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図書館本。上巻。司馬遼太郎作品を一冊でも通読したのは初めて。『項羽と劉邦』を読みかけて挫折して以来、司馬氏の作品を敬遠していたが、本書は読みやすかった。土方歳三に男のロマンを感じたかったのだけれど、上巻を読み終わったところではいまひとつ。下巻に期待したいところだが、人斬り半次郎の話を先に読んでから、歳三の生き方を考えてみるのもありかな、と思う。 >> 続きを読む
2021/02/10 by Kira
世間の多くの人が抱く幕末の人物は司馬作品の影響が大きいと改めて思いました。それが、事実かどうかではなく取材をされて自分なりの解釈が加わって作り上げたものだと思います。そして、それが多くの人に共感され構成にも伝えられていくほどの作品だと思います。坂本龍馬は司馬先生の作品が出るまではほとんど無名の人物だということを聞いたときは、すごいことだと思い、それに関わった人物たちからの物語に興味を持ち読みました。沢山の人物が登場しますが、全員が簡潔に人物像の紹介があるのでより分かりやすさもあり面白かったです。幕末小説は好きです。 >> 続きを読む
2021/02/17 by ryoji
言わずと知れた坂本竜馬が主人公の長編歴史小説。坂本竜馬の魅力が存分に盛り込まれた最高傑作だ。何よりも感心するのは、竜馬のプレゼンのうまさである。竜馬と同世代で、同じように尊王攘夷論を唱えても清河八郎のように人を追い込む過激さはなく、武市半平太のように宗教がかった至誠さもない。かといって2人のような教養は竜馬には皆無だった。いかに皆が得をするか、楽しめるか、ノリにノッたベネフィット漫談で笑わせながらどんな立場の人間でも気を許させて懐に入っていく。しかも人や時勢を見る目があるので、話す相手や交渉の時期のタイミングによって話し方・話す範囲を変えるのだ。最後には「竜馬がいうなら」と笑顔で交渉成立するからスゴイ。あとは当時誰も持っていなかった「日本人」という概念。海外における日本という枠で物事を測っているので藩内で考えを収束する者に比べたら自然とスケールが大きくなる。そんな竜馬と、長い物語の中で長く共にいた。紆余曲折を一緒に感じて一緒に立ち上がった気でいるから物語のクライマックスである「大政奉還」が成立した時の竜馬の感動が震えるほど伝わってきて思い入れがさらに深まった。その後の暗殺シーンは読みたくなかったくらいだ。歴史の面白いところは、ひとつの場所で誰かを中心に歴史が繰り広げられてる間、あらゆる人があらゆる場所で歴史を紡いでいて両者が交わった瞬間、ふたつの歴史がひとつになるという醍醐味だ。幕末のストーリーのファンが多いのは頷ける。大きな歴史を背負った個性豊かなキャラクターが絡み合ってあちこちで化学反応を起こしてるからだろう。竜馬を知ったおかげで、もっと他の人物にもスポットを当てたくなった。しばらくは歴史小説づくしになりそうだ。 >> 続きを読む
2019/02/07 by NOSE
面白い……! 何よりも読んでて胸が熱くなる。 自分も何かに向かって必死になってみたくなる。 時々思うが、一昔前の若者たちは本当に大人びていてしっかりしている。 今の時代も今の時代の「大人らしさ」はあるが、やはりあの頃程のたくましさとは違っていて、それが少し羨ましくも思った。 続きが楽しみである。 >> 続きを読む
2020/09/11 by Moffy
2019/01/28 by NOSE
現在、夢中になって読んでいるのが「世に棲む日日」全四巻。主人公は2巻目で吉田松陰→高杉晋作へ移ります。松陰の場合、佐久間象山など師事した人物のエピソードも多く、本当に序盤のうちに安政の大獄を迎えてしまう印象。国内で激しい政治闘争が吹き荒れる中、「敵の文明を知り、敵の武器、戦法を学び、そのうえで敵に備え、敵を来るを撃たねば、日本は洋夷の侵略するところとなります」と言い切った先見性は鋭く、やはり時代に選ばれた革命家だと思います。玉木文之進の厳しい教育により頑固なほど真面目で律儀、女性に対して潔癖という不思議さも併せ持つのがこの人物の魅力。友人との旅行の約束のために、脱藩までしてしまうんですから。極端すぎてついていけない(^^;)長州人が魅力的に描かれており、司馬遼太郎作品の中でも抜群の読みやすさで、あっという間に読破しそうです。 >> 続きを読む
2018/08/17 by あすか
