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藤本四郎

著者情報
著者名:藤本四郎
ふじもとしろう
フジモトシロウ
生年~没年:1942~

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このランキングは1日1回更新されます。
      ホタルがすきになった日 都会にホタルを取りもどした阿部宣男
      カテゴリー:昆虫類
      4.0
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      •  人生は思い通りに行くとは限らない。だからといって、思い通りにいかなくてもそれが不幸とは限らない。

         本書の主人公(著者ではない)、阿部宣男さんは小さい頃から動物や植物が好きで、とくに水辺の生物を飼育したりしていたそうである。

         そして大人になり、板橋区の職員となった彼は区立のこども動物園勤務を経て別の場所にある温室植物園で働くことになった。

         そんな時、板橋区の区議会議員から「板橋区でホタルを育ててはどうだろう」という提案がなされ、当時の区長、栗原敬三氏もそれに賛成した。

         こうして温室植物園で働く阿部宣男さんに、上司である担当課長から「ホタルを育ててくれ」との要請があった。

         実は阿部さんは、子供のころ母方の祖母から「ホタルはご先祖様の魂」、つまりヒトダマだと教えられたことで、ホタルは苦手であった。

         しかし、上司の命令なので、仕方なく母親の実家がある大熊町の熊川まで行き、息子と一緒にホタルの卵を採取して植物園で育てることにした。

         当初、あまり乗り気ではなかった阿部さんは植物園の冷房室(高山植物を育てるために、冷房が入っている)で、放置したままにしていた。

         生き物を飼っている人ならわかると思うけれど、手塩にかけて育てるよりも、テキトーに飼っていたほうがよく育つものだ。筆者の家の亀も、随分といい加減に飼っているが、かなり大きく成長してしまった。

         それはともかく、植物園に放ったホタルの卵は無事に孵り、成虫にまでなってしまった。デリケートに見えるホタルだが、意外とホタルはタフなのである。

         その後阿部さんはホタルの飼育に本気で取り組み始める。だがそんな阿部さんに試練が待っていた。彼の働いている植物園が閉園になることが決まったのだ。時期は六月三十日。ちょうど、ホタルが成虫になるころだ。

         役所というものは一度決まったことはなかなか変えることができない。二千名もの署名も集まり、住民も阿部さん自身も必死に閉園の延期を主張したが叶えられなかった。

         そしてある日、突然温室植物園の取り壊し工事がはじまった。まだ植物園の冷房室には多くのホタルの幼虫やサナギが残っているにも関わらずだ。

         阿部さんは工事現場に駆けつけると、すでにブルドーザーなどの工事機材で植物園は取り壊されていた。現場に入った彼は、地中にいるはずのホタルのサナギや幼虫を探す。そんな彼の目の前で、一匹のヘイケボタルが飛んだ。はかなくも力強いホタルの生命力を再認識した瞬間だった。

         彼はその青白い光に強く感動し、ホタルの飼育と研究に一生を捧げることを誓ったのである。

         話はまだまだ続くけれど、これくらいにしておこう。人が何かを好きになるきっかけというものはわからないものである。

         でも、好きなことを見つけられる、ということはとても素敵なことだと筆者は思うのである。もちろん好きでい続けることは、辛いこともあるだろう。でも、好きだからこそ続けて行くことができる。

         ホタルの微かな光に勇気づけられた阿部さんはホタルの飼育を続け、多くの人たちに癒しや元気を与えているのだ。


         それはともかく、気づいている人もいると思うけれど、作中に出てくる福島県大熊町は、あの事故があった福島第一原子力発電所のあった場所だ。町内の多くが今も警戒区域として立ち入りを制限されている。板橋区で育ったホタルの多くは、元をたどれば熊川町から来た個体も多い。

         阿部さん自身の物語も感動的ではあるけれど、其れ以上に彼の母方の祖母の家がある熊川町のことを考えると、筆者としては複雑な気持ちにならざるを得ない。
         自然とは何か。別の意味で考えさせられてしまう一冊である。
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        2014/09/17 by ぽんぽん

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      しあわせなろば
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • ほのぼのとした優しい気持ちになる絵本だった。

