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別世界の出来事のような不思議さを感じる江國さんらしい文章、そしておしゃれな雰囲気。アルコール中毒の笑子、同性愛の睦月、その恋人紺。笑子と睦月はすべてを許し合って結婚したはずだったが・・・と、普通の結婚とは変わった夫婦のストーリー。正直、理解できませんでした。終始居心地の悪さががつきまとっていて、これでいいんだ、と絶句するようなラストでした。同性愛云々ではなく、恋人がいるのを許容して結婚生活を送るというのが理解できなかったんです。アル中と恋人ありって全く違うのに、「僕と笑子は似たもの夫婦だね」と平然と言ってしまえる睦月は、ひどく無神経だと思いました。睦月は優しいというより、何も考えていないだけなのでは。世間体を優先して結婚したのなら、世間体を貫くべきだと思うのです。笑子の親友に話したこと、そもそも昔の恋人引っ張り出して遊園地計画自体やってはいけないことでしょう。義理の両親に同性愛のことを黙って結婚したにも関わらず不用意すぎる。と、完全に睦月批判で読んでしまいました。彼がもう少ししっかりしていれば、いびつは夫婦ではあるけれど、そこにもっと純粋さを感じることができたのに、と思いました。 >> 続きを読む
2018/08/01 by あすか
タイトルに惹かれて読んだ。 どのストーリーの主人公も女性で、 どの女性も満たされてる想いとそうでない想いを抱えてて、 大恋愛に酔いつつも、それを冷静に見ている自分がいる。 過去の忘れられない想い出と、 現在の受け入れないといけない現実と、 途方もなく続く不安な未来。 それらといつも向き合いながら、 普通の幸せで満たす事が精一杯の人たちが、 何だか愛おしいと思えた。身近に感じる事ができた。 『私は思うのだけれど、注意深くするのは愚かなことだ。当然だ。 誰かを好きになったら注意など怠り、浮かれて、 永遠とか運命とか、その他ありとあらゆるこの世にないものを信じて、 さっさと同居でも結婚でも妊娠でもしてしまう方がいいのだろう。 かつて輝かしい恋をした。でもそれは、それだけのことだ。』(“手”より) この一文が、心じゃなく頭に残る。 そんな年齢になったんだと、なってしまったんだと苦笑い… >> 続きを読む
2019/01/28 by NOSE
『落下する夕方』(江國香織) <角川文庫> 読了です。江國香織の作品を読むと、薄っすらとこわさを感じるのは私だけでしょうか。世界の薄暗い面を見てしまっている気持ちがします。物語を語っていく主人公が、(私から見ると)世界のセカンドサイドの住民ですから。もう、冒頭から薄いおかしさがどんどん出てきます。そして、作品をよりこわいものにしているのは、世界のメインサイドの住民がところどころで顔を出すからです。リアリティがあるんですよね。久しぶりに江國作品を読んだので、しばらく読み進めてから「ああ、そうだ、こんな感じだった」と後悔してしまったのですが、ほかにはないこの感覚がだんだんクセになってくるんですよね。読み終わった今、薄っすらとしたこわさは残っていますし、読んだことの後悔もあるのですが、それでも手放せません。今年の「手元に残した本リスト」にきっと載ることでしょう。最初の江國作品は『きらきらひかる』でした。これは手放してしまったのですが、多分、また手に入れます。(江國香織の毒に犯されている感覚です)ところで、この『落下する夕方』には、作中に語られていない物語が隠されています。二箇所、その姿を現していますが、物語られていないので、まったく意味がわかりません。そこにどんな物語があったのか……。そういう謎が残されるところもこわいところなのです。 >> 続きを読む
2018/10/18 by IKUNO
