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猪瀬直樹

著者情報
著者名:猪瀬直樹
いのせなおき
イノセナオキ
生年~没年:1946~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      東京の副知事になってみたら
      カテゴリー:地方自治、地方行政
      3.5
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      • 猪瀬直樹――現東京都副知事。彼は作家であり政治のプロではない。
        時々、見識の浅さや一方的な視点からの物言いを批判されているようである。
        確かにそういう部分もあるかと思うが、原発にからむ東電への批判など、
        市民感覚に近い発言も多いのではないかと感じている。
        それで、この本を読んでみた。

        この本は猪瀬副知事がどんな仕事に関わり、どう実績をあげ、
        その政策のきっかけは何で、どのように実行されたか。
        それを本人が語るというものである。
        自己宣伝であるから、逆の立場や批判は記されていない。
        しかし、多くの政治家はマスコミのバッシングや揚げ足取り報道の餌食になったままなので、
        「成果」を堂々と好評する場があっていいと思う。
        みんなどんどんやればいいのに。

        世の中も人体もチームプレイであり、脳細胞だけでは動けない。

        プロの政治家、生活者、学者、作家、教育者、法律家、
        いろいろな分野の得意技をもってより緊急でより重要な物事を決めていくのが普通だろう。
        政治家だけに全ての決定権を白紙委任したと勘違いされては困る。

        「シロウト」がウケる状況がでてきているのは、今の閉塞的な日本を象徴していると思われる。
        口先だけの政治家は資格無しだが、メッセージの無い政治家も資質に欠ける。
        猪瀬は、作家の「直感」という言葉を使っているが、
        アイディアや想像力は、何かを企画するときには有効な刺激剤になるだろう。


        「霞ヶ関には戦略がない」
        国が動かないならば、東京が国策をリードし、世界へ情報発信し、実績を示し、
        国政にプレッシャーをかければよい。

        東京都の水道システムを商売にしよう。
        首都東京を世界のハブとして国際都市化しよう。
        エコタウンのモデルとして2016年までに100万キロワット相当の太陽エネルギーの導入拡大をめざす。
        (これは震災前の話である。現時点での話も聞いてみたい)

        現在の日本の閉塞には硬直した「官僚システム」が大きな障害である。とも見ている。

        この認識は猪瀬と左系の思考の人たちと全く同じ意見なので興味深い。

        「近代国家」を目指す過程の日本において、少数のエリートの育成が必要だったのは
        ヨーロッパのコピーを効率的にするため。
        上位下達がスムーズでアイディアよりも使命感で動く人間が求められた。

        現代日本では、モデルにするべき手本は少ない。
        少子高齢化社会はヨーロッパでは初めての事態かもしれないが、
        日本において、「江戸」は少子高齢社会の見本だと考えられる。

        「世界史の例外が世界史のなかで独自の役割を果たせればよい」


        今の日本には、新しいものにチャレンジする勇気も謙虚さも行動力もないようだ。
        ならば、東京都民として世界都市の一員として、
        各個人が、よりよい社会の実現のために思考し行動を。
        と、求める。

        それは正論であり、日本がはじめて民主主義を試されている時代なのかもしれないと、私には思える。


        猪瀬は、マスコミについても苦言を呈している。
        確かにマスコミは「失敗」や、「絵」になる報道は大喜びでするくせに、
        事前にそれを食い止めようとする動きには加わらないことが多い。という。

        所詮、ニュースも「飯のタネ」なのだ。
        事態が酷くなってからのほうが、「報道価値」があがると考えているに違いない。

        情報はネットやマスコミだけにあるのではない。
        自分が進んで取り込み取捨選択する努力を常に続ける必要があろう。

        読書はそのために有効だし、「読書ログ」は自分にない情報を補完してくれるので
        大変参考になる情報ツールであると感じている。
        >> 続きを読む

