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上橋菜穂子

著者情報
著者名:上橋菜穂子
うえはしなほこ
ウエハシナホコ
生年~没年:1962~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      獣の奏者(そうじゃ)
      カテゴリー:小説、物語
      5.1
      いいね! niwashi
      • 初読みの作家の方。一巻目は獣ノ医術師だった母親と別れ、理解ある人に拾われて紆余曲折を経て母親と同じ道を歩み始める話の流れ。正直、ルビ入りの特殊な読み方が多く、読むのに少し戸惑ったが、興味深く読むことができた。今後、エリンがどの様にして獣ノ医術師としての道を歩んでいくのか?。メインはその部分だと思うのでその点に注意しながら読んでいきたいと思う。 >> 続きを読む

        2016/07/17 by oniken0930

    • 他4人がレビュー登録、 26人が本棚登録しています
      精霊の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね! leopard niwashi nichiyobi
      • 導入部分からすっかり引き込まれてしまった。

        短槍使いの女用心棒バルサ。
        彼女が新ヨゴ皇国の皇子チャグムを助けたところから物語は始まる。

        物語はテンポよく進んでいるのに、
        主要人物の背景描写まで丁寧に描いてある。

        バルサはもちろん、チャグム、タンダ、トルガイにジグロ。
        シュガなど相対する側の人まで魅力的なのが不思議なのだ。
        もちろん、感じの悪い奴もいるにはいるのだけど。

        はじめは敵として見なされて追いつ追われつしていたのが、
        最後には一緒に焚き火を囲んでいたりするのだから憎めるはずもない。

        歴史というものは厄介なもので、捻じ曲げられ隠されて受け継がれていく。
        そんな実態は今の現実世界と似通ったものがあるような気がして、
        より身近に感じるのかもしれない。

        あとがきで著者が
        「バルサとチャグムの物語を十年以上にわたって書き継いでいくことになろうとは…」
        と書いてあるので、
        後のシリーズでもバルサやチャグムに出会えると思うと楽しみでならない。
        >> 続きを読む

        2016/09/06 by starryeyed

      • コメント 10件
    • 他4人がレビュー登録、 50人が本棚登録しています
      獣の奏者
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! niwashi
      • シリーズ完結編。エリンの最期が不憫かな。危機が迫る状況でなければ王獣や闘蛇の謎をもっともっと解き明かせたと思うのだが、その意思は息子のジェシやその子、末代まで伝わっていくのだろう。事情があり、一冊一冊の間を空けて読了したが、全4巻を一気に読んでいった方が良さが解る作品だなと思った。その点では途切れ途切れに読んだことを後悔している。まだ外伝が残っているが、次に読む機会があれば(機会を作ると思うが)一気に読んで良さを実感したいと思う。 >> 続きを読む

        2016/08/28 by oniken0930

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      闇の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね! niwashi
      • これはまた面白い作品を読むことができました。
        大人に人気というのも納得です。


        新ヨゴ皇国で過ごしてきた日々にしばし別れを告げたバルサは、
        生まれ故郷であるカンバルを目指す。

        前作「精霊の守り人」で語られてきたバルサの過去。
        父はどうして殺されたのか?
        なぜ故郷を追われねばならなかったのか?

        過去を知る人に話を聞くうちに思いもよらない事実が明らかになる。


        なんとも不思議な世界観なのに、
        世界のどこかにこんな国がありそうな気がしてくる。

        みずから青白く光るルイシャとか、
        月の美しい夜に現れるティティ・ラン。

        情景描写もものすごくキレイで、
        一つ一つ額縁に飾っておきたくなるくらい。

        本当にあっという間の読了で、
        この面白さがどうやったら伝わるだろう?って思うけど、
        これはやっぱりもう読まなきゃ分からないですよ!(笑)

        本当に充実した読書体験でした!
        >> 続きを読む

        2016/10/07 by starryeyed

    • 他2人がレビュー登録、 35人が本棚登録しています
      狐笛のかなた
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 綺麗な文章でした。
        小夜と野火のやりとりは素敵。
        狐を使役するための笛をはやくどうにかして!とハラハラした。 >> 続きを読む

