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山口雅也

著者情報
著者名:山口雅也
やまぐちまさや
ヤマグチマサヤ
生年~没年:1954~

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このランキングは1日1回更新されます。
      ミステリ-ズ 完全版
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 山口さんの短編から中編程のミステリが詰まった短編集。

        長編ではやれない試みが多くあり、バラエティに富んでいて楽しめる。

        「密室症候群」
        小説の中のメタ的存在によって見せるのだが、次第にどちらか困惑し始めて、タイトルの意味合いが最後に浮かぶ。

        「禍なるかな、いま笑う死者よ」
        基本ブラックジョークのような話だが、ラストの警官たちの話でよりブラックな笑いが。

        「解決ドミノ倒し」
        一見オーソドックスなミステリの解決のようだが、そこからスタートして次々と登場人物たちが裏切っていく展開。
        本書の中でも一番楽しめた作品。
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        2020/07/21 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      生ける屍の死
      3.7
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      • 山口雅也の「生ける屍の死」は、ページをめくると、いきなり死体が起き上がる。
        屍たちの甦る時代がやって来たのだ。

        巨大霊園が君臨するニューイングランドの田舎町トゥームズヴィルにも、こんな怪奇現象の波は及んでいた。

        葬儀社一族の末裔グリンは、ひょんなことから押し付けられたピンクの霊柩車を駆って、相棒のチェシャとともにトゥームズヴィルに里帰りするが、たちまち遺産をめぐる不穏な争いに巻き込まれる前に、自分が殺されてしまう。

        史上初のゾンビ探偵誕生なのだ。

        C級ホラー映画さながらの展開、凝りに凝った舞台装置やペダンティックな会話、「死」をめぐる引用の椀飯振る舞い。
        ためこんだパロディ精神を一気に爆発させたかのような、豪奢にして悪趣味、滑稽にして厳粛な世界が繰り広げられていく。

        それでいてこの小説は、まさにエラリー・クイーンばりの本格推理小説なんですね。
        奇抜な舞台装置を売り物にしておいて、そこそこの謎解きでお茶を濁すなどという、竜頭蛇尾のなりゆきを心配する必要はないと思う。

        なにせ正統的な謎解きのカタルシスにおいて、これを上回る作品はめったにないのだから。
        しかも、そこには著者が後にキッド・ピストルズ・シリーズなどで展開する、歪んだ世界ならではの異形の論理さえ添えられているのだ。

        こうして小説は、騒々しい死の舞踏と最も折り目正しい謎解き小説とを見事に融合させ、その果てに美しいエピローグへと流れ込んでいく。

        思えば、日本の推理小説で、これほど美しいラストシーンはめったにないだろう。

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        2018/10/25 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      名探偵の饗宴
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • ミステリ作家が創造した探偵たちのオムニバス作品。

        メルカトル鮎やキッド・ピストルズ。法月綸太郎などの活躍を短編として納めている。

        個人的には麻耶雄嵩の「水難」が楽しめた。
        ミステリなのに幽霊を出してくるのは意表を突かれた。

        あと二階堂黎人の「ある蒐集家の死」。
        残されたダイイングメッセージから犯人が二転三転というのは、短編らしからぬ満足感があった。

        あと葉村晶シリーズはまだ未読なので今後見たいかも。
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        2018/01/17 by オーウェン

    • 1人が本棚登録しています
      Play
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! ooitee
      • ブラックな4つの話の連作ミステリ。

        「ぬいのファミリー」
        医師の球磨の家族は崩壊寸前。
        夫と妻は共に浮気の疑いありで、娘はタトゥーを入れる不良娘。
        そんな娘が気付いた家族の秘密とは。
        タイトルで若干ネタバレしてるのは勿体ない。

        「蛇と梯子」
        映画の「ジュマンジ」とまるで一緒であり、拾ってきたボードゲームをプレイしてみたら異常な事態に。
        違いなのはそのゲームの目的が明かされるラスト。

        「黄昏時に鬼たちは」
        こちらも「リアル鬼ごっこ」に似ている設定。
        引きこもりだから外に出るため鬼ごっこという扱いは笑えるが、その中にもミステリの仕掛けが。

        「ゲームの終わり/始まり」
        現実のの世界の選択をバーチャルのゲームにしたらどうなるかという話。
        これだけ最後があっさりしていたのが印象的。
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        2018/07/23 by オーウェン

    • 3人が本棚登録しています
      日本殺人事件
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!

