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真保裕一

著者情報
著者名:真保裕一
しんぽゆういち
シンポユウイチ
生年~没年:1961~

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このランキングは1日1回更新されます。
      デパートへ行こう!
      カテゴリー:小説、物語
      3.1
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      • 老舗のデパート"鈴膳"は、景気に翻弄され、どこのデパート業界も苦しい中、贈収賄事件に巻き込まれ、合併の危機に追いやられていた。

        そんなある日の終業後、何故かデパートには様々な人々が集まって来ていた。

        リストラにあい、家族にも見放された中年男。
        不倫相手に見放され、デパートに復讐を図ろうとする女性店員。
        家出をし、生き場のない若いカップル。

        追い詰められた元刑事である犯罪者。さらには、先行きに悩む鈴膳の社長。
        そして、警備員たちが翻弄される、真夜中のドタバタ劇が開催されることとなり--------。

        真保裕一の「デパートへ行こう!」は、真夜中のデパートで起こる群像劇をコミカルに描いた作品だ。

        様々な思惑をもった人々が、示し合わせた訳でもないのに、同じ日に終業後のデパートに潜むこととなり、彼らがそれぞれに騒動を起こすという物語。

        だいたい、序盤の流れからして、予想通りの展開となるのだが、思いもよらないところから人間関係が派生していき、驚きを誘うこととなる。

        登場人物同士の関連が、特になさそうなところから相関関係が派生していくこととなり、"贈収賄事件"というのが、意外と物語全体に利いていたのだなと感嘆させられた。

        また、こういう話では、だいたい良い話に落ち着くのだろうと想像がつくのだが、その"良い話"についても、思わぬ方向から攻め寄られることとなり、ラスト近くで、さらなる驚きをもたらされる。

        なんとなく、ご都合主義的な部分が多すぎるようにも思えるのだが、この物語に関しては、このような終わり方が相応しいと言えるだろう。

        懐かしく、楽しく、本当に、昔のデパートの雰囲気を味わえるような物語だ。

        >> 続きを読む

        2021/04/20 by dreamer

    • 他6人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      アマルフィ
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • アテネで仕事についていた外交官の黒田康作であったが、急遽、ローマ入りする外務大臣の警護を担当することになった。

        ローマへと向かった黒田を待っていたのは、母親と観光に来た、9歳の少女が誘拐されたという事件だった。

        外務省の仕事そっちのけで、一人ローマにて誘拐犯との交渉に挑まなければならなくなり、母親の手助けをすることにした黒田。

        しかし、犯人からの奇妙な要求に、ローマ中を引きずりまわされる羽目となり-------。

        いったい犯人の目的は何なのか? 事件の背後に潜む、本当の目的とは何なのか?

        真保裕一といえば、デビュー当時に、小役人を主人公にした作品が続いたため、厳密なシリーズものではないものの、出版された作品が小役人シリーズと言われていた。

        その一連の流れを組むと言ってもよさそうな、原点回帰の作品がこの「アマルフィ」だ。

        外交官といったら、決して小役人というわけではないのだろうが、どうしてもデビュー当時の作風を思い出してしまう。

        外交官が、海外で活躍するという内容も見ものであるし、また外交官や大使館の裏事情なども垣間見えることができ、なかなか愉しめる作品になっている。

        また、なんといってもこの作品の見ものは、外交官・黒田が挑むことになる、日本人少女誘拐事件。
        犯人は何故、日本人を誘拐したのか? 犯人の真の目的は? といった謎を追いながら、スピーディに物語が展開していく。

        徐々に、犯人の背景や行動が明らかになるにつれ、その度に驚きがもたらされる。
        そうして、真相が明らかになった時、最後の大団へと一気になだれ込む。

        映画がつまらなかっただけに、原作はどうなのかと半信半疑で読みましたが、サスペンス・ミステリとして、かなり読み応えがありましたね。

        真保裕一の作品には珍しく、同じ人物が登場し続けるシリーズものになっているので、他の作品も愉しませてくれそうな予感がします。

        読むのが愉しみなシリーズがまた増えました。

        >> 続きを読む

        2021/05/26 by dreamer

    • 他6人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      連鎖
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 真保裕一の第37回江戸川乱歩賞受賞作「連鎖」を読了。真保裕一のデビュー作ですね。

