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田口俊樹

著者情報
著者名:田口俊樹
たぐちとしき
タグチトシキ
生年~没年:1950~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      チャイルド44
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • スターリン統治下のソ連の話であり、その当時は犯罪などどこ吹く風の風潮。
        そのため連続で起こる子供たちの殺人は見て見ぬものとして処理
        される日々。

        部下の計略に嵌った捜査官のレオ・デミドフは妻と共々田舎の警察へと飛ばされる始末。
        そこで発見される死体が子供のものとなる。

        スターリンの恐怖政治が当時のソ連ではいかに民衆が無力なのか。
        また警察の力の強大さは甚大であり、デミドフの家族まですべてが報復の対象に。

        上巻は死んだ子供たちにある特徴が残ることが分かるが、いかにして事件は解決するのだろうか。
        >> 続きを読む

        2020/04/03 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      チャイルド44
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 下巻は殺された子供たちの残した跡から、社会的弱者の知的障害者だったり、犯罪を犯した者たちが次々と犯人として捕らえられる。
        だが真犯人は別にいることを嗅ぎつけるデミドフは、独自の捜査で犯人へと迫っていく。

        妻との関係や自身の出生の秘密まで明かされるデミドフ。
        そしてラストあたりに明かされる真実が、そのまま真犯人へと繋がっていく構成が見事。

        ソ連の濃密な空気も緊張感が常に感じられ、最後の決断がまた後に続く続編に関わって来る。
        次作もそのまま楽しみにしたい。
        >> 続きを読む

        2020/04/04 by オーウェン

      • コメント 3件
    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      さあ、才能に目覚めよう あなたの5つの強みを見出し、活かす
      カテゴリー:人生訓、教訓
      3.6
      いいね!
      • 巻末にある綴じ込みのIDを使って、「ストレングス・ファインダー」サイトにアクセスする。
        20分ほど掛けて次々質問に答えると、34の強み(活発性、公平性、競争性、指令性、親密性、調和性など)のうちから、自分の強みを5つ分析してくれる。
        結果は・・・あぁ、やっぱりね。自分でも分かってますよ。

        個々の強みを活かした、採用システム、パフォーマンス管理システム、キャリア開発システムなど、実践的な方法も書かれてはいるが・・・それじゃぁ、企業で働けない人も沢山いることでしょう。
        ただ、弱い部分を補強するために、教育訓練や研修を行うのは非効率ってのはよーくわかります。

        学生のうちに、自分の強みを生かした働き方をイメージするにはいいかも。
        >> 続きを読む

        2016/05/05 by FUKUchan

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      グラーグ57(フィフティセヴン)
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! Tukiwami
      • 「チャイルド44」の時代から3年後が舞台であり、またそれ以前にレオ・デミドフが初の事件によって摘発した、元司祭が関わって来る。

        スターリン政権下では多くの身に覚えのない犯罪人が出たが、スターリン亡きあとに次々と釈放。
        当然恨みを持つ釈放者たちの反撃が。
        そしてレオにも家族を含め反抗の手が伸びる。

        1作目のラストで養子として受け入れたゾーヤの反発。
        それが思わぬ方向に進み、レオやライーサは窮地に。

        まだ残されていたレオの過去が新たに浮かび上がり、それが物語を推進させるのだが、果たして後半はどうなるのか。
        >> 続きを読む

        2020/04/12 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      卵をめぐる祖父の戦争
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      •  物語は現代から始まります。
        アメリカ、フロリダで隠居生活をしている著者の祖父母は、ロシアからの移民。祖父の話を孫である著者が聞く、という形をとっています。

         第二次世界大戦、ドイツ軍に900日にわたり包囲され、孤立したレニングラード(現・サンクトペテルブルグ)にいた祖父、レフはまだ17歳。

        ドイツ軍に完全に包囲されているため、物資はないどころか、人びとの生活は凄惨を極めています。

         レフはささいな盗みで捕まってしまう。静粛も厳しい時代、レフは刑務所でコーリャという少し年上の青年脱走兵と共に軍の大佐に呼ばれる。

         娘が結婚するのでウェディングケーキを作る。そこには卵が必要。卵1ダースを調達してこい、と命令される。

         人と人が食べ物をめぐって殺し合い、奪い合う「包囲網」の中でどこに卵なんてものが・・・結局、この若い2人は捨て駒なのです。しかし、配給カードを取り上げられ、雪の中をひたすら卵を探すことになってしまう2人。

