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佐藤真理子

著者情報
著者名:佐藤真理子
さとうまりこ
サトウマリコ

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      はてしない物語
      カテゴリー:文学
      4.5
      いいね! Ringo chao snoopy asuka2819
      • この歳になって今さらながらの「はてしない物語」。なるほど、こういう物語だったのか

        まず、本の造りがすばらしい。
        あかがね色の艶やかな絹の装丁、たがいの尾を咥えた2匹の蛇の絵。
        2色刷の本文。
        小説でしかできない表現によって、読者をぐいぐい小説世界に巻き込んでいく。
        重くて扱いづらい本書だが、これはやっぱりハードカバーで読むべきだ。

        虚無の侵食により危機に瀕したファンタージエンを救うためにアトレーユが旅に出る前半は、とても面白く読めた。どうやら自分が救い主らしいと気づいたバスチアンが、英雄でも王子でもないチビでデブの自分のような者が出て行ったら、幼ごごろの君やアトレーユに笑われるんじゃないかと不安になるところなど、とても共感できて震えるほどだった。

        バスチアンがファンタージエンに入り込んでからの後半、その世界描写は前半と同じく面白かったけれど、急に説教臭くなってしまったのが残念だった。これは読んだ年齢によって受け止め方が変わるのかもしれない。小学校高学年くらいで本書に出会っていたら、教訓話としてもう少し素直に読んだのかも。

        人が物語を読むのは、現実世界では不細工で不器用で頼りない自分でも、物語を読んでいる間はそんな自分を忘れ、主人公と一体となってさまざまな冒険を経験したり、容姿端麗な王子になったり、敵をばったばったとなぎ倒す勇者になったりできるからではないか? なのに、いざ自分の好きなように世界を創造できる力を得たときに、人間世界の記憶を失っていくという代償を払わないといけないのはなぜなのか。なぜ、チビでデブの自分がいる現実世界に戻らなければいけないのか。

        読み進めるにつれて、たえず「物語を読む行為など、所詮は一時の現実逃避。英雄や王子など望んだところで無駄、現実のお前はチビでデブのエックス脚でしかないのだ」と言われているように感じて苦痛だった。これでは、読書を楽しもうとしている読者は、その物語世界を存分に楽しめなくなってしまうじゃないか。人間が物語を想像力を忘れ、ファンタージエンが危機に陥るのも仕方がないんじゃないか?

        ファンタジーを読むこと、想像力を働かせることはこんなにも楽しく素晴らしいことなのだ、そのことが人間世界もファンタージエンも豊かにするのだと心から思えるような展開だったらよかったのに。それだったら、わたしもいつかファンタージエンに行って、幼ごころの君に新しい名を贈る役目を果たしたいなと思うのに・・・

        「はてしない物語」は、ずっと昔に年の離れた弟のために買い与えたものだ。本の虫だったわたしと違い、なかなか本を読まなかった弟のことを心配して、親がわたしになにかいい本がないかと相談してきたのだ。そこで、当時話題になっていたエンデの本書と「モモ」をバイト代をはたいてプレゼントしたのだが、実は自分で読んだことがなかった。幸い、弟は2冊とも気に入って何度も読み返していたようだから、無駄な出費にならなくてよかった。年齢的にもちょうどよかったのだろう。
        いつかはわたしも読もうと思いつつ、実家の本棚にずっと眠ったままになっていたのを、数十年ぶりにやっと読み終えることができた。星の数は3つにしてしまったが、感慨深い本であることは間違いない。
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        2017/08/29 by 三毛犬

      • コメント 4件
    • 他11人がレビュー登録、 55人が本棚登録しています
      はてしない物語
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 12月の課題図書。

        最初読んだときは「なんてファンタジーなんだ!」「もっと人間の奥底深い話が読みたいんだ!」「子供だましか!」「ハリーポッターと変わらないじゃないか!」なんて思いながら読んでいた。

