こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


長野まゆみ

著者情報
著者名:長野まゆみ
ながのまゆみ
ナガノマユミ
生年~没年:1959~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      天然理科少年
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 【鄙びた村を舞台にした、しっとりとした不思議なお話】
         中学2年生の男子である岬が主人公です。
         岬は、物書きの父親である梓と二人暮らし。
         この父親が変わった男で、闇雲に転居を繰り返すのです。
         1か月も同じ所に住んでいれば良い方で、急に思い立ったように転居するのです。
         住むところはいつもどこかの家に間借りするような状態です。

         こんなに落ち着きの無い生活だと色々困るだろうとは思うのですが、岬はもうすっかり慣れっこになっていて、転居届や転校の手続きも自分でしてしまうのでした。
         あまりにも頻繁に引っ越すため、岬の所持品も旅行鞄1つに詰め込める程度の物しか持っていませんでした。
         今度もまた、「おい、準備しておけよ」と前日の夜に言われてまたまた引越です。

         列車を乗り継いで、しかも行き先と聞いていた駅とは違う駅で急に降りてしまう父親。
         「話をつけてくるからちょっと待ってろ」と言い、岬を駅に残してどこかに行ってしまいます。

         岬は、誰もいない古びた駅舎で一人で座って待っていたところ、急に男の子がそこにいることに気付きました。
         自分と同じくらいの年……あるいはもう少し年下でしょうか?
         その子から話しかけられて、持っていた清涼飲料水をあげたところ、交換にということで鬼クルミの殻をもらいました。
         判子にすると良いよと言われて。

         そこへ父親が居候先の家の男性と共に車で戻ってきました。
         岬は、その男の子の名前くらい聞いておこうと思い駅舎に戻ったのですが、その子はもういなくなっていたのです。

         岬は、いつもの通り一人で役場に行って転入届を出し、学校の場所を教えてもらって転校の手続きを取りました。
         その日から授業に出ることになったのですが、一つだけのクラスには駅で会った男の子がいました。
         でも、どうやらその男の子は他の生徒達から疎まれている様子なのです。
         身体が小さいせいか、「まめ彦」などと呼ばれて揶揄されてもいました。

         岬は、転校が多いことからあまり同級生と関わりを持たないようにしてきたのですが、今回ばかりはその男の子に肩入れしてしまうのでした。
         でも、その子がみんなから疎まれているのには理由があったのです。

         という、いかにも長野さんらしい、短いけれど良いお話しになっています。
         ラストはちょっとうるっときてしまいました。
         こういうお話なのに、なんで『天然理科少年』というタイトルなんでしょう?
         物語の冒頭に、「何も見えないからといって、そこに何一つ無いとは限らない。理科の理には磨くという意味がある。諸君は又、天然自然の理を疎かにしてはならない。」という文が添えられています。
         そういう意味でつけられたタイトルなんですね。
        >> 続きを読む

        2019/11/18 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      鉱石倶楽部
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! panda1130
      • 【口に含んだら甘やかなかほり】
         私は今欲しい物があります。それは鉱石標本。
         ネットでちょっと探してみたのですけれど、なかなか良い感じの物が見あたりません。
         木枠に入れられた鉱石標本、どこかに無いかなぁ。

         私は、鉱石のことはまったく詳しくないのですが、鉱石を見ているのは好きです。
         そう。
         鉱石を愛する文学者は結構多くいるようです。
         「鉱石派」と言ってもよいかもしれません。
         アーダベルト・シュティフターの「水晶」を持ち出すまでもなく、ドイツに多く見られるようです。
         もちろん、日本にも。
         澁澤龍彦(むしろ、彼は「貝派」かもしれませんが)、種村季弘、あるいはもしかしたら稲垣足穂も。
         はい。私も、「月派」であり、「鉱石派」にも所属しているのかもしれません。

         本書も、そんな鉱石派のお一人の手になる作品とお見受けしました。
         鉱石一つずつに、散文詩のような短い文章が添えられています。
         次のページをめくると、そのテーマになった鉱石の写真と、その鉱石にまつわるお話が書かれています。
         
