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内田百間

著者情報
著者名:内田百間
うちだひゃっけん
ウチダヒャッケン
生年~没年:1889~1971

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      百鬼園随筆
      5.0
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      • 漱石門下だけあって(?)偏屈面白おじさん。
        やたらとビールを飲みご馳走を食べる様子は、読んでいる手元にもなにか欲しくなる。
        軽やかで読みやすい。
        >> 続きを読む

        2016/12/14 by birddw0t

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      つはぶきの花
      5.0
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      • 30年以上も前に北海道の岩見沢の通りがかりの本屋さんで購入。百閒の、他にもたくさんあったはずの本のなかから、なぜこの一冊を選んだのかは不明だが、他のものを読んだあとも、やはりこれが一番好きだ。 >> 続きを読む

        2016/05/13 by まるち

    • 1人が本棚登録しています
      百鬼園随筆
      5.0
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      • この本の中のひとつ。

        『南蛮鴃舌(ちいちいぱっぱ)』

        百鬼園先生が独逸語の教官をしていた時分の話。

        『独逸語の教官をしてゐる以上、独逸人の教師が来れば、独逸語で話しをしなければなるまい。私にはその自信がないのである。これは困つた事になつたものだと考へて、鬱鬱とした。いよいよやつて来たので、先生の同僚が私に紹介した。無論独逸語である。今考へて見れば、馬鹿な話で、先方はその当時でも、既に十何年日本で暮らしてゐるのである。日本語で挨拶して、通じないわけはなかつたのだけれど、何しろこちらに、独逸語教師と云ふ弱身があるものだから、日本語で挨拶なんかすれば、独逸語の会話がうまく出来ないからだと思はれやしないかと云ふ心配があり、その心配がまた本当の事実に根拠を有するものだから、気持が窮屈である。』

        『それよりも、もつと根本の問題は、私の独逸語が、あまり上手ではなかつた事に原因する様である。抑もどう云ふ縁故で、親類にも、近所にも、だれ一人知らない独逸語などと云ふものを、習ふつもりになつたのかと考へて見ても、その始まりがよく解らない…』

        『曖昧な理由で、独逸語をやり出した所為か、どうも独逸語が自由自在でない。学校を出て見ても、解らぬ事が多くなつただけである。しかし、月給を取らないと困るから、教官になりすましてゐると、そこへ新しい独逸人カルグセル氏が乗り込んで来たのである。(略)一ばんしまひに、私が挨拶した。どうも、うまく行かない。これから、しよつちゆう独逸人と顔を合はす。教室で教えるよりも、この方が気苦労である。困つた事になつたものだと、私は考へ込んだ。』

        『近来、私の語学力は、また頓に凋落した趣がある。いろんな事が段段億劫になり、本を読むのは、最も煩はしい。人間の目と云ふものは、本の字などを読むための物でないと云ふ様な事を、本気で考へ出した。』

        『すると、私の同僚に大変独逸語のよく出来る人がゐて、初めのうちは、おとなしかつたけれど、長い間に、いろいろの事を考へたらしいのである。先づ第一に、私の独逸語が大したものでない事を明察し、次に段段私の箍のゆるんでゐる事を看破して、追ひ出してしまへ、ときめたのである。(略)すると、私も丁度そんな気持になりかけてゐたところなので、何だか矢つ張りもとの通り独逸語と云ふものは、私に取つて、飛んでもない厄介なしろ物であつた様な気がし出した。字を見れば、目が痒くなるやうな刺が一ぱい生えて居り、話をすれば、無闇に唾が飛び出す。独逸語などと云ふろくでもない荷物を振ひ落として、せいせいしたら、いい気持だらうと思つても、永年やつて来た教師の職を、さう手軽に自分の我儘で投げ出すわけには行かない。(略)私を邪魔にした同僚は、後に残り、自分の鶏鳴狗盗を幾人も先生にして威張つてゐる。考へて見ると、面白くないけれど、その方のいきさつは、これまた天譴にまつとして、それよりも、私は二十年来の独逸語の先生を、漸く止める運り合はせになつた。月給がなくなつたのは困るけれど、それは当分売文を以て補ふ。そのうちに、又原稿用紙の枠の中に、小さな字を書き込むのが嫌になれば、独逸語の先生になつてもいい。しかしそれには、カルグセル氏の様な第四の独逸人が出現して、私は大変語学が上手であると云ふ事を暗示してくれなければ、やりにくい。』

        『…どうも私には、西洋人と云ふものは、あまり好きでない様な気がする』

        ここは論評、講評の場であるけれど、
        なんだか面白くて好きだなぁって…思いました。
        >> 続きを読む

        2013/01/22 by <しおつ>

      • コメント 10件
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      ノラや
      5.0
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      •    猫の耳は秋風にゆれて

           広い広ろ~いさとうきび畑にて

        ぼく 「良子さん、良子さん、いっしょに隠れん坊しようよ」
        森山良子 「ストンくん、ふたりで隠れん坊しても仕方ないでしょ、ウフフ」
        ぼく 「そっか、エヘヘ」

