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【うぇんざないっ!/今更ながらにようやく読みました】 読もう、読もうと思っていながらなかなか手が出ない本ってありませんか? 私にとっては『スタンド・バイ・ミー』がそんな一冊でした。 有名な作品だし、映画化もされているし、スティーヴン・キングだし、読んでみるのも良いなぁと思いながらも何故かなかなか手を出せず、今日まで来てしまいました。 このままではいつまで経っても読まないで終わってしまうと思い、一念発起して図書館から借りてきたというわけです。 いや、別にそんなに力こぶを入れるようなことではないのですけれど。 本書には、『スタンド・バイ・ミー-恐怖の四季秋冬編-』と、『マンハッタンの奇譚クラブ』の2編が収録されています。 『マンハッタン……』の方も良いお話でしたが、今回は『スタンド・バイ・ミー』の方をご紹介しましょう。 物語の主人公となるのは、キャッスル・ロックという町に住む12歳の悪ガキ4人組です。 語り手であり、後に作家になるゴードンは、キング自身をモデルにしているようにも読めます。 物語は、ゴードンが、あの暑い夏の日を回想して語るというスタイルを取っています。 4人組の中のリーダー格はクリスでしょうか。 クリスはアル中の父親を持ち、実はなかなか賢い少年なのですが、恵まれない家庭に育ったこともあり、ちゃんと勉強をしていないという設定。 テディは、軍隊帰りの父親を尊敬しているのですが、父親は戦争神経症を病んでおり、そのためにテディの耳を焼くという暴挙に出たことがあります。 そのため、テディは補聴器が必要になり、また強度の近眼というハンデも持っているのですが、父を恨むようなことはなく、未だに尊敬しています。 ただ、テディは無謀で乱暴者なんですよね。 最後の一人のバーンは、4人の中で一番のグズでのろまという設定です。 ある日、バーンは兄と友人の話を盗み聞きしてしまいます。 兄たちは、行方不明になっていた少年の死体をハーロウという土地で発見したらしいのです。 ただ、兄たちは盗んだ車でハーロウに遊びに行っていたため、警察に届け出たりすると盗みもバレてしまうと考え、通報せずに戻って来たようなのです。 兄たちは、死体の件は誰にも言わないでおこうと相談していたのです。 これを聞いたバーンは仲間たちのもとへ走ります。 「おまえたち、死体を見に行きたかないか?」 4人組は、自分たちで死体を発見して英雄になろうなどと考え、4人だけで内緒で死体が発見されたというハーロウを目指して歩きだします。 物語はその過程と、その後を描いていきます。 この作品は、少年たちの忘れられないひと夏の経験をノスタルジックな思い出として描き出していきます。 物語の設定は1960年ということになっており、その頃のアメリカのあまり程度のよろしくない家庭環境なども描かれていきます。 プロットはシンプルと言えば大変シンプルなのですが、鉄道線路沿いに延々と歩き続ける4人の姿を通じて、友情や切ない気持ち、甘酸っぱさとほろ苦さがまじりあったような感情がよくあらわされていると感じました。 良い作品ではないでしょうか。読了時間メーター□□□ 普通(1~2日あれば読める) >> 続きを読む
2020/10/13 by ef177
な、ながかったよ。上下2段組550ページありました。理不尽に警官に連行される最初のあたりがいい。コリー・エントラジアンのキャラが不気味でね〜人間の狂気でいくのかと思ったらやはりキングですね!文庫より文芸書のほうのカバーが好き。何冊か間をはさんでからレギュレイターズを読むよー >> 続きを読む
2016/02/18 by 降りる人
