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数十年ぶりの再読。Tレックスがこの地を凌駕していた白亜紀から始まり、未来まで十億年もの時間軸を舞台にする壮大な物語。ネット社会も、SNS社会も存在しない半世紀も前に書かれた作品なのに、現代に通じるテーマ性が多角的に描かれているSF界巨匠の創造力の奥域に改めて驚愕。ジョージ・オーウェルの『1984年』と同様に一時代を飛び越えて、未来の人々を刺激して止まない人類の叡智こそ宇宙の神秘かも。初独時は、宇宙の存続を賭けたプログレッシブなタイムトラベラーと、歴史改ざんを阻止するコンサバティブなタイムパトローラの時空を超えた攻防戦という活劇タッチに魅了されたが、年を積んだ今は、さまざまな時代に生まれて消えてゆく人間そのものが星のような宇宙のメカニズムの一片のような哲学的な小説に思えた。 >> 続きを読む
2019/09/21 by まきたろう
落語にちなんだ噺が四作。本の題になっている、「明烏」よりも、二作目の「天神山縁糸?w環」(てんじんやまえにしえのおだまき)が、おもしろい。ここにでてくる、桂文都は、桂米朝氏であり、大杉先生は、作者自身の、小松左京氏である。この二人が落語の世界で、絡む、場所は「天神山」の舞台、一心寺で、小糸の墓を探す。落語会でのネタは「立ち切れ」・・・そして舞台の上で三味線の音が・・・・。TVの「ちりとてちん」、や田中啓文さんの「笑酔亭梅寿、ハナシシリーズ」の原型は、この左京さんの「天神山縁糸?w環」にありとみた。大森望さんが、後ろの解説にて、コンパクトに述べられているので、そのまま写させていただくと、「天神山縁糸?w環」、問題小説1975年11月号初出 上方落語の「天神山」と「立ち切れ」を組み合わせ、落語という芸能の本質に迫りつう、楽屋噺まで、盛り込んで、現代的な人情噺に仕立て上げた奇蹟の様な傑作。のちに上方落語界初の人間国宝となる・桂米朝の至芸を活写した落語論としても出色の出来ばえだ。小松作品のみならず、落語をモチーフにしたあらゆる短編小説の中でも、これに太刀打ちできる作品はいくつもないだろう。上方落語ファンを自任しながこの傑作を未読の方がいたら、この一編のためだけにでも本書を購入する価値があ・・・・・と。・・・べた誉めである。「ハナシ」のはじまりは、この「明烏」か・まずは、読むべし。 >> 続きを読む
2013/06/01 by ごまめ
日本SF史に残る小松左京の「日本沈没」。第一部の刊行から33年の月日を経て発表されたのが、この「日本沈没 第二部」。物語の舞台は、日本列島が海に沈んでから二十五年後。世界各地に離散した日本人たちは、それぞれ苦難に満ちた日々を送っていた。日本政府の首相は、かつてD計画の中心人物であった中田。彼は旧日本海域に巨大な構造物を建設することで、日本の再興を図ろうとする。だが、日本の科学技術の粋を結集したスーパーコンピュータの未来予測は、計画の根本的な見直しを迫るものだった。日本沈没は、全地球的な危機の前触れに過ぎなかったのだ------。この作品は、最新の科学的知見や国際情勢を巧みに取り入れることで、単なる続編を超えた二十一世紀の「日本沈没」に見事になり得ていると思う。 >> 続きを読む
2018/04/11 by dreamer
東京オリンピック初開催の昭和39年発表の著者処女長編を読む。昨年再び脚光を浴びることになった『復活の日』と同じ年に発表された名作。50年以上前にまるで、『AkIRA』みたいな世界観を小説で描いていたなんて、と唖然!終戦直後に実在した屑鉄泥棒「アパッチ」を題材に、壮大かつエネルギッシュな未曾有のフィクションを構築してしまう著者の創作力に改めてSFという粋を超越した多重ビジョンを持ち合わせる稀有な社会派作家であったことが、窺えるスゴい作品だ。政治経済、外交、歴史、産業、科学、伝統文化、内乱、災害、人種差別、貧困、疫病など世界の動向をいち早くグローバル視線で捉え、戦後日本の行く末に?を問いかけてきた小松文学のパワーは、全く色あせていないことを実感! >> 続きを読む
2021/01/01 by まきたろう
はじめてSF小説を読みました。まず、この小説が1972年に書かれたとは信じがたい…!電子脳(AI)、ヴィジホーン(スマホ)など全く違和感なく近未来の世界が描かれています。本当にあと数十年もしたらこんな世界になりそう。言葉が難解というか癖があるものの、テンポよく話が進むのでサクッと読めます。人類と新人類(?)の結末はご都合主義のようでせっかくの設定がもったいない気もしましたが、現実も案外こんなもんなのかもしれません。(ちょっとした判断ミスが結果を大きく変えるという意味で) >> 続きを読む
2017/08/29 by komatsu
【小松左京】(コマツサキョウ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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