下田から船をこぎだしてアメリカに渡ろうとするという、国禁をおかした大罪人。松陰の行動力に驚かされるばかりです。それに対し、長州という藩もなぜか政治犯に対して寛容で。知れば知るほどかなり異色の藩だと思うのですが、その体質もあり過激な勤王攘夷運動へ沸騰させていったのですね。実家の杉家で開いていた「松下村塾」も存続期間はわずか三年というのも驚かされました。どれだけ時勢が目まぐるしく動いていたか。そして、物語の主役が吉田松陰から高杉晋作へ。高杉は上海洋行で西洋文明の壮観を見て、圧倒され、それを好みました。「開国し、貿易し、西洋技術を導入し、それらによって日本そのものの体質を一変させなければならない」松陰の思想を受け継ぎ、師がもたなかった戦略理論をあみだす革命児が高杉晋作。議論家から、革命家に。司馬さんの書き方もあって、高杉晋作の生き方がかっこよすぎる。 >> 続きを読む
2018/08/20 by あすか
長州は、藩主をおきざりにして藩の下層がいっせいに京へむかって暴走し、京における市街戦で木端微塵にくだけてしまった。蛤御門ノ変。この乱戦のなかで来島又兵衛が戦死し、またかれらを制止しようと最後まで努力した久坂玄瑞も乱軍のなかで死ぬ。この間、高杉晋作は獄中。そして英・仏・米・蘭四ヵ国が十七隻の連合艦隊を組んでやって来ると同時に、幕府「長州征討」の報。長州の大瓦解がはじまろうとしていた。時勢が目まぐるしく変わろうとしています。熱くなりすぎて歯止めがかからなくなってしまった過激派の暴走は、長州藩を追い込みます。そんな中じっと身を潜ませ、ひたすら機を待ち、窮地に陥った時に颯爽と現れる。奇才・高杉の窮地を救う判断力と視野の広さに驚嘆。すごく軽い言い方をしてしまいますが、主人公感が半端ない。司馬遼太郎の描く高杉晋作、やはり格好いいです。この巻、外国艦隊との講和の中、租借についての話を古事記・日本書紀を朗読し、日本は一島たりとも割譲しないとする晋作の大演技が書かれています。幕末エピソードの中で一番好きです。 >> 続きを読む
2018/08/25 by あすか
晋作は松陰の死後八年ながく生きた。この八年の差が、二人の歴史の中における役割をべつべつなものにした。(中略)松陰というほとんど無名にちかい書生を、一令のもとに萩からひきずりだして江戸伝馬町の獄舎に投じ、さらには虫でも潰すようにして刑殺するほどであったが、八年後の情勢のなかにあっては、その書生の門人である高杉晋作のために幕軍の牙営である小倉城が攻め落とされ、幕軍副総督小笠原壱岐守長行が城を脱出して海上に逃げ去るという事態になった。「老年」冒頭で、司馬さんはどれだけ時勢がめまぐるしく変わったか書いています。吉田松陰、高杉晋作がどのような中で生きてきたのか、わかりやすく解説されていると思います。長州はもちろんですが、どのような経緯で討幕になったか彼らを追うことで理解することもできました。全体を通すと考えさせられることの多いことばかりでしたが、この巻のほとんどがおうのを連れて逃げている場面ばかりなんですよね。下関開港をはかったために反対世論が殺気立ち、難を避けるため脱藩という流れだったのですが。革命家としてはかっこいいと言ってきた高杉晋作ですが、夫、身内にこんな人がいると嫌だと何度も思いました。愛人と共に逃亡したり、結婚して五年のうち過ごした期間は数ヶ月でしかない夫。うーん。それでも、「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し・・・」の言葉通りの活躍には、高揚感が高まります。うちにある司馬さん本のほとんどは親が購入したものなので、かなり古くなっています。この本の帯も大河ドラマ「花神」原作と書かれています。再読しようと思ったきっかけは、帯に書かれている文章でした。『長州過激派の理論的支柱吉田松陰とその思想の具現者高杉晋作(世に棲む日日)。一介の村医から一躍軍事の天才と謳われた大村益次郎(花神)。北越の麒麟児河合継之助の智謀と胆力(峠)。海内無双の剣士(十一番目の志士)。幕末動乱の世に各人各様の志操で身を処した男たちの生きざまを描いたこれらの著作を土台に壮大な歴史ドラマ「花神」は展開していゆく』全部読みたいと思わせてくれました。幕末を様々な角度から堪能したいと思います。 >> 続きを読む
2018/08/29 by あすか
歴史小説はあまり読んでなかったので司馬作品もあまり新撰組はいろんな媒体によってずいぶん前から好きで、今回は私の中で男くさく、土のにおいがするような作品であった彼らに纏まりつく血のにおいはもちろんと言うのは本意ではないが、真に流れていた。 >> 続きを読む
2018/03/17 by kotori
