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山室静

著者情報
著者名:山室静
やまむろしずか
ヤマムロシズカ
生年~没年:1906~2000

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      たのしいムーミン一家
      3.0
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      • ♪すべてちっちゃな動物は しっぽにリボンをつけなくちゃ……♪
        このかわいらしい歌はスナフキンがとびきりご機嫌の時に口ずさむ歌。私もこの歌、お気に入り♪

        「たのしいムーミン一家」の物語はムーミン屋敷を中心にムーミン谷に暮らすさまざまな仲間たちが日々織り成す、あんなことやこんなことを書き綴ったものです。
        ムーミンたちは11月になると冬眠にはいり、春に再び目覚めます。雪解けの季節。一番初めに目覚めたのはスナフキンでした。
        ムーミン谷には不思議な出来事が次々に起ります。この物語の軸となるのは飛行おにの忘れ物の魔法の帽子ですが、何よりも不思議なのは、帽子の中に入れたものは最初とはまったく逆の性質のものに変ってしまうのです。
        卵のからはふわふわ空飛ぶ綿雲に、真水は真っ赤なキイチゴジュースに魚のウグイはカナリアに、そしてムーミントロールは?!
        そんな合間にものんびり過ごすひと時もあり、ママのおいしい木イチゴジャム付のパンケーキをごちそうになったり、と思いきや、船を出してニョロニョロの島を発見したり、素晴らしい宝を見つけたり。

        数々のエピソードは楽しく夢があり、いかにも子どものために書かれた物語なのだなと感じました。大人が読む場合は、あまりにもとりとめのない感じがするかもしれません。読みにくさは、ムーミンたちのセリフがいかにもぎこちなく、可愛げが無いことも一因です。これは原作が意図しているのでしょうか?翻訳のせいなのでしょうか?両方?こんな感じですよ…。

        「いきるってことは、平和なものじゃないんですよ」と、スナフキンは、まんぞくそうにいいました。

        「おまえが死んでからね」と、ムーミントロールはいいました。

        ムーミン童話にとっては、いわゆる人間社会の道徳や常識から考えた善悪というものはあまり大事じゃないんです。肝心なのは邪気があるかどうか。みんながしたいことをして好きなように生きるのがきっと善なんです。少なくともトーベはそう思っているんじゃないのかな。

        だってトフスランとビフスランって泥棒じゃん?それでも邪気がないからOKなのね。
        この物語上、最も邪気がある存在はモラン。彼女(女なの)は何をしたわけでもない。ただ、とても価値があると考えていたルビーの王様を盗まれて、取り返したかっただけ。その「美」がわからないモランは持ち主に相応しくないと、誰も彼女に返してやろうと思わない不思議。
        そしてもう一匹、ありじごくと呼ばれるライオンのような顔をした化け物。他者を隙あれば砂の中に引きずり込もうとする邪悪で獰猛な生き物ではあるのですが、これもいらない存在だからと、騙して魔法の帽子の中に入れてハリネズミに変えられてしまう。実験の犠牲?になった訳です。めでたしめでたし。(?)

        ママの大切なハンドバッグがなくなったのも盗んだ本人が表彰されちゃうおめでたさでフィナーレ。きっと子どもの私であってもこの話が好きでは無かったろうなという気がします。こういう筋の通らない物語は苦手だった気がするのですよ。パーティーはすてきだし、最後飛行おににもいいことがあってめでたしめでたしで結果的には良かったのですけどね。

        PS.
        この巻からスナフキンの大切にしている楽器がハーモニカから横笛にかわっています♪
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        2016/02/15 by 月うさぎ

    • 7人が本棚登録しています
      ムーミン谷の冬
      4.0
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      • 冬眠から一足早く目覚めてしまったムーミンの物語。眠っている間に通り過ぎていくはずだった「冬」という季節。白くて静かだ。

        みんながみんな仲良しなわけではないところが良い。

        ムーミンのヘムレンさんに対する気持ちはごく普通の自然なもの。なぜだか分からないけれど親しむことができない、苦手な人。波長が合わない相手ということなのだろう。無理に合わせることなどないのだ。