        主人公は、厚生省の元食品衛生監視員、羽川。
        チェルノブイリ原発事故の放射能に、汚染されていることが判明し、輸入差し止めになった食品の、国内での横流しという一件を調査することになる。

        この一件は、マスコミに取り上げられ、社会問題になったが、最初にこの記事を書いたのは、羽川の大学時代の友人、竹脇だった。
        竹脇は、まだ事件を調査中であったにも関わらず、車ごと海に飛び込み、意識不明の重態に陥ってしまう。

        警察は、状況から見て自殺と断定するが、羽川には、それは信じられなかった。
        なぜなら、その数日前、羽川は、竹脇の妻・枝里子と関係を持っていたからだ。
        だから、それを苦にしての自殺だとは、考えたくはなかったのだ。

        羽川、竹脇、枝里子の他にも、たくさんの人物が登場する。
        タイトルの「連鎖」の通り、一つの事件が、様々な人々に不幸を連鎖させていくことになる。

        汚染食品を使っていると告発された、外食チェーンの社長が自殺をする。
        その中学生の娘が、父親を殺した犯人に復讐しようとする。

        輸入品にかけられた、保険に関する疑いも浮上し、保険会社も動き出すことに。
        羽川や竹脇に協力している、輸入食品検査センターの篠田、羽川の上司の高木など、主要な登場人物がどんどん増えていく。

        こんなに登場人物を増やし、こんなに風呂敷を広げて、どう終息させるのだろうと、心配しましたが、綺麗にまとめていましたね。

        だが、やはり、終盤は、急ぎ過ぎた感じはしましたが、意外な方向からまとめていたので、ラストに失望感はありませんでした。

        それにしても、エピソードがやたらと多くて、ページ配分にやはり無理を感じること、登場人物が多く、誰にも感情移入できなかったこと。

        それから、ハードボイルドでミステリーで、社会派で人情派という、デビュー作らしく、なんとも気負いの感じられる、色んな意味で詰め込み過ぎの感じがしましたね。

        >> 続きを読む

        2021/03/31 by dreamer

    • 他5人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      奪取
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! ooitee
      • 親友の雅人が背負った借金1260万を返済するため、道郎は偽札づくりに手を染める。
        ところがその過程で、偽札づくりのプロのジジイと出会う。

        もう20年以上前の作品なので、さすがに騙しのテクニックが古いのは否めない。
        自販機にしても、テレカにしても昔だし、札も1万円以外古い紙幣。
        それでも騙し騙されのやり取りは面白い。

        コンゲームとしては偽札づくりの過程に真実味がありで、次第に完成していくのが面白い。

        そして相手は悪徳企業と暴力団。
        そのため名前を変えてまで逆転しようとしていく。

        上巻は偽札が完成していくまでだが、下巻はどうなるのか楽しみ。
        >> 続きを読む

        2019/03/13 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      奪取
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! ooitee
      • 騙された企業とヤクザを嵌めるため、本物に近い偽札を完成させた道郎一行。
        だが受け渡しの際のやり取りである人物に悲劇が。

        逆転のコンゲームを完成させる下巻。
        偽札づくりは更に精巧な物へと近づいていき、機械と銀行員双方を騙すほどの完成度に。

        そして出所してきた雅人と幸恵を加え、大掛かりな逆転劇のためヤクザと交渉へ入っていく。

        事件の顛末といい、道郎たちの今後。
        そして文庫化に沿って変えたラストの結末。
        まあさすがに凝り過ぎの気もするが、この作品の面白さが失われるとは思えない。
        >> 続きを読む

        2019/03/14 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      灰色の北壁
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 面白かった。
        面白かったけど、私は女だから雪山に挑戦する男の気持ちがわからんっ!!(笑)
        分からないんだけど、雪山に魅入られた男の気持ちは分かるかも。
        命かけてるし、いいな。カッコイイ。
        >> 続きを読む

        2013/03/27 by igaiga

      • コメント 6件
    • 他2人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      ホワイトアウト
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!

