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増子久美

著者情報
著者名:増子久美
ましこひさみ
マシコヒサミ

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      死刑囚弁護人
      カテゴリー:刑法、刑事法
      4.0
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      •  本書は、アメリカ合衆国における「死刑囚弁護人」と呼ばれる弁護士の仕事と日常を淡々と綴ったものである。

         最初に言っておくと、大きなドラマがあるわけではない。そして、現行の死刑制度に反対とか賛成とか、そういった政治的なメッセージがあるわけでもない。

         アメリカの死刑制度には問題が多々あり、著者もその問題点を指摘しているけれど、死刑制度そのものに反対しているわけでもないようである。そもそも死刑制度に反対していたら、このような仕事にはたずさわらないだろう。

         知っての通り、アメリカは中国ほどではないが、日本よりも多くの死刑囚がおり、そして多くの死刑が執行されている国である。死刑囚、この場合裁判で死刑が確定された囚人という意味で使うけれど、そんな死刑囚の弁護人を20年続けてきた著者は、なるべく死刑囚に同情しないように、心のどこかを固く閉ざしたように仕事に取り組んでいる。

         彼の担当したクライアントの多くは、死刑が執行されており個々の死刑囚に同情していたのでは心が持たない。それはある意味正解であろう。ただ、現状の死刑制度にはたとえば人種や偏見によって、死刑判決がなされることもあり、その点に関して著者は疑問を呈している。

         さて、弁護士の仕事をテーマにした作品ではあるけれども、本書の三分の一、もしくは半分は著者と家族との関係に紙面を割いている。辛い仕事の中で、家族(妻と子供)の存在が何よりも心の支えになっていることを教えてくれる。

         死刑囚の多くは孤立している。恋人や家族がいる者もいるけれど、ほとんどは一人だ。

        「パパが助けようとしている人には誰もいないんだ。誰も助けてくれる人がいない人を助けてあげるのは、大切なことだと思う。そう思わないかい?」(頁177)

         主人公(著者)が自分の息子に言って聞かせた言葉だ。もしかしたら、自分自身にも言っているのかもしれない。

         今日も彼は、どこかで死刑囚の弁護をしているのかもしれない。
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        2015/02/03 by ぽんぽん

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