         戦争の悲惨さを訴えたものはたくさんあるけれど、「卵もってこい」という実にばかばかしい使命に命かけなきゃならな、脱力ものの使命。正義の為でなく、卵。

         そして、卵を探してレフとコーリャはあちこちをさまよう羽目になります。そこで経験した様々な悲惨な出来事。

         しかし、コーリャとレフの珍道中になっているのは何が起きてもコーリャは、笑いとばし、軽口をたたき、冗談を言い、いざとなると頼りになるからです。

         極寒の地でのサバイバル小説とでもいえるのですが、その底に戦争のむなしさをきちんと描いているし、正反対であるはずのコーリャとレフの友情物語でもあります。

         救いとなるのは、祖父レフは生き延びて、アメリカで孫に語っているという設定が最初にあるので、レフは生き延びる、という安心の種をまいているところ。そして、小粋なラストの一言。

         実際、著者デイヴィド・ベニオフはロシア系ではなく、資料や書籍に頼ってこの物語を書いたと後で書いているのですが、戦争ものを、悲惨なものを、笑い飛ばすだけの力強さ・・・そんなものに勇気づけられる結果となるのです。
        >> 続きを読む

        2018/06/23 by 夕暮れ

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      グラーグ57(フィフティセヴン)
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • レオは家族のために、強制収容所からラーザリを脱獄させるため潜入をこなす。
        しかしまたもや過酷な旅路であり、その後はハンガリー動乱へと巻きまれていく。

        架空のレオという人物に対し、現実のスターリンからフルシチョフへの政権交代。
        更にはハンガリー動乱という時代の出来事と絡めている。

        レオの過去が上巻にもあったが、今度は妻のライーサの過去が暴かれる。
        予測はしていたが、悲しい現実に打ちのめされる日々は続く。

        一体3作目ではレオたち家族はどうなるのだろうか。
        >> 続きを読む

        2020/04/12 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      エージェント6(シックス)
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • レオ・デミドフ3部作の完結編。

        レオ以外の家族でニューヨークへ向かった3人。
        だが会場内では養女のエレナが極秘裏に指令を送られ、それが最悪の事態を引き起こす。

        この上巻はレオはほとんどが過去シーンであり、中心はライーサとエレナの2人。

        いかにして巧妙に作戦が仕込まれていたのか。
        また翻弄されるライーサやエレナの顛末。

        下巻はいよいよ完結だが、ハッピーエンドなのかアンハッピーエンドなのか気になる。
        >> 続きを読む

        2020/04/14 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      エージェント6(シックス)
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 完結編となる下巻だが、上巻とはまるで別の物語のよう。

        これまでの家族よりは、レオ自身の死生観が全編に渡って漂っている。
        自殺まで考える原因となる悲劇に対し、その元凶であるエージェント6を求めてアフガニスタンを彷徨う。

        もはや生きる気力すらなくなっている状態で、ナラやザビというわずかな希望のため、エージェント6を追い詰める。

        もはや復讐のためという名目は犯人を拷問して追い詰めるまでに。

        レオ・デミドフの旅は終わりを告げるのだが、ラストにほんのわずかな光が見えることに安堵する。
        >> 続きを読む

        2020/04/15 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      八百万の死にざま
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 第二回PWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)のシェイマス賞受賞作品。
        アル中探偵マット・スカダーが活躍する物語。
        スカダーは真性のアルコール中毒者で、本作ではAA(アルコール中毒者自主治療協会)に通う様子も描かれている。
        アルコール中毒であることは、もちろん探偵にとって不利な要素であろう。
        アルコールを1滴も飲まないマット・スカダーと本作のスカダーが勝負したら、間違いなく前者が勝つはずである。
        僕もアルコール常飲者なのでマット・スカダーがアルコールの誘惑から逃れられない気持ちはよくわかる(もし僕が下戸なら、今の二倍は小説を読めているはずである)。
        スカダーがありとあらゆる理屈をつけて、アルコールを飲むことを正当化しようとするシーンには大笑いした。
        ダーキンという刑事がマンハッタンで犯罪が凶悪化し、件数も増加していることを嘆いているシーンは「ハサミ男」を彷彿とさせた。
        作中で「ウォーターシップダウンのうさぎたち」が出てきたのには驚かされた。
        都会の虚無感をよく描けているハードボイルドの良作と思う。
        >> 続きを読む

        2020/08/10 by tygkun

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      音もなく少女は
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!

