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自分は今似たような状況だとも思います。家族もいて仕事もし、中年になり子供も思春期。若いころに思い描いた理想の家族像とは大きく違います。主人公は現在の多くの父親、夫が思っている不満の最上級の渦中にいる人物です。ここまでではなくても、自分のように主人公に共感する父親は多いはずです。そして、そこに現れる不思議なワゴンにも期待してしまいます。最後にハッピーという感じではないけど、未来に希望が少し期待できるような最後でした。 >> 続きを読む
2020/01/23 by ryoji
なんて人間臭い物語なんだろう。主人公のヤスさんは、「不器用」と表現されるが、とにかく熱くて、素直になれない照れ屋なくせに大事なところでは、情に厚く優しい性格が素直にポロっと出てしまう。アキラの大学受験のあたりから、そんなヤスさんにやきもきしたり、正直めんどくさい性格だなぁと思ってしまうところもあるが、それも全てひっくるめて、人間臭くて、良い。そして、人間関係のあたたかさ。昭和の時代には、こんなあたたかな人間関係があったのか、それとも今でもどこかには残っているのか。アキラを育ててくれた「手」は、「ぎょうさん」あったと言うヤスさん。こんな時代だからこそ、身にしみた。それってすごく幸せで素敵なことだなぁと。ほとんど涙が滲むか、泣くかしながら読了した。素敵な物語でした。読んで良かった。 >> 続きを読む
2019/07/15 by URIKO
久々に気持ちよく泣けた。 読後にこんなに清々しい気持ちになれるとは…。 テーマはタイトル通り『友だち』 『友だちとはなにか』…これがこの小説の宿題である。 小学校から中学校にかけて、 誰しも、学校だけが自分の世界だった。 友だちの放つ何気ない言葉一つで 性格を変えなければならない場面がたくさんあった。 それほどまでに思春期というのは不安定な時期なのだ。 この物語の主人公である恵美が言った本音。 「わたしは『みんな』って嫌いだから。 『みんな』が『みんな』でいるうちは、 友だちじゃない、絶対に。」 『みんな』に好かれようとして 『みんな』に嫌われてしまった子に向けた言葉だ。 どう在るのが正しいのかが大人になっても分からなくなる。 1人になりたくないが故にモラルに反する事もしてしまう。 でも、それも人格形成の一部なのだ。 『後悔』と『思い出』が今の自分を作っている。 子供達の目を通して、思い出させてもらった気がする。 >> 続きを読む
2019/01/28 by NOSE
重松清の第124回直木賞受賞作「ビタミンF」を読み終えました。読み終わって本を閉じたら、ぽっと暖かい湯気が立ったような気がしました。人生は理不尽で残酷だけど、そう悪いものではないかもしれない。家族って、時にはお互いを息苦しくさせるものだけど、やっぱりいいものだなと素直に思いました。現代の家族を描いて定評のある著者・重松清による七編からなる物語。思春期の息子、娘と父、妻と夫、老父と息子。さまざまな家族の日常に潜む疵や悲しみや怒り、そして救いを丁寧なディテールで読ませていく。「三十八年も生きて、じゅうぶんにおとなになって、幽霊が怖かったこどもの頃よりもずっと心細い思いで夜道を歩かなければ」ならないサラリーマン。「おやじ狩り」の少年たちに立ち向かう姿は、決してカッコよくはない。彼を支えるのは、幼い時にくちずさんだ「仮面ライダー」のテーマソングだ。四十歳近くなった父親から、遠く離れてゆく娘や息子たち。本当にもう分かり合えないところに、子供たちはいるのだろうか。大人になった親は思い出す。自分にだって不安におびえた思春期があったことを。親がうっとうしく情けなく思ったことを。十代の若者たちが変わってしまったと、したり顔で嘆くのは簡単だ。ある本で読んだのですが、子供の家庭内暴力やひきこもりに悩む親に共通したのは、言葉の貧困さでした。精神医学用語をふんだんに使うけれど、子供に対する生身の感覚を感じることがないんですね。どうしてだろうと思っていたら、両親の間に会話らしい会話がないままに、年月を重ねたケースがあるみたいなんですね。家族の中に言葉がない、そして、それを自覚していないことこそが問題なのだと思う。この小説は、不器用な家族が、次第に言葉を得てゆく物語なのかもしれない。「きっかけがつかめない。歌でいうなら、歌い出しの音の高さを決められない」家族たち。この物語は、家族というハーモニーを奏でている。そこが、素晴らしいと思う。 >> 続きを読む
