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堀茂樹

著者情報
著者名:堀茂樹
ほりしげき
ホリシゲキ
生年~没年:1952~

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このランキングは1日1回更新されます。
      悪童日記
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! karamomo Fragment asuka2819 Shizu
      • すごいな…としか言えない←語彙力TT
        ああいう結末になったのは、なぜなのだろう。
        編も気になる。
        映画も観てみたい。
        >> 続きを読む

        2017/11/25 by pink-tink

      • コメント 2件
    • 他14人がレビュー登録、 30人が本棚登録しています
      ふたりの証拠
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! asuka2819
      • 「死ぬほど辛い孤独の中で生き」ているリュカとクラウスの物語。
        読者をわなにかける。ミステリーにも似ただましの構造を持つ小説だった。
        第一部とされる「悪童日記」のエンディングの直後から物語は始まる。まるっきり続きのように。
        しかし小説のスタイルは全く異なっている。
        62章のタイトル付きのエピソードから成る一人称複数(Nous)が語る「悪童日記」と異なり、全8章+エピローグからなる3人称小説だ。
        そして双子をはじめ、登場人物に名前がついている。
        この国に残った双子の片割れはリュカ(LUCAS)。去って行ったのはクラウス(CLAUS)だそうだ。
        (アナグラムである。まずここで冗談かと思う)
        本屋にも女中にもみんなに名前がある。あのおばあちゃんでさえ、最後にマリア・Zという名前が明かされる。神父さま以外は…。いや、Monsieur le cure(司祭さん)からmon pere(神父さん)へと呼び名が変わっている。神父もリュカを「おまえ(Tu)」と呼び始める。ということはそれまではあなた(Vous)で呼びかけていたということになる。(「悪童物語」の日本語訳はおまえたちでしたが)そしてリュカも「そのほうがぼくもうれしいですよ」と親しみを打ち明けるのだ。
        「悪童日記」から双子を親しく知る司祭だけが名前を与えられない代わりに「父」(ペールは本来父を指す言葉だ)の座を与えられたということだ。
        神父とリュカの心の交流がこの物語の最高で唯一のまともな小説らしい部分だ
        「ぼくに感謝なんかしないでください。ぼくの内には、どんな愛も、どんな思いやりもありはしないんです。」
        「それはおまえの思いこみだよ、リュカ。私はその反対のことを確信しているよ。おまえは、かつて心に受けた傷がまだ癒されていないだけなんだ」
        「おまえは情熱的で苦悩しやすい性格だけに、重大な結果を招くところまで、引き返すことのできない旧知まで突っ走りかねない…。しかし私は希望を失いはしない」
        …にも関わらず神父さんは中盤で退場させられてしまう。
        国境の町でのリュカの日々の暮らしぶり、恋愛模様が描かれ一見普通の小説になったかのように、前作のファンはちょっと裏切られたようにさえ感じるかもしれないが、実際には「悪童物語」よりも人物たちのリアリティは薄い。そして神父の不在はそれに追い打ちをかけるものとなる。

        年齢が詳しく語られているのも前作との違いだ。
        この物語の冒頭でリュカは15歳、この町に来たのは6年前、9歳の時。
        16歳の時にヤスミーヌ(18歳)とマティアス(0歳)に出逢い、アニェスと再会したのは9年後なので24歳、マティアスは7年と4カ月生きた。そしてリュカ30歳の時に失踪。
        クラウスが帰ってきたのは50歳。
        誕生日も秋から年内までの間と推定される。けれどそれがわざとらしいというか…。

        近親相姦によって産まれた不具の子どもマティアスとはクラウスの子供時代の象徴であろう。
        1歳になるかならないかで7~8歳並みの知力を持ち、嫉妬や皮肉に歪んた心を持ち精神障害的言動を繰り返す。孤独な上に心を愛憎に引き裂かれた悲しい少年として存在する。
        そしてリュカはマティアスを心の拠り所として偏愛する。不自然な程に。

        違和感は他にもある。
        そもそも冒頭で「父」の死体を確認するところからおかしい。
        国境警備兵も地元民も司祭も、誰も双子の片割れの失踪に「気づかない」異様さ。
        リュカは「さて、これからどうしようか?」「以前と同じようにする…。」
        と一人二役の独り言をつぶやくだけ。
        そして国境の外に去ったクラウスの外国での暮らしは全く語られないまま連絡も無く物語は進む。
        双子なんて初めからいなかったのだろう。という疑惑はペテールの言葉でほぼ確実となった…かと思いきや…?!
        最終章に突如登場する「本物のクラウス」とは誰なのか?
        そしてリュカの消滅。

        もはや物語にあったはずの透明感は消え失せ、茫洋とした姿へと変容していることに気づくだろう。

        「メタ・フィクション」の酩酊感を味わわせてくれるなんとも驚きの結末。
        (小説内でフィクションをフィクションであると暴くスタイルをメタ・フィクションと呼びます)
        そして読者はその続きを真相を求めて第3部を読まずにいられなくなる。

        「真実」は何?

