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今野敏

著者情報
著者名:今野敏
こんのびん
コンノビン
生年~没年:1955~

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このランキングは1日1回更新されます。
      青の調査ファイル ST警視庁科学特捜班
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • 心霊番組を収録していたテレビ局。
        その収録中に、チーフディレクターの細田が死亡した
        収録していた部屋で亡くなった人物と同じように、首を骨折して。

        川那部検視官をはじめ、警察は<事故死>と断定した。
        しかしこれに疑問を持った、STメンバーは、単独で捜査をする事に。

        タイトルから分かるように、今回のメインは「青山翔」です。
        彼の素晴らしいプロファイリングが活躍する話でした。
        >> 続きを読む

        2015/08/27 by ゆずの

      • コメント 2件
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      リオ 警視庁強行犯係・樋口顕
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • リオ・オリンピックなので、リオを読んでみた(笑)  この本は五年前位に読んだのですが、内容は忘れてしまいました。内容は新聞配達の集金の人がお客さんの所に来たとき、同じマンションの階で殺人事件が起きて、物語が始まります。主人公の樋口はよく言えば、冷静で悪く言えば意見を言わない人で、相棒の氏家はよく言えば、裏表がない、悪く言えばしゃべりすぎの人。後半はこれが逆転します。犯人は以外な人で驚いたね。殺人現場に美人高校生が目撃され、事件に絡んできます。男は美人に弱い事が最後に分かりました。 >> 続きを読む

        2016/08/07 by rock-man

      • コメント 6件
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      隠蔽捜査
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • シリーズ化されドラマ化された、言わずと知れた人気作。
        今野敏さんは非常に有名ですし何作かドラマ化された作品を観てもいますが、原作を読んだのは初めてです。本作は映像より先に原作を読みたい、と思っており魅力的なキャスト陣に心惹かれながらも保留にしていました。

        主人公の竜崎は、変人と称されるお硬いキャリア。「東大以外は大学じゃない」、そして妻に対しての「お前は家庭を守れ。俺は国を守る」、などの発言から彼の変人ぶりが伺えます。しかし、読み進めていくと、彼はキャリアの肩書きに寄りかかるために一流を目指しているのではなく自分の立場に課されるべき責任の重さをも熟知していることがわかり、確かに変な人なのですが、いつの間にかその変人ぶりに親しみを抱いてしまいます。

        竜崎と伊丹のキャラクターが立っている上に家族の絆まで描かれていて、人気がある理由がよくわかる作品。シリーズになってしまっていたら、先を読まないわけにはいかないじゃないですか。罪深い作品です。
        >> 続きを読む

        2015/10/01 by pechaca

    • 他2人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      初陣
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • ここまで来ると、竜崎の周りの人たちも気になりだす、まずは、伊丹、戸高、野間崎管理官、補佐役の課長たち。貝沼さんも。

        3.5と言うのも珍しいが、3巻~4巻の間の裏話と言うところでしょう。話は伊丹刑事部長のあれこれ。
        伊丹刑事部長と呼べば、まぁ俳優なら今、時の人香川さん、内野聖陽さんかな。
        ところが伊丹俊太郎となると、体形に気を配り、マスコミ受けを狙い、現場にも常に顔を出して捜査陣をねぎらう、行き届いた人を演じ続けてすっかり身についている。スマートさが売りなら、佐々木蔵之助さんのような人を想像する。俊太郎って名前、なかなか似合っているような似合わないような。

        短い話が8編で、どれも面白い。今野さんは話が短くても長くても、うまく、それも無理なく収める、名人かも。


        さて本編は

        指揮
         伊丹は福島県警本部長から警視庁刑事部長へという辞令が出た。引継ぎは三日間で、もたもたすると次の部長が着任してくる。自分も次の任地に行かなければならないしいそがしい。
        だが竜崎にちょっと電話してみた「なんだ?」溜息とともにいつものように愛想無い。伊丹は勝手に親しみを感じているが、竜崎は長官官房の総務課長に抜擢されていた。
        後任者の到着前日、いわき市で殺人事件が発生。後任が来れば引継ぎをして自分も移動しなくてはならないが、捜査本部ができればそこに立ち会いたい、それでは決められた着任日に間に合わない。
        現場主義の伊丹は迷う。そこで竜崎。距離を置いて客観的に、原理原則どおりにやって見る。体の移動ができないときは電話も使え、という竜崎の指示。迷いは物差しさえ間違えなければ案外すんなりと片付くと言うことで、めでたし。