        2014/02/22 by tenpuru

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      精霊の守り人
      カテゴリー:文学
      3.8
      いいね! decopon_8
      • 第二皇太子チャグムに宿った謎の生命を狙う異世界からの刺客。

        長編ファンタジーだけに、正直1巻だけを読んでもピンと来ない。

        守り人シリーズ、続く?旅人シリーズの全10巻に渡るファンタジーの幕開け。

        これで網羅しているのかは分からないが、各巻毎に別の文学賞を受賞しているという謎のシリーズ。

        ◆精霊の守り人
        野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞

        ◆闇の守り人
        日本児童文学者協会賞

        ◆夢の守り人
        路傍の石文学賞

        ◆神の守り人
        小学館児童出版文化賞

        読む前からハードルはかなり上がっていたのだが、長編ファンタジーは、キャラクターへの感情移入が完了するまでは、そこまで面白くは感じない印象が有るので、比較的フラットな状態で臨めたのではないかと思う。

        女性ながら槍術の使い手バルサ。
        偶然、第二皇太子であるチャグムを助けたことから、チャグムに宿った運命に寄り添って行く。

        体制側からの追手に加え、異世界からの追手にまで狙われる辺り、ハラハラさせてくれる上、バルサの仲間にも魅力的なキャラクラーが多く、今後に期待できる。

        ただ、残念ながら、やはり児童向けの物足りなさが有るのは否めないように思った。
        >> 続きを読む

        2013/03/26 by ice

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      精霊の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • あまりこうゆう作品は読まないが、話題なので読んでみた。
        いや面白かった。
        初めちょっとややこしそうかなと思ったが、どんどん引き込まれていき、後半一気に読んでしまった。
        こんなに面白いとは。
        >> 続きを読む

        2017/03/03 by Jun-Ya

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      闇の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • メチャクチャ面白かった!
        精霊のより、断然こっちが面白かった。
        こっちの方が大人向け
        かなりハマった。
        >> 続きを読む

        2017/03/03 by Jun-Ya

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      獣の奏者
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • シリーズの外伝に当たる短編集。読んでいて気になったのはエリンとイアルが結ばれる過程の話の「刹那」。エリンに魅かれながらも、自分の生い立ちから中々受け入れることができずに悩むイアルが印象的だった。本編ではこういう生々しい(言い方は悪いかもしれないが)人と人とのふれあいの描写という物があまり無かったので、読んでいて新鮮だった。感想がまとまりませんが、感想はこんなところです。 >> 続きを読む

        2016/09/01 by oniken0930

    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      狐笛のかなた
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! niwashi
      • 作者あとがきにある通り、この物語は上橋さんの心の底にある〈なつかしい場所〉の物語です。
        桜や梅の咲き誇る日本のような国が舞台となっております。
        時代設定はないそうですが、強いて言うなれば安土桃山〜江戸時代といった感じでしょうか。
        ある2つの国のいがみ合いとそれに巻き込まれる小夜、野火、小春丸。
        両国の間にある深い憎しみ合いを終わらせることはできるのか。

        守り人シリーズの延長として読み始めたのが失敗だったか。
        長編と短編を比べる事自体ナンセンスだが、やはり物足りない。
        ボリュームが劣るのは致し方ないと思うが、もう少し話の奥行きが欲しかった。
        呪いについての細かい描写、その代償や小夜の才能についてもう少し詰めて欲しい。
        ぽっと出に呪いと言われても、どこか荒唐無稽で薄っぺらく感じてしまう。
        (上橋さんの頭の中には細かい設定があったのかもしれないけど)

        今作は憎しみ合うことの虚しさを描いている分、人物同士の関係性はシンプルになっている。
        そのため、守り人のような緻密さはあまりない。
        守り人のような世界観を求めているなら、今作には物足りなさを感じるかもしれない。
        逆に言えば、人物の心情や関係性は丁寧かつ分かりやすいので、上橋菜穂子入門としてはオススメと言える。
        >> 続きを読む