      • ボストン・テランの「音もなく少女は」は、タイトルだけ見ると、まるでサイコスリラーのようですが、この作品は、実は凛々しく生きる女性たちの忘れ難い物語なんですね。

        1957年、ブロンクスでキャンディ・ストアを営む54歳のフラン・カールは、麻薬密売人を殺害したと申し立て、48分署に出頭した。
        なぜ、彼女はそんな行動をとったのだろうか?

        ストーリーは一転し、生まれながらに耳が聴こえないだけでなく、貧困、家庭内暴力、差別、犯罪という厳しい環境の中で成長していくイヴ・レオーネの半生を軸に進んでいく。

        1950年生まれのイヴに教育の機会を与え、支援し、困難に出会っても逃げない強い意志を折々に身を持って示してきたのが、フランだった。

        著者のボストン・テランが描く様々な女性の生きざまは、非力であっても決して折れない信念があることを、静かに伝えてくれる。
        そして、女性にだってハードボイルドが似合うと主張し、女性に一歩踏み出す勇気を与える作品だと思う。

        この作品は、詩的でありながら、どこまでも力強く、テーマも強烈なんですね。
        まさしく、著者は女性を描かせたら天下一品のうまさがある作家だと思う。

        とにかく、悲しみに負けない強い女たちがカッコいい。そして、読後の余韻が深く、犯罪を生む人間の卑小さと崇高さと弱さと強さを綴る静かな詩情が、実に素晴らしい作品だ。

        >> 続きを読む

        2018/11/07 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      オルタード・カーボン
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! u_sukumo
      • 【サイバーパンクSF+ハードボイルド+……その他沢山!】
         27世紀、人間は自己の人格と記憶をスタックと呼ばれる体内内蔵型メモリーに記録することが可能になり、そのメモリー内のデータを新しい身体にダウンロードすることにより不老不死を実現した……というのが本作のコアとなるアイディアです。
         このアイディアの下、自殺とはどういうことなのかが問われます。

         大富豪であるローレンス・バンクロフトが自殺としか思えない状況で亡くなりました。
         体内に内蔵されたスタックも破壊されているR・D(リアル・デス/真の死)を迎えたのです。
         しかし、バンクロフトは大富豪ですので、莫大な費用を投じ、自己のスタック内のデータを外部メモリーに定期的に送信・更新してデータを保っていました。
         また、自分の身体のクローンも用意してあったため、R・Dを迎えても新しいクローン・ボディに外部に保存されていたデータをダウンロードすることにより蘇生したのです。
         こんな状況下での自殺は無意味です。
         バンクロフト自身がそんな無意味なことをするわけはなく、やはり、一見不可能と思える(外部メモリーのことを知らない者による)他殺なのでしょうか?

         この謎を解くためにデータ状態で凍結されるという保管刑を受刑中のコヴァッチが新たなボディを与えられて蘇生させられ、捜査に乗り出すというのが本作の物語なのですが、その世界はまさしくサイバーパンクSFです。
         はたまた、物語世界のルールの下で、この謎を合理的に説明する答を見つけるという面では立派なミステリになっています。
         そして、コヴァッチの行動は非常にハードボイルド的であり、その味わいも濃厚に持つ作品となっているのです。

         さらに、本作ではこの設定から生まれる様々なジレンマも描かれます。
         例えば、罪というのはどういうことなのか?
         ある時、人間が罪を犯し、その際にR・Dを迎えたとします。
         たとえ外部に記憶を保持していたとしても、そのデータを更新する間もなくR・Dになってしまった場合、外部記録をもとに蘇生した人間には犯罪の記憶がまったくありません。
         蘇生した者は犯罪者と言えるのでしょうか?