        2012/06/10 by 月うさぎ

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      土地の神話
      カテゴリー:衛生工学、都市工学
      5.0
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      • 数年前から所持していたにも関わらず、読めずにいた一冊でした。五島慶太を中心として、日本の鉄道と都市開発の歴史を紐解いた一冊です。

         この本は大きく三部構成になっています。第一部は「田園都市構想」が日本に芽生え、それが五島慶太に「乗っ取られる」までの経緯、第二部は五島慶太が更にその勢力を伸ばして築いた「大東急」の権勢と瓦壊、彼の死までについて書かれています。第三部はおまけというか、第一部の前日譚のような内容になっているのでここでは置いておきましょう。

         日本の田園都市構想は明治の大財界者、渋沢栄一によってイギリスの「ガーデンシティ」を元に構想されますがその実情は第一歩から趣の違うものとなります。そして小林一三の阪急の手法を取り入れる事で完全にかけ離れたものとなり、五島慶太による乗っ取りを許すことになるのです。こう書くと五島慶太が悪人のように(実際に『強盗慶太』と呼ばれるなど悪名は高いのですが)言われますがこの本を読むと彼のその狡猾な乗っ取りの手法に心を奪われます。田園都市構想が紆余曲折を経て彼のものになり、更には『大東急』と呼ばれる一大鉄道圏の完成までが事細かに、しかし色鮮やかに記されています。彼の力量がいかに雄大なものであったかを知ることができました。

         少し話はそれますが、この本を読む中で私は1つの発見をしました。第一部の途中から登場した五島慶太は本書のいわば「主人公」であり、連戦連勝を繰り返します。しかしそんな彼が唯一「負けた」人物がいました。以前私が回顧録を読んだ池田成彬なのです。渋沢翁こそ年の差から対決する事は有りませんでしたが郷誠之助や早川徳次など当時の大財界人・鉄道の有力者を打ち負かし、堤康次郎すらその当時は「引き分け」に終わっているのに池田成彬だけが完全に五島を寄り切っているのです。この本で池田の名前が出てくるのはほんの一節ですが、彼の力の大きさがうかがえます。本は多読してその繋がりを楽しむものであるという事を再認識させてくれた一冊にもなりました。同じ猪瀬さんの著書である、五島慶太と双壁をなした堤康次郎について書かれた『ミカドの肖像』はそのためにも是非読まなければならないなぁとも思いましたね。
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        2017/02/08 by aokaze

    • 1人が本棚登録しています
      ペルソナ 三島由紀夫伝
      カテゴリー:日本文学
      3.0
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      • 初猪瀬直樹さん。
        東京オリンピック招致に成功した栄光から一転、カバンにお金の束と見立てた包みを、入りますっと言い切りグイグイ押し込んでいた汗だくの猪瀬直樹さん。
        本ははじめて読んだ。
        読みやすい文章を書かれる。でも内容はそれ程面白いものでは無かった。

        三島由紀夫について書いてある。
        三島由紀夫は余り詳しく知らないので興味を持って読んでみた。
        三島の父親や祖父のことまで遡って書くことは三島の人格形成を紐解くためにも必要だとは思うけれど、ここまでの記述は必要だったのか。
        三島の祖父定太郎のエピソードの中で杉山茂丸という政界のフィクサーのような人物が出てきて、その人物が夢野久作さんの祖父ということは知らなく、へえと思ったが、それ以外は特に興味も持てずに終わった。

        三島をよく知らないわたしでも知っているような内容が多く、何故貧弱とも言える少年期を過ごした三島が、肉体を鍛えることに執着し自身の肉体を誇示したり、ゲイのような言動行動をしたりすることや、戦争には出征出来ないしたくないという考えだったのに軍隊というか武力による防衛などに興味を持ち、自衛隊に傾倒し果ては自刃するということに至ったのかという最も興味深いことについての洞察や推理が甘い。
        単に事実を並べ立てるだけでなく、同じ執筆活動をする猪瀬直樹ならではの見解を読みたかった。

