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山本周五郎

著者情報
著者名:山本周五郎
やまもとしゅうごろう
ヤマモトシュウゴロウ
生年~没年:1903~1967

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このランキングは1日1回更新されます。
      さぶ
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
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      •  友人に薦められて読みました。
        すごく真っ直ぐにメッセージが伝わってくる本です。
         
         二枚目で頭も切れて腕もいい職人見習いの栄二と
        何をするにも要領が悪く 人がいいのだけが取り得のさぶ。
        二人は子供のころから無二の親友として
        一人前の職人を目指して修行していたが、
        ある日 栄二が無実の罪を着せられた挙句
        罪人達が社会復帰のための訓練をする島に送られて・・・
        という お話。
          
         少し言葉が古いのが気になる部分もありましたが、
        時代設定が江戸時代なので そんなに違和感なく読めました。
         
         まったく身に覚えのないことで罪人にされ
        ひどい責め苦も味わわされたため
        復讐の一念に凝り固まっていた栄二が、
        島にいる人々は皆 似たりよったりか
        もっとひどい経験をしており
        世の中の理不尽を味わったのは自分だけではないことに気づき、
        そこから時を経るに従い
        さらに色々なことを発見して成長していきます。
        もう ほとんど主人公は栄二だといってもいいくらい。
         
         なぜ著者は題名を「さぶ」としたのか。
        正直わたしには判然としませんが、
        話し全体が非常にたくみに組み立てられているとは思います。
        扱っているテーマが人間の内面の成長で、
        理不尽なこともたくさんあるという世の中の側面も伝える内容なので、
        中学生くらいの読書感想文の対象にもよいかもしれません。
        名作です。
        >> 続きを読む

        2015/02/03 by kengo

    • 他2人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      雨あがる 山本周五郎短篇傑作選
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 「日日平安」「つゆのひぬま」「なんの花か薫る」「雨あがる」

        どれも強く胸を打つお話ばかりです。 >> 続きを読む

        2013/01/22 by バカボン

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      赤ひげ診療譚
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね! May
      • "人間の尊厳と向き合い、徒労に賭けるひとりの人間の生き方を凝視した山本周五郎の名作「赤ひげ診療譚」"

        黒澤明監督の「赤ひげ」を久しぶりに鑑賞し、主人公の赤ひげこと、小石川養生所の医師、新出去定について、演じた三船敏郎の素晴らしさもあり、何か心に感じるものがあり何年ぶりかで本棚の奥に埋もれていた、山本周五郎原作の「赤ひげ診療譚」を読み返してみました。

        作家・山本周五郎との出会いは、歌舞伎や浄瑠璃で有名な「伽羅先代萩」で仁木弾正の名前に置き換えられた敵役の典型的な人物で、極悪人というイメージだった原田甲斐を、実は自分の命と引き換えに仙台藩を守るために、ひとりの人間として誠実に生き抜いた姿を描き、そのイメージを変えさせた「樅の木は残った」でした。

        その後、山本周五郎の「ながい坂」「赤ひげ診療譚」などと読み進んでいきましたが、彼の作品でいつも描かれているのは、ひとつの厳しい状況に置かれた中での、人間の"抵抗"や"対立"や"和解"であり、"身の処し方"だというような気がします。

        そこには、飛躍した夢物語的な要素や予定調和的な姿勢はほとんどなく、最初にその与えられた状況を過小にも過大にも評価しないという、非常に厳しい現実認識というものがあり、その後に、そのような状況の中で人間はいったい何を成し得るのかという、根源的で素朴ともいえる問いかけを我々、読者に投げかけて来ます。

        そして、彼が描く物語の中の人間が成し得る事はあまりにも小さな事にしかすぎません。しかし、作家・山本周五郎は、我々の暮らす社会のほとんどが、そのような人々の誠実で質素な営みによって動いているのだという事を、"知識"としてではなく、"生きる知恵"として熟知しているからこそ、彼の筆から紡ぎ出される珠玉の物語の数々は、我々、読者に人間を、社会をじっくりと考えさせる刺激を与え、そして感動させるのだと思います。

        今回、読み直した「赤ひげ診療譚」は、麹町で町医者をしている保本良庵の息子の青年医師の保本登が三年間の長崎遊学を終え、幕府の御目見医になるつもりでしたが、何故か施療所の"小石川養生所"を預か
        る"赤ひげ"こと新出去定に呼び出され、医員見習いとして勤めるところからこの物語は始まります。計8編からなる連作小説の形態をとり、
        全て読み終わった後には、その8編が繋がっているというような小説になっています。

        幕府目見医から御番医、そして典薬頭へという出世コースを夢見ていた保本登を、社会の底辺で蠢く、最下層の病人を診なければならない事と、長崎への遊学中に許嫁の裏切りにあった事から生じる自暴自棄的な挫折感を味わい、心に深い傷を負っている人間として、我々が感情移入出来る等身大の人間として描いています。