         あるいは、本作ではコヴァッチに与えられたボディは元警察官のライカーのボディでした。
         そして、同僚警察官のクリスティンはライカーを深く愛していたのです。
         ライカーは汚職をした罪によりボディからデータを抜き出され、長期間凍結されるという保管刑に処せられたのですが、クリスティンは大金をはたいてライカーのボディを保持していました。

         ところが、バンクロフトの一件を捜査するために、ライカーのボディが(6週間契約ですが)借り出されたのです(バンクロフトが金にものを言わせたのです)。
         ライカーのボディに人格と記憶を移されたコヴァッチを見て、クリスティンはどう思うのか?
         頭ではこの人物はライカーではないとは分かっているのですが、どうしても魅かれてしまう自分がいました。
         また、コヴァッチの人格にも魅力を感じてしまうのです。
         コヴァッチの方も、自分の身体がクリスティンを強く求める衝動を感じます。
         そして、二人は結ばれてしまうのですが、クリスティンが愛したのはライカーなのかコヴァッチなのか?

         はたまた、本作では、ダブル・スリーヴということも(違法ですが)行われます。
         それは、自分の人格を異なる複数のボディに同時にダウンロードすること。
         こうなると同じ人格と記憶を持った人間が複数同時存在することになります。
         ダウンロードした当初は全く同じ人格と記憶ですが、その後、それぞれが行動することにより違う経験をすることになります。
         しばらく時間が経った後、本当の自分というのはどっちなのでしょうか?

         このような考えさせられるテーマも盛り込み、また、次から次へとコヴァッチのピンチが描かれ、アクション性の高い場面が連続するなど、サービスも満点です。
         読み物として大変面白く書かれている、非常に質の高いエンターテインメントでもあると感心しました。

         また、読んでいて、様々な作品のエッセンスのようなものも感じたのです。
         例えば、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』やウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』などはすぐに思い浮かんだ作品でした。
         これまでにこの手の作品を楽しんでこられた読者だったら、本作も間違いなく面白く読むことができると思います。

         著者の作品を読むのは今回が初めてでしたが、大変優れた作家だと感じました。
         本作がデビュー作だということですが、既に第二作、第三作も書かれているということです。
         翻訳されていたらいいな~と思いながら、探してみることにしましょう。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/07/31 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      シャンタラム
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 人に愛され、人を愛し続けた男の話。

        2016/09/26 by らじかる

    • 5人が本棚登録しています
      シャンタラム
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      •  著者の半生を描く自伝的巨編。

         熱狂本です。
        「もしこれよりスゴい小説があるならもってこい!」と大見得切れるくらいです。

         まず著者の経歴がもう色々と常軌を逸しています。でもそれを書くとネタバレになってしまうため自重します。ただバリバリのアウトサイダーでパブリックエナミーだとだけ言っておきましょう。

         本書の主な舞台はインドです。それも80年代のボンベイですから、インドと聞いて想像できる世界の数倍インドっぽいところです。

         インドには悪魔的とも言える魅力があるようで、受け付けない人がいる一方、取り憑かれたようにその魅力に嵌ってしまう人がいます。本書にはインドの魅力、そこで学べる全てが詰まっています。少し人を選ぶところはあるかも知れません。しかしその分、嵌ったなら最高レベルの読書体験ができるはずです。

         私の思うインドの魅力は、その世界の濃さにあります。善と悪、富と貧困、美しさと汚さ、あらゆる相反するものの両方が同時かつ大量に存在している世界です。それらは本来同時にあるべきものですが、現代社会において負の側面は隠されがちです。争いを経験してこそ平和を、裏切りを畏れてこそ友情を心に刻めるのではないでしょうか。

         台詞の一つ一つが魅力的なこともこの作品の良さです。まさしく言い得て妙な言葉が心に染み渡ってきます。最後にそのひとつを紹介して置きます。

        「真実というのはわたしたちみんなが好きなふりをしている、いじめっ子みたいなものだ」
        >> 続きを読む

        2014/09/26 by あさ・くら

      • コメント 1件
    • 5人が本棚登録しています
      卵をめぐる祖父の戦争
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 早川書房の看板商品ともいえるポケットミステリこと通称ポケミス。