           何者かが走りくる足音
        森山直太朗 「ストンさん、ぼくも入れてください」
        ぼく 「ああ、直太朗くん、君を忘れてたよ、ほら、入った、入った」

           何者かが走りくる足音
        黒澤明 「あのおばあちゃん、オシッコ我慢してない? 俺も入れろよ、ストン」
        ぼく 「カントク、ここにはエキストラはいませんよ。まあ、入った、入った」

           何者かが走りくる足音
        アキラ100% 「ストンさん、ぼくも入れてください、反射チェックもOKです」
        ぼく 「きちんと隠れてくれるなら構わないよ、ほら、入った、入った」

           何者かが走りくる足音
        とにかく明るい安村 「ストンさん、安心してください、履いてます!」
        ぼく 「も~露出大会じゃないんだよ。きちんと隠れてね、ほら、入った、入った」
         
        ぼく 「じゃあ、ぼく鬼やりまーす。もういいかい?」
        みんな 「ざ~わわ~よ♪」
        ぼく 「もういいかい?」
        みんな 「ざわわだよ♪」
        ぼく 「もういいかい?」
         
        ? 「まあだだよ」


         岡山の一級河川である旭川は、台風到来などの大雨によって氾濫しそうになった時、その溢れんばかりの水を百間川に放流するという。これは江戸時代のはじめの頃、岡山城下を守るために岡山藩主池田光政の命により築造されたカラクリで、そのため百間川は旭川放水路という別名をもつ。現在の旭川周辺には岡山後楽園や竹下夢二記念館などがあって、晴天に恵まれた日には近くの焼肉店からバーベキュー器具を借りて陽気な煙を立ち上げる人々もちらほら見受けられるが、何を隠そうあの内田百閒のペンネームの「百閒」はこの百間川が由来らしい。
         ジェイムズ・ジョイスが執筆に行き詰った時、俗にいうところの、にっちもさっちも行かなくなったら夫人が黒猫を書斎に忍ばせたように、小説家には愛猫家が多く、また猫好きが高じたエピソードもじつに多いのだが、内田百閒よりも猫を愛した作家を私は知らない。とにかく百閒は猫が好きだった。この随筆集『ノラや』を読めばこの事実をたちまち宜うことができるし、何だかこっちまで猫好きになってしまうから不思議だ。秋風にゆれる猫の耳が気になってくる。
         ノラはもともと野良猫。百閒先生の家がやけに気になったノラは野良猫として内田家の一員となった。風呂蓋に寝そべるのが大好きで、その寝相は傍若無人。食べるものは高級志向。生の小あじの筒切りと牛乳を好み、牛乳も安物では気に入らない。生意気な猫だと云いながら、百閒先生ついつい猫のご機嫌を取る。ノラや、ノラや、ノラや。ところが或る日、そんなノラがいなくなる。一向に帰って来ないから、百閒先生は探し回る。猫探しの印刷物を出し、NHKで放送も流し、雑誌にノラのことを連載し続けた。万策尽き、百閒先生は涙滂沱する。いつまでもノラのことを忘れなかったが、それでもノラは帰って来なかった。寒い風の吹く夜、門の扉が擦れ合って軋む音がすると、門戸まで出てみるも子猫の姿はなく、風の音だったことを確かめホッと胸をなでおろした。
        >> 続きを読む

        2017/10/21 by 素頓狂

    • 2人が本棚登録しています
      恋文
      カテゴリー:日記、書簡、紀行
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      • 『今日も水銀柱が三十二度にのぼりました。
        これでもそちらは涼しいのでしょうか。
        何かと心せわしい事でございましょう。
        何から挨拶していいのかわかりませんが・・・
        どうぞよろしくお願い致します。
        格式ばるのがどうもいやでこんな挨拶で御許し下さい。

        私の友人もよい人があったとみんな喜んでくれています。
        どうかよい妻?細君?女房?奥さん?Wife?になって下さい。
        私もよい夫になろうと思っています。
        こんないい方おかしいかもしれませんね。

        ここまで書いて筆がとまってしまった。
        結婚とは?などと分かりもしない事が頭の中をめぐる
        今そんなかくのもおかしいから書くのをやめます

        まえはほんとにいい具合にやってくれるだろうかと少しは心配もあった。
        けれど今はきっとよくやってくれると信じている。

        生活は貴女が思っているよりうんと苦しいものかもしれない
        それにまけないだけの気構えをもって来てほしい

        そして愛情が春雨のように細い糸目をひいて煙のように流れる
        そんな家を早くつくろうね 二人で・・・

        "非凡なる凡人"ということばがある
        "陽のあたるところはどこえいっても住みよい所だ"ということばもある
        そんな人になり そんな陽を作ることが私の願いなんです

