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前後9篇ずつの計18篇からなる、著者の出身地である函館市をモデルとした「海炭市」を舞台に、そこに暮らす老若男女を描く連作短編小説です。大晦日から七月下旬まで、遷ろう季節とともに時間は前後することなく徐々に進行します。第一部では登場人物同士が弱い結びつきをもつケースも多く、とくに第一篇の主人公である女性の兄は街の人々の記憶に何度となく登場しますが、第二部ではそのような群像劇にあたる要素は薄くなります。抱える問題の大小は登場する人々によって異なりつつも、街の産業の衰退と郊外化を背景に多くの主人公たちはそれぞれ鬱屈したなにかを抱えつつ暮らしています。それにもかかわらず夏を迎える街の物語の終幕とともに爽やかな読後感を得ることができました。本作を読んでいて個人的に、作家として活動した時期が近く同じく急逝した、山際淳司さんのノンフィクション作品を懐かしく思い起こしました。 >> 続きを読む
2020/07/25 by ikawaArise
【佐藤泰志】(サトウヤスシ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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