ファンタジーとしては、押しが弱いかもしれない。色々賞は取っているようだけれど。異世界に丸ごと連れていかれて大冒険て事もなく、あくまでも現実の中の異物。子供のマイケルとミナの描写の方が多い。天使とハッキリ明言されてはいないが、天使らしき、天使のような翼を持った「スケリグ」。ガレージの隅でボロボロになって、異臭を放って動けない。心まで荒んでいて名前も名乗らずマイケルを追っ払う。これが大人だったら、見ないふりをするかもしれないし、「あっちへ行っちゃ駄目」と我が子を引き寄せるかもしれないが、そこは子供。得体のしれないものに近づかずにいられない。マイケルとミナにもっと安全な所に連れて行ってあげる、と言われて、「こわいんだ」と弱音を吐いたり、骨がきしんで苦痛に泣いたりする。全くもって天使らしくない。でも、大人になっても、怖い事や不安な事はある。泣いたりもする。だからこそ、天使らしきものが怖いのも泣くのも、あーそういう事もあるよねー、と思える。子供の力を借りてちょっとずつ力とか心とか、たぶん諦めていたんだろうなと思うものを取り戻していく。そしてどこかへ行ってしまう。最後に素敵な物を残して。 不思議な余韻のある、作品だった。読んで良かった。もし私がいつかまた猫を飼ったなら、(なぜ猫に話が飛ぶ!というと、私が無類の猫好きであり、私の読書感想文だからだ)野良猫でボロボロの猫を飼おう。そしてスケリグという名前を付けて、できる限り精一杯の事をしてあげようと思う。なぜだか無性にそうしたい、という気持ちになってしまうほんわりとした、自分的には名作。 >> 続きを読む
2018/06/07 by チルカル
オハイオ州の静かな住宅街。平凡で退屈な一日が、突然の銃声に破られる。襲撃者は、なんとSFアニメや西部劇の登場人物。実在しないはずのモノが殺戮を始め、町には、子供の落書きのような生き物が跋扈する、砂漠の町が侵食してくる。一体、何が起きているのか。カギを握っているのは、自閉症の少年だった・・・。「デスペレーション」の分身とも言える作品。一方が他方の続編、という訳ではなく、登場人物の一部と設定を共有している。が、登場人物の役回りは、全く異なる。中には、夫婦だったものが、幼い姉弟という関係になっていたりもする。手塚治虫のマンガでは、ひとつのキャラクターが、いろいろな役に扮してマンガを演じている(スターシステム)が、小説は文字だけなので、夫婦を幼い姉弟と変えることもできるのが、面白い。どちらもB級ホラーで「正体不明のモンスターとそれに立ち向かう人々」という点では共通している。ただ「デスペレーション」を「静」とするなら、本作品は「動」アクション(特に銃撃)シーン満載である。どうしても、残酷なシーンの描写はあるが、「デスペレーション」は残酷な場面が終わった「結果」の描写がほとんどなのに対して、本作品の方は生々しい。かなりマンガ的になっているのは、そのためだろうか。だが、ラストは救いがあり、爽やかな印象を受けるものとなっている。あとがきにあるが、「正体不明のモンスター」の最後の捨てゼリフ「おまえたちをみんな知っている。いずれ、おまえたちをみんなみつけてやる。いずれ、おまえたちを狩りたててやる。」と叫ぶが、これは「デスペレーション」に返される球らしい。「デスペレーション」を読んでいれば、ここで「あのことか!」と思い当たる事がある。(あとがきで、こう書かれていて、初めて気が付いた)当然、「デスペレーション」も「レギュレイターズ」も、それぞれ独立した作品として楽しめるが、両方を読み比べる楽しみもある。こういう「仕掛け」を仕込むのもキングらしい、という感じがする。ところで、本作品の著者はリチャード・バックマン。本書が発行される前の1985年に病気で死亡している。(本書が刊行されたのは、1996年)病名は「偽名癌」・・・キングファンなら、すぐに分かるが、「リチャード・バックマン」はスティーヴン・キングのペンネームである。キングが小説家デビューした当時、アメリカの出版業界では一人の作家は、年に一冊だけ出版する、という風潮があり、多作の作家は複数のペンネームを持っていたらしい。キングも多作の作家なので、この「慣例」に従ったそうだ。なお、「リチャード・バックマン」を殺してしまった後悔からだろうか、その後、1989年に、とある純文学作家が捨てたペンネームが実体を持ち、お互いの存在を賭けて戦う「ダーク・ハーフ」という作品を発表している。 >> 続きを読む