      • 死と隣り合わせの極限状況の中、脆弱な自己や大自然の脅威を含めた多くの敵に敢然と立ち向かい、次から次へと襲いかかってくる危機に対して闘っていく主人公。

        時に運や偶然さえも味方にしながら、生還へ賭けるとともに、"失った自己"を取り戻そうと、知力と体力の限りを尽くす主人公。

        まさに、手に汗握り、血沸き肉躍る、冒険小説の醍醐味を存分に展開してみせた傑作。それが、真保裕一の「ホワイトアウト」なのです。

        周囲を高い山々に囲まれたダムが、テロリストたちに占拠された。厳冬期のために、そこへたどり着くトンネルは一本だけ。だが、そのトンネルはテロリストたちによって爆破されてしまった。

        周囲は雪ばかりの奥山に加え、天候不良のため、警察はこの非常事態になすすべもなかった------。

        ところが、このダムに勤務するひとりの男が、テロリストたちの襲撃に際してどうにか逃げおせ、警察に連絡した後、テロリストたちの犯罪を阻止すべく、再びダムへと舞い戻るのです------。

        そこから、主人公の"自己の復権"を賭けた男の闘いが始まるのです。ハードボイルド小説の、自己のアイデンティティーの喪失と、その復権に向けて己の内面と向き合い、そして外敵と闘っていくという、核になる要素を持ったこの小説に魅了されてしまうのです。

        この作品の痛快さは、雪山に囲まれたダムという舞台や、極限状況に置かれた主人公という設定だけに終わらず、そこから始まる「冒険の過程」が、これでもか、これでもかと書きこまれているところにあると思うのです。

        映画に例えるならば、まさしく雪山版「ダイハード」だと思います。とにかく、様々なアイディアが惜しみなく注ぎこまれ、ディテールの描写が実に見事なのだ。

        原作者の真保裕一は、「連鎖」で江戸川乱歩賞を受賞して以来、「取引」「震源」と、いずれも国家公務員が主人公の作品を立て続けに発表し、一時期は彼の小説を読み漁ったものでした。

        それらの小説は、主人公の設定の目新しさばかりではなく、特殊な分野の情報をうまく物語の中に取り入れ、サスペンスの面白さを活かしつつ、ひねりの効いた展開を重ねていった粒ぞろいの傑作ばかりでした。

        その中でも、偽札作りをテーマにユーモラスな味わいを加えた、山本周五郎賞受賞作の「奪取」が最も読み応えのある、痛快な作品だったと思います。



        >> 続きを読む

        2017/05/10 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      天使の報酬
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 真保裕一の「天使の報酬」は、「アマルフィ」に続く外交官・黒田康作シリーズの2作目の作品。

        現在サンフランシスコで勤務している外交官・黒田康作は、8日後に迫る環太平洋農水省会議の警備の準備に奔走していた。
        そんな時、サンフランシスコで日本人の女子大生が失踪したとの報が入った。

        しかも、その女子大生の父親が元官僚で、上司らはプレッシャーをかけられ、黒田はその失踪事件に駆り出されることになる。

        事件を調べていくと、彼女の兄がかつて外国で轢き逃げ事件に会って死亡していたり、彼女と現在付き合っている男が、テロリストとして追われていたりと様々な情報が錯綜していくことに。

        さらには、彼女と接点があったフリーの記者が、日本で他殺体として発見されたという情報までもたらされる。

        失踪した女子大生は、偽造パスポートにより日本へ帰国したことがわかり、黒田も彼女を追って日本に帰国する。
        黒田は捜査の過程で、警察機構や外務省らとの板挟みに合いながらも、事件の背後に潜む真相を見出そうとし-------。