        そんな読者の問いかけに、作者の含み笑いが聞こえてきそうだ。
        >> 続きを読む

        2017/03/02 by 月うさぎ

      • コメント 6件
    • 他9人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      第三の嘘
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! karamomo asuka2819
      • 国境を越えたリュカはクラウス(CLAUS)になった。
        「第3の嘘」は「私」を使った一人称小説に変っていた
        「悪童日記」と「ふたりの証拠」、それぞれの続きが交互に同時進行的に語られる第一部はクラウスが語る、亡命後の物語。
        4月22日、40年の不在ののち、私は子供の頃の思い出の小さな町に帰ってきた。
        亡命先の「豊かで自由な国」では死にたくないとの一心で。

        リュカの不運で哀しい生い立ち、父母の本当の姿。おばあちゃんの正体。
        親友のペテールもクララもK市ではなく亡命先での実在人物。
        国境越えで爆死したのは父ではなかったしリュカがクラウスと変名したのだとわかるし、悪童日記はリュカひとりの創作と判明
        そうかこれが真相だったのか…。
        「耐えがたい孤独に耐えるために自分が生み出した想像」?!
        なんと寂しい『真相』なんだ!

        第二部は双子の片割れの本物のクラウス(KLAUS)によって書かれた手記。
        リュカの孤独に負けない「心の孤独」が語られる。
        リュカのことしか頭にない狂った母との生活の悲惨。真実を知ることの残酷さ。
        リュカに対する愛は積年の恨みで恐怖と憎しみに変っていたのだろう。それは「母」を奪われたくないという一念によるものだ。
        なんと救いの無い人生なんだろう。

        ……と感じてしまった人はまたしてもアゴタの罠にはまっている。
        ちょっと待ってほしい、この小説のタイトルは「第3の嘘」なのだ。
        ここに書かれることも「嘘」なのだよという著者の宣言がこの題名なのではないかしら?

        「私は確信しているんだよ、リュカ。全ての人間は一冊の本を書くために生まれたのであって、ほかにはどんな目的もないんだ」

        アゴタはまさにこの通りのことを実際に成し遂げた。
        双子の物語は祖国を失ったアゴタの心の物語だった。
        主人公は<K市>すなわちクーセグの町であったかもしれない。

        二人が子どもの頃<K市>で、それと知らずにニアミスした機会がたった一度だけあった。
        貧しさから、夜中居酒屋をハーモニカを吹きながらはしごして日銭を得ているリュカは窓の中に4人の「家族」の姿を見たかもしれないし、
        「あの子は町じゅうの庇護のもとに、そして神の庇護のもとにあるんだ」と語られたリュカを、クラウスは「あの子、きっと幸せなんだ」「きっとそうだ」と暖かい家の中から眺めて羨む
        視点が変わっただけで幸せの姿が変わる。
        真実なんて所詮こんな程度の移ろいやすい物なのだ。

        作者が描きたかったのは不在の証明であり、不在は決して証明できないという点こそが真理なのだ

        人間は移ろって行ってしまう。存在するのは町だけだ。
        多くの人生がそこを通り過ぎ、命が生まれ散っていくのを見守っている町だけが…。

        そして「嘘」とはすなわち「小説」を指す。
        なんてことはない。第3の嘘とはストレートに3作目の「小説」であるという意味に過ぎない。
        小説=フィクションとはすべて「嘘」なのだから。

        「自分が書こうとしているのはほんとうにあった話だ。しかしそんな話はあるところまで進むと、事実であるだけに耐えがたくなってしまう。そこで自分は話に変更を加えざるを得ないのだ」

        作者の実体験や心情が語られていようとも、文字にしたものは全て書かれた途端に嘘になる。
        一度でも小説を書こうとしたことのある人ならこの感覚はリアルにわかるに違いない。
        事実を描こうとすればするほど、表面に描かれるのは嘘の物語にならざるを得ないということを。
        なれば嘘の物語に本当を込めるのだ。
        優れた小説とはそういうものであり、それができるのが真の作家なのだ。