        初陣
         裏金問題が浮上した。竜崎は長官官房の総務として、国会の質疑応答の原稿を作る。これが表立った竜崎の「初陣」だという。
        資料のため、と言うことで伊丹に質問してくる、なに?裏金? 費用のやりくりに苦しい所轄などは何らかの方法で経費の不足はまかなっている。具体的に? 話すから友達ならうまくまとめてくれ。名前は出すなよ。マッタク!
        案外伊丹は小心だった。どうなるのかやきもきする。

        休暇
        伊丹はやっと三日の休暇をとった。榛名山に向かう坂道にある古い温泉、伊香保に行こう。車で飛ばせば一時間。
        だがそこで又大森署管内で殺人事件、捜査本部だ現場主義なら立ち合わねば、せっかくの温泉で、休暇なのに。
        竜崎は、本部など要らない、連絡網は完璧な現代、ゆっくり休養しろと言う。
        それでいいのか、伊丹は悩みながらの休暇。

        懲戒
         晩秋の雨が冷たい日、」時枝課長が言いにくそうに、選挙違反の話を伝えに来た。本当なら懲戒免職だな。でもなぜ話がここに来た。聞いてみると伊丹の知っている警部補だった。刑事部長が言うには、「伊丹から処分を聞くのではなくあくまで参考意見を聞きたい」そうだ。だがその結果が悪ければ・・・妻も子もいるのだ。
        白峰をよんで話を聞くと大物議員の選挙運動中の出来事だった、やはりここは竜崎の智恵だ。
        電話をすると、単純明快な答え。伊丹も取り越し苦労だと思えた。そう旨くいくのか。

        病欠
         いくら頑張ってもインフルエンザには勝てない、それでも伊丹は頑張る。現場主義だ。
        しかし応援がいるとき、どこの署もインフルエンザのせいで人員不足だった。しかし大森署は予防接種の徹底で欠勤はわずかだった。
         竜崎に応援を頼むと、危機管理がなってないなどと皮肉られながら10人を出して、指揮も取ってくれるという。困ったときはお互いさま、仕事第一というのが竜崎の原理原則だ
        伊丹は体力も限界で家に帰る。そこにたまたま別居中の妻が来ていた。ほっとして、なんだか幸せ気分になった。

        冤罪
        4件の放火事件があった、二件の犯人をすぐに拘束した。ところが近くで小火がありその犯人が前の4件は自分だと自供した。
        こまった。最初の犯人は庭で焚き火をしたただけなので無罪だと言っていた。誤認逮捕!冤罪か。
         竜崎は、こういうときはどうするのだろう。

        試練
         藤本警備部長は、かねがね聞いていた竜崎の原理原則を試すために、女を送りこんでみたらどうかと伊丹に言う。
        そして3巻の<疑心> のような話になる。これには仕掛けやうら話があった。

        静観
         時枝の態度が気になった。
        「何か問題があるのか」
        「落ち着きが無いように見えるが」
        「何があった」
        「悪いことと言うのは重なるものでして・・・」
        「大森署の竜崎署長がちょっと面倒な立場におかれておいでです」
        「要点を言ってくれ」
        大森署で事故死で処理した事案が殺人事件だった。
        車両同士の事故で交通課係員ともめた。
        窃盗事件があり話を聞いた相手が、犯人だったが、その時は見逃してしまった。
        なんと三重苦か。
        伊丹は早速電話した。
        「まだわからんことばかり、静観中」と竜崎は言った。




        伊丹側から見れば難事件でも、竜崎の考えに照らせば悩むことは無い。まるで大岡裁きの前の岡っ引き。
        でも伊丹の心は見かけによらず繊細なのだ。人の気持ちはそうすっぱり割り切れるものではない。それが伊丹の持ち味である。
        竜崎だって人の心が判らない訳ではない。しかし法の下で人を見るとなれば、原理原則が第一、騒ぐことはない。彼には忍耐力もある。


