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虎退治のエピソードで有名な加藤清正の知られざる実態。かなり仮定の話も多そうだが、許容できる解釈である。豊臣秀吉子飼いの部下で、朝鮮出兵でも虎退治という派手な活躍を見せた、生粋の猪突猛進型武将というのが、加藤清正のイメージで有った。つまり期待していたのは、斬った張ったの大立ち回りという爽快な活躍談で有ったわけだが、小気味良いくらい正反対に近い内容にも関わらず、かなり楽しむことが出来た。もともとキャラクターが立っている人物が好きでは有るものの、蜀の張飛のような本当の猪武者では魅力的とは言い難い。しかし、人間的な弱さだとか葛藤だとかが見えてくると、その奥行きが立体的な魅力となる。本作品では猛将加藤清正を、計算高くむしろ武術は苦手という思い切った解釈で再定義している。一言で言えば小役人タイプで器用に立ち回って利に聡い人間ということなのだが、彼の場合は、大陸掃討という大きな夢を信じて見続ける姿勢と、実益のためとは言え、領民のための統治を行う必要が有ると判断した点が魅力的に映る。現代社会では、より綺麗事では済まない対人関係に晒されていると思われるため、ある程度は、器用で利に聡いことも必要だと考えている。小役人タイプとして終わるか、大人物になるのかは、何はなくても未来のビジョンが描けるかにかかっていると思う。結果的には敗走することになったが、大陸に夢を追った清正は素敵だと思う。とは言え、やはり武術でも強い武将で有ったことは間違いないと思う。 >> 続きを読む
2011/08/14 by ice
【豊田有恒】(トヨダアリツネ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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