         そのお話は、もちろん、「お話」なのです。
         だって、葡萄露(紫水晶のことを、ここではそう名付けています)は水分が多い鉱石で、夜露がしたたる真夜中に味わうことができたら最高であるなんていう解説なのですから。
         でも、本当にそう見えてきたりします。
         鉱石って、口に含んだら甘そうに見える物も結構あると思うのですね。
         こういうところは、クラフトエヴィング商會にも通じるものがあります。

         でも、大丈夫。写真の裏ページには、ちゃんと本当の鉱石の名前と性質が書かれていますから。

         あぁ、なんてリリカルな一冊なのでしょう。
         私は、こういう本には滅法弱いのです。
        >> 続きを読む

        2019/03/15 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      少年アリス
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 【夜の学校の冒険】
         長野まゆみさんのデビュー作です。
         さて、長野まゆみさんですよぉ。しかも、タイトルが「少年アリス」でしょう?
         これは、もう、「あっち系」の話だろうと、身構えて、覚悟を完了して読み始めましたよ。
         でも大丈夫でした。「あっち系」のことは全く出てこない、童話のようなファンタジーでした。

         主人公のアリスは、小学生(?)の男の子です。
         ある夜、親友の蜜蜂(アリスと同級生の男の子)に頼まれて、学校に置き忘れてきた鳥類図鑑を取りに出かけることになりました。
         蜜蜂の飼い犬の耳丸も一緒です。

         夜の学校って入ったことありますか?
         私は無いんですけれど、きっとこんな感じなんでしょうね。
         夜の理科室、図工室、図書室……。
         忘れ物を確保した後、二人は夜の学校の冒険に出かけます。

         植物の名前が随分と沢山出てくる物語です。
         ノウセンカズラ
         カラスウリ
         サルトリイバラ
         ヒイラギモクセイ
         ミズヒキ
         クララ
         ハコヤナギ
        ……もっとたくさん。

         そして、月や星、セルロイド、薬包紙、バターミルクなどの小道具。
         まるで、稲垣足穂や宮沢賢治の系譜に連なるようなお話でした。

         石膏にガラス粒をまぶして磨き上げた「細工たまご」が重要なアイテムとして出てくるのですが、そういえば、長野まゆみさんの耳猫風信社という公式HP( http://www.mimineko.co.jp/)の中にある雑貨舗には、以前エッグ・スタンドに入れた鉱石が通信販売されていたことがありましたっけ。

         そんな感じの世界です。
        >> 続きを読む

        2020/01/07 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      少年アリス
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! kaina
      • 夜の学校に現れた迷いの園、中庭の噴水で季節がすれ違う時、秋の使者が運んできた。群青天鵞絨色のメルヘン。
        第25回文芸賞受賞作。
        >> 続きを読む

        2013/12/09 by books

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      天体議会 プラネット・ブル-
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ちょっと読むのに時間かかってしまいました。
        内容は日常にちょっと不思議な少年が現れるくらいなのですが、世界観が半ファンタジーな感じで、不思議な感じでした。
        ファンタジー小説を最近読んでいなかったので、そっち系の想像力が衰えている自分に驚きました。

        主人公、銅貨と水蓮の友情、兄への羨望と嫉妬、謎の少年、鉱石、天体観測…幻想的な世界でリアルな心理描写。うっとりします。

        それにしても不思議なくらい女性が出てこないこと。
        バービィとか母親の設定が変わっているのにさほど話に影響してこないことが不思議でした。
        >> 続きを読む

        2014/10/26 by みずゑ

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      宇宙百貨活劇 ペンシルロケット・オペラ
      4.7
      いいね! panda1130
      •  星に始まり、月に終わる、双子の物語。
         彼らの過ぎゆく物語はどこもかしも素敵なモチーフとおいしそうなものがいっぱい。

         中でも月の祭で売られる柘榴石で栓をした壜入りソォダ「ムーンドロップ」は最高傑作。
         石をソォダに落とせば、化学反応でガネットはスパアクし、ソォダとガラスを通して不安定に瞬くランプとなる。
         留め金をつけてつりさげればフェスタの子供の定番アイテム。

