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庄司創

著者情報
著者名:庄司創
しょうじはじめ
ショウジハジメ

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      勇者ヴォグ・ランバ
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • 『勇者ヴォグ・ランバ』(全2巻)

        世界大戦も行われず、化石燃料の発見以前に核開発に成功した異世界を舞台に
        脳とサーバーを無線接続し
        個人が苦痛を感じたら
        脳に演算を送り込んで消失させるペインフリー(PF)という社会システムが構築された社会。

        それに反対する「覚醒派」のとの静かな戦いと
        演算による現実化技術“発現”
        完全な人造生命体
        (這い回る脳の形をした)“這脳”など
        この異世界独自の現象を駆使し描く、社会と人間のあるべき姿とは?

        『アフタヌーン』でも読んでいましたが
        2巻一気に読むと、作品世界にどっぷりと浸れます。
        やはり、ラスト3ページが素晴らしいです。

        タイトルにもなっておりますが主人公・ヴォグ・ランバは
        全然、勇者らしくありません。

        もともと、大統領の甥であり、体制派の人間でありながら
        学生時代の恋人で「覚醒派」のガアダ・メリ(2巻表紙中央・緑色で描かれた女性)との
        再会により、ペイン・フリー体制との戦いに身を投じていきます。

        圧倒的な戦闘能力もなく、悩み、揺らぎながら
        世界の在るべき姿を捜し求めていきます。

        “半裸の女性にのしかかられたい”などということを
        熱弁するある意味、残念(笑)率直な主人公なんですが
        実はこれも伏線だったりします。

        1話まるまる、その“世界の在るべき姿”
        正確にいうと
        最終戦争を起こさず、かつ、PFでもない世界を
        登場人物たちで論議しあうところは圧倒的で

        著者も巻末で書かれている通り、伊藤計劃作品で言及されていたことを
        もう一度、自らの手で答を構築・提示しようとする力技に感服しました。

        あとは特筆すべきは、ガアダ・メリの妹である
        キーハです。
        (1巻表紙中央・緑色、
         2巻表紙タイトル下に描かれた異形の姿)

        (ネジレクチキレウキガイをモデルにしたかもと著者のブログでは書かれていましたが)

        演算による現実化技術“発現”を持つ彼女は
        「覚醒派」の戦力不足を補うため、姉に内緒で
        発現を進行させ、人でない“半竜”と化しています。

        姉であるガアダはそれに関して罪悪感を感じています。

        最初に見たときの違和感、異質な感じは
        『寄生獣』のミギーに近いものがありました。

        そういえば、作中で這脳で逃げるところも、どことなく、ミギーが分離した時や
        力を使うと異形化が進むのは同じ岩明均作品『七夕の国』を思い出させます。

        その異形ともいえる彼女が
        徐々に内面を吐露し始める2巻目
        特に、最終話で、きちんと“勇者”であることを証明するヴォグ・ランバとそこに行き着くまでのキーハとの会話で、思わず、涙目になってしまいました。

        前述したラスト3ページの部分も含めて
        真のヒロインとも言えるかもしれません。

        ある意味とても、『アフタヌーン』らしい
        実験的・かつ刺激的な作品でした。

        やっぱり、単行本買って良かったです(しみじみ)。
        >> 続きを読む

        2013/07/13 by きみやす

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