        2015/09/23 by 旅する葦

    • 他1人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      夢の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! niwashi
      • いやー!この守り人シリーズは期待を裏切らない面白さです!!
        これが児童書なんて信じられないくらい。
        素敵なメッセージもいっぱい詰まってました。


        バルサが不思議な気配で目覚めた時、
        そこに現れたのは"木霊の想い人"と呼ばれる放浪の歌い手ユグノだった。

        ユグノの歌は素晴らしく、木霊たちと歌うことで長い寿命を得られるという。
        その不老長寿の恩恵を得ようと画策する"奴隷狩人"に追われていたところを、
        バルサが助けたのである。

        その一方で、ユグノの歌を聴いた者が眠ったまま目覚めないという話が出てきて…。

        トロガイの過去が明らかになり、
        タンダは姪のカヤを救うため一人で無茶をしてしまうが…。


        闇の守り人に出てきたチャグムやシュガ、タンダにトロガイという面々にも
        また出会うことができて嬉しかったし、
        先の読めない展開にハラハラドキドキしたのは久しぶりかも。

        途中で印象的だった言葉たち。

        「あんたは自分で思っているより、はるかに強い。
        死ぬ気なら……ほんとうにすべてを捨てる気なら、
        別の人生を生きられるだろうよ。」

        「…人はね、生きるのに理由を必要とする、ふしぎな生き物なんだよ。
        鳥も獣も虫も、生きていることを思い悩みはしないのにね。
        ときに、人は、悩んだすえに、自分を殺してしまうことさえある。」

        本当に不思議なものです。
        自分を殺すぐらいの気持ちがあれば、自分のいる世界を変えて、
        別の人生を生きてみる。そういう選択肢もあるんだってこと。

        だけど、その渦中にいる時はその世界しかなくて、
        そこから抜け出せないんだよね。

        でもそれを知ってるだけでも、少しは救いになるんじゃないかな。
        そんな風に思えた作品でした。

        さて、今回までの守り人シリーズから
        次は旅人シリーズへと繋がっていきます。
        どんな展開になるのか?!楽しみです(^^*
        >> 続きを読む

        2016/10/23 by starryeyed

    • 他1人がレビュー登録、 29人が本棚登録しています
      天と地の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね! niwashi
      • もったいなくて大事に読んでいたシリーズを、ついに読み終えてしまいました。

        虚空の旅人から目覚ましかったチャグムの成長ですが、今回は彼の変化が悲しくもありました。

        チャグムって、バルサと旅していた経緯から宮廷の慣習から外れたようなことを考えたりやったりするけれど、やはり神の子として育てられてきた清らかさも持ち合わせていたように思います。
        そんな子が軍を率いて敵味方の屍の中を踏み歩き、自らも剣を振るわなければいけなかった。血の匂いを漂わせて大将の威厳さえ身につけてしまった。
        もうあの無垢な少年はいなくなったという喪失感に襲われました。
        皇族を神の血筋と思っている帝や側近たちの目に、その姿が化け物のように映ってしまうのもわかる気がして哀れでした。
        それでも、なにかを背負って守るために、自分が変化することを覚悟している人の姿は美しいです。チャグムの生きざまが悲しくも震えるほどかっこいい。
        これからのチャグムをもっともっと見ていたかった。


        チャグムへの想いが強すぎて、バルサのことを考えるのがそっちのけでした。
        次に読み返すときはもう少しバルサに寄り添ってみたいですね。
        >> 続きを読む

        2015/12/21 by TNSY

      • コメント 1件
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      闇の守り人
      カテゴリー:文学
      4.7
      いいね!
      • よかった。感動した!

        読むうちにぐんぐん引き込まれ、最後には胸が熱くなり涙が・・

        1作目は、
        100年に一度卵を産む精霊〈水の守り手ニュンガ・ロ・イム〉に卵を産みつけられたチャグム?・・・
        と、精霊?体に卵を?怪物?と、やや理解しにくい所も正直あったのだが、

        今回は、山の底の世界も山の王も、ルイシャ(青光石)も、闇の守り人も、
        登場するいろんなものが私の中で現実の世界とリンクした。 (慣れただけ?)