         他にも
         星印のストロベリィ味ロケット壜入りソォダ
         冬の夜遊びにぴったり、スノーマン、ハーフムーン、アルファベット型のマシュマロ入りショコラ
         夏休みにやってきたバターカップ教授夫妻が振舞うマシュマロショコラ入りのベビィシュウクリイム
         三月の海辺でピクニックするとやってくる人魚の親子が売り歩く「ピーチ・スプラッシュ」
         バカンスには南の夜の海にゴムボォトをそっと流して手に入れる、紅やメロン、檸檬や、あふれるドロップ(流星)

         何から何まで「ああ、そうそう、そういう季節に、そういうものが欲しいよね」と思いながら、ぴったりのものが見つけられない。もどかしいところをポン、とついてくる見事なアイテムの数々。

         流石の宇宙百貨です。
        >> 続きを読む

        2014/07/10 by B612

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      螺子式少年
      5.0
      いいね! panda1130
      • 夏至が近づくと読みたくなるのが長野まゆみ。
        名作『テレヴィジョン・シティ』が最近新装丁で出ましたが、一目で長野さんとわかる長瀬典子さん挿画に慣れている私です。

        久しぶりに読みたくなった長野まゆみですが、とりあえずブックオフに行って、108円の棚で昔読んだなぁと懐かしがりながら手に取ったのがこれです。しかし読み返してびっくりしました。初めて読んだのは中学か高校か、それくらいでしたが、これ、ものすごい名作です。読み返してよかった。

        長野まゆみといえば、少年たちが出てきて、なんだかBLっぽくて、あの独特の耽美派っぽい世界観に慣れない人もいるようです。しかしあえていいますが、これらはみんな長野ワールドにいざなうための装置にすぎません。漢字に片仮名のフリガナも、会話文の末尾を「、」でくくるのも、女はすべて「大人の女」や「母親」であり、少女が一切出てこないのも、あの長野ワールドの異世界に連れて行くための舞台装置なのだと思っています。そしてうまく波に乗って世界観に身を沈めることができたとき、その世界に魅了されることでしょう。
        その世界はジャンル分けするなら耽美派ですが、ただの耽美ではないですよ。長野まゆみはそれで終わらせはしません。

        今読み終わったばかりなので大分興奮しながらこの文章を書いているので、ちょっと読みにくいと思いますがすみません。

        この『螺子式少年(レプリカ・キット)』のすごさを私は今すぐにうまくまとめることができないのですが、たとえば家族が外見そっくりな人形にすり替わったとして、すり替わったことにあなたが気づかないのであれば、生身でも人形でも構わないだろうか?すり替わったと気づくまであなたはその彼を彼自身として認識しているはず。それって「ほんとうは人形」であることをわざわざ知る必要もないのでは?
        あるいはたとえば、長い間会わずにいた親しい人と久しぶりに再会した時、本当にその相手が「長い間会わずにいた親しい人」そのものだということを、私たちはどうやって判断するのだろうか?そもそも判別できるのか?仮に違う人だったとして、「長い間会わずにいた親しい人」の訳をその偽物が全うしてくれるなら、本人であるかどうかが一体どれだけ重要なのか?
        レプリカでない生身の人を「オリジナル」と呼ぶとします。しかし自分をオリジナルだと思っているのは複製されたレプリカの意識かもしれません。自分がオリジナルであること、あるいはレプリカであることは重要なのか?まぁ見分けがつかないくらい同じ外見をしていたら、言った言わないでややこしいことになりそうではありますが。

        連想したのは、映画『ブレードランナー』と、谷山浩子の曲「そっくり人形展覧会」です。





        ここから、話の結末に触れる点を話します。未読の方はご注意ください。




        ラストで葡萄丸のレプリカが家にやってくる訳ですが、じゃあ本人はどこに行っちゃったの?という恐ろしさもあります。<夜警>はレプリカを回収しているのか?オリジナルを回収しているのか?手話の部分から回収しているのはレプリカっぽいが、そうなると<夜警>は反レプリカ派なのだろうか。ではレプリカらしき父親と出かけた葡萄丸がレプリカとして帰ってきたのは、リカライト社はレプリカで世界を回そうとしているんだろうか。オリジナルが足りなくなっているのかも。
        などと考えればきりがない楽しさ。
        >> 続きを読む