        話としては面白いものの、「アマルフィ」と比べると、主人公の立ち位置が微妙に感じられた。
        というのは、この主人公、外国で邦人がトラブルにあった時に活躍してこその立ち位置だと思われるのだが、それが日本に戻ってきて、警察などと対立しての捜査というとちょっとおかしいのではないかと思えてしまう。

        そこはもはや、国内の人たちに任せるべきところという気がしましたね。
        それでも、外国で起きた事件をきちんと扱ってもらえず、泣き寝入りすることになった人が、黒田の捜査により、過去の事件にスポットを当ててもらえたことに感謝する場面があったことにより、それなりに役目を果たしているのだなと感じられた部分もあったのですが。

        それにしても、この作品は少々ややこしすぎるかなと思いましたね。
        話を追っているうちに、肝心の焦点がどこにあるのかが、段々とわからなくなってしまう。

        女子大生の捜査から、テロ実行犯の確保。
        しかし、そのテロ実行犯と目された者が、別の目的を持ち、それは過去に起きた事件の真相を探ろうとしていることが明らかになる。

        その過去に起きた、轢き逃げ事件の裏の真相は何か?
        製薬会社の研究所から盗まれたものと、それを盗んだ犯人の真意とは?

        そして、話はそれだけにとどまらず、実は過去に起きていた事件が、二つの別々のルートをたどるものとなっているとか、とにかく非常にややこしい。

        そして、最後の最後で、さらに今までの流れとは、ちょっと異なる方向へと向かうことに。
        そういう訳で、やや取っつきにくいような内容であったかなと思います。

        ちょっと話が長すぎて、話をややこしくし過ぎたように思われてなりませんでした。
        良い意味では、骨太の作品とも言えるかもしれませんが、元々、主人公の黒田の立ち位置が気になっていたところだったので、もう少し明快な話でもよかったのではないかなと思います。

        それでも、単純なサスペンス・ミステリに飽きたという人で、読み応えのある作品を読みたいという人にはもってこいの作品であるかもしれません。

        あと、11年前に書かれた作品であるにも関わらず、"コロナウィルス"の存在に着目されているところには驚かされましたね。

        >> 続きを読む

        2021/11/20 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      アンダルシア
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • アンドラ、スペインが舞台で、自分もその土地にいるかのようなキラメキ感。ドラマチックミステリー、やっぱり黒田が格好いい!!
        本の装丁もステキ。

        シリーズ3作目。黒田シリーズ、もっと書いてほしい。
        >> 続きを読む

        2013/11/08 by ヒカル

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      取引
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 少しずつ真実に迫っていく過程、その中のアクションシーン、
        主人公のヒロイズム、重厚な文章と人物造形、社会現象の切り取り、
        緻密な取材などは、いつもの真保さんだなあと感じました。
        小役人シリーズの1つに数えられるものでもありますから、
        特に震源や連鎖に似ているでしょう。

        最初はとっつきにくい文章から始まりますが、
        中盤は手にあせ握るアクションシーンが割と多かったり、
        後半は事の解決へと滑走路に乗ったりと、意外とサクサク読めます。

        事の解決まで様々な出来事や登場人物の心の動き・主人公からの見え方の変化がありますが、
        どれもが瑞々しく、この小説の良いスパイスとなっています。
        主人公の伊田は、僕としては非常に好感の持てる男です。
        ちょっと上手くいかない相手とでも、
        持ち前の軽口と心の奥底の真摯さで気付いたら打ち解けているかんじが特に素敵でした。
        伊田の視点から広がり語られる友情や家族への愛情といったもの、
        真剣に正直に物事に立ち向かっていく姿も、
        心にくるものがありました。

        社会問題を的確に突いている類いのものではありませんので、
        それを期待して読むと期待はずれとなってしまいますが、
        勉強になることが多々ありました。
        読み終わると、登場人物一人一人が頭に浮かび、
        みながこの先幸せに過ごせただろうかとふと考えました。
        大抵の小説でやることですが、、
        こういった、ストーリー以外のところで何かを残すあたりは、
        重厚な筆、緻密な取材が流石といったところでしょうか。

