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映画化もされた有名作品ですね。 辻仁成さんと江國香織さんが同じ時系列の恋愛小説を 男目線、女目線と交互に月刊誌へ連載していったという ある意味 実験的な作品でもあります。 どうやって読んだらいいのか少し迷いましたが、 まずは自分が男なので男目線から読んでみました(単純 笑) 主人公(順正)は5年も前に別れた彼女(あおい)が 27歳になった今でも忘れられないでいて、 むしろ日々 彼女の存在が大きくなっていく・・・ そんな感情は分からないでもないですが、 ゆえに言動も何だか根無し草のように頼りなくフラフラしており そんな様子がイタリアの景色や絵画の描写とうまくマッチして きれいな映像のように伝わってくるのは上手いなぁと思いました。 そういった意味では、本作は 純文学とエンタメ小説の中間みたいな位置づけになるんでしょうかね。 まぁ、そんなことはどうでもいいのですが、 ラストはやっと主人公が少し前を向けた 希望を持ったエンディングになっていて良かったです。 次は赤(女性目線)をスタートしました。 読む順番がこれでよかったのか、 交互に読みすすめるべきだったのか、 次のレビューで感想を述べたいと思います。 >> 続きを読む
2018/10/27 by kengo
この小説は、タイトルに光とついているのですが、闇を描いています。 どうしようもない心の中の闇の中に飛び込んでいく勇気のある文章。主人公、斉藤は函館少年刑務所の刑務官。 斉藤は函館から出たことがありません。東京の刑務所から花井という男が送られてくる。 この花井という男は、斉藤が小学校の時、同級生で斉藤の事をいじめて、いじめていじめまくった少年。18年ぶりの再会。 斉藤は、小学校のいじめから抜け出したくて中学高校とラグビー部に入り、身体を鍛え、もう「誰からもいじめられない」という一種の陶酔状態だったのですが、花井の出現でその陶酔は、足元からすくわれてしまう。 花井はもしかしたら、政治家などに向いているのかもしれません。または、人を上手く扇動させるという意味では、リーダーの素質があります。 ただし、花井のリーダーシップは、おそらく革命といったものかもしれません。とことん悪の匂いを振りまきながらも、優等生を続ける花井の恐ろしさは、読んでいて、不気味で、戦慄が走るものがあります。 海というのがこの物語の背景です。それも人の命を奪う暗い海。花井と斉藤という人間の間にある暗い海峡。 子どもの頃からの劣等感は、虚勢をはって優越感に変えられたとしてもそれは砂州の上、砂の上のもろい歪んだ優越感。 そんな歪んだ優越感にすがらざるをえない一人の弱い人間をこの小説は突き放さず、かといって救いもしない。ただ、たんたんと「見せる」 映像で再現は難しい「ありえない光から生まれた闇」を見事に切り取っています。 確かに暗い話かもしれないけれど、光さすところに必ず影はある。幽霊やヴァンパイヤは影がない、といいます。影や闇があるからこそ生きた人間なのだ、とつくづく思う。斉藤も花井も、道は違っても影や闇を人知れず抱えて生きていく。 しかし、その影は表にはなかなかでない、その出た一瞬を切り取ったような小説。1997年芥川賞受賞作。 >> 続きを読む
2018/07/22 by 夕暮れ
今までに読んだことのない、なんというか、切なすぎる愛。バンコクという暑い異国の舞台が、よりこの短い愛を美しくしているのかも知れない。東垣内豊(ひがしがいとうゆたか)が主人公として描かれていて、ずっとこちらに自分の重きを置いていたのに、最後の最後には真中沓子(まなかとうこ)に感情移入。長い人生のたった4か月の出来事が、二人にとっての一生の支えになるような時間になってしまうなんて。理性とともに生きなくてはならないのは、こういったとき辛すぎる。 >> 続きを読む
2018/02/12 by taiaka45
話の流れ云々は人それぞれ意見があるかと思いますが香りって六感の中で感じるものなので恋愛の中でも影響力が大きいものだと、それがよく表現されている作品。シラフでは読みにくいですね。濃厚で官能的すぎて。少しずつ、口に含んでは飲み下していく、という作業が必要です。女性が読んだらきっと、香りの一滴を隠したくなると思います。私も、自分のイメージを表すような香水を探してみたくなりました。 >> 続きを読む