2018/12/09 by dreamer
中学の非常勤講師である村内先生は、生徒の抱える様々な問題を解決していく。さぞかしご立派な先生なのだろうと想像するかもしれないが実はこの村内先生、吃音症で国語の先生なのに上手に言葉を発することができない。そんな彼から発せられる、不器用ながらも「生徒を救いたい」という信念が伝わる言葉たちは、読み終わった後も読者の心をぽかぽかと温かくしてくれる。 >> 続きを読む
2020/03/03 by shinkai
その日というのはこの世からサヨナラする日のことを自分や奥さんやクラスメートに対して思った気持ちを丁寧に綴ってた。死は必ず誰の身にも起きるが私にとって母の死は自分自身を切られたようなすごい喪失感があった。今まで生きてきてこんな感覚を味わったことがないから自分の子供を失った人の心痛はどれほど過酷だろう。お葬式とか49日とか初盆とか亡くなった人より残された人のためにある行事なんじゃないかな。 >> 続きを読む
2019/01/28 by miko
広島ノスタルジー単に「あのころ」を懐かしむだけでなく原爆が投下された町という哀しい歴史がそこにある。このところ、ちゃっかりとした311のストーリーも多かった重松先生が満をじして書いた青春ノスタルジーという感じですな。まぁコレもちゃっかりな感じがしないでもないのですが(;´Д`)映画化でも狙えそうな500ページ以上の大作です。僕自身が野球を見始めたころに馴染みのある名前が本編にはよく出てくるので広島ファンでなくともわかりやすい(^_^;)広島弁は迫力ありますなw(amazon解説)1975年――昭和50年。広島カープの帽子が紺から赤に変わり、原爆投下から30年が経った年、一人の少年が東京から引っ越してきた。やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオ、そして頼りない父親に連れられてきた東京の少年・マナブ。カープは開幕十試合を終えて4勝6敗。まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、子供たちの物語は幕を開ける。 >> 続きを読む
2018/08/25 by motti
中学生の危うい心の状態がリアルに描かれてあると感じました。分かっているようで、分かっていなかった14歳の姿。関わる難しさを感じつつ、自身にとって学びのある作品でした。 >> 続きを読む
2017/05/21 by porin
「とんび」「流星ワゴン」などで知られる 重松清氏の作品で、テーマは死別。 友人や愛する人との病による別れに直面した いろいろなパターンの人たちを描いています。 7本のお話が収まった短編集なのですが、 最後の3本は主人公が同じでストーリーもしっかりつながっています。 でも、それ以外の4本も 微妙にラップしてくる部分があったりして、 読者をニヤリとさせるあたり やはり重松さんは上手いですね。 本の帯に「涙!涙!!涙!!!」と書かれていますが、 自他共にみとめる涙腺の弱い私が不思議と泣きませんでした。 最後のお父さんが清々しかったからかな。 お盆のお休みなどに読んでみると いい一冊かもしれません。 >> 続きを読む
2017/07/29 by kengo
「とんび」で大いに泣かせてくれた重松清。 舞台が地元 北海道と知り、 ちょっと期待感を大きくして購読。 まだ上巻ですが、涙はありません。 何人もの登場人物の人生が 偶然の要素などで奇跡的に交錯していく様子は 作者さすがの構成力と言うべきかもしれません。 いずれにしても上巻は まだまだ種まきの状況。 下巻の刈入れがどのようになるか楽しみです。 >> 続きを読む
2017/10/29 by kengo
