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海音寺潮五郎

著者情報
著者名:海音寺潮五郎
かいおんじちょうごろう
カイオンジチョウゴロウ
生年~没年:1901~1977

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      日本歴史を点検する
      4.0
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      • 司馬氏が、明治時代の外務大臣であった小村寿太郎の「日本は国会によってつぶれる。なぜなら国会が開かれるや、政党は党利党略のみで、政党などというのは西洋では根のある存在だが、日本の政党はフィクションなんだ。フィクションが国家の運命を握っている。」という内容を引用されていますが、これは非常に含蓄のある内容だと思います。小村の時代から100年以上も経過しているのに、「政党は党利党略のみ」という現在の政治情勢は全く変わっていない…ことに愕然とする思いがします。
        また、「日本人の性格形成に、日本には地震、台風等、天災地変がひんぴんとしてあるということが大きく影響している。つまり、天災地変のように人間の力ではどうしようもない不愉快なことは早く忘れるよりよい方法はないのですから、こくよくよしてもしかたがない、新しくやり直そうというので、日本人は淡泊で楽天的な性質になった…。ただ、楽天的な性質は良いのですが、反面あまりにも地震・台風等の天災地変が多いので、『健忘症』にもなった。その証拠に関東大震災だって、第二次世界大戦の多大な犠牲や被害だって、きれいに忘れて、前以上に無防備な東京をつくり出している…たった一度の大火災にこりて、ロンドンを石造建築化した英国人とは大ちがいですよ。」という海音寺氏の話等も非常に面白いです。
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        2011/08/05 by toshi

    • 1人が本棚登録しています
      江戸開城
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 歴史小説への耽溺の日々の中で、今回読了したのは、海音寺潮五郎の「江戸開城」。

        この作品は、薩摩の西郷隆盛と幕臣の勝海舟の息詰まる駆け引きと、徳川最後の将軍・徳川慶喜の動向を絡ませながら、この"江戸開城"という歴史的な出来事の緊迫した舞台裏を描いているんですね。

        海音寺潮五郎の作品らしく、文中に史料からの引用を随所に挿入しながら、歴史的な真実に少しでも迫ろうという意欲に満ちた作品だと思う。

        海音寺潮五郎は鹿児島県の出身で、その関係からも郷土の英雄・西郷隆盛を扱った作品がとても多い作家ですね。したがって、この「江戸開城」も、どちらかと言えば、西郷隆盛に重点が置かれています。

        物語の骨子としては、西郷隆盛と勝海舟の二人を軸に、山岡鉄太郎、イギリス公使パークス、そして徳川慶喜などの周辺を彩る登場人物が、それぞれの歴史的な役割を明確にして緻密に描かれていると思う。

        そして、この物語は、1864年(慶応四年)1月に始まり、同年五月の上野の彰義隊の戦いまでで終わる、わずか半年足らずの出来事が中心だ。幕府の"敗北"を太平洋戦争での日本の敗戦になぞらえて語るあたりは、"江戸開城"という事件を日本の敗戦と重ねていた海音寺潮五郎の歴史観がかいま見られて興味深いと思う。

        ここで勝海舟は、江戸へと迫り来る官軍に対し、あくまでも戦うべしという幕閣の抗戦論に抗して、和平の道を探る平和主義者として描かれている。

        鳥羽・伏見の戦いで大坂から逃げ帰ってきた徳川慶喜が動揺しきっているのに対し、勝海舟は絶対的な恭順と無抵抗しか生きる道がないことを慶喜に対して諭すんですね。

        このあたりは、司馬遼太郎が「最後の将軍」で描いた勝海舟とは、かなり異なっていると思う。海音寺は慶喜の人間的な弱さをことさら強調しているように思える。慶喜という人物像が見直されようとしている現在にあっては、何か物足りない気がしないでもありません。

        さらに攻める側の西郷も、江戸総攻撃の準備を着々と進めるかたわら、実に徳川家に対して寛大な処分を考えていたというように描いている。

        そして、江戸城の無血開城を決めた高輪の薩摩藩邸での会見は、この二人の千両役者によって、初めて可能となった、最も見事な歴史的な場面だったというのが、海音寺の結論になっていると思う。

        この勝と西郷の会見は、慶応四年三月十三日と十四日の二日間にわたって行なわれたわけですが、この会見について子母澤寛の「勝海舟」と海音寺の「江戸開城」での描き方はまったく異なっているんですね。

        子母澤は、史実にこだわることなく、両巨頭が互いの信頼関係により阿吽の呼吸でことを進めるというように、小説としての語りになっているんですね。

        実際は十三日の会談では、西郷が静寛院宮(皇女・和宮)のことを訊ねるなど、本題には触れずに別れている。結局、翌十四日に"江戸開城"が実現するのですが、海音寺はこの部分を史実にそったノンフィクションとして描いているんですね。

        このあたりは、小説としての面白さを取るのか、史実にそったノンフィクション的な面白さを取るかのどちらを好むのかは、読み手次第だと思いますね。

        ともあれ、この題材は戊辰戦争に限らず、幕末という舞台のクライマックスであるに違いなく、そこに幕府側の代表として勝海舟がいたことは、歴史の必然と言うべきだろうと思う。

        歴史小説好きをワクワクさせるに十分な登場人物、事件が揃っているからこそ、フィクションが生まれ得る余地も多分にあるし、つまるところ、歴史を見る視点によって、作品の性格もまた大きく異なってくると思う。


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        2018/03/28 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      田原坂 小説集・西南戦争
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 2018/5 14冊目(通算85冊目)。明治初期に起こった西南戦争にまつわる短編集。西南戦争に関する本をこれまでに何冊か読んだが、この戦いは士族の最後の悪あがきと思えるような印象を持った。ユーモラスだなと思ったのが「兵児一代記」。ある戦いで孤軍奮闘し官軍を追い払った功績で領主に褒めてもらう場で立ちションしているところを見つかって褒賞が取り消しになるエピソードには読んでいて失笑してしまった。歴史の本は読めば読むほど知識欲をくすぐってたまらなくなる。他の歴史に関する本も機会を見て読んでいきたいと思う。

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        2018/05/25 by おにけん

    • 1人が本棚登録しています
      真田幸村
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 真田ものを読みたくて読んだのに、
        未完だった。残念。
        真田丸まで話が進まなかった。

        2016/02/04 by なおみ

    • 1人が本棚登録しています
      絆
      カテゴリー:叢書、全集、選集
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      • 2も面白かったー。
        収録作品は、海音寺潮五郎の「善助と万助」、延原謙訳 コナン・ドイルの「五十年後」、山本周五郎の「山椿」。
        “絆”というタイトルだけあって、義兄弟、恋人、夫婦に従姉妹に部下…と、いろいろな繋がりが描かれていて、それぞれのお話が感動的でした。
        1に比べて格段に読みやすい気がしたのは、書かれた時代の違いのせいですかね?
        >> 続きを読む

        2014/07/26 by koh

      • コメント 3件
    • 2人が本棚登録しています

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