッドベリのペーソスあふれる短篇集。全23篇。
        彼の短篇集は数々あれど、この作品集ほど多様なラインナップは珍しいかも。
        この本を読んで彼をSF作家だと呼ぶ人はおそらくいないでしょう。
        ブラッドベリ自身、自分は作家であってSF作家ではないと語っていたともいいます。

        いつものブラッドベリがここにいる。
        と思いきや、こんなこと書いちゃうんですか?という作品まで。
        「ジュニア」って要するに男性ならピンとくる下ネタの話ですし。
        「ご領主に乾杯、別れに乾杯!」もちょっとね。( ̄w ̄) ぷっ
        ノスタルジーありホラーありファンタジーあり小話ありアイルランド・シリーズあり。
        シェイクスピア、ウェルズ、オーウェル、ディケンズへのトリビュートあり。
        そしてSFもちょっとだけ。

        原題は「ザ・トインビー・コンベクター」なんですが、邦題でこれでは売れないと思ったのでしょう(売れないでしょう!)
        一番ロマンティックな「二人がここにいる不思議」というタイトルになりました。
        でも恋愛や夢のあるお話しでは全くありません。
        そこで「生涯に一度の夜」(One Night in Your Life)を表紙と帯に採用していますね。
        帯の紹介文もこの作品をテーマにしています。全編で最も上品でファンタジックな一篇です。
        (出版社の苦心が見えますね)

        私は「トインビー・コンベクター」が一番好きです。
        ブラッドベリのメッセージが強烈に感じられ、哀愁とペーソスが漂い、そして堂々としたSFだから。

        (目次)
        1 生涯に一度の夜 "One Night in Your Life"
           春の夜、月明かりの下、二人は一夜を丘の上で過ごすのさ。手を取り合って。
        2 トインビー・コンベクター "The Toynbee Convector"
           タイムマシーンに乗って100年後の世界を見てきたただひとりの男がもたらした「夢のような」現代が実現した。
           そして長い間の沈黙を破る日、100年前彼が過去から出現した「その日」が来た。
        3 トラップドア "Trapdoor"
           屋根裏へのトラップドアに気づいた日から、屋根裏が存在し始める。
           典型的なホラー。こういうのが実は一番怖い。
        4 オリエント急行、北へ "On the Orient, North"
           幻想小説。幽霊や伝説の生き物たちが生き延びる地は、世界中でイギリスにしかない?
        5 十月の西 "West of October"
           セシィとその「ファミリー」の物語。たま~に書かれるシリーズ物です。
           特殊な能力と不可思議な生活と結束をもつこの一族はいったい…?
        6 最後のサーカス "The Last Circus"
           移動サーカスの不思議さは少年の日の最高の思い出。出現も立ち去ったあとも。
        7 ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動 "The Laurel and Hardy Love Affair"
           小粋で哀しい恋愛物語。ショートフィルムを見るような。
        8 二人がここにいる不思議 "I Suppose You Are Wondering Why We Are Here?"
           男がレストランに招いたのは久しぶりに会う両親だったが…。男の真意が見えにくく難解な作品。
        9 さよなら、ラファイエット "Lafayette, Farewell"
           戦争ってのは死ぬことじゃなくて、思い出すことだ。
           晩年になって人殺しの罪による幻に苛まれるかつての英雄の飛行機乗り。
        10 バンシー "Banshee"
           ホラー。アイルランドの荒野に吹き渡る風。家の外では真夜中の泣きすさぶような声。
           高名な映画監督と駆け出しの作家の虚実の交錯する会話と共に緊張感がいっそう強まる。
        11 プロミセズ、プロミセズ "Promises, Promises"
           情婦と愛人の別れを描いたドラマの一幕。切ない映画のような。
           ブラッドベリだと思うと読んでてちょっと怖かったけど。
        12 恋心 "The Love Affair"
           火星を舞台にした一見SF。むしろファンタジー?結末は悲劇?いえホラーかもしれない。
        13 ご領主に乾杯、別れに乾杯!
          "One for His Lordship, and One for the Road!"
           昔話のような小話のような、品が無いけど粋な作品。
           この話はワインですが、実際に某国の某金持ちで、ゴッホの絵画を自分が死んだら一緒に焼いてほしいと言ったバカがいましたねえ。
        14 ときは六月、ある真夜中 "At Midnight, in the Month of June"
           ホラー。ある猟奇殺人者の意外な行動は何を意味するのか。
           かくれんぼをモチーフに描き幻想的に仕上げた恐怖。
        15 ゆるしの夜 "Bless Me Father, for I Have Sinned"
           雪の舞うクリスマスの深夜に、告解のために教会に現れた老人の「罪」の告白を聞くうちに神父は…。
           読後穏やかでしんみりした感動につつまれます。
        16 号令に合わせて "By the Numbers!"
           過去から蘇るプールサイドの痛々しい記憶。気になる父と少年のその後は?
        17 かすかな刺 "A Touch of Petulance" 
           未来の自分が警告に現れた。恐ろしい未来を防ぐために。
           新婚で愛に溢れた彼がやがて妻殺しをするなんてありえない!
        18 気長な分割 "Long Division"
           離婚する夫婦の財産分割はコレクションした書籍の分配をそどうするか。そこで気づいたお互いの個性と二人の関係。
           良質の映画のような、と思わせといて落ちがあるとは。
        19 コンスタンスとご一緒に "Come, and Bring Constance!"
           アガサ・クリスティの「パーカー・パイン」風。
          ですが種明かしは無し。ミステリアス。
        20 ジュニア "Junior"  究極の下ネタが哀愁を感じさせ笑わせてくれる。なんともまあ。ビル・ナイが脳裏に浮かんできて仕方なかった(^^)
        21 墓石 "The Tombstone" 
           小話風のホラー。恐怖の妄想は本物の恐怖を呼び寄せる…かも。
        22 階段をのぼって "The Thing at the Top of the Stairs"
           ホラー。故郷の街を訪れた男は心の奥にわだかまる少年の日の「恐怖」を克服するためにかつての自宅へ向かう。
        23 ストーンスティル大佐の純自家製本格エジプト・ミイラ
         "Colonel Stonesteel’s Genuine Home-Made Truly Egyptian Mummy"
          ブラッドベリの作家としての存在理由です。