        一人一人みんな、自分なりの正義を持って生きているのだと思います。
        >> 続きを読む

        2018/11/24 by read1212

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      震源
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! ooitee
      • 火山研究官の江坂は、地震による津波の対応で失敗をした同僚の森本を心配していた。
        遷された鹿児島で仕事を辞め、更に知人でもある佐伯も同じように姿を消していた。

        始まりは些細なことだが、次第にそれは国家の謀略が関わっていく。

        この作品の一番すごい点は未来を予測しているとこ。
        1994年出版なのに、中国との領土権争いや、尖閣諸島の名が堂々と出てくる。

        さらには南海トラフならぬ、沖縄トラフの予測と対策。

        東野さんの「天空の蜂」も311を予測していたが、この真保さんの作品も未来という点で実にリアルな仕上がりとなっている。
        >> 続きを読む

        2018/11/06 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ボ-ダ-ライン
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! ooitee
      • 日本でハードボイルドは限られるぐらいしかないが、この作品はロスが舞台となっており、無理なく世界観を展開している。

        日系のサム永岡は探偵業として依頼を待つ日々。
        人を探してほしい依頼から始まるがそれは邦人。
        安田信吾なる人物だが、この依頼には裏が。

        大概こういう依頼は上手くいかないのが定説。
        ハードボイルドなので、当然探偵は命からがらの業務になる。

        正直最初の方は世界観をつかむのに時間が掛かるが、依頼任務が始まるとすんなり入り込める。
        都合2シーンしか出ないが、安田信吾の存在感はサム以上のものだ。
        >> 続きを読む

        2018/09/02 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      猫背の虎動乱始末 動乱始末
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 江戸時代の大地震後に起こった、または発覚した5つの事件。
        余震が続き、木造住宅は倒壊し、次々に起こる火事により焼失する。
        そこで見習い同心の大田虎之助が駆り出されることになるのだが、亡き父は仏の大龍と呼ばれた町方からも慕われている人物であるも、その息子虎之助は6尺もある大男ではあるけれど、口うるさい母親と出戻りの二人の姉に囲まれていつも猫背。
        それでタイトルにある「猫背の虎」。
        地震後の人手不足のため、臨時の市中見回り役として駆け回る。

        江戸っ子の義理・人情がちりばめられていた。5話に分かれていたがそれぞれつながりを持っていて、徐々に一つへまとまっていく様は読んでいて面白かった。



        >> 続きを読む

        2019/04/10 by taiaka45

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      真夜中の神話
      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!
      • 薬学の研究者である栂原晃子は、研究のためインドネシアへと向かう最中、飛行機事故に遭遇する。

        奇跡的に助かった晃子が目を覚ますと、そこは現地の小さな村の中であった。
        事故によって、大きな傷を負っていた晃子であったが、村の少女の歌声によって、みるみるうちに傷が治っていくのであった。

        そして、傷が治り、起き上がれるようになった晃子は、村から出て行く事になるのだが、村人からこの村の事を決して話してはならないと念を押される。
        しかし、奇跡を呼ぶ少女を何者かが付け狙うこととなり-------。

        最初は、奇跡の歌声を持つ少女を、研究者達が付け狙うだけの話かと思ったのだが、それだけでは収まらず、飛行機を爆破したテロリストグループや、奇跡の村に関わったもの達を、殺害し続ける殺人鬼など、様々な要素が備わった作品となっている。

        確かに、色々な要素が加わった事によって、物語は退屈することなく、よいテンポで進められてはいく。
        ただ、多くの要素が加わったせいで、肝心のテーマがぼやけてしまったように思える。

        この作品で肝心なところは、奇跡の少女の存在を、どのように隠し通すことができるのかという事であったと思われるのだが、そこがきちんと結論付けられずに、話が終わってしまったような気がする。