        短編もいい。早く読めるし。解決も綺麗で早い。
        >> 続きを読む

        2014/10/02 by 空耳よ

    • 他2人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      宰領
      カテゴリー:小説、物語
      4.8
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      •  文庫化されるまで待とうと思っていたのだが、先日読んだばかりの『転迷: 隠蔽捜査4』が面白かったせいもあり、Bookoffで見つけた時は、読みたいという気持ちを押さえられなかった。文庫で揃えたかったけど…

         ドラマ化されたことを切欠に読み始めた隠蔽捜査。1~3.5までが、とても面白かったので、安積班シリーズも読みましたが、私は、隠蔽捜査の方が好みです。変人・唐変木と言われる竜崎は、組織の慣習にとらわれず、原理原則に基づいて行動する。そんな竜崎の姿が、波に流されがちな自分自身に「流れに逆らっても自分の気が済むように行動した方が良い状況もあるかもしれないな」と考える切っ掛けを与えてくれました。迷った時は、本来の目的まで戻って考える。自己啓発書の著者が異口同音に唱える教えを、とても分かりやすい形で表してくれている気がします。

         さて、この『宰領: 隠蔽捜査5』は、ドラマを観たのに結末を忘れていて、思い出しながら読みました。最後のどんでん返しは、かなり唐突な感じがしたけれども、毎回、重責を負い、ピンチに見舞われながらも、掴んだ情報を正しく解釈し、適格な判断を下して行く竜崎の言動が小気味よい。マンネリ化を指摘する読者もいるかもしれないが、ファンはこのシリーズが末永く続くことを願っているに違いない。
        >> 続きを読む

        2014/09/23 by カカポ

      • コメント 2件
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      欠落
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
      いいね!
      • SITに配属になった同期の女性刑事が、身代わりとして監禁事件の人質になった。
        警視庁捜査一課の刑事・宇田川は、別の殺人事件を追いながらも、彼女の安否が気にかかる。
        自らが関わる事件は、公安主導の捜査に変わっていき、宇田川は姿を消している元同期、蘇我との連絡を試みるが。
        『同期』のシリーズ第2作。

        いや、ひどいです。
        読者を馬鹿にするにもほどがあります。
        怒りながらも読み終えたので、レビューしますが。


        警視庁捜査一課の宇田川刑事は狛江市で発見された女性の扼殺死体から、身元不明の殺人事件の捜査本部で捜査にあたることになります。
        他方、世田谷では主婦を人質にした立て籠もり事件が発生、こちらは宇田川と警察学校で同期だった女性刑事大石陽子所属のSITが出動し、大石刑事は犯人との交渉の末、身代わりの人質として拉致され、警察は立て籠もり犯の逃亡を許してしまいます。
        宇田川刑事は同期の大石刑事の安否を気遣いながらも、眼前の事件捜査に当たりますが、捜査本部へ登場した公安幹部の存在に違和感を抱き、またもうひとりの同期・蘇我和彦とのやりとりや、応援してくれる先輩刑事達と共に、この事件の真相に迫っていきます。


        今野敏さんらしく、警察業界の知識をふんだんに散りばめながら、物語を展開させていくのですが、あまりの現実感の無さに茫然自失、失笑ものの物語でした。
        いちいち枚挙しませんが、とにかく設定、事件、過程、すべてにおいて、ここに書かれている様なことはありえない。

        百万歩譲って、それでも内容が面白ければ、エンタメ小説として成立したものとして飲み下すことができるのですが、(今野さんの場合、それが『隠蔽捜査』シリーズです)何ともまあ面白くない!

        売れている作家さんですから、こんなものでも出版してくださるんでしょうが、優れた書き手が世に知られずに佳作が流れていくことを思うと不条理に身を捩る思いです。

        タイトルの『欠落』って何が欠落したんですか?
        漢字二文字の熟語だったら他にもたくさんありますよ。
        何だってよかったんじゃないですか?

