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グラフィック・デザイナー桐沢風太郎は、東京郊外から青森まで、自転車によるツーリングを敢行した。歳は四十四歳。いささか体力に不安があった。この旅のためにトレーニングをこなし、非常食や寝袋、パンク修理道具一式などの装備を整えての旅立ちだった。ところが、小型トラックからこぼれ落ちたダンボール箱より、一冊の小冊子を持ち帰ったことで、正体不明の男たちに追われる羽目となった。それでも桐沢は、国道四号線をひた走っていく-------。自動車やオートバイによるロード・ノベルは数多くあれど、自転車ツーリングを扱った本格的な冒険サスペンスは、この風間一輝の「男たちは北へ」の他には、おそらくないだろう。長距離を走る男の、肉体の不安はもちろん、時々の雑念までが丹念に描かれている。だらだらと続く坂道、突然、降り出した雨、長距離トラックの運転手に、人気のある安くてうまくて、量もたっぷりな大衆食堂。旅の情景が鮮やかに浮かび上がってくるのだ。その一方で、謎の謀略が絡んでくる。自衛隊法務官の尾形三佐は、上官から緊急指令で呼び出された。極秘文書を持ち去った民間人の素性を洗えとの命令だった。尾形は、部下の藤井三尉へ極秘任務を指令する。こうして物語は、桐沢と尾形、それぞれの視点で交互に展開していく。道中で知り合った人たちと桐沢とのあたたかな交流が描かれるかと思えば、部下のいささかスラップスティックな追跡行や上官の俗悪ぶりに業を煮やす尾形の心情が語られていくのだ。その他、憎らしく思うような趣向が随所で凝らされており、気分爽快なラストシーンまで、一気読みの傑作だ。 >> 続きを読む
2019/02/06 by dreamer
自転車ハードボイルド。珍しい分類だと思うがストーリーもなかなか。
2011/02/22 by hirokoshi
【風間一輝】(カザマイッキ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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