        ユグロの愚かさ・・・宝を自分の自由にしようとする欲、権力欲、??欲、・・とにかく欲。と傲り。
        優れた兄ジグロに対する嫉妬や妬み、逆恨み、怒り。

        ジグロとバルサの中にある自分の今までの人生に対する怒り
        とそれを乗り越えようとする思い。
        ふたりの絆。

        まっすぐなカッサ・・・

        読む前は、こんなに登場人物がいて理解できるのかと思ったけど、
        それぞれのキャラがしっかりしていてまったく平気だった。(たまに人物紹介をチラ見したけど・・;)




        これは次もかなり期待できる。
        >> 続きを読む

        2013/01/10 by バカボン

      • コメント 2件
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      夢の守り人
      カテゴリー:文学
      4.7
      いいね!
      • いやあ、深いねえ~~~~~~。

        児童書なんだけど、これ、子どもたち、読み取れるのかな? 読み取ってほしい!!!



        夢・・・ 現実ではない過去の思い出、幸せだった感覚に囚われるな。
        現実に不満を抱くものほど、そしてそれを受け入れられず、人にせいにしたり羨んだりするものほど、
        自分で道をつくっていこうという意志の弱いものほど囚われやすいものだ。

        過去はもうないのです。過去にはもどれないのです。未来は分からない。でも、これから作っていける。
        今をしっかり生きていけば・・・

        やさしすぎて人の感情にまきこまれるのも気をつけなければなりません。感情というものには気をつけなければいけません。冷静に、客観的であれ。



        「あんたは、自分で思っているより、はるかに強い。・・・死ぬ気なら・・・ほんとうにすべてをすてる気なら、別の人生を生きられるだろうよ。・・・あんたの知らないことが、まだまだいっぱいある」

        「組織というものは、一度かたちができると、また、そのなかで、みにくい争いがはじまるのです。そして、一度は風が吹き込むようになったはずの箱に、また、よどんだ気がたまりはじめるのですよ」

        「まつのはつらいわな。でも、できることをやるしかないだろう?・・・すぐに役にたたないものが、むだなものとはかぎらんよってね」

        「ここにいるのは自分を不幸だと思っている人たちだ。その不幸には、きっと二通りある。ひとつは不治の病にかかっているとか、・・・行き止まりにきている人たち。もうひとつは、別の人生もあるはずなのに、なぜ自分はこんなに不幸なのか、と、運命を呪っている人たち」

        「・・・絶望した魂に共鳴して、どうする!相手をあわれに思うなら、力のかぎりすくう努力をせんかい!・・」

        『夢を見ずにはいられない人の痛み』
        「もしっていうのは、苦しくなったときにみる夢だよ。目ざめてみれば、もとの自分がいるだけさ」


        後半はハラハラドキドキ。

        メッセージがいっぱいつまった作品です。

        〈守り人〉三部作。よかった。
        >> 続きを読む

        2013/01/18 by バカボン

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      虚空の旅人
      カテゴリー:文学
      4.7
      いいね!
      • 今回はチャグムの話。バルサはチャグムの思い出の中にだけ出てきます。

        前半は舞台背景、布石なのでゆっくり理解しながら読みます。
        そして、後半は、チャグム、シュガ、サルーナ王女たちに目が離せなくなります。

        それにしても、チャグムはいい皇太子に成長したね。

        国を守るとは?人を道具としてみることのできるカリーナ王女・・

        「はるかな世界。・・・人の世は、そんな壮大なめぐりをを感じることもなく、人を動かしのみこんでいく。
        陰謀をめぐらし、戦をおこし・・・小さな人の命など、みすててもしかたのないこと、と思わせててしまう。
        (人はなぜ・・・・・こんなふうにしか生きられないのだろう。)」

        「人とは、ふしぎな生き物だと思ったのだ。自分をはぐくんでくれる世界が、どんなふうにめぐっているのかに、まるで無関心だ。もっぱら頭にあるのは、こういう・・・人と人のかかわりや、国と国とのかけひきだ」

        「国のために生きよ、という。それがなにより大事なことだと。・・・ほんとうにそれでいいのだろうか?」
        チャグムは自分自身に問う。国のため?一人ひとりの命の方が重いのでは?

