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岡田英弘

著者情報
著者名:岡田英弘
おかだひでひろ
オカダヒデヒロ
生年~没年:1931~

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      世界史の誕生 モンゴルの発展と伝統
      カテゴリー:世界史、文化史
      5.0
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      • 異色の歴史学者・岡田英弘の「世界史の誕生」を読了しましたが、この書から、ある種の衝撃を受けました。

        今までいかに狭いスケールでしか「世界史」を見てこなかったか、痛打される思いがしましたね。

        この書で論考されている、1206年、モンゴル帝国の建国の瞬間こそ、世界史の誕生であったということです。
        中央ユーラシアの草原こそ世界史が始まったと、著者の岡田英弘は論破する。

        これをモンゴル史家によるアクロバティックな解釈と読むのは正当ではないと思う。
        中央ユーラシア草原に発する力が、中国世界と地中海世界とを創り出し、その結果、世界が現在の形をとるに至ったという"単一の世界史"をこの書では、実際に記述しおおせていると思う。

        この"単一の世界史"とは、水と油のような東洋史と西洋史とを統合する試みのことなのだ。
        そして、それらがなぜ水と油なのか-------?

        まず、東洋史を生んだ中国世界、西洋史を生んだ地中海世界、それぞれの文化の特有性を説くのは、この書の中ではウォーミングアップなんですね。
        ハードなストレッチはその直後にくる。

        歴代の中国の王朝が、ほとんど非中国人の王朝であったこと、中央ユーラシア世界の力が常にそこに働いていたことを明かして、中国型の歴史、つまり東洋史を解体していくさまなど、歴史学会における剛腕の学者の投げる鮮やかなボールを見る思いがします。

        他方、モンゴル文明が西ヨーロッパ文明の内側に入り込み、地中海型の歴史、つまり西洋史の枠組みを崩していくプロセスをも見届けているんですね。

        まさに剛腕による連投、また連投。
        そうして「実にモンゴル帝国は、世界を創ったのである」と結ぶまでの記述は、歴史の烈風の音を聞かせるようである。

        その風が痛い。モンゴルという外的な力を知ることで、内的で自律的な文明という「幻想」が、無惨に砕かれるのだ。
        そして、その無惨さが、あまりに痛いのだ。

        >> 続きを読む

        2018/05/20 by dreamer

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【岡田英弘】(オカダヒデヒロ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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