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池上俊一

著者情報
著者名:池上俊一
いけがみしゅんいち
イケガミシュンイチ
生年~没年:1956~

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      旅する人びと
      4.0
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      •  中世ヨーロッパに興味があり、ある程度真面目に知りたいと思っている人の知識欲を満たすシリーズの1冊である。
         中世において「移動」と言えば巡礼と十字軍が思い浮かぶ。それらについては第二章:祈りと贖罪の旅でもちろん述べられている。その他にも、中世世界ではそもそも宮廷が移動するものであったこと(第五章)、また、説教師(第四章)や商人(第三章)など都市を起点に移動しながら生活する人々が多数存在していたことがわかりやすく説明されている。さらに、中世の女性たるものとその移動(第六章)など従来の歴史学からあまり注目されていなかったような観点(近年はむしろ注目が集まっているともいえるが)も欠かさず述べている点が評価できる。

         現代に比べれば、移動することは困難を伴う危険なものである場合が多かった。だからこそ、そこにはより深い意味が伴われ得たのかもしれない。
         巡礼を行おうとする心性はわれわれでもなんとなく理解できる部分があるようにも思えてしまうが、中世世界を理解するためには、中世に生きた人々にとって「移動」とは想像以上の意味と価値を、意識的にせよ無意識的にせよ有しており発揮したものだったことを、もう一度自覚すべきだと感じた。


         中世ヨーロッパの中でも、12・13世紀以降という、盛期中世以降に焦点を搾れば、都市世界というのは非常に重要である。そして、そのような都市世界で活躍した人々、さらには都市から都市へと縦横無尽に移動した人々たる巡歴説教師と商人は、その後の歴史的展開を見る上で大事な研究対象であるとあらためて思った。
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        2017/05/20 by 理子*

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