        「一冊の本は、どんなに悲しい本でも、一つの人生ほど悲しくはありません」
        こう書いたアゴタの悲しみとはいったいどんなものだったのか。
        それは本書を読み終えた後、反芻して想像するしかない。
        >> 続きを読む

        2017/03/08 by 月うさぎ

      • コメント 4件
    • 他8人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      悪童日記
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • 久しぶりの小説は読書ログの課題図書(1月)。映画化もされたらしいですね。

        これは、、、おそろしい、、、。
        たしかに、衝撃でしょうね。

        でも、やっぱり、人間には本来慈悲の心というのは備わってない(育てるしかない)、ということかな、と思いました。生存欲だけで生きれば、こうなるということでしょうね。

        したたかに生き抜く、とはそういうことなのでしょう。

        戦時下、無慈悲な?祖母、偏見、などの環境で双子だけで生きる術を見つけていけば、こうなることはありうるでしょう。いくら”知能”が優れていようが、聖書を暗記していようが、双子の目に映る現実と生存欲の前ではどうしようもない。慈悲の心は育てられず、・・・それが自分に悪果となって返ってくるなどとは知らない。自分たちだけの世界に心を閉ざす二人には信じられるものはなにもない。

        現実の世界を見れば神様など信じられないし(何もしてくれない)、大人たちは汚いし。生き抜くには、自分たちの目と頭だけが頼りなんだから、この世の真理はいつまでも見えないし、慈悲の心も生まれない。

        幼い子どもがテロリストに洗脳されて、テロ要員として使われているらしいけど、この双子の場合は自分たちだけで学んだ結果、、、慈悲の心が学べなかったということかな。

        これは二人が書いた日記(作文)という形になっています。彼らは、

        >作文の内容は真実でなければならない。感情を定義する言葉は非常に漠然としている。その種の言葉の使用は避け、物象や人間や自分自身の描写、つまり事実の忠実な描写だけにとどめたほうがよい。

        と、感情(主観)はあてにならないのだから、事実だけしか書いてはいけない、というきまりで書いているのです(知能の高さが伺えるね)。それはそのとおりかも知れないけど、ありのままの人間の世界には慈悲の心はないとも言える(彼らの場合は慈悲の心の存在価値がわからない?)。だからこそ、どうにかして慈悲の心は育てなければいけないのだけど・・・。

        まだ二人の人生は終わっていないんだから、これからどうなるかはわかりません。「ふたりの証拠」「第三の嘘」と三部作になってるみたいなので、続きも読んでみたいと思います。

        ドキドキしながら、1日で読めます。

        >> 続きを読む

        2017/02/21 by バカボン

      • コメント 4件
    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      ふたりの証拠
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 前作「悪童日記」を読み終えてから、1週間ほど。
        手元に作品はあるのに、読む事のできない状況で、鼻先ににんじんをぶら下げられている気分でしたが、先日やっと読めました。読み始めれば、一瞬。すぐに読み終えてしまいましたが、レビューを書くまでに、すこし時間がかかってしまいました。

        今作も、重い内容を淡々と綴っている印象は変わらないが、登場人物の名前が出てきたり、章の作りから、前作の日記を盗み見ているという感覚より、小説を読んでいる感覚に変わっている。

        健全な者であっても状況等により、証言に変化があり、病気で記憶が曖昧になることがあり、人為的に記録の削除・改ざんが行われ、作中の時代でいえば、戦時中という特殊な環境の中において、正確性を求められる記録・文書であっても、そうでないことがある。と読み取れる。
        そのため、常に疑心を抱えてすすみ、最後読み終わるころには、D大使館宛の調書に関してもその作成の際に使用した記録の正確性を疑い、今まで出てきた登場人物の存在を疑い、〝作品の内容は真実でなければならない″というルールの上で書かれていた「悪童日記」さえも事実が書かれているのかという疑心を抱いて本編終了。