2012/04/22 by chika
辻仁成さんの「Blu」と江國香織さんの「Rosso」からなる作品。久々に読み返しました。こんな数年後の約束事もなんだか羨ましいなぁと感じました。やはり以前読んだときとは違う印象ですね。昔は順正とあおいの恋模様に涙を流しながら読んでいた気がするのですが、今は油彩画の修復士という仕事に興味津々。美術品の方に引き込まれました。この本を持ってイタリアに行きたくなる。Rossoはどうも見当たらなくて仕方なく古本を買ってきました。 >> 続きを読む
2015/02/26 by すもも
カイは笑うことも、泣くこともしない。普通の子ではなかった。幼稚園に入って間もなく、両親が目を離している隙に、群衆の谷間を潜り抜け、都市の回廊へと迷いこんで行った。そこでは、少年と少女の一団が、カイを待っていた。カイが突然叫ぶ。「ヘンシツシャを退治に行こう」カイを先頭に少年達は突き進んでいった。叙事詩的世界を描く、長編現代の神話。 >> 続きを読む
2013/12/12 by books
僕にはヒカルがいる。しかし、ヒカルは僕にしか見えない。 伝言ダイヤルで知り合ったサキ。でも、知っているのは彼女の声だけ。 あとは、冷たい視線と敵意にあふれた教室、崩壊寸前の家庭……。 行き場を見失い、都会のコンクリートジャングルを彷徨する孤独な少年の心の荒廃と自立への闘い、そして成長―――。 ブランク・ジェネレーションに捧げる新しい時代の青春文学。 第13回すばる文学賞受賞作。 >> 続きを読む
2013/12/09 by books
僕だけのヒーローはどこにいる?学校に、家庭に、伝言ダイヤルのむこうに。それとも都会のコンクリートジャングルに?転校を繰り返す僕にあるのは冷たい視線と敵意に満ちた教室。崩壊寸前の家庭。そんな僕を救ってくれるのは僕にしか見えないヒカルと共にヒーローを探すことと。その中で伝言ダイアルで知り合った少女・サキだけだった。ブランク・ジェネレーション(空白の世代)におくる新しい時代のビート文学。1989年・すばる文学賞受賞作。自分たちの世代では“ECHOES”の印象が強い著者なんですがいくつも作品を読んできて一番好きで、手元に残っているのは処女作のこの作品のみです。もう、何もかもが古く感じてしまいますが。伝言ダイアル・コンクリートジャングルって(笑)ただ、ここにある少年の衝動。その時代に産み出された、文字通りのイマジナリーフレンドであるヒカル。彼らの目に映る街の情景。過酷な現実を知りながらもラストでの彼の痛みを伴った成長のシーンは今でも忘れられません。できれば、若いうちに(遅くとも20代前半に)読んでもらいたい小説のひとつです。 >> 続きを読む
2013/07/13 by きみやす
作者曰く、「誰の心の中にも必ず一人はいるであろう、今はもう会うことのない異性へ送った長大なラブレター」 主人公の「僕」が元子という女性に出会った大学一年生から、元子が消えるまでの話。 とにかく、元子という女の印象が強すぎる。 男性的であり女性的であり、個性的。 一見するとただのわがまま。 こういう女が嫌いな男は多いだろう。 ちなみに私は、「僕」が苦手だった。自分の意見をしっかり持てと言いたくなる。しかし、この本を読んでいると自分が「僕」になり、元子と元子の周辺の人々と関わっていくうちに成長していくような気分になる。 それを世間では成長というのか分からないけれど。 新宿で女性を待ち続けるホームレスの一生も気になる。 お勧めの本です。 >> 続きを読む
2011/08/25 by Iris
青春エッセイは大抵どんな人のものも面白い。 みんな馬鹿だからね。 子供の頃って、もっと変な子達が多かった気がする。 原色で、ばらばらで、感情剥き出しで、自分勝手で、喧嘩も絶えないけれど、面白い。 歳をとると、本来の色の上に他の色を重ねて、自分を偽っていく。 その色で見られた方が都合がいいから。 さらに、他の人の色と混ざりあって、見分けがつかなくなっていく。 悪いことではない。 それが成長だと思う。 重ねた色を剥がしていけば、みんな子供の頃の鮮やかな色が出てくるはずだ。 たまに、ずっと原色な奴もいる。 そういう人には、出来ればこれからも同じ色でいて欲しい。 以上、この本の感想。 >> 続きを読む
