こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


川端康成

著者情報
著者名:川端康成
かわばたやすなり
カワバタヤスナリ
生年~没年:1899~1972

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      雪国
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! Tukiwami
      • 数十年ぶりに読み返してみた。「いま長いトンネル抜けたよ。まっ白です。早く駒ちゃんに会いたいな」。もしスマホがある時代だったら、島村と駒子はLINEでやりとりをしていたかもしれない、なんて思いながら読んだ。

        東京在住、妻子ある金持ちおっさん(島村)が、北国で出会った若い芸者(駒子)が暮らす村を年一ペースで訪れ、逢瀬を繰り返す。

        ストーリーだけ追うと、若い娘とおっさんの切なく淡い不倫劇だが、情景や心象を映し出すおっさんの視点が高感度カメラでとらえた映像のように素晴らしく、雪の音まで聞こえてきそうな文章が映画以上に幻影的で叙情に満ちた映像美。

        この年齢になって読んだからか、全編に「縮まらない距離感」の美意識を感じた。男と女の距離感、都会と地方の距離感も今とまったく異なる時代。

        恋も旅も時間の流れが遅かったからこそ、雪国につながるトンネルはとても長く、その先にある風土、文化、歴史、愛人までも豊かな旅情を帯びる異文化世界としておっさんの目鮮明に写ったのではないだろうか。

        もしおっさんがスマホをいじりながら新幹線に乗って、駒子のもとへ通っていたなら、葉子の存在や鏡台に映り込むぼた雪など雪国の美しい移ろいにもにも気づかなかったかもしれないし、不朽の名作は生まれなかったかもしれない。

        本を閉じたあともクライマックスシーンの天の川の残像が不思議な余韻を残す。

        人と街の距離感が縮まったはずなのに、見えなくなってしまった日本の美質を映し出す鏡の残像のように美しい小説。

        流石、ワールドワイド文豪だぜ!
        >> 続きを読む

        2019/01/19 by まきたろう

      • コメント 3件
    • 他11人がレビュー登録、 31人が本棚登録しています
      伊豆の踊子
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 表題作は瑞々しい作品。
        「温泉宿」は、もろに風俗の話で度肝を抜かれる。
        表題作と対象的な作品。 >> 続きを読む

        2018/12/31 by tygkun

    • 他2人がレビュー登録、 27人が本棚登録しています
      山の音
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 家庭の内紛を家長の視点から淡々と描いた物語。
        おそらくは川端の最高傑作ではあるまいか。
        この小説を読んで映画「ゴッドファーザー2」を連想したのは、僕だけではないはずだ。
        >> 続きを読む

        2018/12/31 by tygkun

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      古都
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 執筆時に若干睡眠薬の影響を受けていたらしく、酩酊感のある場面も多い。
        ただし川端の本なので、三島や谷崎の著書と比較すれば明らかに読みやすく大衆的である。
        川端の著作は夏目漱石のそれより普遍性が高いような気がするので、純文学初心者にも安心してお薦めすることができる。
        >> 続きを読む

        2018/12/31 by tygkun

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      伊豆の踊子・禽獣 (角川文庫)
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      •  昔の人はなんてピュアなんでしょ。
         いいね、こういう、見てるこっちが
         恥ずかしくなってきちゃうような恋も。

         でも、実は表題作の「伊豆の踊子」よりも、
         収録作品の一つである「二十歳」の方が好き。
         いや、本当は悲しくなっちゃうから好きじゃない。
         けれどなぜかそういうお話の方が、ずっと心に残る。

         求めても中々手に入らないものがあって、それが自分に
         与えられることはないと知るとますます欲しくなって
         やけになって何か他のもので満たそうとするのだけど
         心は渇いていくばかり。

         手を伸ばせば掴めるしあわせが、そこらじゅうに
         転がっているのに
         見落としていることにも気付かない。
         そして気付いた時にはもう、手遅れなことの方が多い。
        >> 続きを読む

        2013/10/14 by 夜風。

      • コメント 5件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      雪国
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 「雪国」って真冬の雪に閉ざされた温泉にて人目を忍ぶ大人な男女の秘め事を通し人生の哀しさを描いているんでしょ?と思ったら全然違いました。
        季節も初冬、晩春、晩秋と雪は降ったとしても豪雪ではありません。白い世界のイメージはタイトルと冒頭の「雪国であった」の一言による先入観なのでした。
        「駒子」はむしろおきゃんな女と言える若い女だった事も驚きです。
        当時の道徳観からいって男側の意識としては18-19歳の女を買うことなどはあっけらかんとした無抵抗なものだった訳なのですね。

