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高見浩

著者情報
著者名:高見浩
たかみひろし
タカミヒロシ
生年~没年:1941~

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このランキングは1日1回更新されます。
      透明人間の告白
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • H・F・セイントの「透明人間の告白」は、ダントツに面白い小説だ。こんなに愉しい本も珍しく、そんなにあるもんじゃありません。

        まず、ある日突然、透明人間になってしまった主人公の生活のディテールを克明に描くという発想が、群を抜いていると思います。

        透明人間の買い物や食事はどうするのか、そういう生活の現実をひとつづつ描いていくのです。

        青信号の通りを横断しようとすると、誰もいないとばかりに車は突っ込んでくるし、混雑した通りを歩くと人がぶつかってくる。安心して歩けないのです。

        活気ある都会が、透明人間になった途端に、不便で、危険な街に変貌してしまうというこの発想は、素晴らしい。

        これだけでも充分なのに、作者のH・F・セイントはこの話を、追ってくる政府機関と逃げる透明人間の大サスペンス劇としてまとめあげるのです。

        まことに、憎い。つまり、追われる身であるから、ただでさえ危険な街を、透明というハンデを背負いながら創意と工夫を凝らして、逃げ続けなければならないのです。

        この小説の全編にわたって緊迫感が漂っているのはそのためなのです。このあたりは、都会を舞台にしたスリル満点の大サバイバル小説という趣があります。

        ただ、この作品は、そういうアイディアだけの小説ではないんです。確かに、発想は群を抜いているけれど、何よりいいのは、透明人間の比類のない孤独が、実に鮮やかに描かれていることだ。

        透明人間になることで、すべての基盤を失ってしまった主人公が、逃げ続ける途中で、懐かしさのあまり知人たちのパーティに顔を出すシーンがあります。

        といっても、声をかけることは出来ないのです。影のように彼らの言動をじっと見聞きするだけだ。このあたりの描写は、実にうまい。

        さらに、ヒロインと出会うシーンも唸るほどいい。なんと、美しい恋愛小説でもあるんですね。涙を流したり、感動したりする本は年に数冊ありますが、読んでいること自体が愉しくなってくる本はめったにありません。そういう意味では、この本は10年に1度の本でしょう。


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        2018/01/27 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      武器よさらば
      カテゴリー:小説、物語
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      • 読みやすい

        2016/09/23 by マサキ

    • 6人が本棚登録しています
      A-10奪還チーム出動せよ
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • スティーヴン・L・トンプスンの「Aー10奪還チーム 出動せよ」の設定には、本当に度肝を抜かれます。

        第二次世界大戦終結時に、米ソが話し合い、東西ドイツにそれぞれの軍事連絡部を置き、それが戦後ずっと残っているというのです。現実の世界情勢は、1989年にベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツは併合されましたが。

        つまり、東ドイツ国内にアメリカの軍事連絡部があり、その建物は治外法権が認められているのです。それで、そこのアメリカ人グループがどんな任務をしているのかというと、部員は全員レーシング・ドライバー級の運転技術の持ち主で、ポツダム郊外にある、この軍事連絡部の敷地には立派な修理工場まであり、腕のいいメカニックまでそろっているのです。

        そして、かれらは東ドイツ国内を自由に走り回り、不時着した米軍パイロットを救出するのを任務としているというのです。この"ホラ話"すれすれの、ワクワクするような嬉しい設定に胸が高鳴ります。

        この奇想天外な設定のもとに、この小説は迫力あるシーンの連続で展開していきます。

        物語の内容はというと、脳波誘導装置を内蔵した新型攻撃機A-10機の機密を狙うソ連と、パイロットの救出に向かうアメリカの奪還チームの攻防を描いていて、その中でも特に迫力満点のカーチェイスが繰り広げられるのです。

        とにかく、息つぐ暇もない迫力満点のカーチェイスが、全編に渡って描かれていて、デビュー作らしい熱気と気迫に満ち溢れた作品になっているのです。

        アメリカの奪還チームは、軍事連絡部の建物に無事にたどり着けるのかどうか、東ドイツ国内を延々と逃げ回る迫真のディテールが、臨場感たっぷりに描かれ、この時点で私はもう、最後まで巻をおくことが出来ず、一気に読まされてしまいました。

        主人公のドライバーが新人部員で、最初は半人前のプロという設定もいいし、更に、彼を取り巻く脇役たちも生き生きと描かれていて、申し分のない出来栄えだと思います。

        好都合すぎる母娘の登場など、多少、気になる箇所がないわけではありませんが、ピリピリするような緊張感をハイテンションで持続させる、テンポのいいスピーディーな展開に、完全に圧倒され、疑問を感じる頃には、もう物語はクライマックスへとなだれ込んで来ているというのも、この希代のストーリー・テラー、スティーヴン・L・トンプスンの筆力の凄さだと思います。

        このシリーズは、「サムソン奪還指令」、「鉄血作戦を阻止せよ」----と、続けて書かれているので、読み進めてみたいと思っています。
        >> 続きを読む

        2016/09/26 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています

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