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西永良成

著者情報
著者名:西永良成
にしながよしなり
ニシナガヨシナリ
生年~没年:1944~

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      椿姫
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • あなたがじぶんのためではなく、あたしのためにあたしを愛してくれるから


        久々に、時間を忘れて一気読み。
        あとがきまで入れると500頁弱ありましたが、集中すると短時間で読めてしまうのですね。
        合間に自分の感想をメモする余裕もありませんでした。
        それほどおもしろかったです!
        作者はアレクサンドル・デュマの息子(フィス)さんで、自身の経験に基づいた作品。
        「体験の辛さをそのまま語ればいい」と言っていますが、二十四歳で、しかも1ヶ月でこんな素敵な作品を完成させるってすごい。
        やはり才能ですね。

        マルグリット・ゴーティエは、パリの社交界で金持ち貴族を相手にする高級娼婦。
        奔放で、豪遊しながら生きていたのは、病気で自分は長くないことを確信していたから。
        自分は商品であることをわかっていたから。
        人を愛することができなかったマルグリットを、アルマンは娼婦としてではなく、一人の女性として誠実に愛します。

        マルグリットは気高く美しい。
        同性として、彼女は理想の女性像でした。
        愛する人のためにいさぎよく身を引き、病苦の末に亡くなります。
        彼女は日記や手紙をアルマンに残しましたが、私なら真実を胸に秘めたまま、愛情があることを伝えないままひっそり終わらすと思います。
        伝える勇気がない、と言った方が正しいかも。
        そんなところも含めて、彼女に女性としての魅力を感じます。
        アルマンのひどい行動も、マルグリットの美しさをより高めているの私はOKです。
        実際あんなことをされると辛いけれど、何も反応がないより遥かに嬉しいと思う。
        後半は涙ボロボロでした。
        二人の愛に、ではないです。
        マルグリットの誇り高い生き方に感動しました。

        「ムーラン・ルージュ」に似ているなぁと思っていたら、「ムーラン・ルージュ」は「椿姫」と「ラ・ボエーム」を元に創作した、と書かれていました。
        この手のストーリーが好きなのかも。
        私も清らかな誇りを持って、強く生きていきたい。
        >> 続きを読む

        2017/05/07 by あすか

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      別れのワルツ
      カテゴリー:その他のスラヴ文学
      5.0
      いいね!
      • あいかわらず一般受けしそうにない本を読んでいる今日この頃です(-_-;)
        ところで、先日、ミラン・クンデラさんの「不滅」を投稿したことをふと思いだし、これだけはレビューしておいたほうがいいかもしれないと思い書いてみました。

        ご存じのとおり、「存在の耐えられない軽さ」と「不滅」は、クンデラの代表作として世界的にも有名です。ちなみに、「不滅」までの長編作品をみると、初作「冗談」、「生は彼方に」、「別れのワルツ」、「笑いと忘却の書」、「存在の耐えらない軽さ」、「不滅」となっていて、その後もいくつかの長編が続いています。

        クンデラ作品はどれをとっても同じパターンの描き方はありません。彼の本のページをめくるとき、私はいつもプレゼントの包みをあけるような高揚感を覚えます。この作品を開いて驚いたのは、いたってオーソドックスな描き方、そして、あらためてクンデラはなんと素晴らしいストーリーテラーであることか。
        テーマは一貫していて(キーワードも他の作品に比べて多くない)、時系列どおりにすすみ、舞台も固定され、時空の混在もなく、大変リーダブルな作品に仕上がっているのに、クンデラ独自の思弁がきれいに織り込まれて思索に富み、しかも軽やかなのです♫

        ***
        不妊症に効くとされる温泉保養地。祖国を捨てて亡命を決意したヤクブは、友人らに永遠の別れを告げるためこの地を訪れます。遠い昔、友人のDrスクレタが処方した自殺のための毒薬を未だに持ち歩くヤクブ。ちょうどそのころ、温泉保養施設で働いていた看護師ルージェナは懐妊し、その事実を高名なトランペット奏者に告げると、彼は甘い言葉を囁きながら中絶を迫るためにこの地を訪れます。ヤクブの持っていた毒薬の行方は? 果たして彼は亡命できるのか? サスペンス的要素も取り込みながら、8人の男女が織りなしていく切ない愛の物語です。

        この作品では、クンデラの他の作品に通奏低音のように流れているピリッとした、ときに胸苦しくなるような歴史の緊張感というものが希薄です(作品が冗漫でふにゃふにゃしているという意味ではありません)。そのため、どこか遠く懐かしい、郷愁を誘う作品に仕上がっています。きっとノスタルジックな心持ちでクンデラは書いているのだろうな~と思える作品です。

        クンデラ作品群を貫く精神性があるとすれば、人はどこからきてどこへ行くのか? 世界化した現代の実存や「生」の模索という宇宙的命題。抒情性を回避して詩作ではない散文でしか表現することのできない芸術美の探求、その結果はほとんど神業です。
        どちらか一方に秀でた作品は数多くあれど、深遠な精神性の発露と芸術性の昇華をともにみる作り手というのは、そうお目にかかれるものではありません。まさに鬼才だと感じます。

        お節介ながら、クンデラ作品に触れてみたいけど、何から読んでいいのかよくわからない…と躊躇している方の一助になれば幸いです。この「別れのワルツ」をお薦めし、もし興味が湧くようであれば、青春作品「冗談」⇒「生は彼方に」。このあたりからクンデラ独特の小説手法の萌芽が見られ、次の「笑いと忘却の書」で、時空を超えたポリフォニー的試作にチャレンジしています(ゲーテやボッカッチョやペトラルカなどを登場させて遊んでいます♪)。それらの手ごたえを経た上で、「存在の耐えられない軽さ」や「不滅」に昇華させています。

        ところで、先日、クンデラが書いた評論本を読んでみると、彼曰く、「別れのワルツ」は、愛着を覚えていて、書いていて楽しく嬉しいもので、他の小説とは違った心理状態で、出来上がりも早かった……(「小説の精神」より)。
        やはり、このような著者の感覚というのは、書物を通して読者にも伝わるものですね。
        興味のある方は、ぜひどうぞ(^^♪
        >> 続きを読む

        2016/03/29 by アテナイエ

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