        本作のレビューを覗かれた皆様には、きちんとした警察小説を書かれている作家さんの著作をお勧めします。
        >> 続きを読む

        2014/09/29 by 課長代理

      • コメント 2件
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      ST警視庁科学特捜班
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 科学的というよりメンバー特殊能力とでも言うべき力で解決
        に導いていってる気がする。もっと科学的な検証から何かを導き出すようなところがあればいいけど。


        事件の状況で必要とされる能力が変わるので、メンバー間で活躍の度合いに差があるのは仕方がない。それでもそれぞれが何かしらの見せ場があったので、それは良かった。


        今回は新設されたばかりということなのでさすがに捜査本部に組み込まれたけど、チームのメンバーが多いので、捜査本部に組み込むより、ST班単独で捜査を進めるのもありかなと思った。
        >> 続きを読む

        2016/03/13 by TAK

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      黒いモスクワ ST警視庁科学特捜班
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • ある日STは、ロシアの捜査当局を訪れ、そこで研修を受ける様に命じられた。
        代表して「百合根友久」「赤城左門」は急遽、ロシアへ飛んだ。
        そこで彼らを待ち受けてたのは、教会で起きた怪死事件だった。
        その事件を捜査している最中、一人の日本人のフリーライターが、同じ教会で遺体となって発見される。
        百合根は事件性を考え、日本から残りのSTメンバーを呼び寄せ、全員で事件を捜査する事に。

        STシリーズ、3巻です。
        今回はメンバーの一人、「黒崎勇治」さんがメインのお話でした。
        改めて黒崎さんは強い人だと思いました。

        また「百合根友久」はもちろんの事、最初は邪険に思っていた「菊川吾郎」が徐々にSTメンバーの事を好いているという場面があり、読んでいて微笑ましかったです。
        >> 続きを読む

        2015/05/27 by ゆずの

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      赤の調査ファイル ST警視庁科学特捜班
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 「色シリーズ」、第2弾です。
        今回は、STの法医学担当の、「赤城左門」がメインのお話です。

        舞台は、大学病院。
        そこに運ばれた男性が、処置の甲斐なく、急死した。
        病院側はミスはなかったと主張するが、どこか疑わしい点がみられる。
        この医療事件に、STメンバーは挑む!

        この小説を読みながら、ずっと「大学病院って行きたくない所だなぁ」と思いながら、読んでいました(笑)
        >> 続きを読む

        2015/09/14 by ゆずの

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      黄の調査ファイル ST警視庁科学特捜班
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 「ST 色シリーズ」、第三弾です。
        今回は、化学担当の「山吹才蔵」がメインのお話です。

        マンションの一室で、集団自殺が起こる。
        捜査をしていくSTメンバーは、これが自殺ではなく、他殺ではないかと疑問を感じる。
        他殺の線で捜査をしていくと、死んだ彼らは、ある宗教団体に参加していて、そこの幹部3人と、彼らと共に行動していた青年が、容疑者として浮かび上がる。
        果たして、この中に犯人はいるのか-?

        今回の事件の結末は、後味の悪い、切ない終わりでした。
        >> 続きを読む

        2015/09/22 by ゆずの

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      緑の調査ファイル ST警視庁科学特捜班
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 「ST 色シリーズ」の第4弾です。
        今回の色は、緑。
        なのでこの話の中心人物は、結城翠です。

        最初はただの盗難事件でしたが、捜査をしているうちに、密室殺人事件が起こります。

        一見、違う事件のように見えますが、この二つの事件が一つになっていく展開は面白かったです。
        >> 続きを読む

        2015/10/26 by ゆずの

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      黒の調査ファイル ST警視庁科学特捜班
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 「ST 色シリーズ」、第5弾です。
        そしてこれで「ST 色シリーズ」は完結です。
        の最後を飾ってくれる色が「黒」
        つまり、黒崎勇治です!