        その保本登、つまり我々、読者のひとりひとりの分身ともいえる、彼の眼を通して、この物語は展開していきます。

        一見、乱暴な言動を放ちながらも、この世の諸悪の根源は、"貧困と病苦"にあるのだと、政治の無為無策を憤り、ひたすら献身的な治療を続ける新出去定との、運命的ともいえる人生での出会いによって、保本登は、真に自分が立ち向かって行くべき対象は誰なのかという事に目覚めて行くという、ひとりの人間としての成長の過程を捉えた小説が、この「赤ひげ診療譚」であると思います。

        保本登が、新出去定に対する、"抵抗"や"対立"や"和解"の中で、貧困と病苦という目の前の厳しい現実を通して出会うのは、新出去定が作中で語る、「人間ほど尊く美しく、清らかでたのもしいものはない」とか、「だがまた人間ほど卑しく汚らわしく、愚鈍で邪悪で貪欲でいやらしいものもない」という言葉そのままの、ありのままの人間の本質的な姿に他なりません。

        映画を観た後、そして原作の小説を読み終えた後に感じる、心の中を心地よく吹き抜けていく風のような爽快感は何だろうと、心を静かにしてじっと考えてみると、それは、新出去定が口先だけの偽りのヒューマニストではなく、政治や社会の在り方に怒りの眼を向けながらも、ならず者達を投げ飛ばした後で、「おれには理屈などはどうでもいい、かれも人間、これも人間、かれも生きなければならないしこれも生きる権利がある、ただ、どこかでなにかが間違っている」と、様々なこの世の中の問題の責任というものを、他のものに転嫁する事なく、「----ふん、おれの頭はすっかり老耄れたらしいぞ」と、自分自身の問題として立ち向かおうとしているところに共感したからかも知れません。

        新出去定というひとりの人間の生き様は、まさしく、この小説の第五話の題名のように「徒労に賭ける」という事であり、そこに主人公・新出去定の、そして、作家・山本周五郎の凛とした姿勢を感じとる事が出来るのだと思います。

        山本周五郎の小説を読み終えると、いつも何かしら背筋をピンと伸ばし、襟を正し、正座している自分に気づきます。それは、作家・山本周五郎が常に、"人間の尊厳というものの重さ"と、きちんと向き合って、"徒労に賭ける人間の無私の行為"を描いているからだと思います。
        >> 続きを読む

        2016/04/11 by dreamer

    • 3人が本棚登録しています
      おさん
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 題が「小説日本婦道記」なのに、なぜか「おさん」に、読書ログさん訂正お願いします。


        この本も読書ログにおいて“課長代理”さんにお奨め頂いた本。

        初めて時代小説を読んで感動した“蝉しぐれ”を超える感動、優れもの。


        厳しい武士の家の掟の中で、夫のため、子供のために、
        凛として、妻として、母として生きる女、
        それは男以上に秘めた信念にもとづいたいきざまである。

        すべてすばらしい11の連作短編集であるが、その中でもお気に入りは、

        「不断草」、お家騒動に巻き込まれて妻に迷惑が掛かってはと、
        夫と母が難癖をつけて離縁を・・・・。

        そのあと、夫は目の見えぬ母を館山の知り合いの農家に預け、
        自らは政治の改革を企てた者と罪人と、お国払いに。

        実家に戻っていた菊枝(主人公)は、
        「わたくしは一旦この家を出たもの、尼になるか、世にたよりないご老母をみとるか、
        いずれにしても、義絶していただきます」と決意をもって再び家を出る。

        そして、母が住むその庄屋のあるじにすっかり事情をはなし、
        目の不自由な老母のみとりをさせて貰いたいと頼む。

        「でも、不縁になったわたくしということがわかりましたら、
        姑上さまはきっとご承知なさらないと存じます。
        菊枝ということを内緒にしてどうぞよろしくおたのみ申します」と、

        「あなたはこの老人をお泣かせなさる」

        まだまだ話は続きますが、この物語、この一言につきますな。


        たった24ページの物語ですが、ちょいとした脚本家のてにかかれば
        NHKの大河ドラマにでもなって、一年間楽しめる、中身の濃い内容。

        この他に、あと10編もあるなんて、山本周五郎さん、凄い。

        この「日本婦道記」は、コストパフォーマンス最高の本でおまっせ。

        >> 続きを読む

        2015/09/20 by ごまめ

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      寝ぼけ署長
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 五年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。
        ところが、いよいよ他県へ転任が決ると、別れを悲しんで留任を求める声が市民たちからわき起った…。
        罪を憎んで人を憎まずを信条とする“寝ぼけ署長”こと
        五道三省が、「中央銀行三十万円紛失事件」や「海南氏恐喝事件」など十件の難事件を、
        痛快奇抜で人情味あふれる方法でつぎつぎと解決する。
        山本周五郎唯一の探偵小説である。


        読んでいるうちに滋味のように出てくる
        著者の人間観。
        探偵小説としても、人間を描いた小説としても
        十分、否、十二分に楽しめる小説です。