        2016/05/15 by ワルツ

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      学校ともだち
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      •  学級日記なんて、懐かしいモチーフだな、と読み始めた。
         
         日々のできごとが少年たち目線で描かれていて面白い。と、思っていたら、アレッ?この学校、ちょっとチガウぞ・・・?と小さな段差につまづくようなトリックに掛かってしまった。
        楽しんて、不思議。
        >> 続きを読む

        2014/07/12 by B612

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      夏帽子 文芸COLLECTION)
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 夏のはじめに、旅装のまま校舎のなかへはいってきた風変わりな人物は、紺野先生という臨時の理科教師である…から始まる「夏帽子」。すっかり大人になってしまい忘れてしまったあの頃が鮮やかによみがえり、ページをめくるたびあの頃見えていたものが目の前に広がり、聞こえていたものが透き通るように聞こえ、感じていたものが静かに肌に触れる。あの頃…長野まゆみの繊細な表現が紡ぎ出す世界であの頃の自分にもう一度戻った感覚で読める本。 >> 続きを読む

        2015/04/24 by PECO

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      猫道楽
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 装丁からして。美しい。それで、猫が並んでいる。もう、怪しい。

        ページをめくれば、江戸川乱歩の世界がさらさら、青年に薄められて広がる、世界はさわやか、と思いきや。
        悪意と享楽に満ちた世界で、ねこシッターの青年は猫にされ、或いは小遣い稼ぎの青年が浴槽で薄荷茶に吞まれる。絢爛豪華で怪しい世界。そして、少しのさみしさが終いにひとひらの雪の妖精を形作って舞い降りて・・・・・。

        一読の、価値、あり。怪し妖しの真っ赤な世界。


        猫道楽。
        >> 続きを読む

        2014/05/26 by B612

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      咲くや、この花 左近の桜
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      •  桜蔵青年の受難再び。

         今回のがホラーの度合いが上がっています。
         そして気になる父・柾との関係。

         なんかこう、否応なく成長して自分を取り巻く世界を知らなきゃならない時期のとまどいや、様相を変える世界へのいらだちを感じます。

         左近シリーズはこれ以降、出ていないのですが、柾が最後に父を辞めて本格的に桜蔵を落としにかかるのがとても、とても、とても気になります。
        >> 続きを読む

        2014/07/12 by B612

    • 7人が本棚登録しています
      となりの姉妹
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      •  全体に謎かけが満載!!それでいて嫌みなく、長野作品特有の上品な色気とおいしそうな食べ物が万遍なく出てくるのがうれしい。

         人間関係(家系図的な)もややこしくなるので傍らに紙を置いて書きながら整理しながら読みました。

         ほとんど全て解くのに、最後の一押しを読者の創造にゆだねるやり方は好き嫌いが出るかもしれませんが、物語は執筆者と読者で創り上げる、という考え方で臨めば受け手も発信側に回るという摩訶不思議な体験ができますね。
        >> 続きを読む

        2015/09/11 by B612

    • 2人が本棚登録しています
      箪笥のなか
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 【安心して下さい、入ってますよ】
         長野まゆみさんの作品は、少し注意しなければなりません。
         大変リリカルな作品を書かれるのですが、時にBL系統の作品も書かれており、「ありやぁ」となってしまうことが度々あります。
         でも、安心してください。
         この本はそういう本ではありません。

         あ。でも、安心はできないかもしれませんね。
         だって、入っているはずのない色んな物が入っているのですから。
         何に入っているのかって?
         箪笥の小抽斗の中に、です。

         主人公の姉、弟は、もういらないと言うので、親戚の家にあった古い紅い色の箪笥を貰い受けることにしました。
         それは、姉弟が幼い頃、親戚の家に置いてあるのを見てよく知っている箪笥でした。
         もらって来た箪笥は姉の家に置くことにします。
         その箪笥の抽斗の取っ手には、蝶の形をした金具がつけられていたのですが、どういうわけか、一番上の左の抽斗の取っ手だけが蝙蝠の形をした金具がつけられていたのです。
         そして、その抽斗だけがどうしても開かないのです。

