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タイトルは昔から聞いたことがあって、先生と生徒たちとのお話で、舞台は沖縄で戦争が絡んだ少し悲しいお話、という先入観を持っていたのだが、読んだら瀬戸内だった。若い頃に短期間に担任した生徒たちが貧困や戦争で死んだりいろいろあったねと、40すぎに再度赴任してしみじみするのだが、文体が少し古くて読みづらい。映画とかで見たほうがいいかな。 >> 続きを読む
2020/08/18 by 和田久生
この作品を単なる反戦小説ではないと言う人がいるこれが反戦小説でないなら、反戦小説とは何?庶民の心や暮らしを描いたものが反戦小説であってはいけないの?子供のころ、この本を与えられて、何度か読み始め、でも読み通せなかった作品子どものための本なのに、子ども心に響かない。悪いけれどその意味で☆5にはできませんでした。新米教師の大石先生と分教場の教え子たちとの心温まる物語、と、思っている方が多いのでは?ところが先生と小学生の子供たちのエピソードは小説のホンの触りの部分でしかないのです。子どもとしては、肩透かしな気持ちがして、先を読む気が失せてしまったのでした。島の外れの岬の村社会というのが都会の子供だった私にとってあまりに遠い、想像できない設定だったこともあります。しかし大人として改めてこの本を手にすれば、戦禍に巻き込まれる庶民のリアリティが実によく伝わってくるのでした。誰も戦地になんか行きたくない。でも誰も抗えない。国の強制もある。でもそのほかに人々の思考の中に「忖度」があり、それが実は一番危険な「強制力」なのだ。大石先生の言動は別に明らかな反体制でも共産主義でも何でもない。若い女性の自然な感情の発露さえ、事なかれの大人たちが圧殺すること、それこそが最大の強敵なのだ。極端な恐怖。行き過ぎた自粛。自由な行動に対する集団バッシング。ここにある問題は、現在の日本に似ていないか?コロナ禍にある現在の日本。政治が何もしないから?何もしなくても、人は恐怖に駆られれば勝手に犠牲者を見つけ出す。本当の恐怖から目を逸らすため、より単純な犯人を罰することで、自分のわずかな安全を担保しようとして。無駄な努力に過ぎないのに。どこかの首相がコロナは戦争だ、と言った。大袈裟な、と、思ったけれど、それは真実かもしれない。普通の生活、普通の幸せ、未来を夢見ることを奪う。そして本来死ななくていいはずの、身近な人の死。コロナはウィルスで不可抗力なものかもしれないけれど、戦争は人のなす行為です。世界がせめて共通の脅威に立ち向かうため、共に手を取り合えますように。戦争で殺し合いをしている場合じゃないと、気づいてくれますように。戦争が繰り返されるこの世界では、この話は過去のものではない。もちろん日本にとっても、過ちを繰り返さない保証はない。強い意志と、柔らかな心を持ち続け、他に迎合し流されないことを誓うこと。幸せとは、大切な人が幸せでいてくれることなのだとこの本は教えてくれる。 >> 続きを読む
2020/08/15 by 月うさぎ
【壷井栄】(ツボイサカエ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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