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戸田裕之

著者情報
著者名:戸田裕之
とだひろゆき
トダヒロユキ
生年~没年:1954~

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      針の眼
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
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      • ヒトラーは、連合国軍がノルマンディに上陸するとみていた。
        しかし、英国に潜入したスパイたちから送られてきた情報によれば、連合国軍の上陸予定地はカレーだった。

        ヒトラーは、信頼するディ・ナーデル(針)の情報をひたすら待った。
        「針」と呼ばれるフェイバーは、戦前からロンドンでスパイ活動を行なっていた。しかも、単独で。

        「針」は、カレー上陸が連合国軍の偽装作戦であることを見破った。
        その証拠写真を持って、ヒトラーが待つドイツへ帰るつもりだった。

        しかし今、彼は英国陸軍情報部MI5から追われている。
        追う者と追われる者の必死の攻防、知恵比べ、騙し合い。

        アメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞を受賞した、ケン・フォレットの「針の眼」は、秋の夜長に愉しめる小説で、非常にうまく出来た、スパイ・スリラーの傑作だと思う。

        一説によると、ドイツのスパイは、1939年のクリスマスまでに全員検挙され、英国には当時一人も残っていなかったという。
        また、ドイツが連合国軍のカレー上陸というトリックに、疑念を抱いたことも事実だと言われている。

        そこで、著者のケン・フォレットは、「針」という冷酷にして優秀なスパイを、歴史的なノルマンディ上陸作戦に絡ませたのだ。
        「針の眼」は、その大芝居であって、それがものの見事に成功していると思う。

        もっとも、事実の上に築かれた壮大な虚構の世界は、この作品が初めてではない。
        ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」がそうであったし、フレデリック・フォーサイスの大ベストセラー小説「ジャッカルの日」もそうであった。

        読者が手に汗握りながら、現実と虚構の狭間で、騙されて喜ぶ小説なのだ。

        英国人のケン・フォレットが、「針の眼」を書いたのは、29歳の時だ。
        つまり、第二次世界大戦を全く知らない若者が、歴史的事実を随所に散りばめながら、「針」を初めとする様々な人物たちの、追いつ追われつのスパイ・スリラーを書いたのだ。

        ただ、少し気になったのは、追う側と追われる側が「ジャッカルの日」に似ていることで、特に「針」のキャラクターの造形は、ジャッカルにそっくりだという点だ。

        「針の眼」は、ドイツのスパイが全員、捕まったわけではなく、一人、それも不死身のスパイが、英国本土に残っていたという仮定から生まれた、途方もない小説だ。

        そして、出来上がった小説は、手に汗握る、ハラハラ、ドキドキの連続の、まさに波瀾万丈の物語なのだ。

        >> 続きを読む

        2020/06/22 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      魔女遊戯
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      • 留学生やドイツ人弁護士が出てくるので、アイスランドを対外的に説明しているみたいなのがおもしろかった。アイスランドに興味持てた。 >> 続きを読む

        2013/05/04 by 紫指導官

      • コメント 3件
    • 2人が本棚登録しています
      スノーマン
      4.0
      いいね!
      • 「スノーマン」上下

        友人のススメで、珍しいノルウェーのミステリ作家を見つけた。
        まずデビュー作の「ザ・バット」から「ネメシス」とこの「スノーマン」を読んだ。
        「バット」はハリー・ホーレ刑事シリーズの第一作。二年に一作のペースで発表している人気シリーズだそうだが、これは10作目。
        1作目、3作目、4作目と作品が翻訳されているが、シリーズなのに続けて出ていない。

        この作品でも同僚がなくなっているがそのあたりのいきさつは良く分からない。

        「スノーマン」を昨夜読み終わったので新鮮なうちにメモをしておこう。
        先に読んだものは忙しい時で一気に読むことが出来なかった。

        だがどの作品も最近読んだものの中では話の作りが重層になっていて、その分登場人物も多く、世相も反映され事件の解決までの、時間の流れもあきさせない構成だった。
        ノルウェーという国を理解する上で少しの手がかりを得ることも出来た。

        北欧のミステリは面白い。といっても人気作家全てに通じているとは全くいえないけれど、デンマークの「ユッシ・エーズラ・オールスン」の「特捜部Q] スウェーデンの「ヘニング・マンケル」「スティーグ・ラーソン」アイスランドのインドリダソンなど読み出すととまらない作家がいる。
        このジョー・ネスボも北欧つながりの話の中で紹介され、即本屋さんにいった。


        まずオスロの雪の日、女性が失踪した。雪だるまの首にその女性のスカーフがまかれていた。
        ハリー・ホーレは調べていくうちに、不審な失踪事件が多いことに気がつく。ベルゲン署から来たカトリーネ・ブラッドを相棒にして調べ始める。
        彼の元に、スノーマンという書名のある手紙が来た。
        失踪した女性の死体が次々に見つかり始め、連続殺人として捜査を始める。現場には雪だるまが置かれていた。

        ハリーはアルコール依存症の過去があり立ち直ろうとしている。殺人事件を解決するのに一人で捜査するのを好み、同僚ともあまり馴染まない。だが、過去に協力して事件を解決した仲間からは、内面の温かさから今でも親しまれて協力されることが多い。
        過去に分かれた女性がいてまだそれを引きずっている。息子からは慕われる典型的なヒーロー型の刑事で、憎めない。
        相棒のブラッドはややエキセントリックであり、彼女は謎が多く、ハリーは何か割り切れない気持ちを持っている。

        そして事件の謎はカトリーネ・ブラッドから解けていく。

        殺人方法は猟奇的で残酷、快楽殺人のようで何か深い意味も感じさせる。ハリーは核心に迫ったと思えば犯人の術中にはまり、わき道を探し続けていて、振り回される。彼女までも狙われ、自分も射程に入っているのに気がつく。

        犯人探しもありながら、殺された女性たちの生活も挿入され、それがじわじわと核心に近づいていく語り口は、非常に巧妙で面白い。

        前半は、事件の経緯や、現場の血なまぐさい描写でいささかリズム感にかけるが、一つの山を越えてからの犯人との対決のくだりは、一気に解決に向かい、読むスピードも上がる。

        じわじわとすすむ主人公の人生観なども加えたミステリではない、だが事件を捜査するというスリルと、作者任せではあるが謎解きの過程で浮かび上がってくる犯人の殺人動機が、手段の奇怪さに比べて人間的であり、ハリーの捨て身の捜査にも力が入る。


        出版作が全て翻訳されているわけではないのがちょっと淋しいが、人気作だけを読ませるのも出版業としては仕方がないことかも知れない。

        どれも1刷で重版されていないが、このミスで「アレックス」を煽って読まされたことを思えば、こちらは比べればさらによく出来た作品だと思う。
        >> 続きを読む

        2015/11/09 by 空耳よ

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      大聖堂-果てしなき世界
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • このシリーズいつも中の途中から結末が気になってしょうがなくなる。

        2014/01/21 by amo

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています

【戸田裕之】(トダヒロユキ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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