        歌舞伎町で起きる、謎の発火事件。
        そして同じ時に、ワンクリック詐欺に遭い、その犯人に仕返しをしようとする青年。

        この2つの事件が、ラストに近付くにつれて、急展開を見せて行きます。
        そこが一番の見どころで、面白かったです。
        >> 続きを読む

        2015/10/31 by ゆずの

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      朱夏
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • その日、妻が消えた。
        何の手がかりも残さずに。
        樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。
        そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。

        その日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。
        だが夫は優秀な刑事、きっと捜し出してくれるはずだ――。

        その誠実さで数々の事件を解決してきた刑事。
        彼を支えてきた妻。
        二つの視点から真相を浮かび上がらせる本格警察小説。


        シリーズ1作目『リオ』に続き、樋口顕警部補の活躍する人気シリーズ2作目を読み終えました。
        初版は『リオ』と同じく幻冬舎さんから、1998年の作品です。
        主人公・樋口が携帯電話を持っていたり、カラーコピーが一般化してきたり、段々と現代に近くなった部分もあれば、“ストーカー”なんていう言葉が特殊なものであったり、防衛庁がいまだ六本木にあったり、描かれている時代を彷彿とさせる描写があり、そんなところも興味深く。

        代々木署に捜査本部が置かれた連続コンビニ強盗事件の犯人グループが逮捕される場面から物語は始まります。
        解決の決め手となった手がかりに目を付けたのも、最後、逃げだした一味のひとりを見事な足払いで昏倒させ逮捕したのも、若き捜査員・安達巡査のお手柄でした。
        本庁から強行班3係の面々を引き連れて捜査の指揮を執っていた樋口は、安達巡査の活躍に目を細めます。
        聞けば安達は樋口を手本としているとのこと。
        面はゆい思いにたじろぎながらも、心中では、冗談ではない私よりも優れた刑事は他にいくらでもいるだろう、と、いつものように本心から自分自身の能力に懐疑的な自分がいるのでした。
        ひとつの事件の終局は、新たな事件を担当する端緒に過ぎません。
        警視庁警備局長自宅宛てに届いた、脅迫状。
        “天誅”を謳い、世の不条理を嘆き、政治や官僚の腐敗を詰る内容に、高い知識レベルと、警視庁内部に精通していると窺わせる投函。
        難しい事件を託された樋口は、暮れもおしせまった金曜日の夜、『リオ』事件で相棒となった荻窪署生活安全課捜査員・氏家と久々の邂逅を果たし、痛飲します。
        日付が変わる頃、帰宅した樋口は妻の不在を知り、瞬間混乱します。
        -恵子が出て行った?なぜ?
        しかし、樋口は即座にそんな疑問を否定します。
        -いや、妻が理由も無く、書置きひとつ残さず、家を空けるはずがない。
        とすれば、何か事件に巻き込まれた可能性があると、思い定めた樋口は、別れたばかりの氏家に救援を求めます。
        タイムリミットは月曜日の朝、警備局長脅迫事件の捜査本部が立つまでの2日半。
        ふたりだけの捜査が始まります。

        前作『リオ』で今野敏さんは、ひたすら全共闘世代の功罪をあげつらい批判していました。
        本作では、すべてが若者におもねるようになり惰弱した社会と、ぬるま湯に浸り何を考えているのかわからない若者たちへの怒りが、くりかえしくりかえし綴られます。
        つまりは、今野さんご自身の世代(団塊の世代)だけが、正しくまっとうであるというご主張。
        いえいえ、僕ら世代からしたら団塊世代こそ、この国をおかしくした当事者世代じゃないか、と思ってみたり。
        結局、世代論争というのは答えがないのですね。
        ただ思うのは、明治という日本の夜明けを創り出し、そして生き抜いた世代が生み、残した次の世代が太平洋戦争までを引き起こしたということ。
        戦後、ゼロから始まった日本の復興を、歯を食いしばって立ち上がり続けた世代が生み、残した次の世代が団塊と呼ばれ、経済や、思想や、風習や日本の何もかもを食い散らかして、残滓のような希望のない現代日本をつくりだしたということ。
        苦労した賢明な世代のあとには、苦労知らずの愚かな世代がやってくるという約束ごとのようなくり返しがあります。
        脱線しました。