        というか、主人公の命を助けられた女性が、余計に関わろうとすればするほど、村の存在が明らかになってしまっていったようにさえ思えるのだ。

        ということで、物語としては面白いのだが、扱ったテーマが難しかったせいか、やや疑問に思えるところが残ってしまったのが残念なところだ。

        ただし、小難しいことを考えなければ、エンターテインメント小説としては、よくできている作品だと思う。

        >> 続きを読む

        2021/06/02 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      追伸
      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!
      • 突然離婚をつきつけられ、理由を尋ねる手紙を出し続ける男。
        はっきりとしない理由を返信する女。

        何か秘密があることを匂わせつつも、祖母のもつ秘密が物語の鍵となる。
        全てが、手紙形式の物語のため、情景描写というのはなく、ほぼ一対一の言葉の応酬という感じだ。

        嘘偽りのない誠実な男が信じた女とは、どのような人物だったのか。
        女が、心の奥底に隠し持っていた秘密というのは何なのか。

        事件が起こり、解決する類のミステリではない。
        あるのは、女の秘密を暴くという、ただそれだけだ。

        現代と過去を含めた、男と女の問題。
        書簡形式で物語が語られ、女が心の奥底に隠し持つ何かを探りだすというのが、大きな流れだ。

        最初は、単純な男と女の痴話喧嘩の類かと思ったが、それが祖父の代にまで遡り、祖母の秘密が鍵となる。

        この真保裕一の「追伸」は、恐らく、男と女で大きく印象が変わるだろう。
        男の誠実な手紙に対して、女の最後の最後まで、必死に隠そうとする何か。

        秘密を守るため、平然と嘘偽りを手紙に書くあたりで、多少のイラ立ちを感じてしまう。
        最後には、全てを覆いつくすような、やむをえない理由があるのだろうと考えていたが、そうはならなかった。

        男の立場からすると、やりきれない気分になる。
        この作品を純愛として読むには、多少無理があるが、秘密が明かされるくだりは心が熱くなる。

        >> 続きを読む

        2021/08/05 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      奇跡の人
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 事故で記憶を失った主人公が、自分の過去を探し求めていく物語。

        失った過去が、謎ときになっていて、ぐいぐい読み進めました。途中までは。

        しかし!!

        過去が明らかになるにつれて、「え…,そうなの?」なんだかな、という感じ。

        最後は読後感があんまりよくなく、真保作品の中では、「あーあ...」です。

        やっぱり、真保作品は、ミステリーがいいみたい!!
        >> 続きを読む

        2013/11/11 by ヒカル

      • コメント 3件
    • 3人が本棚登録しています
      奪取
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 初めて読んだ真保裕一の作品がこの「奪取」。

        2011/04/24 by parker83

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      発火点
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 敦也は12歳の夏に父を殺された。
        それ以来敦也は境遇を機にされてか孤独のまま21歳を迎える。
        その年父を殺した犯人が仮釈放されたと聞く。

        怒りなのか復讐なのかという展開になりそうだが、描かれるのはあくまでも敦也中心。
        現在と12歳を交互に描いていき、家族と知り合いになった容疑者がなぜ父殺しに走ったのか。

        この犯人の動機と共に、敦也の人間としての成長も描かれる。
        定職にもつかない中で、周囲の人間を落胆させていく。
        その中で過去との訣別を付けるため、容疑者と向き合うことに。

        犯人の言い分に疑問はあるが、概ね満足な出来。
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        2018/10/29 by オーウェン

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      デパートへ行(い)こう!
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • あるデパートの閉店後から翌朝までの時間がお話の舞台。登場人物たちは様々な目的を持って、閉店後のデパートに侵入したが、互いに接触して誰も目的を達成できず。登場人物は色々と過去を抱えているが、人間関係が無理やりすぎる感がある。
        しかし、最後はホロリとする良いお話。
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        2012/04/26 by 6kawa