        三島由紀夫という男をベースにした猪瀬直樹の伝記物語風作品という感じだ。
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        2016/04/08 by jhm

    • 1人が本棚登録しています
      決断する力
      カテゴリー:地方自治、地方行政
      4.0
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      • 「いざというとき、立ち止まるな!走りながら考えろ」

        2011年3月11日14時46分、マグニチュード9.0を記録した東日本大震災発生。

        この本の興味の中心は震災直後の東京都がどのように、震災に対処し、首都として隣県や被災地にどのようなサポートを行ったかという実践記録だ。

        最も大事なもの――災害時にはそれは人命であり、安全である――を見きわめ、
        そこに意識を集中しなければならない

        マニュアルにないことが起こったとき、「想定外」をいかに少なくすることができるか
        そのための準備を具体的に検証してみようというのがこの書である。

        Ⅰ 即断即決で立ち向かう

        「国は現場を持たない」
        金を回し、法的整備をし、人を派遣するだけである。
        国の機関そのものは、現場で動くこと自体、元々できないのだということを
        私たちは知っておいたほうがいい。
        災害時に人はよく、国が、国が、と言うけれど、
        それ、初めから無理な注文な訳ね。

        緊急時には現場が動く、情報を滞らせないことが重要。
        リーダーの器も大きな意味を持つ。
        東京消防庁の福島への支援活動を阻害した最悪の原因は「国」
        そして現場にいらぬ口出しをする海江田経産相だったらしい。


        Ⅱ ゛想定外”をなくす思考と行動

        印象ではなく客観的なデータ、意見ではなくファクト(事実)が正しい現状認識を生む。

        東電にも津波に関するデータはあったのだ。
        単にそれを無視しただけである。


        Ⅲ リスクをとって攻めに転じる

        氏は「震災後」の日本を、新しい日本を考える歴史的転機として捉えることを提言している。
        「戦後」日本は「イメージの世界」の住人だった。
        リスクをあえて考えない、リアルな現実を見ないように生きてきて、
        それが許される社会だった。

        もはや「想定外」は通用しない。誰もがその「甘さ」に気づいてしまった。
        起こりうるリスクを「想定」する社会へ転換するべきだ。

        「地産地消」のエネルギー確保に取り組むことを宣言している。
        ネットワーク型の電力需給網が完成すれば合理的でローコストである。
        具体的なプロジェクトで問題解決へ向かう。という。

        国がしがらみで動けないなら、東京都がトップダウンで動く。
        この姿勢は今の日本では歓迎されるものなのだと思う。


        作家であり東京都副都知事である猪瀬直樹氏の最大の功労は
        政治と行政がいかに進行しているかをタイムリーに情報発信してくれている点だと思う。

        どのような思想でどんな仕事をしているか、それが伝わる。

        最近ブログやツイッターなどの活用ができる政治家も増えたが、
        猪瀬氏は、政治と行政の両面を、民間人として作家の言葉で発信してくれる。
        都民としては、行政を知るまたとないチャンスだと思う。

        そして「作家の常識」と「変人パワー」が、行政に携わる秀才集団に、
        刺激と民間感覚を持ち込んでいる点もメリットだろう。

        最大の違いは「時間感覚」の違いである。

        重要問題だと考えた事項にはかなり迅速に対応している事がわかる。
        それは、彼に思想があるからだと思う。


        全体的に石原知事をヨイショしすぎだと思うのだけれど、
        …立場上仕方ないでしょう。

        都民としては、東京という大都市が国からは一線を画した独立した機能を果たせるほどの
        巨大で機能的な組織であるということに、
        このような危機対応を期待できる都庁という組織及び人材に恵まれていることを
        多少自慢に思ってもいいのではないか。

        そんなちょっとだけ明るい気持ちにもなれる本です。
        >> 続きを読む

        2012/10/15 by 月うさぎ

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【猪瀬直樹】(イノセナオキ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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