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「僕がトースターを、それも電気トースターを作りたい理由は、電気トースターが、近代の消費文化の象徴であるように思えるからだ」 ロンドンの大学院でデザインを学ぶ学生がやることにした、既製品に頼らずゼロからトースターを手作りするプロジェクト、その名も「トースター・プロジェクト」 よくこんなこと、考えつくなぁと思いますが、ちゃんと最後までやりとげてしまう所が凄いと思います。プロジェクトとはいえ、この方はかなりいい加減で、ダメだったら、あ。だめ?うーん、そーだなー、じゃこうしちゃおう!みたいなノリの軽さが楽しい読物となっています。 最初のルールでは、すべて一からの手作りなので、鉄やプラスティックも鉱山に行ったり、原油からと考えますが、鉄はどうにかなったものの、プラスティックは無理となると、捨てられていたプラスティック製品を溶かして使おう、とあまり厳格ではない所がいいです。 お店で大量生産品を買えば、4ポンド(大体1ポンド150円で計算すると600円)弱で手に入る、手軽なトースターですが、著者は9ヵ月かけて、なんと1187.54ポンド(約17万円)もかけて「手作りトースター(のようなもの)」を作り上げるのです。便利な生産品に囲まれ、どんなに文明がすすんだか、気がつかない無意識の生活をしていたのでは?とモノの有難味がよくわかりますね。 最後に様々なトースターが陳列されている店内に、ひときわ高い、この手作りトースターが陳列されている写真をみると、遊び心半分、感心半分、妙にウレシイ気分になってしまいます。 安くて良いモノは、いくらでも手に入るかもしれないし、お金を出せばより高性能のモノがすぐに手に入るけれど、「自分で作ってみる」という小学生並みのアイディアが、いいセンス。ノリは軽いけれど、意外と経済の仕組みの元を探求している経済書だったりします。 >> 続きを読む
2018/05/30 by 夕暮れ
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