         ところが、その後、その蝙蝠の金具がついている抽斗が開くようになり、その中に不思議な物が次々に入っているようになったというお話です。
         それは、大きな真珠のような珠だったり、ホトトギスの卵だったり、お菊虫と呼ばれるカイコガの蛹だったりします。
         どうやってそんな物が入り込んだのかは全く分かりません。
         ある時には、その抽斗は一升もの日本酒をそっくり飲み干してしまったことさえあるのです。

         大変和風テイストが溢れる幻想譚です。
         長野さんが選ぶ言葉は、普段はあまり使わないような言葉であったりもしますし、また、言葉に当てる字にもこだわりがあり、普通はそういう風には使わない漢字を当てたりもしています。
         長野さんは、『ことばのブリキ罐』という作品を書いており、その中で、平素から気になった言葉を見つけると書きためておき、自分の作品で使ったりするということを書かれていますので、そうやって集めた言葉がちりばめられているのでしょう。

         ちょっと昭和の雰囲気も感じられるような好ましい短編集でした。
        >> 続きを読む

        2019/11/14 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      レモンタルト
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 甘いお菓子の題名が目に付き、たまには薄い本でも読もうかと手にとった。亡くなった姉の夫である義兄と二世帯住宅で暮らす弟の話で、あんまり面白くないなと思ったのだが、なんだかホモゆい展開になりまあまあ読めるようになった。でも面白いというほどではない。 >> 続きを読む

        2020/08/24 by 和田久生

    • 2人が本棚登録しています
      雪花(きら)草子
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 初読みの作家さん。
        妖しくも残酷な三篇をおさめた短編集。

        いずれもタブー満載の物語だったが、中でも「白薇童子」の近親相姦には、そこまでするかとちょっと驚いた。
        男夜叉になりそこねた半陰陽(両性具有)の白薇童子が都の貴人と情を交わして生んだ捨て子が、美少年瑠璃若に成長して親の仇とねらう白薇童子のもとにあらわれる。白薇童子は毎年夏至と冬至の晩に陰体(女体)となる呪いをかけられていて、冬至の夜に瑠璃若を褥に受け入れる。白薇童子の美しさとラストシーンが印象に残る一篇だった。

        「鬼茨」のサディズムとゲテモノ食いは、ちょっと気持ち悪かった。
        「螢火夜話」は、なんだかよくわからない話だった。

        BLを読んでいるから、三篇に共通する男色に抵抗はまったくなかった。


        >> 続きを読む

        2020/03/14 by Kira

      • コメント 2件
    • 4人が本棚登録しています
      サマー・キャンプ
      カテゴリー:小説、物語
      1.0
      いいね!
      • 【読了日不明】

        愛情など、断じて求めない、はずだった
        対外受精で生まれた温は、出生の秘密を自らの手で明かそうと決意するのだが……。

        夏休暇も間近なある日、湾岸校に通う温は、ルビと名乗る少年から「契約」をもちかけられる。
        無口な少年と、手癖のわるい女の子、二つの人格をそなえたルビを、離れて暮らす母は「あなたの弟よ」というのだが―。
        生殖医療の発展した近未来を舞台に、人をこの世につなぎとめる愛、血脈を越える絆を描き出す傑作長篇。
        >> 続きを読む

        2013/12/17 by books

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      天然理科少年
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 表紙の少年の人形に惹かれてジャケ買い。
        放浪癖のある父のせいで引っ越しと転校を繰り返す主人公の少年「岬」。引っ越し先で出逢った「賢彦」という不思議な少年との3日間の物語。
        長野まゆみ作品は、宮沢賢治の世界観を彷彿とさせる。檸檬水、鬼胡桃の印鑑、ガラスの笛。
        物語の中にさりげなく登場する綺麗な物に心癒される。
        >> 続きを読む