        本作では、割と早い段階で犯人が判ります。
        ですから謎解きのスリリングに著者が重きを置いていないことが感じられます。
        著者が読者に味あわせたかったのは、樋口と氏家の視点と、拉致された恵子の視点、ふたつを交互に描くことと、そして解決まで時間の制限を設けることで、救出に至るまでの緊迫感あふれる捜査過程でした。
        警視庁と神奈川県警のいがみ合いや、警視庁管内とはいえ所轄署が違えば情報を引き出しにくい現実だったり、公安・刑務と刑事の部門間の軋轢など、今野警察小説になくてはならない警察の内部事情が、物語のリアリティを増幅させます。
        一見、無駄のように長い樋口と氏家の会話も、物語を彩る大切なエッセンス、冗長と捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、内容は深く僕はとても楽しめました。

        気になったのは2つの点は、
        ① 手錠を犯人の手首に叩きつけて逮捕するのドラマの中だけ
        ② 護身用スタンガンで瞬時に気絶するのもドラマの中だけ
        という点です。
        重箱の隅をつつきますが(宣言して、開き直ったようで嫌ですが)、
        同じ警察小説の書き手さんで、僕は鳴海章さんという作家さんをこよなく愛しているのですが、その方が作品の中で上記の点を指摘しておられました。
        手錠は鉄製ではなく今は軽くて丈夫な素材が使われているらしいのですが、軽いといってもさすがに人間の手首に叩きつけたら骨折してしまうとのこと。
        また、手首に叩きつけてグルリと回転するようにはできていないと。
        スタンガンも同様で、市販で、そんな一瞬で人を気絶させてしまうような強力な電流を流す武器は日本では取扱いができないとのことでした。
        たぶん、この件では鳴海さんの取材力に分があると思います。
        2点の現実との齟齬で物語の本質が覆るような粗悪な作品ではありませんでしたが、少し雑さが気になったので書いておきます。

        タイトルの『朱夏』とは五行思想でいうところの人間の一生のうちの青春の次にやってくる時期のことのようです。
        青春、朱夏、白秋、玄冬と人生は移ろうということです。
        この言葉から人生そのものを表す言葉として「青朱白玄(あおあけはくろ)」という言葉も使われるようになったということです。
        初めて知り、勉強になった次第です。
        持つ意味の通り、人生の後半部、“朱夏”にさしかかった樋口とその妻の夫婦の物語であるともいえ、また同じように“朱夏”を迎え時代を憂う樋口と氏家という刑事ふたりの物語ともいえます。
        >> 続きを読む

        2015/06/07 by 課長代理

      • コメント 10件
    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      果断
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 竜崎は、息子の不祥事で大森署に移動になる。
        署長になっても、前例を引くまでも無くわが道を行く。部下たちはまごまごするが、困らせることが本意ではない。竜崎も少し譲り新しい任地は動き出す。

        高輪の強盗事件で大森署でも緊急配備をしいた。ところが犯人たちはそれをすり抜け、先で待機していた機捜が身柄確保をした。
        どこであっても捕まえればいいことだ。ではすまなかった。
        友人の伊丹捜査部長から、管理官に手を回し穏やかに収めようとするが、勇みたって管理官が来るというので、緊張している署員に竜崎は言う。

        ---「驚くことはない、向こうが無茶をいってきたんだ」
        「所轄が方面本部や本庁に楯突くことはまずありません」
        「警察組織と言うのは、上位下達が基本だ。軍隊と同じで、上の作戦を現場が滞りなく遂行することが第一だ。そういう意味では、所轄は、うえの指示に逆らったりしてはいけない。だがね、上が明らかに不当なことを言ってきている場合は別だ。方面本部の管理官の面子など、職務上意味がない」---

        近隣のパトロールに出ていた地域課の報告で、小料理屋で喧嘩が有ったらしい。開店も遅れている。
        それが緊配に引っかからなかった犯人の一人か。
        訪問しようとした係員に向けて二階から発砲された。逃げた強盗のうちのひとり、実行犯だろう。人質をとって立てこもったのだ。
        強行犯係が来る、
        先に捕まえた仲間が言うには、引き籠り犯は10発以上の銃弾を持っているという。

        竜崎は署員のとめるのも聞かず現場に出る。

        SITも出動、SATも出てくる。
        大森署はSITの指揮下に入った。SITは人命を尊重し、時期が来るまで説得し調査し、解決しようとする。竜崎はSITの小平係長の指揮下に入る。
        しかし犯人はまた発砲し、時間切れと判断して、SATが突入となり、竜崎は狙撃命令を出す。