司馬遼太郎の直木賞受賞作「梟の城」を再読。この作品は、忍者小説としての忍術を駆使した、活劇小説として読んでも面白いが、別の楽しみかたも出来る作品で、一般的な感覚とは、また違った角度から眺めることで見えてくる。葛籠重蔵と風間五平、この二人の忍者の寄って立つ立場が、非常に対照的なのだ。しかも、それは善悪の対立ではない。互いの言い分というのが、これも明確で一理ある。その意味で、読む者は自分の置かれた立場や思想などを、二人のうちのどちらかに仮託して、この作品を読み進めることになるのだ。とにかく、理屈抜きで、とても感情移入のしやすい物語だと言える。ただ、この作品が面白いのは、その先、つまりその立場とは相反する感情により、二人が苦悩する部分だ。一見、忍者としての生をまっとうするように思えた重蔵が、冷酷な忍者になりきれない。逆に五平は、武士になろうとしながらも、忍者であった頃の習性が捨てきれない。このひねりによって浮かび上がるのが、人間くささであり、小説の重要な味わいになっている。さらに、木さると小萩という二人の女忍者を登場させ、恋愛を交えた感情の交錯を、いっそう劇的なものにしている。果たすべき任務があり、貫きたい愛があり、それが葛藤し、衝突するところにこそドラマが生まれるのだ。この作品は、忍者という複雑で、微妙な境遇に生きる者たちの日常を描くことで、そこから発生する感情のうねりを、絶えず読む者に突きつける。秀吉暗殺という、最終到達点すら霞むほどに、司馬遼太郎は彼らの機微をうがつのだ。直木賞を受賞しているものの、この「梟の城」は、司馬遼太郎作品の中にあっては、それほど優れた作品ではないかもしれない。だが、読み終えて思うのは、後年のいわゆる、有名どころの数多くの歴史小説とは、ひと味違った興味深い作品だということだ。 >> 続きを読む
2021/01/18 by dreamer
備中高松城攻めでの話↓秀吉「くわんぴようえよ、こんどは水で攻めればどうであろうかな」とこの男がいったとき、官兵衛は井戸や川といった水源を断つことかとおもった。それならば兵法の既成概念にある。唐土の兵法書にもあり、わがくにの戦国人は現にそれをやっている。それだけに、とっさに官兵衛は愚策だとおもった。この地形を察するに敵城のまわりは低湿地である。自然、城内で井戸さえ掘ればいくらでも水は出るであろう。官兵衛「さあ、それはどうでありましょう」煮えきらずにいると、秀吉はその官兵衛の思いをすぐ察し、「ちがう」と笑い出した。「湖をつくるのよ」官兵衛は、声をのんだ。秀吉の戦の方法は、武力ではなく、調略、土木作業で敵陣に攻め入るときは既に決着はついている。もの見方、考え方が視野が広く勉強になる。全身の毛が逆立つほど面白い本。 >> 続きを読む
2017/05/20 by atsu
全国の大名を巻き込んだ日本最大の合戦と言われた関ヶ原の戦い。 西軍の中心となった石田三成の視点なので、東軍の徳川家康が悪役として描かれている。 しかし、彼らを取り巻く武将たちの人間像もよく描かれていたから第三者目線で見通せて面白い。どちらにも主義がある。 義をもって戦う三成と、利を操って戦う家康の対比が勝敗の明暗を分けた。 夜襲・暗殺・調略という汚い方法を決してとらない三成の徹底した正義感に、西軍の武将が苛立つのがこちらにも伝わってくる。 だけど「へいくわい者」と言われて嫌われた彼には、最期まで共に戦った島左近や大谷吉継という非常に魅力的な武将がいた。三成にはそういった人たちを魅きつける無垢な部分があるんだろう。 最後の章はどちらにも通じた黒田妙水の語りで終わるのが粋だった。「あの一挙は、故太閤へのなによりもの馳走になったであろう。」と。 処刑される寸前「泉下で太閤殿下に謁する。それのみが楽しみである」と言い残した三成も、それを聞けば報われるかもしれない。豊臣家のために人生を捧げ、義を貫き通した三成に悔いはないように思う。 >> 続きを読む
司馬遼太郎さんの歴史知識の深さに圧倒! 日本だけでなく、ロシアをはじめとする各列強国の情勢や国民性も詳しく書かれていて、とても面白く読めた。 私は外国で教育を受けていたので日本の歴史については疎い者だったが、『坂の上の雲』シリーズを読みながらそれについてもちょくちょく学べるので、とても勉強になっている。 この一冊も名言が詰まっていて、読みながらぎっしりと付箋を貼り、一句一句ノートに書き写した。 続きが楽しみ! >> 続きを読む
2020/09/19 by Moffy
【司馬遼太郎】(シバリョウタロウ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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