        え?え?ラストはこれ?という終わり方が多いです。
        ブラッドベリ・ファンにはいい一冊だと思います。
        初めて読む方にはどうでしょう?もうちょっと色がわかりやすい作品のほうがよろしいかも。
        >> 続きを読む

        2014/10/15 by 月うさぎ

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      老いたる霊長類の星への賛歌
      3.0
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      • 【生命と出産とジェンダーが主たるテーマの作品集】
         まずはいつものとおり、収録作からご紹介です。

        ○ 汝が半数染色体の心
         異星人の性の問題を調査するためにエスザア星に派遣された認定官は、エスザアには二つの人類に似た種族がいることを発見します。
         一つは、エスザアンで、2.3の伝染性疾病の他には病気は存在せず、その伝染性疾病も抗生物質により完全に抑制されており、怪我をすることがある程度で非常に健康な状態を保っている種族でした。
         もう一つの種族はフレニであり、フレニには病気が色々存在すると言います。
         また、フレニは、文明の中心から疎外されているようで、都市から離れた村でひっそりと生活していました。
         認定官は、彼らの生物学的調査を行いたいと考えているのですが、エスザアンはその調査に消極的であり、何かを隠しているように思われます。
         種族によっては、認定官によって非人類種であると認定されることを嫌がる向きもあるのですね(調査する側としては、人類とは別種の生命体と分類するだけのことで、そこには何の優劣も認めてはいないのですが、それがどうも理解されない場合があるようなのです)。
         認定官は、調査を進めていくうちにある疑惑を抱くようになります。
         認定官と共に派遣された地質学者もフレニの生活に関心を持っているのですが、どうやら地質学者はエスザアンがフレニを種族ごと殲滅するつもりでいるという確信を抱くのです。
         ある時、認定官はフレニの子供から「病気を治して」と書かれた手紙を受け取るのですが……。
         生物学的テーマのSFですが、ちょっと難しかった。