        つい自分の思っていることばかり書いてしまった
        自分のことばかり言うのはいけない人ですね

        家について炊事に便利なところとか買物の便不便を考えたりして色々探してもらっていますが、貴女の希望はありませんか
        一度に二三軒あった時こちらで決めてもよろしいか
        すぐにでも貸してくれる所もあるのですが、二階で未だ天井をはってなく障子も入ってないのでどうかと思われる
        一間か二間かで千五百円から二千円ぐらいです
        見つかり次第連絡します

        お父さんには手紙を書きましたが、こうした時いつもお母さんにはおちがちですので貴女からよろしく承言って下さい
        花火に出てこられますか
        又時間など御知らせ下さい
        暑さの折暮々も御身大切に

        さようなら

        七月二十五日 八木茂

        千鶴様』

        これは内田百閒の恋文では無い。

        昨年の暮れに亡くなった義父が結婚直前にその妻宛てに送った恋文である。

        メールでも電話でも伝わらぬものが間違いなくあったのである。

        百閒の恋文については読み終えてから書く(笑)
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        2013/02/10 by <しおつ>

      • コメント 7件
    • 1人が本棚登録しています
      私の「漱石」と「竜之介」
      3.5
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      •  内田百閒の文章はやはり師の夏目漱石を思わせる飄逸なところがあって好きです。しかし漱石のような鋭角に切るような批評性はないので、「実益がない」(これは友人から百閒が言われた言葉)と評されるのもやむを得ない気がします。
         漱石のファンは今でもたくさんいると思いますが、まさに現代的なファンの感覚で百閒が漱石の真似をしたり(笑い方まで真似したらいい)、もっている机を真似て家に同じような机を誂えたりするエピソードにはほほえましいものを感じます。
         文章が生き生きと活写するように書かれていて、漱石の人となりや、「木曜会」での弟子達の様子がおもしろおかしく描かれていて資料としても貴重だと思います。百閒はあまり心象風景のような描写は少ないし、内面をくどくど述べることもしません。ただ実際の様子が手に取るように伝わります。
         漱石のエピソードはそうは言っても今や有名なものが多く、目新しさはありませんでしたが、芥川龍之介と百閒がこんなにも仲良しだとは知りませんでした。感情をくどくど書かない百閒ですが、芥川の死に関して行間からあふれるほどの無念さと周囲のゴシップ的な扱いに対する怒りが感じられます。
        >> 続きを読む

        2014/09/11 by nekotaka

      • コメント 1件
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      内田百間集成
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • ちくま文庫のこの内田百閒集成を、ちびちびと読み進めています。装丁がクラフト・エヴィング商會なのです。

        図書館でとくに巻数順というこだわりもなく、未読のやつをふらっと借りて読むだけなのですが、想定外のホラー巻でした。怖いよ!
        百閒先生は幻想文学の名手なので、ホラーと言っても滲みよる怖さです。世界と自我がまじりあって溶ける系。

        表題作『サラサーテの盤』もさることながら、この巻でダントツで私の好みだったのが『柳検校の小閑』です。目の見えないお琴のお師匠さんが淡い恋をする話なのですが、お師匠さんが感じる風の音とか道の勾配の表現が美しく、かつストーリーがしっとりしていてとてもいい。この作品の最後の一行にすべてが凝縮されている。あああたまらない!

        巻末の解説で三島由紀夫が『柳検校~』を褒めちぎっていたのが嬉しかったです。「そうだよね!そう思うよね!」という感じで。
        >> 続きを読む

        2017/05/18 by ワルツ

    • 1人が本棚登録しています
      大貧帳
      5.0
      いいね!
      • やはり内田百閒は面白い。借金話ならなおさら!

        しかしこの時代の文士って、借金に関する逸話に事欠かないですね。借りる側、貸す側といたはずですが、借りる側の存在感が圧倒的で。百閒先生までそんなことをしていたとは…高給取りのくせに。

        百閒先生は文章が上手いので実に楽しく読みました。解説で宮沢章夫も言っていますが、彼は自分の窮乏ぶりをまるで他人事のように語るところにユーモアが生まれるんだと思います。自分をネタにするときに悲哀感がなく、からりとしている。カネはないけど、まぁ、別に?という感じです。こちらまで「たかが金じゃないか」と思ってしまう。あるだけ使ってしまいそうになる。
        どれもこれも面白いのですが、特に印象に残ったフレーズが『錬金術』の冒頭です。

        「夏じゅうは団扇を使うのと、汗を拭くのとで、両手がふさがっていたから、原稿が書けなかった。」

        いいなぁ。

        お金なんて、たかが手段ですからね。まだ修行が足りずにお金を追い求めてしまうけれど、もっと達観したい。
        >> 続きを読む

        2017/02/22 by ワルツ

    • 1人が本棚登録しています
      ちくま日本文学全集
      カテゴリー:作品集
      3.0
      いいね!
      • ちくま日本文学全集005

        2017/10/27 by Raven

    • 1人が本棚登録しています

【内田百間】(ウチダヒャッケン) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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