        3作目を読み終われば、事実にたどり着けるのだろうか。
        取り合えず、早々に読める時間を作りたい。

        一言メモ
        「事実とは、真実とは、どこにあるのか」

        (※同レビュー他サイトでも投稿してます)
        >> 続きを読む

        2017/02/12 by -凌-

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      どちらでもいい
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 「悪童日記」アゴタ・クリストフによる、26の掌篇集。
        180頁に短編、ショート・ショート、エッセイ(というより独白のよう)が収録されています。
        そぎ落とされた文章は、とても素っ気ないけれど嫌いじゃない。
        むしろ、親しみを感じ始めています。
        夢や期待、希望はほとんど描かれていません。
        誰かに読んでもらうという意志も感じられません。
        まるでモノクロ写真のよう。
        普通の短編集を期待したら、彼女の意図を探しながらの少ししんどい読書となりそうです。
        あとがきにも書いていますが、このうちのいくつかは修正を加えた上、長編作品に組み込まれています。
        「悪童日記」はもちろん、「昨日」など他の作品を読んでからの方が無難です。

        *家
        <小さな町>から<大きな町>へ、十五歳の時、少年は転居します。
        「悪童日記」を思い出します。

        *作家
        「ふたりの証拠」で作家の場面がやたらと長い理由がわかりました。

        *マティアス、きみは何処にいるのか?
        このタイトルに反応しない「悪童」ファンはいないでしょう。
        シリーズをぎゅっと凝縮したような印象を抱きました。

        *わが妹リーヌ、わが兄ラノエ
        こちらを読み、「昨日」の購入を決意しました。
        とても楽しみ。
        >> 続きを読む

        2017/01/18 by あすか

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      昨日
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 昨日、心当たりのある風が吹いていた。
        以前にも出会ったことのある風だった。

        心に残る書き出しから物語は始まる本書は、「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の噓」に続くアゴタ・クリストフ4番目の作品となります。
        訳者の堀さんが仰る通り、先行する三作の雰囲気を受け継いでいます。
        一番近いのは、「第三の噓」かな。
        空虚な日々を描き、空白の多い文章を書いているのに、底の方から哀しみが伝わってくるようです。
        時にそれが重く、生々しく感じます。
        本書でも彼女のスタイルは変わりません。

        主人公のトビアス・オルヴァ(後にサンドール・レステル)は工場労働者。
        父と母を殺し、戦争孤児を装って国境を越えた過去を持つ彼には、ほとんど希望が残っていない。人生に期待もしていない。
        そんなとき、かつて小学校で一緒だった異母兄妹のリーヌと再会をします。
        読んでいて、何度か虚構と現実を行き来していると感じます。
        「第三の噓」よりは境界線がわかりやすい。
        トビアスとリーヌの関係は、リュカとクラウスに似ています。
        日々を耐えるには、誰かの存在が必要なのかもしれません。
        それが夢想の中の人だとしても。
        トビアスの愛するリーヌのいる世界は、モノクロの現実から離れた時、ぱっと色鮮やかな世界へと変化します。
        現実のリーヌに重ねて愛そうとしたけれども、夢想の世界に比べれば輝きは弱かったように感じました。
        彼女は醜くて意地悪でした。でも、昔からそうでした。
        彼が世界を手放してしまったことがわかるラストは、重い余韻を残しました。
        >> 続きを読む

        2017/02/16 by あすか

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      昨日
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • どう表現すればいいのか・・・贅肉を削ぎ落とした文章、そして、予想しない展開。
        行間が深すぎて、ついていけなくなりそうなところも多い。
        この著者の本は何冊か読んだが、この独特の世界は、なんとも痛いと思うことがある。
        祖国とは何か、母語とは何か、拠り所となるものは???
        >> 続きを読む

        2014/08/16 by けんとまん

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      嫉妬
      カテゴリー:小説、物語
      いいね!
      • 「嫉妬」も「事件」も、同じ事をずっと考えている女性が浮かぶ。人間なんて、こんなもんでしょ。同じ事、独りで考え続けている事って、あるあるネタ。 >> 続きを読む

        2014/01/25 by 紫指導官

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      文盲 アゴタ・クリストフ自伝
      5.0
      いいね! kentoman
      • 淡々と綴られているようであって、その奥にあるものは濃い。
        自伝。
        自分の経験に根ざしているからこそなのだと思う。
        著者独特の言い回しというのか、ちょっと違うところに視点をおいて見ているというのか、そのあたりが特徴的でもある。
        今の自分の置かれた環境が、ある意味において、とても恵まれているとも思うし、違う点で言うと、果たしてそうなのか?と思うこともある。
        そう思えること自体が、恵まれているのだろう。
        文盲・・・いろいろな意味に捉えられるな。
        >> 続きを読む

        2014/08/17 by けんとまん

      • コメント 1件
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【堀茂樹】(ホリシゲキ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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