2013/06/30 by Tucker
【美しくやさしい物語】 小学生位の男の子マイケルは、両親と生まれたばかりの妹と一緒に、古びた家に引っ越してきました。 相当痛んでいて、かなり手入れが必要な家。 大きなガレージがあるのですが、今にも倒れそうなので、マイケルは両親から「危ないから入ってはいけない」と止められます。 ところが、約束を破ってガレージに入ってみたマイケルは、その中に何か生きているものが潜んでいることに気づいてしまうのです。 「なにが望みだ?」その得体の知れないものは尋ねます。 驚いてガレージから飛び出すマイケル。 今のは何? ぼくは夢を見たの? 間もなく、マイケルは隣に住むミナという女の子と知り合いになります。 ミナは不思議な女の子で、いつも木に登っては鳥を眺めたり鳥の絵を描いたりしていました。 学校には行っていません。 だって、学校へ行っても一つの型にはめられるだけで自由を奪われるだけだからと言います。 でも、ミナは色んなことを知っていました。 ある時、マイケルはミナに誘われて秘密の場所に案内されます。 そこは、近くにある古びた家で3階の一部屋には「危険」の張り紙が張られていましたが、「そんなの他人が入ってこないようにするためだけ」と言い、ミナは持っている鍵でその部屋を開けました。 「危ないからじっとしているのよ」。 そこにはふくろうのつがいと雛がいたのです。 マイケルの妹は生まれた時から虚弱でした。心臓を患っていたのです。 チューブを沢山つけられて病院にいたのですが、ようやく家に戻って来られました。 でも、また具合が悪くなり、母親はまだ名前もつけられていない妹を連れて再び病院に行ってしまいました。 マイケルは、妹が死んでしまうのではないかと心配で心配でなりません。 自分の心臓の音に耳を澄ませば、自分の鼓動と共に妹の心臓の鼓動も聞こえました。 よかった、まだ生きている。 ところで、ガレージの中にいた、あの不思議なものは一体何なのでしょうか? マイケルは、あれは本当にいたんだろうか?という気持ちにかられ、内緒でガレージに通うようになりました。 その者は、蜘蛛の巣や青蝿の死体にまみれ、髪の毛はごわごわに固まり、蛆を食べていましたが動けない様子でした。 欲しい物を尋ねると「23番と57番」、「アスピリン」と言います。 どうも具合が悪いようでした。 「リウマチ」なんだと言います。 マイケルは、父親と二人で家の修繕に精を出します。 母親は病院に行ったきりなので夕食は近所のチャイニーズからテイクアウトしてきます。 「何が食べたい?」と父親。 「23番と57番」 「もうメニューを覚えたのか?」と驚く父親。 ええ、あの番号は料理の注文番号だったのです。 というわけで、ガレージにいる得体のしれない者、亡くなってしまうかもしれない生まれたばかりの妹、不思議な女の子ミナとの物語が続きます。 何とも美しくやさしい物語でした。 児童文学として書かれたようですが、大人の鑑賞にも十分耐え得る良い作品です。 タイトルの意味はご自身でお読みになってください。 そう言えば、三島由紀夫の短編で、従姉妹の入浴シーンを磨りガラス越しに見た少年が、少女の肩胛骨の辺りに翼が生えているように見えたという「翼」という作品がありましたっけ(「真夏の死」に収録されています)。 私の大好きな三島の作品の一つです。 そんなことも思い出してしまいました。 >> 続きを読む
2019/09/26 by ef177
【山田順子】(ヤマダジュンコ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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