        犯人は射殺され人質は救出される。事件は無事解決。のはずだったが。

        犯人が持っていた拳銃には弾が入っていなかった。

        それについての情報は事前に確認した。その上での突入、狙撃命令だったが、空砲を撃った犯人を射殺したことは問題になる。

        事件は混乱してくる。

        そのとき、竜崎に酷く反感を持っているはずの戸高が、経験上なにか腑に落ちない点があると言ってくる。竜崎は再調査を許可する。


        面白かった。竜崎の家では奥さんが救急車で運ばれ、家庭に疎い竜崎は困ってしまい娘や息子の助けを借りる。次第に家族のことを考え直す。人並みに妻のストレスに気が付いて家族を思い遣る気持ちが沸いてくる。


        官僚の社会から話は主に地方警察の内部に移るが、竜崎のぶれない気持ちは健在であり、そこに家族の話も加わって、少しやわらかい風味が増してきた。

        「SIT」は「捜査一課特殊班」の頭文字だそうだ。覚えやすい(^^)
        >> 続きを読む

        2014/10/02 by 空耳よ

    • 他1人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      疑心 隠蔽捜査 3
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 竜崎は大森署に馴染んでいる。
        朝の新聞でアメリカ大統領来日のニュースを知る。所轄に直接知らせは無いが、大統領専用機は羽田空港に着く。大森署の管内だが三ヶ月も先のことだ、上の指示に従えばいい立場だと思っていた。

        一日署長に人気のアイドルが来て、所内は浮つき気味で雰囲気が明るかった。

        その後に見た書類で、今回の大統領来日の際、竜崎を方面警備本部の本部長にするという辞令が届いていた。警視庁内では来日の準備が始まっているのだろうが、自分が本部長とは納得できない。
        大森署は方面本部の下にある、序列から言えば管轄の署長等より方面本部長が任命されるのが筋ではないか。竜崎は間違いでは無いのか、即確かめに行く。
        警視庁の藤本警視監は磊落な人物で、方面部長からの推薦だと言い、身分は竜崎が上なのだからいいではないかという。引き受けざるを得ない状況で、それならすぐに取り掛かろう。それが竜崎流だった。

        本部の警備課から女性キャリアの畠山が来る。長身の美女だった。補佐官を命じられたと言う。かすかに覚えている程度だったが、竜崎は一目見て恋をした。


        ここからがナンだろうな・・・の展開。

        彼は夜も眠れない、同行すればワクワク、誰かと話していると嫉妬、一時も頭から離れ無い。
        悩みも理詰めである。

        ーーーこれは人間の理性の範疇をはるかに超えているからだ。社会的な規範も、常識も法律も超えている、いや、そういうものとは別の次元にある。
         自分自身で制御できない感情というのは、それだけで十分に犯罪的だ。
         不倫はもちろん犯罪だ。だが、それは社会的な罪に過ぎない。恋愛自体は、社会性をはるかに超える罪悪かも知れない。ーーー

        などと考える。こういう理屈を持って回る、と言うことが既に恋愛に不向きなのだが、彼は気づきもしない。
        恵まれた家庭とキャリアを踏み潰すことになると、目標のために邁進してきた彼の常識や倫理感まで踏み外すことになる。と言う考えが又、滑稽さの上塗りをする。こんな悩みを伊丹にまで相談する。

        ーーー古今東西同じような悩みを抱えた人はかずかぎりなくいるはずだ。ーーー

        何か良い解決法はないかと書店にはいる。「葉隠れ」は武士のやせ我慢だ。
        宗教コーナーはどうだろうと、三冊買ってきた。それの中に「婆子焼庵」を見つけた。禅宗の歴史書だそうで、感じるところがあった。彼なりに今の状態から距離を置いて俯瞰する心境に近づいてくる。

        この話は読者を苦笑させてくれる、なかなかのエピソードだった。無くても良かったけれど・・・(笑)