        特に、表面に現れた問題(謎)の解決方法だけでなく
        その後の処理、問題の根幹の部分にまで
        さりげなく、解きほぐしていく様が、良いです。
        >> 続きを読む

        2014/02/07 by きみやす

      • コメント 1件
    • 5人が本棚登録しています
      樅ノ木は残った
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 山本周五郎の代表作である「樅ノ木は残った」は、それまで歴史上、巷間伝えられていた"原田甲斐像"を一変させてしまった、非常に興味深い小説です。

        江戸徳川幕府の老中・酒井雅楽頭は、仙台藩の幼君亀千代の後見役・伊達兵部に、伊達六十二万石のうち三十万石を与える密約を交わしますが、実際は、それを契機とした内部対立を引き金に、伊達家の取り潰しを図ろうとしていたのです。

        この幕府の陰謀を見抜いた仙台藩の宿家老・原田甲斐は、酒井雅楽頭と伊達兵部の一派に加担したと見せつつ、"逆臣の汚名"を着ながらも、御家安泰のために、11年間にも渡って"孤独な暗闘"を展開していくのです。

        その間、味方すら疑わざるを得なかった孤独な原田甲斐の心を知る者は、彼の領地、船岡で彼を慕いつつ育った宇乃のみでした。

        結局、このいわゆる歴史上有名な"伊達騒動"は、幕府の裁決に付され、陰謀の発覚を恐れた酒井雅楽頭の家臣に斬られた原田甲斐は、自分一人で罪をかぶり死んでいくのです----。

        後には、彼が国許から江戸の屋敷へ移し、こよなく愛していた一本の樅ノ木だけが残ったのです----。

        この山本周五郎の作品が書かれるまでの原田甲斐と言えば、「伽羅先代萩」などの浄瑠璃、歌舞伎では仁木弾正の名に置き換えられた敵役の典型であり、御家を危うくする極悪人というイメージだったのです。

        山本周五郎はこの作品の執筆の意図として、「私は決して異説をたてようとしたのではありません。あの事件については、殆どの資料を精密に調べつくしたと断言できると思っておりますが、酒井雅楽頭の術策におどった伊達兵部と、壮烈と反骨を好む仙台人の特異な気質とが、あの悲劇をつくり出した。兵部を除いては、忠臣も悪人も誰一人おらないのである。平凡に、安穏に生きることを願っていた原田甲斐が、その事件の渦中に次第に巻き込まれてゆきながら、なおかつ、彼が一個の人間として誠実に生きぬこうとした人生態度。その態度に私は惹かれたわけです」と語っています。

        考えてみれば、山本周五郎の作品の中で、常に描かれているのは、一つの状況の中での"レジスタンス"であり、"身の処し方"なのだと思います。

        そこには飛躍や予定調和の姿勢はほとんど見られず、始めに一つの状況を過小にも過大にも評価しない、極めて厳しい現実認識があり、その後に、ではそうした状況の中で人間はいったい何を成し得るのかという、素朴な問いかけがなされるのです。

        しかも、彼らが成し得る事はあまりにも小さな事しかすぎず、しかし作者の山本周五郎は、社会のほとんどが、そのような人々の営みによって動いているという事を熟知しているのだと思います。

        彼が別の所で語っている、「慶長五年の何月何日に、大阪城で、どういうことがあったか、ということではなくて、そのときに、道修町の、ある丁稚が、どういう悲しい思いをしたか」とか「その悲しい思いの中から、彼がどういうことを、しようとしたかということを探求するのが文学の仕事だ」という視点、それは町人でも武士でも変わりはなく、この庶民に根を下ろした視点こそが、"山本周五郎文学の神髄"ではないかと思うのです。

        この作品の主人公の原田甲斐の場合は、レジスタンスの対象が、作中で、"断章"という形で挿入される"奇怪で醜悪な政治のメカニズム"であり、そこに一藩の命運がかかっていたというのにすぎないのです。

        人間のこうした弱さにつけ込む政治の権力を憎み、その中で一人の男の身の処し方を問おうとする時、主人公が善玉悪玉という単純な図式から解放されるのは、当然の帰結であったと思います。

        天に向かって真っすぐ枝を伸ばす樅ノ木。そのイメージはそのまま、否応なく政治の渦の中に引きずり込まれ、苛烈な闘いを強いられた"原田甲斐の祈り"、そのものなのではないかとも思うのです。
        >> 続きを読む

        2016/10/18 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      絆
      カテゴリー:叢書、全集、選集
      いいね!
      • 2も面白かったー。
        収録作品は、海音寺潮五郎の「善助と万助」、延原謙訳 コナン・ドイルの「五十年後」、山本周五郎の「山椿」。
        “絆”というタイトルだけあって、義兄弟、恋人、夫婦に従姉妹に部下…と、いろいろな繋がりが描かれていて、それぞれのお話が感動的でした。
        1に比べて格段に読みやすい気がしたのは、書かれた時代の違いのせいですかね?
        >> 続きを読む

        2014/07/26 by koh

      • コメント 3件
    • 2人が本棚登録しています

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