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      天魔ゆく空
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 妖術を操り、空を飛び、女人を寄せつけず独身を通した“希代の変人”細川政元。
        応仁の乱後の混迷した時代に、知略を尽くして「半将軍」の座をつかみ取る。
        信長に先立つこと70年、よく似た人生を送り、戦国時代の幕を開けた武将の、真の姿とは。
        政元の姉・洞勝院と、室町幕府を守ろうとする日野富子。
        女たちの戦国時代も華々しく幕を開ける。

        「小説現代」誌に2010年2月から2011年1月に亘って連載されていたものを纏めたものです。

        真保裕一さん=歴史小説とは、なかなかイメージが繋がりませんが、本作を皮切りに歴史小説のジャンルにも進出しておられます。
        同じように中路啓太さんや、伊東潤さんなど、戦国時代のマイナー武将を主人公にした作品を書かれている方も多く、司馬遼太郎さん亡きあとの、戦国ものの質が高まっているのを感じます。

        本作の主人公は“半将軍”とまで言われ、応仁の乱後の幕政に専横を極めた管領・細川政元です。
        応仁の乱で主たる役割を演じた父・勝元ほど世に知られず、その後の戦国時代を舞台にした小説や映像が多いことから、ちょうどエアポケットのように巷間に知られなかった時代、人物です。
        本作は、その細川政元の波乱に富んだ生涯を、たくさんの文献にあたり、丁寧に掘り下げて描かれた、読み応えのある一冊です。

        室町幕府の足利将軍は、もはや担がれた神輿に過ぎず。
        応仁の乱後も戦乱の続く畿内を治めるには、真の実力をもつ武家、つまりは三管領家を筆頭にした豪族たちの勢力に頼らざるを得ない状況です。
        三管領家のうち斯波氏は身内の跡目争いから没落、畠山氏に至っては今まさに家中を二分する騒動の最中にあり、二家ともにとても幕政に携われる状況ではありませんでした。
        しかし叛乱の火種は、近江に六角、丹後の武田と一色の対立、将軍家そのものの跡目争い、と尽きることを知りません。
        唯一、管領家の中で一族がひとつにまとまり勢力を維持していたのが京兆家を中心とする細川氏でした。
        戦略家・勝元亡きあと、後を襲ったのは「聡明すぎる」若殿・政元。
        知略の限りを尽くし政敵を追い詰め、家内を纏め上げ、ついには仕えるはずの将軍家まで意のままにしてしまう宰相の姿は、まさに後世の信長をみるよう。
        彼の前に立ちはだかるのは将軍家の威光を守り抜かんとする日野富子、自らの力を誇示したい足利将軍たち、そして細川家内での発言力を増したい阿波細川家…。
        苦難の先に、政元が追い求めた国のかたちとは。

        少し読みにくかったというのが欠点です。
        政元という主人公の視点からではなく、終始、周囲の人物たちの視点で物語はすすみ、政元という男を間接的に浮彫りにさせている手法が、あまりうまくないな、と感じたところです。
        また、丹念な取材の賜物なのでしょうが、登場人物がたくさん居すぎるところ。
        そこは歴史小説のジレンマで、少なすぎると現実感が乏しく、多すぎると同じような名前が多いので誰が誰やら混乱してしまう。
        政元から「元」の諱を受けた家臣が多かったり(元家、元重、元秀、元長…)、山名氏・一色氏・赤松氏・六角氏・畠山氏・武田氏など登場する豪族も多すぎます。
        巧みな歴史小説家は、そのあたりの混乱を巧くまとめる技量を持っています。
        できるだけ史実に忠実でありたい、という著者の意気込みは理解できるのですが、もう少し読者に親切にしていただきたかった、というのが感想です。
        ただ、やはり初めて読む時代の物語なので、興味津々に面白く読むことができました。
        日本史が嫌いという方には、ちょっとオススメできません。
        >> 続きを読む

        2016/02/06 by 課長代理

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【真保裕一】(シンポユウイチ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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