      • 前々から読もうと思っていながら本棚の奥で眠っていた、山口雅也の日本推理作家協会賞受賞作の「日本殺人事件」を読み終えました。

        これまで死人が蘇るアメリカやパンクスが刑事の職についているイギリスを舞台にしてきた山口雅也が、初めて日本を舞台にした連作を書いたのが、この「日本殺人事件」だ。

        しかし、そこは山口雅也のこと、普通のリアリズムで日本を描くわけがないんですね。
        それどころか、この作品は、あるアメリカ人作家が書いたペーパーバックを著者(山口雅也)が、「翻訳」したという形態をとっている。

        巨大な観音像が人々を見守る街、カンノン・シティ。
        そこは、私立探偵トゥキョー・サムの憧れの地、優しかった育ての母のふるさとだ。

        そして、サムの目に映った日本は、タクシーと一緒に道路を人力車が走り、武士道が重んじられ、江戸時代の吉原さながらの遊郭が存在している異世界だった。

        慈母の面影を慕い、はるばるアメリカからやって来たサムだったが、落ち着く間もなく、驚くべき事件の数々に遭遇することになる。

        外国人にとっては不可解な日本人の微笑とセップクの風習を扱った「微笑と死と」。

        茶室内での密室殺人の謎を解き、茶の湯の真髄を探る「侘の茶室」。

        廓で発生したオンライン惨殺殺人事件にサムが巻き込まれてしまい、見立て殺人に挑む「不思議の国のアリンス」。

        これらの三篇のどれをとっても、「外国人が見た日本」だからこそ生きるファンタスティックな論理が楽しめ、深遠な日本文化の粋が匂い立っているんですね。

        中でも「侘の密室」の、異世界への穴がぽっかり開いたような不気味な解決が、とても印象的でしたね。

        著者・山口雅也のキッド・ピストルズの連作が、マザー・グースの流れる奇妙な小世界のコレクションだったのと同様に、この作品では、フジヤマ・ゲイシャ的な日本観が、愛らしくも皮肉なミニ日本に化けるんですね。

        もちろん、ミニチュアの世界ならではの歪んだ"論理の魅力"も忘れてはならないだろう。

        >> 続きを読む

        2018/09/14 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています
      続・日本殺人事件
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
      いいね!
      • 外国から日本にやってきた探偵トーキョー・サムの第2弾。

        「巨人の国のガリヴァー」
        サムが巻き込まれたのは相撲の世界。
        多くの力士と知り合うが、その部屋ごとの対立から力士の殺人事件が。

        「実在の船」
        僧が打ち明けた私が殺したという告白から、サムがそこまでの経緯と後の出来事を。

        1話目は推理ものだが、2話目は哲学志向の道へと入っていく。
        これはさすがに求めてるものと違う。
        そもそもトーキョー・サムにやらせる意味があまりないと思う。
        残念な続編。
        >> 続きを読む

        2019/07/03 by オーウェン

    • 2人が本棚登録しています
      新・垂里冴子のお見合いと推理
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • ミステリ界の中でも鬼才と呼ばれる山口雅也の
        人気シリーズ第三弾である。
        今回は前回のような短編ではなく中篇が二編
        収録されている。
        この物語の特徴として普段メガネをかけて
        おっとりと本を読んでいる冴子、妹で天心爛漫な
        空見、その両親の他愛無いやりとりと謎に
        出逢ったときにガラリと変わる冴子の雰囲気
        きれいに伏線を回収させる手腕も見事ならば
        その中で「お見合い」を入れるというのは
        現在、日常の謎をテーマに書いている若い作家にも
        影響を与えているかもしれない。