        ちびのミイのように生きたいと思う。

        「彼女はいつでも、自分ひとりで楽しむことを知っていました。自分がなにを考えようと、春がどんなに好きであろうと、そのことを人に話す必要は、少しも感じなかったのです」

        孤高のスナフキンとは少し違う一人の楽しみ方だ。みんなの中にいても流されない、理解されなくてもいい、好きな事をただ思い切り楽しめばいい。
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        2015/03/09 by seimiya

      • コメント 1件
    • 3人が本棚登録しています
      ムーミン谷の仲間たち
      4.5
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      • 童話なのに,いや,童話だからこそ,なのでしょうか,大人が読むと人生の指針になりそうなことばが散りばめられています.

        自分のことを「崇拝する」と言ってもよいくらいに慕っている名無しのはい虫に「あんまりだれかを崇拝したら,ほんとの自由は得られないんだぜ.」と諭すスナフキン(「春のしらべ」).

        たくさんの「素敵なモノ」に囲まれて,一見幸せそうな暮らしをしていたのが,あることをきっかけにそのモノたちをすべて手放し,すっかり自由になる,フィリフヨンカさん(「この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ」)と,スナフキンのママのおばさん(「スニフとセドリックのこと」).

        自分の世話をしてくれていたおばさんの冷たい皮肉に苦しみ,人から「見えなく」なってしまったニンニ.ムーミン一家と過ごすうちに足から徐々に見えるようになってきたものの,最後に残った顔だけがいつまでも見えないままの彼女に「たたかうってことをおぼえないうちは,あんたには自分の顔をもてません.」というミイ(「目に見えない子」).

        すこしほっそりして,すこしおくびょうで,はっきりと世間にせなかをむけている,半分危険な,とてもかわった,世すて人たち,そんな生き物「ニョロニョロ」を見て,どうしようもないあこがれとメランコリーに襲われ,「もうベランダでお茶なんか飲んでいられない」と冒険心に火がつき,偶然訪れた3人のニョロニョロののるボートに飛び乗って,一緒に旅に出るも,その旅の果てに「家にいても,ほんとうのパパがそうあるべきほどには,自分はじゅうぶん自由で冒険ずきでいられるのだ」と悟り,我が家に戻るムーミンパパ(「ニョロニョロのひみつ」).

        遊園地の入場券パンチャーという退屈な仕事から早く解放されて,年金をもらって静かに穏やかに暮らしたいと思うヘムレンさん.ある日勤めていた遊園地の設備が降り続く大雨ですっかり流されてしまい,仕事から解放された彼は,静かに暮らしたいという願いを大笑いしながらも聞き入れてくれた一族のはからいで,放置された公園で暮らすことに.しかしそこへ,遊園地を元に戻したい子どもたちが,流されてしまった遊園地の設備を拾い集めてきて,ヘムレンさんに託す.果たしてヘムレンさんは…(「しずかなのがすきなヘムレンさん」).

        あと,「春のしらべ」での,スナフキンが歌をつくる創造の過程の記述が良かったです:「この歌は,スナフキンがぼうしの下で,もういく日も,あたためてきたものでした.でも,まだ外へとりだす気にはなれなかったものなんです.それがだんだんふくらんで幸福な自信にまでなるのを,またなくてはいけませんからね.そうなったら,ただもう,くちびるをハーモニカにあてがえばいいのです.すべてのしらべが,それぞれ適当な場所に,すぐにとびだしてくるはずです.それなのに,もしはやめにだしてしまったものなら,しらべはとちゅうでひっかかって,半分しかいいものになりません.まるっきり気分がこわれてしまって,つまらなくなってしまいます.歌のしらべというものは,なかなか気むずかしいものなんです」.きっと歌でも文学でも絵でもプログラミングでも同じですよね.

        ちょっと立ち止まって考えさせられる,そんな感じのお伽話でした.
        >> 続きを読む

        2014/09/12 by medio

      • コメント 2件
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