        本書の発売くらいから、表紙もそれぞれの作品の特色を活かしたデザインに変更され、一般の読者も手に取りやすくなった気がします。

        本書はナチス包囲下の都市で"卵"の調達を命じられた青年たちの物語。

        厳密にはミステリーとは呼べないかも知れませんが、青年たちの成長物語としても読める本書はとにかく面白いです。

        不覚にも最後の台詞で私はちょっとだけ泣いてしまいましたが、これはロス・マクドナルドの「さむけ」を読んで以来のことです。

        「卵をめぐる祖父の戦争」はポケミス史に残る傑作だと思いますよ。
        >> 続きを読む

        2017/09/28 by アーチャー

      • コメント 2件
    • 3人が本棚登録しています
      捜査官ポアンカレ 叫びのカオス
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • レナード・ローゼンの「捜査官ポアンカレ 叫びのカオス」の主人公アンリ・ポアンカレは、インターポールのベテラン捜査官で、フランスの同名の天才数学者のひ孫にあたるという設定。

        世界貿易機構の会議で、講演するはずだったアメリカ人数学者が、特殊な爆弾で殺害され、彼は、この動機の見えない不可解な事件を担当することになる。

        そんな彼に、家族が大怪我をさせられる、残酷な事件が追い打ちをかけるが、それは彼に恨みを抱いている殺人犯の指令なのだろうか?-------。

        予想外の展開だけでなく、世の無常に苛まれる彼の心の叫びに、アメリカの作品ながら、ヨーロッパ的な虚無的な雰囲気が漂い、これまでにない印象を与えてくれる作品に仕上がっていると思う。
        >> 続きを読む

        2020/07/06 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      地獄の季節
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • ご贔屓、ジャック・ヒギンズの「地獄の季節」。この作品は、まさにヒギンズ貫禄のパワープレイでぐいぐい読ませてくれる。華やかな男と女が燃え上がる冒険アクション小説の傑作だ。

        十一月、雨と霧にけぶるパリに始まり、雨と霧のロンドンに終わる。

        十一月は残酷な月、秋と冬の裂け目。すべてが月並みな道具立ての復讐物語なのだが、ヒギンズが描けば、華になる。

        人生の偶然から一人の男と女が、同じ復讐の的を持つ。それが、レディーとヒーロー、ヒギンズの世界に特有のきらびやかな男と女の物語になるのだ。相変わらず、パワフルだ。

        私のようなヒギンズファンに、彼の傑作「エグゾセを狙え」を彷彿とさせ、思わずニヤリとさせる仕掛けが施されている。ヒギンズ、実に憎い男だ。

        フォークランド戦争を舞台に、イギリスの特殊部隊将校と、アルゼンチン空軍の伊達男との恋のさやあてを主軸にした傑作の、続篇とも言えるのだ。

        登場人物の一部が連続して出てくるだけではない。年代的に、直接続いているのだ。しかし、基調はあくまで暗い。ヒギンズにあるまじき暗さ。

        復讐は地獄の季節、血で血を洗う残酷な結末が待っている。これはイギリスとアイルランドの骨肉の暗さだ。

        主役が華ならば、脇役は棘のように。復讐劇の裏で、それを追跡する屈折した殺し屋の存在感が、見事に残ってくる。これはこれで、また格別に、華やかなのだ。


        >> 続きを読む

        2018/01/19 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      キャプテンの責務
      カテゴリー:航海、航海学
      5.0
      いいね!
      • 旅客や乗組員等、船内にいる人すべての避難が済むまで船長は船舶を
        去ってはならない

        でも、ティレニア海で座礁・転覆したコスタ・コンコルディア号は
        さっさと船外に逃げ出して塩害警備隊から「船に戻れ。船にはまだ
        人がいる」と叱責された。

        コスタ・コンコルディア号のように座礁も転覆もしなかったが、船に
        乗組員全員を残したまま、船を離れた船長がいた。

        アメリカ船籍の貨物船マークス・アラバマ号は、ソマリア沖を航行中に
        海賊に拿捕された。リチャード・フィリップス船長は船と乗組員を守る
        為に、自ら海賊たちと共に救命艇に乗り込み、貨物船を離れた。

        2009年4月に発生したソマリア海賊によるシー・ジャック事件の中心
        にいたフィリップス船長の手記が本書である。拿捕される数日前から
        アメリカ海軍特殊部隊による船長救出作戦の成功後まで、自身の航海
        や家族に対する思いや、船乗りとしての体験等を織り交ぜながら綴ら
        れている。

