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近本洋一

著者情報
著者名:近本洋一
ちかもとよういち
チカモトヨウイチ

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      愛の徴 天国の方角
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • 近本洋一の第48回メフィスト賞受賞作「愛の徴 天国の方角」が実に面白い。

        "量子と愛が解き明かすヨーロッパ史最大の秘密"という惹句どおり、バロック期のスペイン画家その他の謎を解きまくる歴史伝奇ミステリというか、17世紀版「ダ・ヴィンチ・コード」の趣きもあるが、そちらはいわば作中作。

        外枠の舞台は、2031年の沖縄科学技術大学院大学量子演算センター。
        最新鋭量子コンピュータ「にらい」にフランス国立文書館のデータを食わせ、そのマッピングを通じて自己組織化を促すプロジェクトが進んでいる。

        その「にらい」がデータを消化して出力したのが、孤児の少女アナと彼女に随う狼ギュスターヴの冒険の物語。
        そちらには、ダルタニヤンだのルイ14世だのマザラン枢機卿だのが、どかどかと登場し、聖遺物をめぐって権謀術数が渦を巻くんですね。

        外枠の主役は、フランス語担当の技官として沖縄にやって来た太良橋鈴。
        波瀾万丈の"アナの物語"は「にらい」の介入によって、外界の現実とシンクロし、やがては"あなたの人生の物語"へと変貌する。

        この本は、とにかく"量子論SF"としても、必読の仕上がりになっていると思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/12/29 by dreamer

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