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昭和60年当時の香港。何故かノスタルジーを感じる古き良き香港の記録。昭和60年当時までの香港の息吹を、香港愛に満ちた目線で写し撮っている。・香港うまいものマップ・香港お買い物マップ・香港穴場マップ良くあるこれらの書籍とは一線を画す内容で、香港文化の生い立ちと今を日々の生活現場レベルから書ききっていることに価値がある。個人的には、香港を研究する機会を持っていたことも有るが、せいぜい返還時期の2000年前後しか体験的には知らない。本書が世に出たのは昭和60年なので計算が合わないのだが、紹介されている生活の一片が今でも香港の街角で繰り広げられている気がする。蛇足だが体験的に補足すると、香港では観光化された都会と田舎との印象が日本のそれよりも大きく感じられる。香港を旅した際、香港のアキバと言われている深水捗(サムスイポー)に足を伸ばしたことが有る。その名の通り電気街で有り、開発が極端に遅れているはずは無いにも関わらず店を出れば、まるで中心部とは異なる大陸的な風景が広がっているようだったのを覚えている。カンフー映画に出てくるような街角を、人民帽/人民服で固めた人々が、自分の畑で採れた作物を乗せて来たリアカーの上に置いたまま声を張り上げている。ふと横を見れば、タダみたいな値段でインスタントラーメン「出前一丁」と、マカロニをお湯に浮かべたスープみたいなものを食べさせる店のおばさんに袖を引張られている。本書に登場する多少怪しげなお店や人々も、メインストリートから一本入った路地裏や田舎町の一角にきっと残っていると感覚的に信じている。背伸びをせずに香港の魅力を描いた素晴らしい作品である。 >> 続きを読む
2011/01/01 by ice
アカデミックな切り口で香港を切り取る。香港を扱う作品の中では異色と言える。これまで数多くの香港関連作品を読んできたが、明らかに他とは毛色を異にする作品。香港を扱う作品で一般的なのは、いわゆるガイド的なもので、このジャンルに属さない作品は少数派と言える。本作品は戦争中から現在までという時間軸や中国返還など、食い倒れとかブランド買い漁りとかと比較するとアカデミックな視点を持っている。学生時代に香港を研究テーマとして来たことも有り、アカデミック視点もウェルカムなのだが、文体が古いのか、読み進めることに苦痛を感じた。いわば玄人受けする作品のため、読者を選ぶが、香港を立体的に捉えたい人には有意義な作品で有ろう。アグネスチャンの作品も収録されており、興味深く読んだ。 >> 続きを読む
2012/08/30 by ice
【山口文憲】(ヤマグチフミノリ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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