        羽田の警備は進んでいたが、先行して来日しているCIAの職員二人は竜崎も一目おく働きぶりだった。日本人のスパイで内部からの連絡係がいるらしいと言う情報が入り、にわかに緊張感が増す。
        空港を閉鎖せよとCIAはいう。しかし竜崎は莫大な損害と利用者の不便、警護の手配などを考えて閉鎖の命令ができないでいる。軋轢が増す中で、やっとスパイたちを拘束。
        大統領を無事迎えて次の訪問地京都に送り出す。

        竜崎が指揮する警護の様子と、恋愛から開放されるには行動に移せという伊丹、戸高の地道な捜査振り、藤本警視監のいわば津川雅彦風に、豪放磊落に見える口調、話の中には登場人物の面白い華が添えてある。


        今回は竜崎のおかしな恋物語があって緊張感も余りないが。まぁ流れで読んだ。
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        2014/10/03 by 空耳よ

    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      蓬莱
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ファミコン?時代のゲームプログラムが軸になっています。古い作品というべきか時代の変化が早いというべきか(笑)
        今読んでも十分面白かったです。
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        2016/07/28 by 星の鳥

    • 4人が本棚登録しています
      ST警視庁科学特捜班 毒物殺人
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 多様化する犯罪に対応するために組織されたST。
        公園で発見された若い男の死体には不可解な点があった。
        事件の背後には宗教じみた事故啓発セミナーの存在があり……。

        シリーズ2作目です。
        正直、キャップ(男・キャリアの警部)がヒロインに見えます(笑)
        上からは実績を求められ、個性的なメンバーをまとめなければならなくて、キャップがとても大変そうです。

        途中で、犯人の見当がついてしまったのですが、それをどう立証していくのかワクワクしながら読めました。

        【http://futekikansou.blog.shinobi.jp/Entry/84/】
        に感想をアップしています(2010年7月のものです)
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        2013/08/13 by hrg_knm

      • コメント 4件
    • 3人が本棚登録しています
      ST為朝伝説殺人ファイル 警視庁科学特捜班
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • それぞれの能力を生かして事件解決に挑むSTメンバー。
        今回は源為朝の伝説が残る地で連続して起きた事件に挑むが――。

        STシリーズの3rdシーズンになるのかな。
        ここから伝説シリーズが始まります。

        ぶっちゃけ、伝説シリーズはあまり面白いとは言えない作品が多いです。
        ただキャラクターたちのやりとりは面白い。
        メンバーたちとキャップ、菊川警部補の関係がいい方向に変わってきているのがわかったりするのは読んでいてなんかいいな、と。

        キャラ萌えとして読むなら問題ないけど、ミステリーとして読むならちょっと難ありな作品でした。

        【http://futekikansou.blog.shinobi.jp/Entry/226/】
        に感想をアップしています(2010年11月のものです)
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        2014/03/15 by hrg_knm

      • コメント 3件
    • 8人が本棚登録しています
      ST桃太郎伝説殺人ファイル 警視庁科学特捜班
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 離れた場所で起きた3つの殺人。そのすべての遺体に「モモタロウ」と五芒星が刻まれていた。STメンバーは捜査に乗り出すが――。

        様々な能力を持つ5人が事件を解決していくシリーズ「伝説シリーズ」第2弾。

        ぶっちゃけ謎解き云々より桃太郎伝説の方に気を取られてしまいました。
        桃太郎=正義の味方のイメージですが、地元では侵略者として語られてるとは微塵も思っていませんでした。

        【http://futekikansou.blog.shinobi.jp/Entry/271/】
        に感想をアップしています(2010年12月のものです)
        >> 続きを読む

        2014/05/03 by hrg_knm

      • コメント 3件
    • 6人が本棚登録しています
      ST沖ノ島伝説殺人ファイル
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 『御言わず様』なる「そこでの出来事を語ってはいけない」という因習がある神域で起きた事件にSTが挑みます。
        事件自体は大したことなくてちょっとがっかり。
        でも、ラノベ並に濃いSTメンバーの掛け合いは楽しかったです。

        【http://futekikansou.blog.shinobi.jp/Entry/1300/】
        に感想をアップしています。
        >> 続きを読む

        2013/06/22 by hrg_knm

      • コメント 2件
    • 6人が本棚登録しています

【今野敏】(コンノビン) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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