        「わたしは殿下に誓いましたから。陰謀を知りながら、だれかを見殺しにするようなことは、けっしてさせぬと。・・・・
        清い、輝く魂を身に秘めたままで、まつりごとをおこなえる方がいることを、わたしは信じます。」
        シュガさん、私も信じます。

        「いつか、新ヨゴ皇国を、兵士が駒のように死なない国に・・・・・わたしが、うす布などかぶらずに、民とむきあえる国にしたいと思う」
        そうだ、チャグム。あなたなら、きっとできるよ!

        アルジェリア事件。テロをつぶす為に犠牲になった人たちがいる事実・・・ 
        何とかならなかったのかなあ。
        >> 続きを読む

        2013/01/24 by バカボン

      • コメント 3件
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      神の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • どうしても現実(今の日本や世界)とリンクさせて読んでしまう。


        バルサやタンダの、冷静さ、人間の可能性を最後まで信じてあきらめない姿勢、大きくて広い心、やさしさ。


        「ここに集まっている者は、南部・北部という区別よりも、まず、ロタ王国の臣民ではないのか?」
        「ならば、なによりも、国を安定させることを第一に考えるがよい・・・・・富をもつ者に、より多くの権力を与えることに、どんな平等があろうか」
        というロタ国王ヨーサムと王弟イーハンの賢さ。視野の広さ。冷静さ。公正さ。

        累進課税?に反対する豊かな南部に住む者たち。北部の老人もかたくなに「穢れた」羊をふやすことに反対する。
        「おのれの欲望、権力、かたくなな偏見、身勝手さをむきだしにして、はてしなく議論を続ける男たち」と嘆くイーハン。

        「惨殺されてしまった者たちの命はかえらぬが・・・」「もう二度とこんなことをおこしてはならぬ」「われらロタ王族は記憶を風化させてしまったわけだ。政と財政だけに全身全霊を注ぐうちに・・・」「これからも、かくじつに子孫に伝えなければな」

        「タルのような異族が不幸であることは、かならず、国をゆるがす。彼らを、幸福にせねばならぬと、わたしも思っている。・・・・・・糸を片方にゆらしてはならぬ・・・」


        そして「カミサマ」・・・。アスラにとって「カミサマ」とは? アスラは解放されるのか?

        アスラをつれたバルサは、彼女を救うことができるのか。


        ドキドキの「帰還編」に続く。
        >> 続きを読む

        2013/02/13 by バカボン

      • コメント 4件
    • 6人が本棚登録しています
      神の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 「よい人をすくってくれて、悪人を罰してくれる神には、まだ一度もあったことがない。悪人を裁いていくれるような神がいるなら、この世に、これほど不幸があるはずがない。」

        「命あるものを、好き勝手に殺せる神になることが、幸せだとは、わたしには思えないよ。・・・・そんな神が、この世を幸せにするとも、思えない。」

        「そんな力をもてば、どんな人間でも、かならず、独善的な暴君になるだけだ」

        「たしかに、この世には、残酷な人がたくさんいる。そいつらに殺されそうになっている人を見たら、なんとかして、たすけたいと思う。・・・そうできる力があったら、と思う。だけど・・・。むりだよ。人を自由に殺せるような、神の力をもつなんて・・・・どんな心の清い、つよい人だって重すぎると、おれは思う。・・・そんな力で、人を幸せにすることなんて、きっとできないよ。」



        人の心の弱い部分(不満、怒り、神や権力に頼りたくなる心)を利用して、アスラの力(恐ろしい神の力)を手に入れ、国を自分の思うようにしようとしたシハナ。ほんとうに巧みで、これでは騙されても仕方ないかも。いや、シハナ自身、神の力さえあればなんでもできる、それがみんなの為になると信じていたのだ。


