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さまざまな雨の名前を四季ごとに集め、簡単な解説が付けられています。例えば、・春霖(しゅんりん) : 春霖雨(はるりんう)ともいう。こまかく烟るように降りつづく三、四月ころの長雨。春雨は長雨になることが多い。「霖」は長雨の意で、とくに三日以上つづく雨をいう。十日以上になると「霪雨(いんう)」という。秋に降る長雨は「秋霖」。・樹雨(きさめ) : 「きあめ」ともいう。濃霧のとき、霧のしずくが森林の木の葉にたまり、それが大粒の水滴になって落下するもの。幹を伝って流れもする。・蕭雨(しょうう) : 「蕭」は、もの淋しい、の意で、しとしとと降りつづくもの淋しい秋の雨。明治から昭和にかけて活躍した画人川合玉堂に「彩雨」という一幅がある。雨が山里を染めあげてゆく……墨絵に近い淡彩ながら、豊饒と寂寥が交差する佳品だ。・鬼洗い(おにあらい) : 大晦日に降る雨のことで、「鬼やらい=追儺」にあやかってのものか。などなど。著者が詩人なので、解説にも風情があります。写真も素晴しい。これほどの雨の名前を実生活で使うことはまずないでしょうけれど、「こんな雨の名前があるんだ」と思うだけで嬉しくなります。表紙がなんだかゴタゴタしていて、ちょっと損している感があります。表紙から想像される内容よりも、ずっと豊かで情緒溢れる作品です。あと、著者のエッセイ風の短文はいらないかな。 >> 続きを読む
2015/07/21 by IKUNO
『雨の名前』より和歌や俳句が数多く取り入れられており、より情緒的になっています。例えば----------鹿の角落とし(しかのつのおとし) : 晴れた日中に吹く南西風のことで、山口県柳井市あたりでつかわれた言葉。鹿の角は四月ごろに落ち、初夏にまた新しく生え替わる。その鹿の角を吹き落とすほどの強風。「落とし角」「忘れ角」は季語。 角落ちし気の衰へや鹿の顔 石井露月(ろげつ)--------------------荷風(かふう) : 蓮の上を吹き渡る風のこと。蓮の新葉は初め水面に浮く。これが蓮の浮葉、中国ではその形容から銭荷と呼ぶ。茎が成長すると傘をさしたような蓮田の景色となる。 蓮の葉や水を離れんとして今日も暮る 村上鬼城(きじょう)----------初嵐(はつあらし) : 「初秋風(はつあきかぜ)」と「野分(のわき)」の間に吹き荒れる強風のこと。野分の前触れのように吹く荒い風を指すこともある。秋の季語。 にはとりのたたら踏みけり初嵐 飴山実--------------------勁風(けいふう) : 強い風の意。風が持続的に力を見せつけるのは冬であろう。 家康公逃げ廻りたる冬田打つ 富安風生(ふうせい)----------等々。写真は風を感じさせるものもあるしそうでないのもあるしで統一感が無かったのですが、作者のあとがきに----------カメラのファインダーを覗きながら、そんな風をそっと探してみる。なんとなくカビくさい風が“ソヨッ”と来たら静かにシャッターを切る。そこに写っているモノはまぎれもなく“風”である。----------とあり、全て実際に風を収めた写真であることが分かりました。これも何とも情緒的です。 >> 続きを読む
川下りしたい。
2011/03/24 by fraiseyui
【佐藤秀明】(サトウヒデアキ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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