親族間の、幼なじみの親友との、夫婦間の、など、 何通りもの どう心を整理したらよいのか 本人たちにすら分からなかった 怒りや後悔、悔しさや後ろめたさといった複雑な糸の絡みが 見事に解きほぐされていきます。 しかし、もちろん簡単に解消されるわけなどなく、 そのためには葛藤はもちろん、 ものすごい努力や勇気などが必要で、 時の流れが欠かせない要素だったりするケースもあります。 あったことを無かったことには出来ない。 すべてはそれを受け入れて、受け止めて、 前を向くことによってしか始まらないし終われない。 「ゆるし」を最大のテーマに 重松清が訴えたかったことは、 そういうことなのかなぁと思います。 ストーリーとしては予想の範疇。 期待を超える感動や、想像を超える隠し種はありませんでしたが、 安定して面白かったです。 >> 続きを読む
あまり時間をかけずに読み切ることができました。いじめの末に自殺してしまった中学生の男の子のクラスメイトで、いじめを傍観することしかできなかった少年の視点で作品は進んでいきます。感想はあくまで主観です。 いじめの被害者側視点の作品は多くありますが、傍観者側のものは珍しいような気がします。しかし、いじめに関わっている人の中の大多数は傍観者のはずですから、多くの人の共感を得られるのではないかと思いました。 私としては、この作品の中で一番印象に残っているのは自殺してしまった中学生の弟です。彼も両親にもちろん愛されていた。けれども、やはり死んでしまった兄の存在は家族の中でとても大きい。兄を見つめる両親を支え続けた弟の心情を考えると、なんともいえない心苦しい気分になりました。 >> 続きを読む
2018/02/24 by Schein
フリーライターであった重松清氏の初めての文学賞受賞作。イジメについての短編集だ。けっこう近年の作品よりもドギツイ語句も出てきますねw >> 続きを読む
2018/07/06 by motti
小学生が生きるということについて考えるお話「毎日毎、昨日とは違う一日が待っているなんて、本当にすごい。」この一文が心に残った‼当たり前の事だけどこれができるのは生きているからこそだと思う‼ 日々いろんな経験をしながら生きていく、当たり前だけど気付きにくいことを思い出させてくれた。 >> 続きを読む
2015/07/21 by future
ファミレス=家族なし?男性読者としてちょうど世代的に共感する部分が多く、いつもその手中にハマって読んでしまう自分がいます(;´Д`)本作もそういう中年の男性目線での「まだまだ青春」みたいな感じwとってつけたような感じではありますが震災について...重松さんのライフワークに「震災」キーワードは今後も入ってくるんでしょうかね。まぁまぁ楽しい本でした(amazon解説)料理は、優しさなんだ。誰かのためにつくる時が、一番うまくなるんだ。何気ない日常を軽快なコメディータッチで描きながら、現代人ひとりひとりの真の意味での自立と共生のあり方を見通す力強い作品です。街なみも日常のくらしも、家族のかたちも変わる。だからこそ、変わらないものが生きる支えになる。手間ひまをかけるから美味しい。料理も、人生も。「これから」を生きるすべての人たちへ―おかしくて切なくて滋味に富む、震災以降の物語。一年ぶりの長編小説妻と別居中の雑誌編集長・一博と、息子がいる妻と再婚した惣菜屋の康文は幼なじみ。料理を通して友人となった中学教師の陽平は子ども2人が家を巣立ち“新婚”に。3・11から1年後のGWを控え、ともに50歳前後で、まさに人生の折り返し地点を迎えたオヤジ3人組を待っていた運命とは? >> 続きを読む
2018/08/15 by motti
悲しい話でした。
2014/01/21 by amo
