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上田真而子

著者情報
著者名:上田真而子
うえだまにこ
ウエダマニコ
生年~没年:1930~

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このランキングは1日1回更新されます。
      はてしない物語
      カテゴリー:文学
      4.4
      いいね! Ringo chao snoopy asuka2819 Tukiwami
      • この歳になって今さらながらの「はてしない物語」。なるほど、こういう物語だったのか

        まず、本の造りがすばらしい。
        あかがね色の艶やかな絹の装丁、たがいの尾を咥えた2匹の蛇の絵。
        2色刷の本文。
        小説でしかできない表現によって、読者をぐいぐい小説世界に巻き込んでいく。
        重くて扱いづらい本書だが、これはやっぱりハードカバーで読むべきだ。

        虚無の侵食により危機に瀕したファンタージエンを救うためにアトレーユが旅に出る前半は、とても面白く読めた。どうやら自分が救い主らしいと気づいたバスチアンが、英雄でも王子でもないチビでデブの自分のような者が出て行ったら、幼ごごろの君やアトレーユに笑われるんじゃないかと不安になるところなど、とても共感できて震えるほどだった。

        バスチアンがファンタージエンに入り込んでからの後半、その世界描写は前半と同じく面白かったけれど、急に説教臭くなってしまったのが残念だった。これは読んだ年齢によって受け止め方が変わるのかもしれない。小学校高学年くらいで本書に出会っていたら、教訓話としてもう少し素直に読んだのかも。

        人が物語を読むのは、現実世界では不細工で不器用で頼りない自分でも、物語を読んでいる間はそんな自分を忘れ、主人公と一体となってさまざまな冒険を経験したり、容姿端麗な王子になったり、敵をばったばったとなぎ倒す勇者になったりできるからではないか? なのに、いざ自分の好きなように世界を創造できる力を得たときに、人間世界の記憶を失っていくという代償を払わないといけないのはなぜなのか。なぜ、チビでデブの自分がいる現実世界に戻らなければいけないのか。

        読み進めるにつれて、たえず「物語を読む行為など、所詮は一時の現実逃避。英雄や王子など望んだところで無駄、現実のお前はチビでデブのエックス脚でしかないのだ」と言われているように感じて苦痛だった。これでは、読書を楽しもうとしている読者は、その物語世界を存分に楽しめなくなってしまうじゃないか。人間が物語を想像力を忘れ、ファンタージエンが危機に陥るのも仕方がないんじゃないか?

        ファンタジーを読むこと、想像力を働かせることはこんなにも楽しく素晴らしいことなのだ、そのことが人間世界もファンタージエンも豊かにするのだと心から思えるような展開だったらよかったのに。それだったら、わたしもいつかファンタージエンに行って、幼ごころの君に新しい名を贈る役目を果たしたいなと思うのに・・・

        「はてしない物語」は、ずっと昔に年の離れた弟のために買い与えたものだ。本の虫だったわたしと違い、なかなか本を読まなかった弟のことを心配して、親がわたしになにかいい本がないかと相談してきたのだ。そこで、当時話題になっていたエンデの本書と「モモ」をバイト代をはたいてプレゼントしたのだが、実は自分で読んだことがなかった。幸い、弟は2冊とも気に入って何度も読み返していたようだから、無駄な出費にならなくてよかった。年齢的にもちょうどよかったのだろう。
        いつかはわたしも読もうと思いつつ、実家の本棚にずっと眠ったままになっていたのを、数十年ぶりにやっと読み終えることができた。星の数は3つにしてしまったが、感慨深い本であることは間違いない。
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        2017/08/29 by 三毛犬

      • コメント 4件
    • 他11人がレビュー登録、 58人が本棚登録しています
      はてしない物語
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 12月の課題図書。

        最初読んだときは「なんてファンタジーなんだ!」「もっと人間の奥底深い話が読みたいんだ!」「子供だましか!」「ハリーポッターと変わらないじゃないか!」なんて思いながら読んでいた。

        このファンタジーな感じ、懐かしかった。
        子供の頃はハリーポッターやダレンシャンが大好きでファンタジーに胸を躍らせていたが、今はもっと人間の深層が知りたいなんて思ったりして「たかがファンタジー」と思っていた。

        でも読み進むにつれてどんどん引き込まれていく。

        年末、大掃除をしていてもファンタージエン国について考えてしまう。
        「それで一体どうなるんだろう、早く続きが読みたい!」なんて思いあっというまに上巻を読み終えた。

        今日から下巻を読む。
        これが一体私の何に作用しているのかわからないがとりあえず、斬新で面白い構成なのでどのように終わるのか楽しみだ。
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        2015/12/31 by snoopo

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      はてしない物語
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 下巻読み終えた。

        下巻になると更に面白くなってくる。

        最後は心がジーンと暖かくなる終わり方で親子っていいなと思った。

        心に深く深く刻んでおきたい物語だった。
        古今東西の文学や思想がいたるところに散りばめられていて優しく、時には厳しい文章に出会い、本当に良かった。

        この年末年始の連休は「はてしない物語」を読んだだけで終わったようなもんだが、そのおかげでたぶん忘れられない年末年始になったような気がする。

        これは児童文学?みたいだけど、結構長く文章もびっしりなので優秀な子供しか読めないんじゃないかと思ったり…

        少なくとも私が子供のころなら読了できてないと思う。
        「わかったさんシリーズ」や「かいぞくゾロリ」を読んでいたレベルなので…汗

        でも子供の頃に読んでいたら、また読後感は違うものになっていただろうなと思い、もう少し早く出会いたかったなぁと思った本だった。
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        2016/01/03 by snoopo