        救命艇で貨物船を離れ、海賊たちに命を脅かされながらも彼らを冷静
        に観察している場面もいいが、なんといっても手に汗握るのは海賊たち
        に乗りこまれた貨物船内で、以前に行った海賊対策訓練を確実に実践し、
        まんまと海賊たちの裏をかき、乗組員たちを守る場面だ。

        救命艇からの脱出の失敗、死の恐怖と対峙した時の心情も正直に記さ
        れており、その臨場感が強烈に伝わって来る。

        船と運命を共にすることで責務を果たす船長もいれば、船から離れる
        ことで責務を果たす船長もいる。それが、船と乗組員を守る為であれ
        ば、船長がいる場所が責務を果たす場所になるのだろう。

        本書は「キャプテン・フィリップス」のタイトルで映画化もされている。
        私はまだ観ていないのだが、原作を読んで俄然興味を惹かれた。そのうち
        に映画も観てみよう。
        >> 続きを読む

        2019/02/06 by sasha

    • 1人が本棚登録しています
      風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった
      カテゴリー:発電
      4.0
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      •  世界の中でも最貧国に数えられる
        アフリカのマラウイで、
        飢饉のため学校にさえ行けなくなった14歳の少年が
        図書館で出会った本を頼りに
        自力で風力発電機をつくり上げ、
        その後の人生の扉を開いたという驚くべき実話です。
         
         著者ウィリアム少年は、
        想像以上に厳しいアフリカの庶民の生活環境と、
        その中でたくましく生きている人々の姿を
        少年らしい目線でストレートに描いています。
         
         しかし、中盤100ページに及ぶ
        国全体を襲った大飢饉のくだりは
        読むのが非常につらい内容でした。
         
         そんな中にあっても希望を失わず、
        自分の信じたものを熱意と創意工夫で実現してしまう
        著者のエネルギーと才能に感嘆してしまいます。
         
         ウィリアムが教えてくれる一番大切なメッセージは
        「トライして、やり遂げる」ということ。
        何かを実現したいと思ったら、
        まずはトライしてみなくてはならないのです。
          
          
         ちなみに、彼は現在25歳。
        2010年9月からアメリカの名門大学で学んでいます。
        これからの彼にも期待してしまいますが、
        彼は彼の学んだ彼の出来ることで
        アフリカをベースとした彼の世界に貢献していくはずです。
         
         ですから、私たちは私たちの出来ることで
        私たちの日常に根ざした世界に貢献していかなければなりません。
        そんなことも再確認させてくれる非常にいい一冊でした。
        文章も難しくないので中学生や高校生にも
        是非 読んでもらいたいと思います。
        >> 続きを読む

        2015/02/03 by kengo

    • 3人が本棚登録しています
      神は銃弾
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • ボストン・テランの「神は銃弾」は、著者のデビュー作でなかなか読ませる小説だ。

        カルト教団の教祖に娘を誘拐された刑事が、元教祖とコンビを組んで、その後を追いかけるという話で、そのストーリーだけでは新味がないが、実はとてつもなく色彩感あふれる豊かな物語だと思う。

        この手の話は暗くて、救いのないものが少なくないが、そういうものと一線を画しているのが何よりもいいと思う。

        この話には光明がある。そして、麻薬中毒を克服した元教徒のヒロインの造形が群を抜いている。

        これが圧倒的に素晴らしい。粗雑で勇ましく、同時に傷つきやすく、悲惨な体験を味わいながら、それに屈しないヒロインの強さが、この物語を力強いものにしていると思う。

        そして、太字体で挿入される回想が複雑に錯綜しながら、登場人物の心理を巧みに浮き彫りにするのも見事だし、詩情あふれる筆致もいい。

        これだけシンプルな話なのに、これだけたっぷりと読ませる小説も珍しいと思う。

        >> 続きを読む

        2019/03/23 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      主婦に捧げる犯罪 書下ろしミステリ傑作選
      カテゴリー:小説、物語
      いいね!
      • 不安を煽るだけ煽って、オチでひっくり返された「隣のコレクター」
        何の変哲も無い人生の表現が素晴らしかった「見えないマイナス記号」
        よく考えたら怖い話的な「今度晴れたら」
        そして共感しか覚えなかった「母の制裁」
        …が良かった
        >> 続きを読む

        2015/08/12 by 紫指導官

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【田口俊樹】(タグチトシキ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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