        川端文学は日本文学です。というと当たり前じゃないのと思われるかもしれません。
        でも日本語で書かれたから「日本文学らしい」とは言えない作家も多いのです。夏目漱石さんは明治の文豪と言われているので、純日本的小説家なのかと思われるかもしれませんが、むしろ漱石さんは英文学のプロなんですよね。そして漢文もとてもお得意なので、日本の古典の血を引いた作家ではないのです。
        では耽美な文章で知られる泉鏡花こそが日本文学なのかというとそれだけではないと思います。
        まだ「川端文学」を語るレベルには全くないのですが、きっとこれだけはいえるでしょう。
        川端の小説には日本の古典的様式と感性が表現されている。と。

        平安時代にさかのぼれる文学のスタイル、そして歌舞伎などの舞台の形式美。江戸時代に人気を博した物語の省略と誇張表現もきっと受け継いでいることでしょう。

        直接的表記はあえて避け、大胆な空白と隠喩を用い、注意深い読者にはわかる仕掛けをキーワードにして。
        自然風物を観察し新しい見方を「発見」するという短歌や俳句の伝統。
        主人公の目をとおして見える景色のディテールを詳細に描くことで舞台に自分もいるような感覚を得られ、声に出して話される言葉の生々しさをもって、人物のリアリティを生んでいく演劇的手法。

        「雪国」の駒子、そして「悲しいほど美しい声の葉子」の実在感は何と言っても彼女らの「声」のためにあるのです。

        その点が他にない面白さを持っていると感じました。

        「雪国」では物語は時系列に進むのではなく、同じ言葉や文章の繰り返しも多く、決して構成がよくできた作品ではありません。
        それもそのはず、雑誌で連載のような形で切れ切れに掲載されたものをまとめたものだったのですね。

        「雪国」を小説として評価するのは難しいです。
        主人公島村が越後湯沢の温泉芸者の駒子に会うというだけのストーリー。
        それも3年弱の期間に3回訪れただけの、情が濃いのか薄いのかよく判じかねるふわふわした「恋」のお話。
        「恋」を口にするのは一方的に駒子だけです。
        島村はというと「親の財産で」「無為徒食」の暮らしをし、文筆業をしながらぷらぷらできる贅沢な身分の、色白小太りで髭剃り後が青々としているような妻子持ちの男なんですよね。

        こういう男に惚れる気持ちに自分が全く同感できなのがまず恋愛小説としてマイナス。
        駒子が15〜16歳で売られた身の上で、島村との情事も19歳から21歳の間のお話であることも、憐れが先に立ってしまって普通の恋のお話に思えないこともマイナス。

        それでもこの小説が愛されているのは二人の女の強い印象が後を引くからなのではないかしら。
        私は駒子よりも葉子に心が惹かれましたが、彼女の存在がこの物語に陰影を与えています。
        情景描写もただの写生ではありません。冒頭の有名な文章に続く列車内の記述は特に魅力的です。

        このあたりの文学的なすばらしさはdreamerさんのレビューをぜひお読みください。
        きっとこの小説の香り立つ文章の良さがわかるでしょう。


        そこで私はちょっと別の見方を最後に書いておきます。

        「結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている」
        左手の人差し指が覚えている女って…。

        「雪国」はエロい小説でした。
        起きたことを省略せずに、ありのままに映像化したなら、こっちが赤面したくなるような情事のシーンが多々出てきますが、川端は何も書かず、すっとばしています。
        それでも言葉によってそれは「表現されている」!
        なんとまあ。
        読まれて困る日記を隠語で書いてあるのを読み解くみたいですよ。
        例えば、生理中なので関係を躊躇している駒子にそんなのなんでもないよと事に及んでしまうと、女も体のことは忘れ…。
        なんてのが、想像できるように書いてあるんですよ。
        源氏物語とかの古典文学みたいでしょ?

        ぜひぜひ雪国の一番のエロな表現(しかし上品をぎりぎり壊さない職人芸)を探してみてください。
        読み取っていただければ川端さんも喜ぶと思います。


        そしてこれだけではいけない。川端康成をもっと読まないと…。これだけでは全くわからないわね。と思った次第です。
        >> 続きを読む

        2016/12/21 by 月うさぎ

      • コメント 8件
    • 3人が本棚登録しています
      雪国
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 妻子持ちの東京人の島村が逗留先の北国で芸者と過ごす日々の物語。
        淡々と語られるその様に激しい愛情などは表出せず、只々穏やかに、芸者への哀れみを通じて自らへの哀れみを見るような感情なのだとか。
        その仄かなかがり火に手をかざすかの様な淡い情愛を浮かび上がらせるのに、雪国という景色が効果的だった気がしました。
        ただ結末で、それらを捨て帰らねばならぬ島村に、未練を残させるかの如き唐突な出来事で物語を締めねばならなかったのは何故なのか。
        最後の最後で水面に一石投じた感じ。
        総じては穏やか〜な時間を過ごすのには良い作品でした。
        >> 続きを読む

