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石原昌家

著者情報
著者名:石原昌家
いしはらまさいえ
イシハラマサイエ
生年~没年:1941~

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      沖縄の旅・アブチラガマと轟の壕 国内が戦場になったとき
      カテゴリー:日本史
      5.0
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      • ガマ。沖縄本島南部に点在する自然洞窟だ。沖縄は太平洋戦争で
        日本国内唯一の地上戦が行われた場所となった。その際にガマは
        日本軍及び民間人の避難壕として使用された。

        本書はアブチラガマと轟の壕、ふたつのガマで何が起きていたのか
        を体験者の聞き取りと調査により詳らかにしている。

        沖縄戦の凄惨さは他の作品でも読んでいる。ガマで何があったのか
        も知っているつもりでいた。だが、本書は日本が犯した大きな過ち
        を改めて真正面から突き付けている。

        負傷兵は放っておかれ、脳症患者となった兵士は密かに殺された。
        ガマのなかでも乾いた居心地のいい場所は日本軍が占領し、避難
        して来た住民は湿った場所へ追いやられる。

        食糧が乏しくなっていると民間人が所持していた僅かな食べ物を
        日本兵が取り上げる。ひもじさに子供が泣くと「殺すぞ」と脅され
        る。実際に殺されたとの証言も残っている。

        壕から外に出ることは許されず、出て行こうとする者や外から
        呼びかける者にはなんの根拠もなく「スパイ」呼ばわりする。

        「日本軍は自分たちをアメリカから守ってくれる」。そう思って
        協力した沖縄の人々だったのに、壕を支配する日本軍は人々を
        虐げ、裏切りを重ねた。

        「日本ノ兵隊 生カシマスカ 殺シマスカ?」

        轟の壕で住民の救出にあたっていたアメリカ軍将校の片言の問いかけ
        に、住民たちはいっせいに答えた。「殺せ!殺せ!」と。

        申し訳ないと思う。いや、それだけでは言い足りない。なんてことを
        してくれたのかと気持ちでいっぱいなのである。

        もし、ガマを支配していた日本軍が早期の住民の脱出を認めていたら
        もっと多くの人が命を落とさずに済んだのかもしれない。

        沖縄だけはない。「一億玉砕」などというスローガンなんか掲げて
        いなければサイパンの「バンザイ・クリフ」もなかっただろうにと
        思うのだ。

        沖縄戦の前から当時の日本政府は沖縄を捨て石として考えていたこと
        を裏付ける資料を見たという人も証言も収録されている。

        沖縄に、行かねばなるまい。そこで何が起きていたかを知った上で、
        沖縄に行かねばと感じた。
        >> 続きを読む

        2018/04/14 by sasha

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