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妹尾河童

著者情報
著者名:妹尾河童
せのおかっぱ
セノオカッパ
生年~没年:1930~

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このランキングは1日1回更新されます。
      少年H
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
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      • 妹尾河童の「少年H」(上・下巻)を読了。

        主人公の少年Hの綽名は、クリスチャンで、一寸モダンな母が編んでくれたセーターに、大きくHのイニシャルが編みこまれていたからだという。

        昭和5年生まれの少年Hの9歳から物語は始まり、敗戦後の混乱の中で、彼が中学を卒業して画家を志して、働き始める15歳までの、いわば自叙伝的な物語だ。

        この、作品のユニークさは、あの国家的な事業として行われた戦争を、当時の少年達がどのような目で見ていたかが、克明に検証されている点であろう。

        物語の視点は、常に当時の少年Hの目によっている。

        少年が感じた、戦争に向かう日本の一寸馬鹿げた高揚感、あるいは寧ろ、冷静に覚めた目で見る子供達に比べて、滑稽ともいえる精神論を声高に鼓吹する大人たち、といった描写は、まさに先の戦争が、一体、どういう形で国民を巻き込んでいったのかをあらためて我々に教えてくれる。

        この物語でくっきりと浮かびあがる少年Hの家族の姿は、実に懐かしい日本の家族の原風景だ。

        Hの両親は、広島の田舎から神戸に出てきた。
        父親は苦労して洋裁店を起こした苦労人だ。
        リベラルながら、世の中の動きに対して賢く柔軟で、家族の保護者として申し分がない。
        Hにとっても、尊敬すべき良き理解者なのだ。

        母親もクリスチャンの狂信的な部分はあり、Hにとっては、一寸悩ましいところがあるものの、良き博愛者、良き母親だ。

        二つ違いの妹は、兄思いであり可愛い。
        兄が妹を可愛がり、妹も兄を頼りにしてという理想の兄妹像が、これまた日本の原風景的だ。

        こういった、何となく、なじみ深いような気がするHの家族が、あの戦争という悲惨な時期をどのように過ごし、又、彼らの周りの人々や、世相がどのように移り変わっていったのか。

        戦後生まれには、経験のないはずなのに、懐かしく思うのは何故だろうか。

        >> 続きを読む

        2021/07/21 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      河童が覗いたインド
      カテゴリー:アジア
      5.0
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      • 旅行記で最高の1冊をあげなさい。と言われたらこの本を迷わずに選びます。
        解説の椎名誠氏も言っています。
        ついに゛輝け!インド本第1位”が出たぞ、と思った。と。

        スケッチブックと巻尺をもって、あらゆるものを詳細に観て、測って、描きとめて、人と出会い、芸術に触れ、食い、
        文字通り地を這うように旅している様子に
        感動するやら呆れるやら。

        例えば泊まったホテルの部屋のレイアウト、内装、サイズまで
        細密画のようなイラストで描かれているのです。

        そして、これも、絶対に言っておかないと。

        『この本は文字まで全て河童さんの手書き』なのです!!!

        文庫だと字が細かすぎ~(と最近の私は思います)

        しかし、この本の最高の素晴らしさは、このオタクなこだわりだけにあるのではありません。

        河童さんのインドへの理解と敬意が込められているという点にあります。

        素晴らしい歴史と文化を誇るインドには、すべてがあります。
        悠久の時の流れを感じる息の長い人の営み。
        究極の貧困から贅を尽くした王侯の暮らしまで。
        その懐の深さ、幅の広さを彼は理解しています。

        河童さんの人柄や芸術に対する深い洞察の前には、
        多くのインド本が単なる“貧乏体験自慢”に過ぎないように思えます。
        おもしろおかしいインド体験記も悪くはないです。
        インドは日本人からするとあまりに違う国だから、
        誰が行っても何か書けてしまうはず。

        けれど「河童が覗いたインド」は妹尾河童さんにしか書けません。
        彼の素晴らしい目を通してインドを眺められる幸せ。
        それは、自分が直に旅行で漠然と目にするインドよりも
        もっと真のインドなのかもしれません。

        そして、その地に行く日が巡ってきたら、必ずこの本を同伴して行きたい。
        そう思わせる本です。
        >> 続きを読む

        2012/11/06 by 月うさぎ

      • コメント 16件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      少年H
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • これは私が中学の頃に読みました。

        祖父母から聞かされる、戦前後の話しと似てはいたけれど、昔話のように聞かされる話しとは違い、昔の話でありますが現在進行形で書かれているため、とても面白く感じ、あっという間に読みすすめてしまいました。

        自分が知らない時代の話しに興味がある方は、ぜひ読んでみてください。
        >> 続きを読む

        2015/05/20 by coco

      • コメント 5件
    • 5人が本棚登録しています
      河童のスケッチブック
      4.0
      いいね!
      • おもしろい。
        常々気にはなっていた、妹尾河童さんの本。

        精密な絵と、精密な文章。
        それでいてかたぐるしくない、取り上げている題材のユニークさ。

        妹尾河童さんが集めた世界の御土産なんぞは、この頃ではじゃまもん扱い。
        私にとっては、一歩間違えると、がらくたと紙一重のものばかりか。

        そんな、著者のユニークなる珍品のオンパレード。

        でも、一番のユニークさは、変形サイズであった単行本をこの文庫本に置きかえる時、
        本を横にして縦に開くスタイルの本。

        初めてみる、本は横にして、ページは上下にめくる。
        立っている電車の中では、慣れぬせいか結構疲れるが。

        おもしろくて、一気に読めたが、絵についている字が小さくてゴシック体。
        普段見なれていない活字は、違和感ありますな・・・・。

        本好きの皆さん、文庫本で通常とは違うつくり本、ご存知でしたらお教えください・・・。
        >> 続きを読む

        2013/05/28 by ごまめ

      • コメント 5件
    • 4人が本棚登録しています

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