      • コメント 2件
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      ジム・ボタンの機関車大旅行
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 「はてしない物語」「モモ」のミヒャエル.エンデが、初めて子ども向きに書いた、初めての作品ということです。
        興味深く読みました。

        ジム・ボタンという男の子が、機関士の友人ルーカスと、エマという機関車に乗っての冒険の旅のお話。

        「はてしない物語」「モモ」には、かなり哲学的な要素が入っていますが、この物語は、どうかな、と思って読みました。

        やはりエンデの作品だなー、と思ったのは、

        ジム・ボタンらが、旅の途中で、「トゥー・トゥーさん」という巨人に出会います。ジムは、あまりの恐ろしさに、逃げようとします。
        しかし、その巨人は、決して悪さをする者ではなく、むしろ、心の優しい者だったのです。

        普通、人は、遠くに行けば、小さく見えますが、巨人は、遠くにいけばいくほど大きく見え、近づけば、普通の大きさにみえるのです。

        恐れて遠くに見ているときは、とてつもなく大きくみえ、恐れずに近づいてみれば、普通の大きさなのです。

        結局、その大きさに惑わされずに、近づいて、友人になったジムらは、彼に砂漠を脱出する方法を教えてもらうのです。

        それから、「トゥー・トゥーさん」の言葉の中で

        「何か特別なところのある人間というものは多いものですよ。例えば、ボタンさんは、黒い肌をしておられますね。生まれつきのことで、べつにへんなことでも何でもない。そうでしょう?黒であって、ちっともかまわない。ところが、たいていの人は残念ながら、そう考えないんですよ。自分が例えば白いとすると、その色だけが正しいと思ってしまって、黒い人にちょっと反感をもったりするのですね。人間は、どうしてこうものわかりがわるいのか、こまったものです。」

        この物語が登場したのが、1960年。世界の中で、人種差別が存在する時代に、児童文学の登場人物に、こう語らせるエンデの鋭さ。


        この物語と、その続編で、エンデは多くの賞を獲得し、これがきっかけとなって、子ども向けの本を書くようになり、後に、「はてしない物語」や、「モモ」を生むことになる。

        大人が読んでも、気づかされるものがある、エンデの凄さです。

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        2014/01/26 by ヒカル

      • コメント 4件
    • 2人が本棚登録しています
      きつねのライネケ
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 小学校高学年から大人にも勧められる。
        恥ずかしながら、最近知った物語。
        読みやすく編集され、小野かおるさんの各章ごとに描かれている挿絵が素晴らしい。
        登場する動物たち一人一人の性格や目先の欲に惑わされる姿、ライネケの悪知恵など読んでいてとても面白い。
        ……………

        百獣の王ライオンが統治している王国は、狼や猫、にわとりなどの動物たちが暮らしている。
        王は御前会議を開こうと、家来たちを招集するが、やってこない者が1人だけいた。
        それは、騙しや盗み、殺しなどの悪行を重ね、国のおおかたの者を酷い目にあわせてきた、悪がしこいきつねのライネケだ。
        みんなが平和に安全に暮らすように、という王のお達しが出てもなんのその。動物たちは次々にライネケの悪行を王に訴える。
        王は法廷の場で裁きを下すため、ライネケに出頭するよう使者を送るが…。
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        2019/01/30 by Taro-55

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      ヒルベルという子がいた
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ヒルベル。
        実際にいた子のようでもあるが、実は、いろいろなことの象徴ではないだろうか。
        人は、いろいろな障害、あるいは、違う点を持っている。
        しかし、それをどうとらえるかで、大きく生き方が違ってくるのだと思う。
        もちろん、そんな簡単なことではない。
        数年前からの、自分自身の経験も、色濃く反映しているので、いっそう、そんな思いが強くなる。
        お互いを思う、ちょっと冷静な眼でみると、距離感を適度に保るということかもしれない。
        そこを間違うと、全然違う結果にもなる。
        >> 続きを読む

        2015/03/18 by けんとまん

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      いつもだれかが…
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • すばらしい絵本だった。

        孫に向かって、あるおじいさんが、今までの人生を振り返る。

        と、いつもその場面場面には、見えない守護天使がいて、危険から守ってくれている。

        そうして、おじいさんは自分の人生は良い人生だった、と振り返る。

        思えば、私も、しばしば危険な、間一髪のところを助かってきたことがあった。
        向こうの運転がめちゃくちゃ、カーブばかりの崖のところで、あわや逆行してきた車と正面衝突になりそうで、数秒の差で向こうが元の車線に戻ってくれたおかげで助かったことがある。
        あとちょっと、私の方がスピードを出していたら終わっていた。
        気付いていないものも入れれば、もっとたくさんそんなことがあったかもしれない。

        そういったことも、この絵本を読んでいたら、目には見えない何か、それが守護天使なのか、観音菩薩なのか、御先祖様なのか、よくわからないけれど、何かによって守られていたおかげなのかもなぁと思った。

        ヨーロッパでとても多くの人に読まれた絵本だそうである。
        日本でも多くの人に読まれて欲しいものだ。
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        2013/06/08 by atsushi

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