        ○ ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?
         太陽周回軌道を調査飛行していた宇宙船サンバードは、今まさに地球への帰還の途につこうとしていました。
         今もヒューストンと通信連絡を取ろうとしているのですが、どうにもうまくつながりません。
         その内、他の宇宙船を名乗る通信が混入してきます。
         他の宇宙船だって? 何かの冗談だろう? どういう事なんだ?
         しかし、また別の宇宙船だという通信も入ってきます。
         それらの通信によると、サンバードの帰還軌道は誤っており、地球はそんな方向にはないというのです。
         また、日付もサンバードが把握している日付とは全く異なっていると言います。
         どうやら……サンバードは太陽周回軌道から脱出する際に時間を飛び越えてしまったようなのですね。
         にわかには信じられない状況であり、当初設定した地球への帰還軌道を維持すべきだとも思われるのですが、他方、次々と入ってくる通信からすると本当に時間を飛び越えてしまったとも思われるのです。
         素直に忠告に従わないととんでもない方向に向けて飛行してしまうかもしれません。
         ここは決断です。
         サンバードは、他の宇宙船の情報に従って方向を変えることにするのですが、残された燃料では地球には帰還できそうもありません。
         近傍にいるという宇宙船からは、こちらに接触できればサンバードの3人の飛行士を収容するとの申し入れがありました。
         もう、これしかない。
         サンバードの乗員は他の宇宙船との接触を果たし、無事に収容されました。
         そして、今がとんでもなく未来の世界であるということを知らされます。
         また、地球は出生率の異常低下に見舞われており、現在の総人口はわずか200万人まで減っているということも知らされるのでした。
         たった200万人しかいないというのに、何隻もの宇宙船を飛ばしているのか?
         それには理由がありました。
         出産の異常低下の原因となった病気から逃れるために、人類は月へ火星へと移住することを企てているというのです。
         そして、今の地球がどうなっているかと言えば……。

         ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアというのはペンネームです。
         本名は、アリス・シェルドンという女性です。
         女性の彼女が、何故男性名のジェイムズ……なんていうペンネームを使ったのでしょう?
         しかも、その小説の書きぶりときたら。
         先ほどご紹介した『ヒューストン……』など好例だと思うのですが、いかにも男性的な書きぶりなんですね。
         ですから、その正体が明らかにされるまでは、ほとんどの人はジェイムズ云々というのはペンネームかもしれないけれど、間違いなく男性作家だと思っていたのですね。

         本作にはフェミニズムに関する作品が多く収録されています。
         しかも、それは男性の手によるものだと信じ込まれていた作品たちなのです。
         これを女性が書いたとは……と後で唖然とさせられた作品というわけですね。

         さて、読了しての感想ですが、私の今回の読書コンディションが悪かったのか、あるいはもしかしたら訳が良くないのか、何故かなかなかうまく把握できなかったのです。
         文意がつかめず、何ページか戻って読み直すこともしばしば。
         しかも、読み直したところで結局よく分からないということも多かったのです。
         難解なんですかねぇ。とにかく読みにくい読書でした。
         著者の他の作品も読んでいますが、そちらは読みにくいなどということは全く無かったのですが……。
         本作が難解だったのか、本当に訳に問題があったのか、よく分からないのですが……。
        >> 続きを読む

        2020/07/23 by ef177

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      シェイヨルという名の星 人類補完機構
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 猫好きな作者が贈る、SFで猫を文字通り擬人化したのに、猫耳がないという斬新な、人類補完機構シリーズの短編集。
        ノーストトリアでも触れられている「人類の再発見」に至るための物語が主で、ノーストトリアで名前だけしかでなかった人物についても描かれていたりする。
        逆に、こちらから読むと、これらの物語がどのように実を結んだのかが、ノーストトリアで読めることに。

        よく読めば、意外と哲学的な問いのようなものもあり、人類補完機構が人類を幸せにした世界での、人類の衰退に対して、現代の私たちの文化を語るときに、気が狂った人種を見るが如く語られるのが面白い。
        車一つとっても年間5万人は死ぬのに、それが戦争ではないなんてっ!

        人類補完機構シリーズは、西暦の1900年から16000年まで、かなり長い歴史を描いている作品のため、歴史を追うという意味での特有の面白みがあるものの、やっぱり初めて読む分には「鼠と竜のゲーム」「ノーストトリア」がおすすめ。
        未完のシリーズのため、ここまで全部読んでしまうと、最後の「落日の補完機構」が読めないことがとても悔やまれます。
        >> 続きを読む

        2015/07/03 by ミコト・T

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      2010年宇宙の旅
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • SF黄金期の作品で、2001年宇宙の旅の謎が分かります。

         前映画の設定に準じているので映画を見てから読むのがベストです、他の組み合わせはダメ。

         もう30年以上前の作品で、2001年宇宙の旅などは人類が月に立った年の映画、それが全く色あせないで見たり読んだり出来る。どれほど黄金期が素晴らしかったかの証拠だと思います。宇宙と宇宙船というギミックは話が作りやすい縛りなのでしょうが、知識ある我々に全く違和感なく想像させてくれるもっと上の専門知識が楽しいです。御都合主義とかがなくて骨太、緩急あるストーリー、綺麗に収まる最後。満足です、2061年は後で読もうかと思います。 
        >> 続きを読む

