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斉藤規

著者情報
著者名:斉藤規
さいとうただし
サイトウタダシ
生年~没年:1950~

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      ぼくが一番望むこと
      カテゴリー:個人伝記
      4.0
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      • のちに、黒人のための大学をつくり、それまで技術がなくて低賃金労働ばかりに甘んじていた黒人に、はじめて技術を身につけ中間層になるための道を大きく開いた、アメリカの黒人の歴史では有名なブッカー・ワシントンという教育者がいる。

        この絵本は、そのブッカー・ワシントンの幼い頃を描いている。

        ちょうど南北戦争が終わった頃。

        岩塩の精製所で朝から晩まで働く黒人たち。
        その中のある家族に、ブッカー・ワシントンは生まれ育った。

        ちょうど九歳の頃。

        どうしても文字が読めるようになりたいと思い始める。

        親にそのことを言うと、両親ともに字は読めないが、一冊の青い背表紙の綴り方の教科書を持っていて、「文字は歌のように音になるものだ」と言ってブッカー・ワシントンに渡してくれる。

        黒人の中に、一人だけ文字を読める大人がいて、以前新聞を皆に読んでくれているところを見たことがあった。
        その人を探して、文字を教えてくれるように頼むと、快く応じてくれて、ブッカーという苗字の書き方をはじめて教えてくれる。

        朝から晩まで岩塩を精製し、樽につめる仕事をし、足には塩がつきささる毎日だけれど、ブッカー・ワシントンはせっせと文字を学び、やがて多くの本を読み、立派な教育者になっていく。

        という物語。

        ブッカー・ワシントンの演説は、岩波文庫の『アメリカの黒人演説集』に収録されていて、とても感銘を受ける素晴らしいものだった。
        そのような名演説を将来行うことができるための萌芽は、小さい頃のこのような願いや地道な努力だったのだと感銘深く読んだ。

        今の日本ではごく当たり前の、文字を読めるということが、かつてはめったにない稀な人々もおり、心から願ってやっとかなうということもあった。
        今の日本では忘れがちな、そのことの輝きや光みたいなものを、あらためて感じさせられる一冊だった。
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        2013/03/17 by atsushi

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      ぼくの図書館カード
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • 作家のリチャード・ライトの若い日々を、自伝を元に描いた絵本。

        リチャード・ライトは貧しい黒人の家に生まれ育った。
        おじいさんは、南北戦争で北軍に加わった思い出話を話してくれ、お母さんは忙しい仕事の合間に新聞の漫画欄を声に出して読んでくれた。
        やがて文字を覚えたリチャード・ライトは、本を読みたいと思うが、家にはほとんど本がなかった。
        図書館で本を借りることもできなかった。
        当時、1920年代のアメリカの南部では、図書館も運動場も公園も、黒人の利用が禁止されていた。

        若者になり、いつかシカゴに行こうと思い、そのためのお金を稼ぐため、リチャード・ライトはメンフィスのメガネ屋さんで下働きの仕事を見つけた。
        大人しく、まじめに働き、コツコツお金を貯めた。

        しかし、本がどうしても読みたいと思った。

        たまたま、職場に本好きな白人のジム・フォークさんという人がいた。

        ある日、勇気を出して、図書館カードを貸して欲しいと頼むと、ジム・フォークさんは多少とまどいながらも、貸してくれた。

        それから、ジム・フォークさんから頼まれたといい、図書館でトルストイやディケンズやスティーヴン・クレインの本を借りて読んだ。
        世界が一変した。

        図書館の人から、本当にあなたが読む本ではないのでしょうね?と尋ねられ、僕は字が読めません、と答えると、白人たちは笑って本を貸し出してくれた。
        そうした屈辱に耐えながらも、すばらしい文学をせっせと読んだリチャード・ライト。

        やがて、メガネ屋の下働きをやめて、貯めたお金で北へと旅立つ時が来た。
        ジム・フォークさんは黙って手をさしだし、皆が見ている中でかたい握手をリチャード・ライトと交わした。
        当時は、白人と黒人がそのように握手することは極めてめずらしいことだった。

        リチャード・ライトは、黒人の作家として、名前だけは猿谷要の『歴史物語 アフリカ系アメリカ人』で知っていたけれど、まだその作品は読んだことがない。
        ぜひいつか読んでみたいと、この絵本を読んで思った。

        自由に図書館を使うことができ、いろんな文学の名作を読める。
        この、現代日本ではごく当たり前に感じていることが、当たり前ではなかった過去の歴史を思うと、あだおろそかにはできないとあらためて思った。
        >> 続きを読む

        2013/03/16 by atsushi

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【斉藤規】(サイトウタダシ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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