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典厩五郎

著者情報
著者名:典厩五郎
てんきゅうごろう
テンキュウゴロウ
生年~没年:1939~

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      土壇場でハリー・ライム
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 第5回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞した典厩五郎の「土壇場でハリー・ライム」を読了。

        1967年5月、東京・麻布にある夕刊紙の東都新聞の本社ビル屋上から、ひとりの男が飛び降り自殺する。

        男は、東都新聞文化部長の月田であったが、その人柄をよく知っている部下の真木には彼が靴を左右逆に履いたうえ、派手なパラソルをさして自殺するなどということが信じられず、密かに同僚たちのアリバイを調べ始めていた。

        真木の調査は、やがて上役にも支持され本格的に進められることになるが、パラソルの出所調べから意外な人物が現われてきたのに続き、月田が太平洋戦争直前に起きたゾルゲ事件に関する資料を漁っていた事実が判明する。

        この辺から、物語はゾルゲ事件という新たな謎を加え、歴史ミステリ的な様相を強めつつ、混迷を深めていく。

        新聞記者の主人公が、ゾルゲ事件の謎に関わる話は目新しくはないし、その謎がいくら斬新な解釈に基づくものでも、流れがゾルゲ一辺倒になだれ込んでいってしまったら、味気なくなっていただろう。

        著者はだが、そこに女性記者の藤崎明日香と受付嬢の高見沢絵里という対照的なヒロインを配し、真木との恋の顛末を巧みに絡ませてみせる。

        当時の映画や音楽をはじめとする時代風俗的な小道具の数々は、事件のほうにもうまく活かされているけど、こちらのシーンでより威力を発揮していると思うんですね。

        真木と明日香の軽妙な会話シーンにおいて然りで、特に映画のタイトルを繋げてやり合うところなどは秀逸で、真木が絵里と初めて結ばれるシーンもなかなかいいんですね。

        著者が随所に凝らした趣向は、クサいと言えば、確かにクサいんですが、乗りの良さで救われていると思う。
        その意味でこの作品は、決して奇抜なミステリではないが、著者のセンスの良さが光っていると思いますね。

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        2018/12/04 by dreamer

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