        他の動物たちから、のろまと馬鹿にされていたロバ。

        そのロバが、ある時、ある男性にひきとられて、身重の女性を乗せて、ずっと運んでいくことになる。

        優しいその男性と女性は、なんとヨセフとマリア。

        やがて、イエスが生まれてくる…。

        あとがきにも書いてあるが、たしかに福音書にはよくロバが登場する。

        ロバはよく愚鈍でおろかなもののように民話や説話ではとりあげられるそうだが、そのロバはキリストの生涯の大事な時に使われている。

        とりえのないようもなものでも、いや、そのようなものをこそ、かえってその謙虚さのゆえに選び、高くするのが、イエスの心だったのだろうか。
        そんなことに、あらためて気づかされた気がする絵本だった。
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        2013/05/11 by atsushi

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      わたしたちのイエスさま
      4.0
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      • 子ども向けにわかりやすく、福音書の話を短くしてある絵本。

        しかし、それだけに、より素直に、優しく、いかにイエスが優しい生涯を送ったかが伝わってくる気がした。

        こういう絵本を子どもの頃から読んだ人は優しい人になりそうであるし、大人になってからであっても、いつでもこのような福音の物語に触れると、何が最もなくてはならぬことかを教えてもらうことができるのだと思う。

        イエスは、限りなく優しい人だったんだなぁと、あらためて思った。
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        2013/05/11 by atsushi

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      アブラハムものがたり 旧約聖書
      カテゴリー:聖書
      4.0
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      • アブラハムについて描いた絵本。

        かわいい絵で、わかりやすかった。

        絵でみると、夜空の星のようにあなたの子孫は増える、という神のアブラハムの約束は、あらためてとても美しく思えた。

        ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の三大宗教が、アブラハムはどれもとても尊敬し、大切に思っている。

        私も小さい頃、アブラハムには不思議と心ひかれた。

        最も素朴な形での、一神教のエッセンスが、アブラハムの生き方にあるので、長く多くの人々に慕われてきたのかもしれない。

        大きな意味でいえば、アブラハムの物語に心惹かれるすべての人は、この時、アブラハムの目の前に見えた星のひとつのようなものなのかもしれない。

        読んでいて、そんなことをあらためて思った。
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        2013/08/10 by atsushi

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      ギデオンのつのぶえ 旧約聖書
      カテゴリー:聖書
      4.0
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      • 聖書の士師記の中のギデオンの物語の絵本。

        当時、イスラエルの人々はミディアン人に支配されていた。

        その中の若者のギデオンのもとに、天使があらわれ、イスラエルの人々のために立ちあがるように言われる。

        ギデオンは立ちあがり、その声に応じて集まった人々から少数精鋭だけを選んで、ミディアン人の大軍に夜襲をかけ、つのぶえの音を多く大きく鳴り響かせることで、大軍がいると錯覚させ、同士討ちを起こさせ、勝利する。

        ギデオンの物語は、絵本で読むとあらためてよくわかりやすかった。
        士師記はけっこう異民族との戦いが出てくるのだけれど、昔からイスラエルの人々は大変厳しい中を生き抜いてきたのだろうとあらためて思った。
        >> 続きを読む

        2013/08/15 by atsushi

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      ダニエルのなぞとき 旧約聖書
      カテゴリー:聖書
      4.0
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      • 聖書の中のダニエル書の物語の絵本。

        ダニエルやその友人たちが、バビロン捕囚で祖国が滅亡し、バビロンの都にいても、自分たちの信仰を貫き、苦境も知恵や信仰の力で乗り越える様子が描かれている。

        昔は、ダニエル書はなんだか聖書の中でも最もおとぎ話っぽい気がしていたが、この頃は、要は祖国が滅亡しても信仰を守り抜き、知恵で移住した先の土地でもしっかりと生き抜く姿を、物語を通して伝えていたのだと思う。

        この絵本になっていないエピソードでも、いろいろと面白いストーリーが多々あるので、ダニエル書はもっとさまざまな形で、絵本や映像作品などになって欲しい物語だと思う。
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        2013/08/16 by atsushi

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      天のかいだん ヤコブものがたり
      カテゴリー:聖書
      4.0
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      • 聖書のヤコブの物語をわかりやすく絵本にしてあった。

        ヤコブの物語は、いろんな深いメッセージが含まれていると思う。

        若い頃はお互いにだましたり、いがみあった、ヤコブとエサウの兄弟が、ずっと時が経った時にお互いに許しあい、和解したのは、きっとただ単に時が経って許したということより、お互いに人生の苦労をする中で、人にだまされるのがどれだけつらいかということや、人を許さないことがどれほどつらいことか、体験を通じて理解したからだと思う。

        悪いことも善に変えるのが神だということを、年をとったヤコブが創世記の最後の方で出てくるけれど(この絵本にはそのシーンはないけれど)、ヤコブやエサウにとっても、そのような人生だったのだとこの絵本を読んでてあらためて思った。