        2014/10/02 by 豚山田

      • コメント 2件
    • 5人が本棚登録しています
      愛する人達
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 読んでいないと思って図書館で借りてきた短編集ですが、読み始めて再読だと気づきました。相変わらず川端康成、上手いなぁ。

        彼の描写って結構しっとりしているんですよね。日本人の官能って感じだ。細部にズームした視点がやらしくていい。電車に乗った新婚夫婦の話が好きなんです。男の人ってそんなところ見てそんなこと考えているの?(笑)

        ほくろの話もよく覚えていました。やっぱり川端康成は文豪なんだな、としみじみ思います。文章もそうですけど、何を書くかの視点が非常に好みなのです。でもやっぱり、川端康成は短編のほうがいいな。
        >> 続きを読む

        2017/08/09 by ワルツ

    • 1人が本棚登録しています
      舞姫
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 波子は言う。
        「結婚はみんな、一つ一つ非凡のようですわ。・・・・平凡な人が二人寄っても、結婚は非凡なものになりますのよ」

        気怠く鬱々とした物語だった。
        戦争が終わった平和な世界で、一つの家庭がキシキシと音を立てながら崩れてゆく。

        波子も、娘の品子も、想う人がありながら踏み出せずにいる。無心に舞うことができない。
        矢木は不気味だ。妻のことも娘のことも見下している。プライドだけが無駄に高い生活力のない男。
        家族に毛嫌いされている沼田は、それほど嫌な人物だとは思えなかった。

        「雪国」や「古都」よりも、現実的で生々しい。
        生々しく、それでいて淡々としていて、心の奥底に沈殿していく。
        余韻が長引きそうだ。
        >> 続きを読む

        2015/01/02 by seimiya

      • コメント 1件
    • 3人が本棚登録しています
      千羽鶴
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 「千羽鶴」ほか4篇の連作短篇集。

        亡き父の愛人と関係を持ち、その愛人の娘にもそこはかとなく惹かれてゆく。
        なんとも背徳的な話だが、不潔な感じはしない。
        そばには必ず焼き物がある。焼き物のそばに人がある、ともいえる。

        志野焼、楽焼、唐津焼。
        焼き物にはあまり詳しくないので、ヤフーで画像検索しながら読んだ。
        綺麗な器の写真を見ていると、実物に触りたくなってくる。

        この小説はじつに触感的だ。

        菊治は太田夫人の触感を思い出す。
        「触感がよみがえって来ると言っても、彫刻的な感じではなく、音楽的な感じであった。」

        川端康成の文章も、彫刻的というよりは音楽的だなと思う。
        >> 続きを読む

        2015/01/03 by seimiya

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      名人
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 川端康成の名作の一つとのことですが、正直よくわかりませんでした。
        囲碁のルールは『ヒカルの碁』でなんとなく理解した程度ですが、たぶんそれはあまり関係がないのです。

        病に侵された不敗の名人が引退の碁で挑戦者に負ける話。

        といってしまえばそれまでですが、時代の変化や病んでいく身体、それでも打ち続ける姿と周りの期待、そういうものが名作たらしめているのだろうとは思います。思うのですが、よくわからなかった。

        川端はこの名人の死でひとつの時代の死を表現しているのでしょうが、なんだか懐古主義が過ぎるというか、自己陶酔が垣間見えるようで違和感を感じたというのもあります。作中でも、決して時代の変化を否定しているわけではないのに、なぜでしょうね。

        私にはまだ早すぎたのかもしれません。
        あと私にとって川端は、面白いのとつまらないのとがあるので、単純に合わなかっただけかもしれません。
        そんなに長い作品でもないので、よかったら一読して、名作かそうでもないのか、ご自身でジャッジしてみてください。
        >> 続きを読む

        2015/08/28 by ワルツ

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      眠れる美女
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • これは、かなりの異色作。
        特に表題作のインパクトは凄まじい。
        筆力とは、こういうことを指すのだ。 >> 続きを読む

        2018/12/31 by tygkun

    • 5人が本棚登録しています
      千羽鶴
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • まず文章の美しさに驚きました。ため息が出るほど…
        ありありと情景が目の前に浮かびます。匂いまでも。
        繊細、優美…です。




        >> 続きを読む

        2012/11/04 by michikoo

      • コメント 6件
    • 4人が本棚登録しています
      小公子
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 『小公子』は、小さい頃、アニメがあっていたのをおぼろげに覚えている。

        アニメの中で、主人公のセドリックが「アニーローリー」をよく笛かオカリナで演奏していた。
        それで、私も当時、リコーダーやハーモニカでときどきアニーローリーを練習して吹いていた記憶がある。