        解決されていく問題も楽しいけれど
        家族の会話も楽しく読める一冊である。
        >> 続きを読む

        2013/10/24 by frock05

      • コメント 4件
    • 2人が本棚登録しています
      ステーションの奥の奥
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • ドラキュラのように血を吸いたいと思っている12歳の陽太。
        危惧する母親だったが、夏休みの自由研究のため東京駅を題材にすることに。
        叔父の夜之介と共に向かうが、そこには駅長のバラバラ死体が。

        山口さんらしいミステリであり、子供向けとはいえ意外と残酷な描写が散りばめられている。

        そして事件の推理に至った時、この吸血鬼というのが重要な要素へと変換する。かなり奇抜だけど、その世界観で成立させるのだから大したもの。
        これは大人でも謎解きが充分楽しめると思う。
        >> 続きを読む

        2019/03/29 by オーウェン

    • 2人が本棚登録しています
      マニアックス
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 山口雅也の「ミステリーズ」に続く短編集。
        「孤独の島の島」は登場人物の名前がカタカナではなく漢字なのが嬉しかった。
        ミステリ的なオチもしっかりつけている。
        「モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イブ」はドミノ倒し的な短編で「マニアックス」の中ではこれが一番好みである。
        「女優志願」「エド・ウッドの主題による変奏曲」は山口の映画趣味が伺えるが「女優志願」はラストが綺麗。
        「割れた卵のような」は幼児連続転落事件を扱った本格ミステリだが、SF的な解決が意外だった。
        「人形の館の館」は、僕にしては珍しくラストが読めた。
        内容的には「ミステリーズ」の「密室症候群」とリンクしている。
        本作は山口雅也にしか書けないタイプの傑作短編集であろう。
        森博嗣も指摘しているが「ミステリーズ」ともども装丁のデザインが素晴らしい。
        >> 続きを読む

        2019/09/16 by tygkun

    • 1人が本棚登録しています
      狩場(カリヴァ)最悪の航海記
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 狩場というのはもちろんガリバーの後付けであり、ガリバー旅行記の続巻という位置づけ

        そのガリバーが江戸に来て出会うのが狩場。
        そこから船に乗り島に出向き、海賊との出会いから島での奇怪な生物との対立まで。

        所詮はたらればなので、後半になるたびやりたい放題の様相に。
        竜が出てくれば、神様らしきものまで。

        ただし混乱しないのは章仕立てになっているからだし、いちいち解説がついているのでファンタジーとして楽しく読めたのは山口さんならではの手腕。
        多分読む人を選ぶ作品だろうけど、個人的にはありだと思います。
        >> 続きを読む

        2019/10/19 by オーウェン

    • 3人が本棚登録しています
      不条理な殺人 ミステリー・アンソロジー
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 不条理だったり不可思議な状況下の殺人を描く10篇のミステリ。

        一番目につくのはラストの法月綸太郎の作品。
        7年ぶりに会った初恋の人と出会うが、そのあとに彼女は殺される。
        残された手記から真相を綸太郎が解き明かす。

        有栖川さんは火村シリーズの一編。
        事件自体というより、現場に残された小物が何を示しているかの暗号解きを描く。

        若竹さんの間抜けな泥棒コンビもユーモアあって楽しめる1作。
        腕自体は一流なのに、二人揃うとどこかしらで失敗が。

        テーマとそぐわない話もあるが、当時は若手であり、今見ると名のある作家だらけというのは驚く。
        >> 続きを読む

        2018/05/16 by オーウェン

    • 2人が本棚登録しています
      日本殺人事件
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 外国で生まれ日本に憧れ続けた私立探偵のトウキョー・サム。
        サムライの国ニッポンで立て続けに起こった3つの事件。
        切腹や茶室に花魁という、日本の文化に基づいた殺人事件を解いていく。

        意図的に外国人から見た奇妙な日本というのを形作っており、その中でミステリを作り出す。

        現代なのに切腹が文化という理由だったり、そうはお見掛けしない茶室の中での密室殺人。
        見立てを使うのが風俗や花魁という文化を基にしていたり。

        とにかくトウキョー・サムというキャラから見た日本なので、どんなに誇張しても自由という枠組みの中で、本格殺人を行う山口さんの狙いはバッチリ決まっている。
        続編も見たい。
        >> 続きを読む

        2019/07/02 by オーウェン

    • 1人が本棚登録しています

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