読了しました。 冷静と情熱のあいだ ━ 女性目線からの rosso 。 私が男性だからなのか、この物語だけで 1冊の本とするには弱いと感じてしまいました。 著者の意図したところなのでしょうが、 ひどく怠惰で変化の少ない毎日が描かれていくため 読み続けるのに疲労を感じます。 物質的に恵まれ、溢れるほど愛情を注がれているのに、 心の奥底には熾火のように 昔の恋人への想いをひきずっている主人公。 それは上手に描けていると思います。 ひどく絵画的な印象を残す小説ですが、 そういった面でも個人的には blu の方が 成功していたように思います。 いずれにしても、1つの恋愛の物語を 女性目線、男性目線でそれぞれに描いてみせるという実験は 上手くいったと言ってよいと思います。 最後に読む順番についてですが、 1冊ずつ読むのならば blu ⇒ rosso 、 連載と同じように1章ごと交互に読むのならば rosso ⇒ blu がよいのではないかと思いました。 そこそこ楽しめたのですが、 ひとに薦めるかと問われると「微妙」というのが 正直な感想です。 >> 続きを読む
2018/11/27 by kengo
過去の愛する人を信じ続ける母がどこにも居場所を作らず、娘と二人で旅を続けていく物語。娘はそんな現状からだんだんと自分の道を歩もうとして、それでも母親が心配でたまらなくて。母親は愛する人との愛の結晶である娘がいなくなることで、生きてる意味を見出だせなくなる。娘がそばにいなくなることでようやく愛する人の存在に疑い始める。でももう戻れない。。孤独な物語でした。「ママの世界にずっと住んでいられなくて」と泣きながら娘が謝るシーンが特に。そして葉子と草子という名前がこの二人の親子関係をよく現していると感じました。 >> 続きを読む
2018/05/06 by ユート
“読者ログ”の中のレヴューに興味が湧いたので購入した本。まず、本屋では到底手にすることのない・・・・小説で、それもせつない愛を綴った本。どろどろした男女の関係、別れた旦那と男の子と一緒に三人で動物園で逢う。一見、微笑ましくみえる風景だが、心の底に流れる情念に息が詰まる思いである。10の短編集だが、愛する人と大切にする人は違うように愛さなければならない人と、大切にしなければならない人と同じではないように・・・。やはり、このての本は苦手です。“愛するのに、安全でも適切でもありません”と薄々感じていても・・・・その中に、足を浸けてしまう・・・水の心地良さと時がたてば冷えきるのもわかっていながら・・・。 >> 続きを読む
2013/07/27 by ごまめ
感性が合うのか心にすんなり入ってくるような短編ばかりでした。それぞれの女性に自分を投影して共鳴するような。もちろん全てに類似体験が有るわけではないですが、女性が根源的に持っている何かを揺さぶられているようでした。いろんな女性に読んで欲しいな。 >> 続きを読む
2012/07/05 by sayaka
恋愛不倫東京タワー人妻学生一切他の音がしない、話し声だけが聞こえる物語だった。物語を読んでいると頭の中にイメージがわいて勝手に環境の音がなっているのに対して、この物語りの環境がすべにおいて世界では二人きりの世界になっている気がした。もちろん他の人物もいたが、二人で会う時や一人称の時でさえも、とても静かな印象をうけた。 >> 続きを読む
2016/04/10 by -water-
東京にあるブックカフェにて読みました。くまのお父さんを探しに出かけます。少し悲しい出来事が起きます。もし機会があれば、手元においておきたいと思います。 >> 続きを読む
2014/08/11 by おれんじ
日本に住むアメリカ人大学講師と人妻との恋愛小説。性的描写がない(出ても性交という言葉まで)のでほとんど純愛と言っていいほどのものだった。 >> 続きを読む
2017/04/29 by konil
松尾たいこさんの絵を見て、江國香織さんが感じたまま文章にする。どちらかというと、江國さんの感性に感心。例えば、南国的な女性の絵に、「チンパンジーの飼育係になりたい、と言ってケニアに旅立って行った女を、牛乳をのみながら僕は見送った。」の文章、なぜケニアまで飛んじゃうの、凄い。コスモスの様な野草の絵に、「なんの音もしない場所で、手をひかれて立ったまま、かちゃかちゃと歯にぶつけていたドロップの記憶」まるで、短歌のようですな、風景やものを見てそれを歌に、そこからはみ出て感じるものを文章に・・・・・文筆家って、文章の前に、物事に対する感性が鋭どくなければならないのですな。 >> 続きを読む