「とんび」を読んで一気に好きになった 重松清 氏の本です。 今年の初めにドラマ化されて作品の存在を知り、 いつか読んでみようと思っていたのですが 古本が安くなっていたので購入してみました。 (ちなみにドラマは見ていません) 結論から言うと期待が大きすぎたのか、 イマイチ感がぬぐえません。 もっとハッピーエンドになってほしかったのですが、 作品の狙いから外れてしまうからそれはないと理解しつつも ん~・・・微妙な読後感です。 ただ、主人公に対して「これから頑張れよ!」って 気持ちにはなります。 自分に対しても何がしかの励ましめいたものは 伝わってきているかもしれません。 励ましめいたものが伝わってきている時点で 作者の思惑の半分は達成されているのではないでしょうか。 あとは帯に書かれている重松氏の言葉通りに 「父親と家族の物語」を書きたかったのでしょうね。 「もう死んだっていいや」と思っていた主人公が 自分の後悔をめぐる過去への旅に出るというところまでは よくある話かもしれませんが、 その道中に時間軸がまったくずれてしまって なぜか今の自分と同じ年齢の父親が登場し交流することになる というアイデアはなかなか奇抜で秀逸だと思います。 主人公の壊れてしまった家庭は回復するのか? 主人公と父親との亀裂は修復されるのか? など先が気になってどんどんページをめくってしまいます。 読者を乗せる手腕はさすがだなぁと感じました。 主人公の家庭が壊れてしまった理由には納得します。 運が悪かったところもありますが、 自分にも理由があることに気付けたことは大きいです。 「人生は甘くない」という作者からのメッセージも折り込みつつ、 だからラストもあれでいいのです。 ただ、読了後もなんだかよく分からないのは、奥さんの行動。 普通に浮気という設定では駄目だったんでしょうかね? ん~・・・あれは本当によく分かりません。 なんだかその辺がもやもやしているのと、 なぜだか泣けなかったということで★3つです。 >> 続きを読む
2015/07/19 by kengo
どこにでもあるような日常を、昨日よりちょっと前向きに見られるようになる、そんなお話しでした。12の短編集です。ひとつひとつの話は完全に独立しています。家族を中心にしたものが多く、父の視点・母の視点・息子の視点・娘の視点…と、日常を見る角度によって描かれる思いも様々。また、喧嘩してしまった恋人との関係や、大学で知り合った女の子との少し変わったやりとりなど、ありふれたものの中に個性が光っています。どの話のどの登場人物も、誰もがどこかで触れたことのある悩みや葛藤をもっています。平凡で、なにかが劇的に変わるわけではないけれど、そこにあるささやかな幸せを感じます。 >> 続きを読む
2015/03/21 by 林檎餡蜜
プロローグで、「マコトをさがすのを一緒に手伝ってくれないか」と読者に語りかけていて、そこから一気に引きこまれた。小学四年生の女の子、マコトは年齢よりずっと大人な考え方を持っている。しかも、大人でさえ出来ないような事もやってのける。例えば、クラスから仲間はずれにされているのに、一人一人に挨拶したりと、そんな勇気を出せる人なんてなかなかいない。マコトはぶっきらぼうだが一人でも困っている子がいると、率先して助ける優しさもあり、集団(みんな)の意見よりも一人を見て行動する。いじめっこ3人組みにも一人で立ち向かう強さも持っていて、カッコいい。難しい文章ではなく、すらすらと読めた。 >> 続きを読む
2016/03/24 by May
子供の頃、勇気はみんなから称えられ、努力は必ず報われた。だけど、おとなになったいまは?初恋の少女、ちょっとさえないヒーロー、親戚中の鼻つまみ者だった酔っぱらいのおじさん…なつかしい人との再会が教えてくれた、気づかなかった幸せの数々。「勝ち負け」だけじゃ量れない、生きることの豊かさを伝える全6編。また短編が連作になって繋がってるのかと思ったら今回はそういうのは1話目と6話目のみ。しかし、重松先生の新作、今回もホント、良かった!ユウちゃん、マナミちゃん、ムウ、みたいな登場人物は得意とするところだろうし、チャーリーブラウンのネタ振りでここまでセンチになれるとは思わなかった。「青い鳥」や「きみの友だち」の良いところを凝縮してサラっと短編になってるような感じ。良作です! >> 続きを読む
2018/07/07 by motti
【重松清】(シゲマツキヨシ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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