        このファンタジーな感じ、懐かしかった。
        子供の頃はハリーポッターやダレンシャンが大好きでファンタジーに胸を躍らせていたが、今はもっと人間の深層が知りたいなんて思ったりして「たかがファンタジー」と思っていた。

        でも読み進むにつれてどんどん引き込まれていく。

        年末、大掃除をしていてもファンタージエン国について考えてしまう。
        「それで一体どうなるんだろう、早く続きが読みたい!」なんて思いあっというまに上巻を読み終えた。

        今日から下巻を読む。
        これが一体私の何に作用しているのかわからないがとりあえず、斬新で面白い構成なのでどのように終わるのか楽しみだ。
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        2015/12/31 by snoopo

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      はてしない物語
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 下巻読み終えた。

        下巻になると更に面白くなってくる。

        最後は心がジーンと暖かくなる終わり方で親子っていいなと思った。

        心に深く深く刻んでおきたい物語だった。
        古今東西の文学や思想がいたるところに散りばめられていて優しく、時には厳しい文章に出会い、本当に良かった。

        この年末年始の連休は「はてしない物語」を読んだだけで終わったようなもんだが、そのおかげでたぶん忘れられない年末年始になったような気がする。

        これは児童文学?みたいだけど、結構長く文章もびっしりなので優秀な子供しか読めないんじゃないかと思ったり…

        少なくとも私が子供のころなら読了できてないと思う。
        「わかったさんシリーズ」や「かいぞくゾロリ」を読んでいたレベルなので…汗

        でも子供の頃に読んでいたら、また読後感は違うものになっていただろうなと思い、もう少し早く出会いたかったなぁと思った本だった。
        >> 続きを読む

        2016/01/03 by snoopo

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ゆめくい小人
      4.0
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      • --「こうなっては、わしが自分で探しに出かけるよりほかあるまいな」と、ある日、王様は言いました。
        「そうなさってくださいまし」と、お后様がほっとしたように応えました--


        一年ほど前に買った絵本で、絵がちょっと気味悪いこともあって、子どもが手に取ること無く放置されていた一冊。
        それが最近は、「読んで読んで」と、度々子どもが持ってくるようになりました。
        エンデ好きとしては嬉しい限りです。

        エンデらしく、子どもにも分かりやすいとてもシンプルなストーリーです。

        眠ることが美徳される国の王女様が、悪夢に苛まれて眠れない日々が続きます。
        国中の識者に療法を聞くも効果がありません。
        王様はそこで、「自分が助けを探しに行くしかない」とゆって旅に出ます。
        北極からサバンナまで、世界中を回ります。それでも誰も分からない。

        気づくと、地図には無い不気味な世界に紛れ込みます。
        そこで、この世のものでは無い不思議な生き物に出会います。
        その生き物は、なんと悪夢が好物というとっても都合の良い存在です。
        喜んでその夢喰い小人と一緒にお城に帰って王女の悪夢を食べて、シャンシャンのハッピーエンドです。

        悪夢に悩む時に、悪夢を好んで食べる超常生物が登場して解決。
        ご都合もののストーリーともとれますが、そこはエンデ、なんだか深いような気もしてます。

        世界中の誰に聞いても対処が分からない悩みというのは、答えが外ではなく内なる自分にある悩み、ともとれると思います。
        世界地図にはない場所で、世の中に存在しない生物の力を使って解決。
        ご都合主義なのではなくて、これは、一家の悩みに対して、それまでは自我や感情であわせられなかった自分を、ぴったり変化させられた、その変化のために、ゲドのように、世界の果てまで行って自己と対話を続ける必要があった、と読めたりしないかなと。
        (少し強引かもしれませんが)

        そんなことを思って、味わい深く感じながら、子どもに読み聞かせてます。
        何はともあれ、家族の大事において、お父さんが、「私がいかねばなるまいな」と簡単にゆってのけて、国事/仕事を放って旅に出るシーンはとっても好きです。
        パパと子どもが一緒にすやすや眠る最後のページの絵も大好きです。

        素敵な絵本と思います。
        >> 続きを読む

        2018/01/30 by フッフール

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