耳の三部作の第一作目。 「音」をテーマに書かれた作品。 相性の違いはピッチ感の違い。 聞こえない音を聞こうとする男。 都会の鐘の音を聞き分けようとするように、フミの心の音を聞き分けてやれ。 聞こえたところでどうしようもなかっただろうけど、盗聴はよろしくない。 >> 続きを読む
基次郎と孤児の李理香の手紙のやりとりだけで構成されている。とてもピュア。ドラマにもなっていけど、本の方がずっとシンプルで感情移入ができる。愛情の深さに、泣ける・・・哀しくて幸せなお話。 >> 続きを読む
2012/11/18 by mahalo
女優の過去、フランスでの結婚生活。もしかして、実話と思ったら、元になってるみたいですね。男の目線で話が進み、次々と女性が出てくるのでちょっと苦手な話でした。刀に魅せられる部分や、刀の引っ越しは惹きつけられました。実話だと「刀」は何になるのかな‥‥‥ >> 続きを読む
2015/04/16 by chiiko
何年か前に買って読んで、そろそろ忘れたころなので新幹線の暇つぶしに…と持って出かけた。ずっと昔、わたしが大学生の頃にバイトしていたジャズバーのママが言っていた「生き別れた女には勝てるけど、死に別れた女には死ぬまで勝てない」という言葉を思い出した。(ママさんは本当にたくさんの本を読む人だったし、仕事柄たくさんの人の話を聞くので、きっとご自身の体験ではないと思うけど…)結局、平穏な幸せを手に入れることもできたはずなのに、そこからあえて逃げた3人。でも、それでも良いと思えるほど誰かを愛しているっていうのがドラマチックだな。なんとも切なく、深いため息とともに読了。 >> 続きを読む
2014/10/04 by lilli
海外旅行をほとんどしたことがなく、ヨーロッパに至っては、おとぎの国みたいなイメージを持っています。興味がないんじゃなくて、きっかけがないと言うか。それでも、本屋さんでこの本のタイトルを見た時に、あぁこんな感じで誘ってくれる人がいたら、自分みたいな感覚の女性だったら、ふらっとついて行っちゃうかもな。と思って本棚登録していました。何となく本棚を眺めていたら、この本と再会。なんだか少し気になって調べてみたところ、辻仁成さんって、中山美穂の旦那さんみたいですね。だから何というわけではないのですが、なんとなく文章が書きたくなったので。きっとこの本、いつか読むことになるんじゃないかな。 >> 続きを読む
2012/11/02 by カカオ
女装に目ざめる(?)という自分探し!う~ん。失礼を承知で言わしてもらうと、この手の腐女子に人気の分野だろうなと思った。ただ、少年から青年へとなり、社会へ出る前の不安定な時期の"自分探し"とみるとなかなか一概に色眼鏡でみるところではないなと思った。 >> 続きを読む
2018/07/28 by motti
未婚の時に読み、ドキドキしました。今読んだら、妻の側で読んでしまうかもしれませんが、当時は大人の濃厚な恋愛だと、感じました。○映画で印象的なシーンカヌーに乗ってるところ砂浜を車に乗ってるところラストでガラスに映る顔 >> 続きを読む
とても心が温まるお話でした。始めは少年の孤独さが読んでいて辛かったのですが、少年が少しずつ過去のトラウマと向き合いながら強く成長していくところが良かったです。3人の男たちは正直絶対ヤバイ人たちだ!と思って何かまた少年が傷ついてしまうのではないかと少しヒヤヒヤしたりもしましたが、そんな裏切りもなく本当にいい人たちで安心しました。他人はあくまで他人なんじゃないかと思っていたのですが、そんなの関係なく信頼できるつながりを作れることがうらやましいな、と思ってしまいました。 >> 続きを読む
2015/04/02 by domy
【辻仁成】(ツジヒトナリ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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