2015/09/12 by ごまめ
「泳ぐのに・・・・」「泣く大人」に続いての江國香織さんの本。江國さんの本、後、二冊机の上にあるので、8月中には読んでしまおうと。5月から読みはじめた向田邦子さんも3冊程控えている。他の本を挟みながらの読書だけに、この夏には終わらしたいお二人である。さて、この本「とるにたらないもの」・・・・、でも、欠かせなくて、気になり、愛しくて、忘れられないもの。“輪ゴム”“愛称”“食器棚”“黄色”“下敷き”“ヨーグルト”“フレンチトースト”“書斎の匂い”“まめご”“ナイフ”“塩”“砂糖”“大笑い”など、60に渡ってこだわりを披露。私にとっての“とるにたらないもの”とは、朝まで手つかずなのに、寝る際に枕元に置く“コーヒ”使わずしていつも干からびてしまうカートリッジ式の“万年筆”お気に入りの本屋の“カバー”飲む量にあわせてのいくつもの大きさの違う“マグカップ”今二代目の通勤に使っている“リュクサック”喧嘩したあとの翌日の“おはよう”1週間に一度は食べたくなる“カレー”朝用、昼用、夜用、なぜか分けている“CD”落語家さんの“髪型”読み終わった順に並べてある“本棚”この頃気になる“赤色”ヨーグルトに入れる“フルーツ”自ら買って帰らないと食べれない“レーズントースト”廃版で買占めたが今年いっぱいしかもたない“zebraのantique HYPER JELL“こうして考えていくと、自分自身のちょっとしたこだわりは、ほかのひと、すぐそばに居てる嫁さんでさえ、どうでもよい、“とるにたらないもの”ばかり。ここは男は黙って、ビールでも飲もう・・・でおます。 >> 続きを読む
2013/08/14 by ごまめ
結婚して、2年~3年までの間に書かれたエッセイです。何気ない生活の一コマですが、江國さんが書くとなんかオシャレ。私の日常生活も作家さんが書くとおもしろくなるのかな。客観的に読んでみたいです。私たち夫婦も、結婚生活3年です。共感できるところがたくさんありそうだ♪と思いながら手に取りました。・・・が。いやー、江國さん激しい方だわっ( ;´Д`)感情豊かにややこしく考えてるから、作家になれるのでしょうか、1冊分のエッセイがまとまるのでしょうか。うちは本当に穏やかな毎日を送っているな、と改めて思いました。あぁ、でもそれは旦那が怒らないからか。出来た旦那だと思います…―彼は結婚指輪を「呪縛」と呼んでいる。―いつも週末だったら、私達はまちがいなく木端微塵だ。この本は江國さんと旦那さんの結婚生活を垣間見ているようで、少しドキッとします。結婚に夢も希望もなくなるようなエピソードが続きますが、結婚生活っていいものですよー!と声を大にして言いたいです。・・・とりあえず今は(・_・;) >> 続きを読む
2015/07/27 by あすか
江國香織の家族小説の集大成とも呼べる「抱擁、あるいはライスには塩を」を読了。美術館のように厳かな大正モダン建築に住む、柳島家三世代にわたる長大な物語で、ロシア人である祖母の存在、子供を学校に通わせない教育方針、叔父や叔母まで同居する環境、さらに四人の子供のうち、二人が父か母が違うという超複雑な事情----もうそれだけで、なにやら芳しい魅力に満ち溢れている。けれど、この物語が白眉たる所以は、章ごとに時間軸も語り手も、ばらばらに入れ替わっていく点だ。例えば、冒頭の章で、柳島家の子供たちの気高い心に、読みながら心の中で喝采を送ったかと思えば、次の章では柳島家に、人生を滅茶苦茶にされかけている女性の悔しさに寄り添って、目頭を熱くさせられるのだ。家族という、排他的で異質な世界がもたらす幸福と不幸、安心と混乱を両面から提示し、さらに希望と絶望まで、同時に描き切る圧巻のストーリーテリング。言うまでもなく、これらの物語の強度を支えているのは、著者・江國香織の比類なき描写力だ。それは純粋に言葉の力であり、文章そのものが持ち得る力なのだ。 >> 続きを読む
2020/02/13 by dreamer