        2014/08/09 by seimiya

      • コメント 1件
    • 3人が本棚登録しています
      賢治先生
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! panda1130
      • 「銀河鉄道の夜」のすぐ外側にいるような小説。
         カンパネッラ、ジョヴァンナ、ザネルリ、ナスタシア。出てくる少年少女は何かどこかおかしい。
         でも、それは銀河鉄道に賢治先生が乗り込んだからに違いない。
         いるはずのない人が乗車ってきたから、物語が路線を変更している。
         ここでも長野先生のおいしい嘘は健在ですが、いささか品が薄いようです。
         星宿魚のムニエール、金に輝くレオノチスの蜜をたっぷりかけたスコッチクッキー。薄くても、味わいは豊かのようです。

         少しいびつで不吉なジョヴァンナとカンパネッラはどこで下車するのか。賢治先生は汽車から降りられるのでしょうか。それとも、、、、

         静謐の夜を走る銀河鉄道の、すぐそばで「ヘンテコ」な銀河鉄道に紛れ込んだ者たちの物語。
        >> 続きを読む

        2014/07/10 by B612

    • 2人が本棚登録しています
      お菓子手帖
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【あらま、懐かしい】
         1959年生まれの長野まゆみさんが、幼少の頃から小説家デビューするまでのエピソードを綴っています。
         タイトルは「お菓子手帖」で、お菓子の話ももちろん出てくるのですが、それだけに止まらず、様々な思い出話を語ってくれています。
         はい、今回は「あっち」の話ではなかったのでホットしておりますよ(苦笑)。

         お菓子の話がまた懐かしいです。
         通常、この手の作品だと、取り上げられているお菓子は有名なお菓子屋さんの高級菓子だったりする場合が多いように思うのですが(そういうのもありますが)、明治製菓や森永製菓などから発売されていた、ごく普通にスーパーなどで売っていたお菓子を多数取り上げてくれており、結構懐かしかったです(フランス・キャラメル、ハイ・クラウン・チョコ、アポロ・チョコ、チェルシーなどなど)。

         長野さんは、この作品を書くに当たって、それなりに資料を調べたのでしょうけれど、かなりマニアックな点についても触れてくれています。
         言われてみて、あぁ、そうだったかなと思い出すような感じですよ(ハイ・クラウン・チョコには妖精が描かれたカードが入っていた時期があったとか)。

         長野さん自身、包装紙などに関心があり、お菓子関係の物も集めていたそうなので、そういう知識も役に立っているのでしょうね。

         ただ、長野さんが就職(最初はデパートにお勤めしたのだそうです)した頃からは、段々お菓子の話にもついていけなくなってしまいました(笑)。
         いや、その時代になると、私自身がそれほどお菓子を食べなくなっているということもあるのでしょうし、若い女性が喜んで通ったお店や楽しんだお菓子というのは、ちょっと私の守備範囲外という事情が大きいのでしょうね。
         泉屋のクッキー辺りまでは大丈夫なのですが、その先になってくるとちょいとキビシイ。

         これは、同じようにお菓子を愛した女性の方が共感を持って楽しめる作品ではないでしょうかね。
         でも、デパートの仕事というのは結構キツイようですねぇ。給料安いし、拘束時間は長いし……(不満たらたらです)。
         仕事でエネルギーを使い果たして、とても甘い物を補給しなければ家まで帰り着けないということで、駅の売店などでキット・カットを買って電車の中で食べていたなどという話も出てきます。
         男性だったら、こういう時は甘い物じゃなくて、ビールか何かに走るのでしょうけれどねぇ。
        >> 続きを読む

        2019/08/19 by ef177

    • 3人が本棚登録しています
      野ばら BUNGEI Collection)
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 銀色と黒蜜糖―。
        白い野ばら咲く庭に住みついた2匹の美しい猫と同じ名前を持った2人の少年は何者なのか?目覚める度により深い眠りにおちてゆく少年月彦。
        その不思議な夢の中で繰り広げられた真夏の夜のフェアリー・テール。
        >> 続きを読む

        2013/12/09 by books

      • コメント 2件
    • 4人が本棚登録しています

【長野まゆみ】(ナガノマユミ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本