        でも、人を殺すことはこれ以上ない不幸。どちらにとっても。
        人を不幸にすることで、自分が幸せになることは絶対にない。

        「人を傷つけるということーー人を殺すということ。その意味を実感したときには、もう、なにもかも手おくれなのだ。後悔もなにも、役に立たない。苦悩は一生魂につきまとい、消えることはない。
        ・・・・・人に槍をむけたとき、おまえは、自分の魂にも槍をむけているのだ。」


        そして神も権力。権力、力では幸せにはなれないのだ。


        「この子は、どちらかというと、おくびょうで、こわがりだったよね。それなのに、おそろしい神の力をつかえるようになって、憎しみを思うぞんぶんたたきつける快感を知っても、人を殺すまいと思った。それよりは、神をわが身に封じようとした。・・・そんなこと、わたしにはとてもできないよ。 この子が生きてはいけないなら、わたしなんぞ、とうに死んでなきゃならない。

        だけど、わたしの生き死にを、人にどうこういわせる気はないね。

        アスラが目ざめるかどうかは、アスラが決めることだよ。」


        アスラの魂は帰ってきているのだ。


        「神」の来訪編と、「魂」の帰還編。よかった!
        >> 続きを読む

        2013/02/14 by バカボン

      • コメント 3件
    • 6人が本棚登録しています
      蒼路の旅人
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • ああ、次が気になる。チャグムはどうなるんだろう。新ヨゴ皇国はどうなるのだろう。

        き、気になる!!! また、次借りなきゃ!!!

        それにしても、チャグムは立派な皇太子に成長したものだ。かっこよすぎる。

        隣国がたがいにささえあう友になり助け合ってタルシュ帝国の侵略を防ごうというチャグムに、帝は他者の助けをこうような「ぶざまなこと」は決してしない、と言う。
        「帝の言葉は天の神の言葉。まえの考えはまちがっていたとはけっしていえない。」
        頭の固い権力者の父。父から疎まれるチャグム。それでも、そういう中で自分にできることを精一杯やる。

        父である帝には愛されず、罠と知りながらサンガルへと出港することになったチャグム。
        罠に落ちても、タルシュ帝国から新ヨゴ皇国の民を守る決意はゆるがない。
        まだ15才なのに、一人でみんなの命を救うために全力をだす。決してあきらめない。



        >(それでも、殺したくない。) 父も、兵士たちも、だれも・・・・・殺したくない。死なせたくない。

        自分は、ろくに武力ももたぬ北の小国の皇太子だ。たしかに、皇子同士としての力は、ラウル王子に遠く及ばない。
        (だけど・・・・・。)
        人の力は、そんなものだけではきまらないはずだ。
        国ももたず、山に伏せ、野を旅していても、だれに屈することもなく、おのれの力ひとつを信じて、顔をあげていられる人だっているのだ。
        皇太子の衣の下にある、すっぱだかの自分よ、つよくあれ
        強大な者の前に引きだされ、民をすくうために膝を折ることになったとしても、心の芯だけは、けっして折るまい。



        がんばれチャグム! 
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        2013/02/25 by バカボン

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      天と地の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
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      • バルサさん、かっこいいねえ。無敵の強さ。何があっても、きっと大丈夫・・・と安心して読んでられる。

        「蒼路の旅人」で、タルシュ帝国からの侵略を防ぐため、ロタとカンバルの二つの国と同盟を結んでもらおうと、ひとり海に飛び込みロタ王国をめざしたチャグム。新ヨゴの帝には皇太子は死んだと伝えられ葬儀も行われた。しかしチャグムが生きていることは密偵などによって知られ、あっちからもこっちからも狙われる。

        チャグムの身を案じ、バルサもロタ王国へ。バルサ、早くチャグムに追いついて・・・!