何かが起こりそうで結局元の日常に戻ってく、冴えない兄弟の物語。父性愛が働くのか、好きにはなれんが愛着のわく兄弟でした。 >> 続きを読む
2017/08/28 by hiro2
すごく読みやすい。今まで読んだのは独特な個性を持つ女性が主人公のものばかりだったから男性なのは始めて。親からすると理想的な息子たちなんだろうけど30過ぎた男なら気持ち悪い。世の中でこの兄弟の家だけが浮いてる感じ。夫婦ならいいんだろうけど。ださいとか不器用で悩むのはせいぜい10代くらいまで。そこで自分にブレーキかけてどうする?とイライラしつつ楽しめた(笑) >> 続きを読む
2018/05/15 by miko
私は果歩にとっての静枝のような(静枝にとっての果歩のような)幼なじみの親友もいないし、ずっと心に住み続けてる昔の恋人もいないし、(遠距離の彼氏とセフレはいても)遠距離不倫の相手もいないけれど、2人やまわりの人が抱えた不安とかキモチのゆらぎみたいなものは共感できる。案外みんなおんなじようなことを考えて生きてるんじゃないかな? >> 続きを読む
2014/01/17 by 匿名
「記憶は断片的だがはっきりしていて生々しい。たとえば父の晩酌用の枝豆や空豆の、冴えた緑、やわらかな緑。汗をかいたビール瓶のちゃいろ」 この12の短編のすべて語り手は、小学生の少女です。年代的にはほとんど同じということもあるのでしょうが、昭和の小学生たち、毎回、同じ主人公ではないのに、この短い物語にでてくる12人の少女がまるで自分のように思えるのです。 それは江國さんのその紡ぎ出す世界が、もう誰にも真似できないような技で記憶のワンシーンを見事に切り取って、ないでみせるからだと思うのです。 すいかの匂い、といわれて、ほのかな、水っぽいような、草のような匂い・・・そういったほのかな匂いだけでなく、子供ならではの周りの大人や他の子供へのほのかな匂いのような嫌悪感を描く。なんかいやだな・・・でも、逃げ出すほどでもなく、怒るほどでもなく、泣くようなことでもない。なんとなくいやだな・・・少女たちは、そんな嫌悪感を抱きながらも普通に生活して、大人になる。 大人には2種類あって、すぐに叱りつける「怖い大人」と、頭をなでたり、子供言葉で近寄ってくる「気持ちわるい大人」という文章に驚くと同時に、今、自分が大人になってどう子どもを見ているのか・・・まで、胸のうちを読まれたような気分になります。 子どもの頃の遊び。松の葉でひっぱりあう、おしろい花で落下傘を作る、いちごパックを2枚重ねてその間に色とりどりの布をはさんで、小物入れにする、紙せっけんを集める・・・人さらいが出るといううわさが立つ。 そういった子ども時代にしか見ていないようなことまで、江國さんはきっぱりとした、はっきりとしたそして難しい言葉を使わないで、目の前にさりげなく出してみせます。 江國さんの物語は、どれも不思議と物悲しいと同時に、心なつかしい。そんな雰囲気が、本のタイトルとなった「すいかの匂い」なのだと思います。 夏の物語が多いのも、やはり子ども時代、夏というのは、夏休みがあって、普段と違う生活という区切りがあって、夏の蝉、夏のすいか、夏の花、夏の海水浴やプール・・・そして夏は葬式が多いといったことまで、思い出させてくれます。その思い出すということは、楽しいとか、感動といったことではなく、静かに脳裏にもう二度と来ることのない夏休みが再びやってきたような、そんな気持になるのです。 >> 続きを読む
2018/05/28 by 夕暮れ
薄い本の中に、音楽、愛、いろんな素晴らしさがつまっている。
2017/03/15 by ふみえ
江國作品を読むのは二冊目。主人公の19歳の少年2人よりも彼らに恋をする女性2人に感情移入して読みすすめました。さっぱりとしたものではないですが、これはこれで青春小説なのだと思います。 >> 続きを読む
2015/04/21 by 燻製煮玉子
【江國香織】(エクニカオリ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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