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丸木位里

著者情報
著者名:丸木位里
まるきいり
マルキイリ
生年~没年:1901~1995

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      おきなわ島のこえ ヌチドウタカラ(いのちこそたから)
      5.0
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      • 子供の頃、沖縄はアメリカでした。今はパスポートがないと行けないんだよ。そう聞いて育ちました。
        返還の大ニュースも嬉しいというよりは不思議な気持ちがしたものです。
        沖縄は果たして「日本」なのでしょうか?
        沖縄の人はそう思っていないことを、今の私は理解しています。
        しかし本土の大部分の人たちにそれがわかっているでしょうか?

        考えたこともないという人はぜひこの絵本を読んでみてください。
        体験談を取材し、真剣に誠意を持って描かれた絵本です。

        ハイビスカスの赤に人々が流した血の赤が取って代わる。
        死にゆく人々の悲鳴や横たわる死体。

        今、絵本でなければ、教科書には決して載らないこれらのビジュアルメッセージ。
        残酷すぎる?
        そうでしょうか?
        戦争になれば、自分が足元の死体を踏むかもしれないのに?
        手足がちぎれて顔がなくなるかも知れないのに?
        それよりも絵が残酷だとでもいうのでしょうか?

        戦争はいけない。

        そんな教育を受けて育ってきた私の世代は、戦火の悲惨さを伝える物語は随分耳にし目にしてきました。
        しかしそこには、日本が沖縄に対してやったことへの反省は含まれていませんでした。
        「ひめゆりの乙女」の「集団自決」はドラマになっていたから知っています。
        「ひめゆりの塔」にも慰霊で訪れたことがあります。
        でも私が知っている彼女たちの死は信長の時代の落城の際の自害の話のような
        もしくは白虎隊の少年兵の集団自害のような、
        まるで物語の中の「美しい悲劇」として描かれていました。
        実際に起こったことは日本兵による強制自殺であり殺害であり、
        米兵による空爆であり、住民同士による殺し合いでした。
        それはある意味、精神的には原爆よりも悲惨な地獄だったかもしれません。

        戦争の悪はそれが「国や民を護るため」という「嘘」が平然と信じられ、なんの関わりもない人を死に追いやることです。
        沖縄が何をしましたか?沖縄の誰が戦争に関わったのですか?

        大きな哀しみと怒りを感じます。
        それでも沖縄の人は優しい。
        日本人はその優しさにいつまでつけこんでいてはいけません。

        今、基地問題で揺れる沖縄。
        戦後70年もの間。
        彼らはこの絵本に描かれた戦争を忘れていない。いえ、忘れられないのだということを、
        私たちは謙虚に学ぶべきではないでしょうか。

        「ワラビンチャー ヒンギリヨー。ヌチドゥ タカラ」
        (子どもたちよ 逃げなさい、命こそ 宝。)

        沖縄人の悲劇は日本への恨みで晴らされるものではなく、
        戦争から逃れる術を持たなかったことへの後悔なのです。

        心からのメッセージを、あなたに…。


        著者:丸木夫妻は共に画家。『原爆の図』、絵本『ピカドン』が著名
        この作品を含め、多くの絵本が翻訳され世界中で出版されています。
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        2015/05/17 by 月うさぎ

      • コメント 10件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      原爆の図 普及版完本
      カテゴリー:洋画
      5.0
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      • 丸木位里・丸木俊夫婦の『原爆の図』などの絵の画集。

        広島、長崎、沖縄、水俣、アウシュヴィッツ、南京、足尾銅山、大逆事件などを描いた絵が収録されていた。

        二十世紀、なんと人類は多くの地獄をつくってきたのだろう、なんと多くの地獄を見てきたのだろう、とあらためて深く思わざるを得なかった。

        その恨み、悲しみ、怒り、嘆き、願いを、よくここまで描いたものだと思う。

        二十世紀とは何だったのか。
        その記憶を風化させてはならない。
        そのためにも、この画集は、貴重な一冊だと思う。
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        2013/05/26 by atsushi

    • 1人が本棚登録しています
      みなまた海のこえ
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 石牟礼道子さんが文章を書いている絵本。

        かつて、あらゆるいのちが仲良くつながって幸せだった水俣の海や山や村。
        生まれてくる子どもは、みんな喜ばれ、みんなでそのいのちが生まれてきたことをよろこんで、これから幸せな人生を送るだろうとみんなで思っていた。

        しかし、最初にチッソの工場が来た時に、山からキツネたちが巣を爆破されて追い出されて天草に逃れていき、

        徐々に、海や湧水に毒がたまり、魚や生きものたちも、そして生まれてきた子どもまでが、毒にやられて苦しみながら死んでいく。

        彼らの無念の声と、かつてこの地がどれほど豊かで幸せな地であったかを、絵も文章も入魂の筆で描いていた。

        多くの人に一度手にとって読んで欲しい。

        また、水俣病の淵源は、決して昭和の三十年代ではなく、もっと昔から、戦前の、工場が進出した時からに始まる、ということをキツネの物語を通じて描いているところに、考えさせられた。
        自然が狂いだすのは、本当にひどい状況が目に見えるようになってからだけでなく、ささいなところから始まっているのだと思う。
        その時に、その変化や声に耳を傾けることができていたら。

        声なき悲しみや無念の声を代弁する石牟礼さんの言葉は、本当に貴重なものだと思う。
        >> 続きを読む

        2013/04/30 by atsushi

      • コメント 6件
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