        二派にわかれて敵対しているタルシュの密偵たち。ロタ南部の大領主たち。ロタが舞台の「神の守り人」や「蒼路の旅人」で登場した人物が出てきたり、敵の中に味方がいたり、話も繋がってて、ますます複雑でスケールの大きな話になっている。

        「ここは、天上の理のままに地上に生じた、玉のごとき、清き国ぞ。・・・・わたしは、わが親なる天ノ神を心から信じておる。・・・天ノ神は、かならずやわれらをおすくいくださる。・・・・そなたらは、死がおそろしいか。天ノ神を信じて、最後の一兵までたたかうのはいやか。おのれの命をおしんで、穢れた強慾な者の前にひざまずき、そなたらのうまれそだったこの国をーかけがえのない、この国を、かれらの穢れた手にさしだすか」
        という帝。こうやって権力者は自分の信じるもの、(これが彼の正義)を押しつけてしまう。民の命より、国のかたちの方が大事なんだなあ。

        しかし帝の側近である星読博士シュガは
        (聖なるものは、ここにあるーここと、この世のすべてに)と思っている。神ではなく、この世の現実が大事なのだと。帝の身内にも
        「天の神は、この世をみておられる。・・・・ただ、みておられる。・・・・兄のように、最後には奇跡が起きてわれらがすくわれるなどというつごうのいいことは、信じておりません」
        という者もいる。

        新ヨゴは救われるのか?

        ロタ王国は?カンバル王国は?

        やっと、チャグムと出会えたバルサ。二人はカンバル王国をめざす。二人の運命は?

        「わたしがせおっているのは、重荷じゃなくて・・・・・夢だから。」
        「母や妹や、みんなをたすけたい。ーひとりでも多く・・・・・。新ヨゴをタルシュ帝国の枝国なんかにしたくない。ラウル王子になんぞ、負けたくない。ー民を、しあわせにしたい。」
        そうだ。民のしあわせが自分のしあわせ。夢に向かってがんばれチャグム。

        ドキドキの第2部へつづく・・・
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        2013/02/27 by バカボン

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      天と地の守り人
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 新ヨゴの宮殿から父に追われて、サンガル王国へ。サンガルからはるか南の大陸へ・・・。ロタでバルサに会うまで、チャグムはたったひとりで苦難を乗り越えてきた。

        カンバルへはバルサと一緒の旅ではあるが、チャグムの運命は簡単にはいかない。次から次へと困難が待ち受けている。バルサの体も傷だらけである。チャグムも傷を負う。でも「闇の守り人」での懐かしい人たちが力になってくれる。縁。人と人との結びつきの大切さ。

        それにしても、人生とは思うようにならないものだ。何とも苦しい選択の連続。でも、チャグムは「わずかでも可能性があるなら、それに賭けたい」と、前に前に力強く進んでいく。

        国と国の争い、国内の南部と北部(中央)との対立、兄弟で権力争い。思わく、かけひき。
        南からの侵略の脅威(戦の災い)だけでなく、ナユグ(異界)の変化がもたらす脅威(天の災い)。

        チャグム、イーハン、カンバル王など為政者としての思いだけでなく、星読博士、聖導師、密偵、カシャル、ユタ人、ロタ人、カンバル人の民、牧童、バルサ、タンダ、トロガイ・・・それぞれの立場の人間の思いがていねいに描かれている。みんなのしあわせのためにはどうすることが一番いいのか。どうしたらいいのか。


        バルサはチャグムに
        「あんたは自分をせめすぎる・・・なにもかもを背負える人なんて、この世にはいないし、だれも傷つけず、だれにとっても幸福な解決なんてものも、きっと、この世には、ありはしないんだよ」
        と言うが、チャグムは
        「・・・でも、おれは・・・・そういう解決を、したいんだ」
        と言う。何て、まっすぐ! 何て、清い。

        さらに一歩踏み出すチャグムにバルサは言う。
        「自分を殺そうとむかってくるやつを、身をまもるために殺したんだとしても、わたしは、自分が人殺しだってことを、わすれたくない。・・・
        人を殺した者は、らくになろうなんて思っちゃいけないと、わたしは思う。・・・・人をたすけるために、人を殺す矛盾は、いまもわたしをがんじがらめにしている。おなじ矛盾にむきあっているあんたに、らくになれる道なんて、しめせるはずがない」

        カンバル王の前でみせた「ホイ」。
        大人になったなあ・・・



        そして、いよいよ最終章。ラストが楽しみ!!
        >> 続きを読む

        2013/03/01 by バカボン

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【上橋菜穂子】(ウエハシナホコ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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