        また、天の階段の夢の話は、いろんな解釈ができるのかもしれないけれど、最初に直感的にこのようなビジョンを持ち、そしてそのあとの人生において、一歩一歩この階段を全力で登っていったのがヤコブの人生だったのかもしれない。

        ヤコブの物語は、思い起こすたびに、不思議と勇気と元気がもらえる気がする。
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        2013/08/11 by atsushi

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      ハンナの祈りと少年サムエル 旧約聖書
      カテゴリー:聖書
      4.0
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      • 聖書の中の、サムエルの誕生や少年時代の物語。

        サムエルの物語も、あらためて興味深いと思う。

        エリの二人の息子の不敬と対照的なサムエルの敬虔さは、信仰のありかたについて考えさせられる。
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        2013/08/10 by atsushi

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      マントをひるがえして よげんしゃエリヤ
      カテゴリー:聖書
      4.0
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      • 聖書の列王記の中に登場するエリヤの物語の絵本。

        エリヤは、聖書に登場する預言者の中でも、最も激しく、まさに炎の預言者という感じの圧倒的な迫力があるのだけれど、この絵本だと絵がかわいいためか、おっかないだけではない、根底にきっと優しさや正義感が深くある人だったんだろうなぁとあらためて感じた。

        良い絵本だった。
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        2013/08/15 by atsushi

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      エステル 勇気あるおきさきさま
      カテゴリー:聖書
      4.0
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      • 旧約聖書の中の「エステル記」の物語の絵本。

        当時、国が滅ぼされ、捕囚となり、一応故郷に帰れるようになった後も、まだペルシア帝国の都には多くのユダヤ人が暮らしていた。

        その中で、ユダヤ人の乙女のエステルは、皇帝のクセルクセスに見初められて結婚する。

        その後、悪い大臣のハマンが、他の人々は皆ひざまずくのに、ユダヤ人のモルデカイ(エステルの育ての親)だけがひざまずかないのに腹を立て、ユダヤ人を皆殺しにしようとする。

        しかし、エステルが皇帝に直訴して、ユダヤ人は助かり、逆にハマンの方が皇帝に罰せられた。

        という御話。

        今でもユダヤ人は、この故事にちなんだプリム祭というお祭りをするそうである。

        昔、一度はこの「エステル記」も読んだはずなのが、ほとんど忘れてしまっていて、モルデカイのこともすっかり忘れていた。
        モルデカイの誇り高さと、エステルの勇気が印象的な物語だと思う。
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        2013/05/22 by atsushi

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      みんなの聖書絵本シリーズ
      4.0
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      • かわいい絵で、わかりやすくモーセの出エジプトの物語を絵本にしてあって良かった。

        本で読むと、モーセが育つ過程でいろんな世話になった人びとの優しさや、十災における人々の悲しみや、出エジプトの際の勇気や偉大さが、あらためて活字だけとは違った形で味わわれるような気がした。

        子どもの時分からこういう絵本に親しんでいると、良い心に育ちそうな気がする。
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        2013/08/10 by atsushi

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      あなたについていきます ルツのものがたり
      カテゴリー:聖書
      4.0
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      • 聖書の中のルツ記の物語。

        ルツの物語は、聖書の中ではめずらしく、ほっとするような美しい普通の物語だと思う。

        ルツの心の美しさもだが、ボアズも立派な人物だと思う。

        おそらくは、この二人はただの庶民で、これといった波乱万丈なことは何もなく、この後も普通につつましく幸せに生きたのだろうけれど、こういう人々の曾孫だったからこそ、ダビデはあのように自分なりの価値観と生き方を貫く立派な人物に育ったのかもしれない。
        >> 続きを読む

        2013/08/16 by atsushi

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      せかいは新しくなる 旧約聖書
      カテゴリー:聖書
      5.0
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      • 聖書のミラクル・ダイジェストで、天地創造から今までを、一冊の絵本にぎゅっと濃縮して記してある。

        世界が良くあるように願う神。

        そして、長い歴史を経て、やっと現れたキリスト。

        キリストを殺してしまった人間と、しかしキリストは私たちの罪を救うために十字架の贖いをしたと受けとめて、福音を伝えていったキリストたちと。

        少しずつ、この世界が良くあって欲しいという神の願いは、広まりつつある、のだろうか?
        >> 続きを読む

        2013/11/07 by atsushi

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