        ただ、物語はほとんどさっぱり忘れてたので、今回読んでとても面白かった。

        話の筋は単純で、アメリカで普通の家ですくすくと育っていた主人公のセドリックが、実は死んだお父さんは伯爵の勘当された三男で(お母さんがアメリカ人で恋愛結婚したため勘当された)、伯父二人が急死したため、急遽イギリスの大貴族の伯爵家の跡とりとなる。
        セドリックを迎える祖父は、はじめは気難しく心を閉ざした老人だったが、セドリックの素直さや優しさに触れて徐々に心が溶けて人間らしさを取戻し、やがて絶対に会うことも拒んでいたセドリックの母親とも和解する。

        といった物語である。

        しかし、この単純な、世界名作っぽいストーリーにもかかわらず、不思議な感銘や感動を覚えるのがこの作品のすごいところだと読んでいて思った。

        というのは、大人になってくると、ろくでもない人々を見て、徐々にこちらの心も凍る思いをしたりすり減ってくる。
        どうにもならない世の中に、苛立ったり絶望したりする。
        そういう経験を繰り返すうちに、いつの間にか、ドリンコート伯爵のように、世の中を冷笑し、斜に構え、心がこわばってくることは、誰でも多かれ少なかれあるのだと思う。
        それが、セドリックの本当に優しい素直な様子を見ていて、ドリンコート伯爵とともに、徐々に心が暖かく溶けていくような気がする。

        セドリックがかくも良い子なのは、そのお母さんがこの上なく良い心根の持ち主だからで、子どもと引き離されても恨みごと一つ言わず、あくまで子どもの幸せと他の人々の幸せを願って生きている姿が描かれるのだけれど、以下の言葉には本当胸を打たれた。

        "Oh, Ceddie!" she had said to him the evening before, as she hung over him in saying good-night, before he went away; "oh, Ceddie, dear, I wish for your sake I was very clever and could say a great many wise things! But only be good, dear, only be brave, only be kind and true always, and then you will never hurt any one, so long as you live, and you may help many, and the big world may be better because my little child was born. And that is best of all, Ceddie,—it is better than everything else, that the world should be a little better because a man has lived—even ever so little better, dearest."

        「ああ、愛しいセディー!私があなたのために、本当に知恵があって、多くのたくさんの賢いことを言うことができたなら。けれども、愛しい子よ、どんな時も、ただ良い人であり、ただ勇敢であり、ただ親切で真実であってちょうだい。そうすれば、生きている限り、あなたは決して誰をも傷つけることはないわ。そして、あなたは多くの人を助けることができるでしょう。私の小さな子が生まれたということで、この大きな世界は良くなることもできるのよ。そして、すべてにまさって、セディー、他の全てのことより良いことは、その人が生きていることで、この世界が少しでも良くなるということなのよ。たとえどんなにほんの少しでも。最愛の子よ。」

        本当に、どんなに少しでも、この世を悪くするのではなく、良くすることができたら。
        それが人の生きた証であり、意味ということなのかもしれない。

        また、

        "we must always look for good in people and try to be like it."
        「私たちは人の良いところをいつも見るようにし、そしてそれを好きになるように努めなければならない。」

        という言葉も、本当にあらためて胸を打たれた。

        セドリックの母のこれらの言葉を、セドリックのように素直に実行すれば、どれだけかこの世は良くなるだろうか。

        世の中そんなにうまくいくはずがない、と斜に構えて言う前に、自分はこのように生きる、ということが大切なのかもしれない。

        それにしても、原作を読んで気付いたのは、「アニーローリー」は全く原作の中に出てこない。
        アニメが付け加えたエピソードだったのか。
        しかし、よく作品にあった曲を持ってきたものだとは思う。

        また、面白いのは、アメリカにいた頃、まだ七歳ぐらいのセドリックは、政治にも興味を持って、共和党を熱烈に支持している。
        19世紀半ばの、イギリスはビクトリア女王の時代だけれど、この時代は、今とは正反対で、共和党が進歩的な政党で民主党がむしろ保守的なスタンスだった。
        20世紀中でどういうわけかそのスタンスが大幅に入れ替わり、今は真逆になっている。
        セドリックの時代に、初の黒人大統領は民主党から出ると聞いたら、誰も信じなかったろう。

        そういった時代背景も面白かった。
        あと今以上に、アメリカとイギリスはおそらく遠く隔たっていた時代だったのだろう。
        そういえば、チャーチルの母はアメリカ人だったが、若干リアル小公子っぽい少年時代だったのかもしれないと思うと興味深い。

        自分の心がセドリックに会う前のドリンコート伯爵のようになりかかったら、またこの作品を読み直したいと思う。
        >> 続きを読む

        2014/01/04 by atsushi

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています

【川端康成】(カワバタヤスナリ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本