        2015/04/11 by pasuta

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      昔には帰れない
      カテゴリー:小説、物語
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      • ダメな人間だからと自分の代わりに物事を行うロボットを作る皮肉が面白い「素顔のユリーマ」、バスを途中下車する男性の話かと思ったら妻絡みのオチが面白かった「月の裏側」、薄暗い飲み屋でみんなから恨まれてる男が最後に気付いた事が私好みのブラックな状況の「パイン・キャッスル」が良かった。最初にこの3作が収録されてたので勘違いしたが、後は私には合わなかった。事が起こる迄が退屈な作品が多かった。
        >> 続きを読む

        2015/04/18 by 紫指導官

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      運命のボタン
      カテゴリー:小説、物語
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      • 「二万フィートの悪夢」は他のアンソロジーで持っていたので読まなかった。一番好きなのは「死の部屋の中で」リチャード・マシスンだけ、なんて凄く贅沢な気分。 >> 続きを読む

        2013/07/25 by 紫指導官

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      どんがらがん
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • ミステリ・SF・ファンタジー作家アヴラム・デイヴィッドソンの短編集。
        本格ミステリ作家・殊能将之が編集している。
        本作では16作もの短編が収められている。
        ただし、解説で殊能が述べている通り、おそろしく読みにくい文章で、しかもそれが翻訳されているため、翻訳作品を読み慣れていない人にとっては辛い作品かもしれない。
        印象的な短編のみピックアップしていくが、集中のベストは疑いなく「物は証言できない」である。
        黒人差別を扱っているが、本格ミステリとして屈指の出来栄えである(本作は、EQMM短編小説コンテスト第一席受賞作)。
        解説で述べられている通り、デイヴィッドソンの「弱者への共感」が伺える作品である(ちなみに殊能はweb日記で障害者差別ネタを展開したことがあるが、あれはNGである)。
        「さあ、みんなで眠ろう」の「囚人たちにあてがう割り当てが、雌1匹に囚人ふたり以上になったら、もう貨物室は大荒れですよ」というセリフには失笑した。
        「さもなくば海は牡蠣でいっぱいに」は、この短編集の中で一番わかりやすい作品かもしれない。
        「眺めのいい静かな部屋」の「そうですの、わたしいつも言ってるんですのよ、鶏の腿肉ほど美味しいものはないって。背中はゴツゴツしてるし、胸肉はこってりしすぎて、足は白いのがいっぱいついているし、手羽だとーまあ何もついてないけど、腿はー腿がちょうどいいって、わたしいつも言ってるんですの」というセリフは、料理が好きな人なら首がもげそうなほど頷けるものであろう。
        ちなみに、デイヴィッドソンはエラリー・クイーン「第八の日」「三角形の第四辺」を代筆したそうである。
        >> 続きを読む

        2019/10/31 by tygkun

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      デス博士の島その他の物語
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • デス博士の島その他の物語 (未来の文学)。ジーン ウルフ先生の著書。私はSF小説が好きで今までたくさんのSF小説を読んできたけれど、こんなに難しくて考えさせられたのは初めて。単純なSF小説ではなくて、奥が深いSF小説を読みたい人には自信を持っておすすめできる一冊です。 >> 続きを読む

        2019/02/10 by 香菜子

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      たんぽぽ娘
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 長いこと気になっていたのですが、復刊ドットコム版が図書館にあったので、借りました。いい話だった。

        ストーリーについて書くとネタバレになってしまそうなので控えますが、SFです、とだけ言っておこう。訳の伊藤典夫は名前を聞いたことがあるなと思ったら、先日読んだコードウェイナー・スミスの『人類補完機構』を訳した人でした。

        清純な感じで、素朴で好きです。私はサイバーサイバーしたダークなのも好きですが、こういうすっきりまとまって構成がうまいのも良いなぁ。ヤングは短編作品が多いそうですが、短編を上手に書けるのは筆力があるってことですよね。
        そういえばビブリア古書堂のシリーズに出ていましたよね、たんぽぽ娘。

        作中で繰り返される有名なフレーズは以下です。

        「おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた」

        一応原文で。

        "Day before yesterday I saw a rabbit, and yesterday a deer, and today, you."

        ヤング、いいですね。
        『ジョナサンと宇宙クジラ』は図書館にないので、いずれ買うことになるでしょう…
        >> 続きを読む

        2016/06/09 by ワルツ

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【伊藤典夫】(イトウノリオ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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